最近の日朝交渉(写真:産経新聞)

 拉致被害者の再調査をしている北朝鮮の特別調査委員会が10月下旬の日朝協議で、拉致被害者と行方不明者を関連付ける日本のマスコミ報道を批判していたことが27日、分かった。日朝関係者が明らかにした。北朝鮮が1回目の調査報告を先延ばしにするため、口実としてマスコミ報道を利用したとみられる。北朝鮮は今後も、日本の報道を理由に報告を引き延ばす戦術をとってくる恐れがある。

 関係者によると、10月28、29日に平壌で行った日本政府代表団と調査委の協議で、徐大河(ソ・デハ)調査委員長は「しっかり調査する」と繰り返し強調した。

 しかし、その一方で、拉致問題に関する日本のマスコミ各社の報道が「良好な朝日関係構築の妨げ」になっていると批判し、調査遅滞の要因だとほのめかした。日本の民間団体や警察庁が拉致の可能性を排除できないとした行方不明者に関する報道が念頭にある。

 北朝鮮は「数百人にも及ぶ行方不明者を、そのまま拉致被害者とみなす世論が日本で形成されることに反発している」(政府関係者)とみられ、日本側は協議の場で、報道の適否には触れずにマスコミ各社の「表現の自由」に配慮するよう北朝鮮に説いた。