ホテル・ニッコー・サイパン前の海岸で、元日本兵の佐野尚夫さん(左端)と大池清一さん(中央奥)から当時の様子をお聞きになる天皇、皇后両陛下(北マリアナ諸島サイパン島) / 時事通信

アジアの戦跡を巡礼
天皇陛下は、東南アジア諸国も積極的に訪問された。国内の戦没者だけでなく、国外の戦線で犠牲になった人々にも祈りをささげた。

終戦60年となった2005年、大戦で災禍を受けたサイパンを訪れ、すべての犠牲者を偲び、平和を希求する言葉を述べられた。

「亡くなった日本人は5万5千人に及び、その中には子供を含む1万2千人の一般の人々がありました。同時に、この戦いにおいて、米軍も3千5百人近くの戦死者を出したこと、また、いたいけな幼児を含む9百人を超える島民が戦闘の犠牲となったことも決して忘れてはならないと思います。

私どもは10年前、終戦50年に当たり先の大戦で特に大きな災禍を受けた東京、広島、長崎、沖縄の慰霊の施設を巡拝し、戦没者をしのび、尽きることのない悲しみと共に過ごしてきた遺族に思いを致しました。また、その前年には小笠原を訪れ、硫黄島において厳しい戦闘の果てに玉砕した人々をしのびました。

この度、海外の地において、改めて、先の大戦によって命を失ったすべての人々を追悼し、遺族の歩んできた苦難の道をしのび、世界の平和を祈りたいと思います」