つぶれた自宅の前で、亡くなった妻の写真を胸に、店の再開を誓うブペンドラ・バシさん=ネパール・サンクーで2015年5月7日午後3時35分、望月亮一撮影

 【カトマンズ平野光芳】ネパールを襲ったマグニチュード(M)7.8の大地震から9日で2週間を迎える。がれきの間を通り抜ける人や車が増え、街はゆっくりにぎわいを取り戻しつつある。「悲しむばかりではだめだ。二つの命の分まで生き抜く」。首都カトマンズ近郊サンクーで雑貨店を経営するブペンドラ・バシさん(42)も、2人目の子を宿したまま亡くなった妻ヤソダさん(38)にそう誓い、自宅と店の再建に動き出した。

 「食事の用意ができたから戻って来て」。4月25日正午前、ヤソダさんからの連絡で自宅に入ろうとした瞬間、強い揺れに襲われた。れんが造りの3階部分が、目の前で崩れ落ちた。急いでがれきをどけると、かすかに息をする妻がいた。近くの病院に運んだが、だめだった。

 ヤソダさんと結婚して5年。「親戚を含め8人の大家族だったが、皆に優しく、すぐに溶け込んでくれた」。長女ナムラタちゃん(4)を授かり、2人目が4カ月に入っていた。「男の子か女の子か、どちらだろう」「子供にいい暮らしをさせるため、もっと仕事を頑張ろう」。毎日の会話が楽しかった。