秋田国体視察のため秋田市立体育館に到着された桂宮さま。左は佐竹敬久市長(現秋田県知事)=平成19年10月4日(同県提供)(写真:産経新聞)
三笠宮崇仁(たかひと)親王殿下の第2男子で、8日に66歳で薨去(こうきょ)された桂宮宜仁(かつらのみやよしひと)親王殿下。明るくざっくばらんなご性格は誰からも愛された。右半身が不自由となってからもリハビリを経て公務にご復帰。スポーツや伝統工芸の振興に尽くされた「車いすの宮さま」を、多くの人々が悼んだ。ご両親の三笠宮ご夫妻はご子息を3方とも亡くされたことになり、天皇、皇后両陛下もご夫妻を気遣われている。
平成14年11月に三男の高円宮憲仁(のりひと)親王殿下、24年6月に長男の寛仁(ともひと)親王殿下が薨去されたのに続き、ご子息を3方とも亡くされた三笠宮さま。百合子さまとともに深い悲しみを抱えつつも、終始、気丈な姿を見せられた。
ご夫妻は9日午後4時半すぎ、一般の納棺に当たる儀式「御舟入(おふないり)」に立ち会うため、赤坂御用地(東京都港区)内の「赤坂東邸(ひがしてい)」を訪問された。ご夫妻とも車いすを使っていたが、表情は乱れず、気丈に振る舞われていた。
皇室最高齢の98歳の三笠宮さまは、24年7月に心臓手術を受け、昨年11月には一時的に意識が薄らいでご入院。91歳の百合子さまも左大腿(だいたい)骨骨折で昨年8月に手術を受けられた。寄り添ってお元気を取り戻してこられた中での桂宮さまのご訃報に、天皇、皇后両陛下からは深く心配するお気持ちが寄せられた。