米国へ向けて一旦離陸後、県営名古屋空港に引き返した小型ジェット旅客機「MRJ」=愛知県豊山町で2016年8月27日午後0時54分、兵藤公治撮影

 国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が27日午前11時46分ごろ、米国に向けて愛知県豊山町の県営名古屋空港を離陸した。しかし、太平洋上を飛行中、空調システムのトラブルが判明し、引き返して約1時間後の午後0時50分過ぎに同空港に着陸した。

 MRJの開発を担う三菱航空機は米国を拠点に試験飛行を本格化させ、安全・環境性能の実証作業などを急ぐ予定だった。空調に不具合があると、機内の温度が異常に低くなる恐れがある。同社はトラブルの原因などを調べ、機体の整備を進める。米国への飛行は28日以降に持ち越しになる見通し。

 名古屋空港では27日午前から空港の展望デッキに航空ファンらが集まり、離陸を撮影したりしていた。MRJは北海道や米アラスカ州などを経由して、数日中に試験飛行の拠点となる米西部モーゼスレークの「グラント郡国際空港」に到着する計画。それが一転引き返すことになり、航空ファンからはため息が漏れた。

 三菱航空機は昨年11月、MRJの初飛行に成功。国産旅客機では、プロペラ機「YS11」(官民出資の日本航空機製造が開発)以来53年ぶりの初飛行となった。MRJは日米の航空会社などから計447機を受注している。【竹地広憲、林奈緒美】