国立沖縄戦没者墓苑で献花後、遺族らに声をかけられる天皇、皇后両陛下=沖縄県糸満市で2012年11月17日、三村政司撮影

 天皇陛下が8日、お気持ちを表明された。沖縄県を2012年11月に訪問した天皇、皇后両陛下と対面した「白梅学徒隊」元隊員で那覇市の中山きくさん(87)は「象徴としての役割への強い思いを感じた。年齢を考えれば、これからはご自分のために過ごしてもらえたら」と願った。傷病兵の看護にあたって多くが犠牲となった女子学徒隊の状況を説明すると、天皇陛下は「何度もうん、うんとうなずきながら聞いてくださった」。皇后さまに尋ねられて学徒隊の慰霊碑が建つ方角を伝えると、両陛下はその方角へ静かにおじぎされ、「胸がいっぱいになった」と振り返る。

 「戦争や災害の犠牲者の慰霊などに尽力されてきたが、体力の限界を感じられたのだろう。亡くなるまで天皇という今の在り方は、国民全体で考え直すべき問題だ」。14年10月に長崎市内の爆心地公園などを訪れた天皇陛下と面会した長崎県被爆者手帳友愛会の中島正徳会長(86)はそう語った。市内で入院中の長崎原爆遺族会の正林克記会長(77)は同公園で「お元気で」と言葉をかけられたといい、「(今回のメッセージには)当時と同じように、お言葉の中に日本と国民への思いやりがにじみ出ていた」と話した。

 天皇、皇后両陛下が14年12月に訪問された広島市安芸区の広島原爆養護ホーム「矢野おりづる園」には被爆者100人がおり、一部の入所者が時折涙を拭いながらビデオメッセージに耳を傾けた。山中美知恵さん(96)は天皇陛下から「ご苦労の多い日々を過ごされましたね」とねぎらいの言葉を受けた。うなずきながら「お気持ち」を聞き「大変な時代を生きてこられた。退かれるとしたらさみしい思いはあるが、もう少し安らかな時を過ごしていただきたい」と思いやった。