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海上自衛隊の救難飛行艇US-2

海上自衛隊の救難飛行艇US-2

離水する海上自衛隊の救難飛行艇US2=平成25年2月13日、神戸市東灘区沖(甘利慈撮影)(写真:産経新聞)

 「空飛ぶ船」とも呼ばれる海上自衛隊の救難飛行艇US2が突然スポットライトを浴びたのは、平成25年6月21日のことだ。

 太平洋をヨットで横断中に遭難したニュースキャスターの辛坊治郎さんら2人を、宮城県金華山沖約1200キロで救助した。厚木航空基地(神奈川県)で待機していた岩国航空基地(山口県)71飛行隊所属のUS2が飛来したが、現場海域の波の高さは4メートル。救助活動は困難と判断されたが、2機目のUS2が波高3メートルの瞬間を捉えて救助に成功した。

 「この飛行機、なければ私、死んでました」

 辛坊さんは後にラジオ番組でこう語った。世界最高峰と称賛される国産救難飛行艇であればこそなせる業だったというわけだ。

 新明和工業(兵庫県宝塚市)が製造するUS2の性能で特筆すべきは、世界で唯一、波高3メートルでも海面に降り立つことができる能力だ。カナダ・ボンバルディア社のCL415が着水可能な波の高さは1.8メートル、ロシア・ベリエフ社のBe200が1.2メートルであることを考えれば、US2の能力の高さが理解できる。

 最高速度は時速560キロ。荒波の上に着水するためには速度を落とさなければならない。しかし、航空機は速度が遅ければ遅いほど浮き上がる力を失ってしまう。US2は主翼から大量の空気を噴き出すことで時速約90キロでも機体姿勢を維持し、330メートルの距離があれば着水できる。