東日本大震災で被災した宮城県南三陸町を視察される天皇、皇后両陛下=同町歌津で2011年4月27日(代表撮影)

 天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまへ譲る「生前退位」のご意向を示されていることが明らかになり、親交のある人、陛下が被災地を訪問した際にお言葉をかけられた人たちなどからは驚きとともに、82歳の陛下の心情を察する声が聞かれた。

 ◇被災者「何度も足を運んでいただいた」

 天皇陛下は、東日本大震災や熊本地震の被災地を皇后陛下とともに訪問し、住民を励ましてきた。

 「もっと続けてほしい」。両陛下が2012年10月に福島県川内村の除染活動を視察された際、声をかけられた同村の建設業、大和田利則さん(54)は「生前退位」の報道を受けてそう語り、「除染についてもよく勉強されていて驚いた」と振り返った。

 大和田さんの会社は当時、除染を請け負っていた。作業服姿で現れた両陛下は、ダンプの上で作業を指揮していた大和田さんに近づき、「除染の水はどこから持ってきているのですか」と尋ねた。大和田さんが「近くの中学校のプールからです」と答えると、天皇陛下は「ご苦労さまです」と頭を下げたという。大和田さんは「私はヘルメットにマスク姿だったが、両陛下はマスクもせず、真剣に話を聞いてくれた」と語る。