廃炉に向けて工事が続く東京電力福島第1原発4号機=福島県大熊町で2016年6月、小出洋平撮影

 経済産業省は31日、東京電力福島第1原発の廃炉費用について、国の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に東京電力ホールディングス(HD)が資金を積み立てる制度を創設する方針を固めた。東電がコスト削減などによって捻出した資金を機構に積み立て、機構が必要に応じて支出するしくみ。国の関与を強め、廃炉費用をできるだけ確保する狙いがある。

 福島第1原発の廃炉費用は東電が計2兆円を工面しているが、数兆円単位で不足する可能性が高い。国民負担をできるだけ回避し、安定的に費用を確保・支出するため、機構が廃炉計画や資金を管理する。廃炉の資金は東電本体のほか、グループ会社が経営合理化で最大限捻出する。

 経産省は、福島第1原発の廃炉費用について、新電力が大手電力の送電線を利用する時の使用料「託送料金」に上乗せする案なども検討している。しかし、国民負担には反発が強く、東電の経営改革と国の強力な関与によって、廃炉費用をできるだけ確保する方針だ。