追悼の辞を述べた遺族代表の煙山佳成さん=11日午後、岩手県大槌町(大西史朗撮影)(写真:産経新聞)  岩手県大槌町で行われた県と町の合同追悼式に出席し、その瞬間は静かに目を閉じた。遺族代表として追悼の辞をよんだ同町消防団長、煙山(けむやま)佳成(かなり)さん(74)。失った3人の家族や16人の部下は、いまだに心の中にいる。  「あの日から2年が経ちました。亡くなった家族への思いだけはいつまでも変わることなく、あの日から時間が止まったままです」  煙山さんは地震直後、消防団としての活動を優先して家を出た。送り出してくれたのが妻の昌子さん=当時(73)=だった。まだ、津波の到達前で、後の被害の大きさを知るよしもなかった昌子さんは「早く帰ってきてね」と声をかけてくれたという。  足が不自由で寝たきりだった義母、タマさん=当時(92)、その介護を引き受けてくれた長男の隆之さん=当時(40)=も家に残った。3人は津波にのまれ、その後、遺体で見つかった。  「なぜ、『津波が来る、早く逃げろ』と強く言って来なかったのか。戻るべきだったのか。いまでも悔いが残ります」