フィリピンへ出発される天皇、皇后両陛下=羽田空港で2016年1月26日、徳野仁子撮影
天皇、皇后両陛下は26日午前、羽田空港から政府専用機でフィリピンへ出発された。日本とフィリピンは今年、国交正常化60周年を迎え、友好親善を目的に国賓として招かれた。天皇陛下はアキノ大統領主催の晩さん会であいさつする。また、フィリピンには太平洋戦争の激戦地があり、陛下の希望で、日本とフィリピンの戦没者の慰霊碑をそれぞれ訪問する。30日に帰国する。
両陛下は1962年の皇太子ご夫妻時代にフィリピンを訪れており、54年ぶりで2回目の訪問となる。天皇としてフィリピンを訪れるのは歴代初めて。
午前10時40分ごろから、空港の貴賓室であった出発行事は、皇太子さまや秋篠宮さま、安倍晋三首相らが参加し、天皇陛下は「フィリピンでは、先の戦争において、フィリピン人、米国人、日本人の多くの命が失われました。中でもマニラの市街戦においては、膨大な数に及ぶ無辜(むこ)のフィリピン市民が犠牲になりました。私どもはこのことを常に心に置き、この度の訪問を果たしていきたいと思っています」と訪問への思いを述べられた。