散策される天皇、皇后両陛下=5日、皇居・宮殿「南庭」(宮内庁提供)  皇后さまは20日、82歳の誕生日を迎え、宮内記者会の質問に文書で回答された。  天皇陛下が「生前退位」の意向を示したとの報道について、「新聞の一面に『生前退位』という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした」と述べ、「歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません」と振り返った。  8月の「お気持ち」表明については、陛下が皇位継承に連なる皇太子さまや秋篠宮さまと相談の上でなされたものであり、「謹んでこれを承りました」と了承していることを明らかにした。  この一年の出来事では、熊本地震、東北と北海道を襲った台風10号、文書を記している日に起きた阿蘇山噴火など、国内で起きた自然災害による被害を心配。「今私どもは疑いもなくその活性期に生きており、誰もが災害に遭遇する可能性を持って生活していると思われます」とした。最近心に掛かることとして、視覚障害者の駅での転落事故を挙げ、再発防止を訴えた。  うれしかった出来事としては、新元素「ニホニウム」の発見、大隅良典東京工業大栄誉教授のノーベル医学生理学賞受賞決定を挙げた。リオデジャネイロ五輪・パラリンピックでの日本選手の活躍にも触れ、新聞に掲載された写真を幾つも切り抜いて持っていると明かした。  文書を書き終えた13日夜、タイのプミポン国王の訃報に接した。「二十代の若い頃より兄のような優しさで接して下さって」と別れを惜しみ、「王室の皆様方、タイ国民の悲しみに思いを致しております」と記した。  皇后さまは昨年8月、心臓の精密検査で冠動脈に軽度の狭窄(きょうさく)が見つかり、現在も医師による経過観察が続いている。