「西太平洋戦没者の碑」で拝礼後、遺族関係者らに声をかけられる天皇、皇后両陛下 =9日午前、パラオ・ペリリュー島(松本健吾撮影)(写真:産経新聞)

 パラオ共和国ペリリュー島で天皇、皇后両陛下からお声をかけられた戦没者遺族は追悼のお気持ちに深く感謝し、日本統治時代を知る島民は初の面会を日本語で喜んだ。

 同島の戦車隊副隊長で中尉だった父、田中将一さんを亡くした田中恭子さん(74)=青森県=は戦車に乗った父の写真を首から下げていたところ、皇后さまが「父上のお写真?」と手に取られた。幼いころに出征した父の記憶はなく、母も結婚生活はわずかだったが、深い追慕の念から2度目の訪島を果たした田中さんは「よかったねと父と喜び合いたい」と話した。

 陸軍軍曹の兄、関根実(みのる)さんを亡くした丁子(ようろご)八重子さん(78)=千葉県=は両陛下とお話しする機会はなかったが、パラオを長年思われてきたお気持ちに感謝し、「兄も遺族も報われた。英霊は手を振っていたと思う」。

 サイパンなど別の南洋地域での戦没者遺族も両陛下は深くねぎらわれた。かつて日本の委任統治領だったパラオには日本語を理解する人が今も多く、ローズ・テロイ・シーレスさんは日本語で「(両陛下に)会えて本当によかった」と笑顔を見せた。(ペリリュー島 今村義丈)