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韓国アシアナ航空の広島空港事故、規程違反の低高度進入が原因

韓国アシアナ航空の広島空港事故、規程違反の低高度進入が原因

広島空港で撤去の事前作業が進むアシアナ航空の事故機=15年4月25日午後 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 1年半前の2015年4月、韓国のアシアナ航空(AAR/OZ)のソウル発広島行きOZ162便(エアバスA320型機、登録番号HL7762)が、広島空港への着陸時に起こした滑走路を逸脱する事故について、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)は11月24日、機体が所定の進入経路より低く進入(アンダーシュート)したことによるものと結論付けた。JTSBは韓国の国土交通部に対し、アシアナ航空の運航乗務員の訓練を再検討し、規定を遵守するよう勧告した。

 事故は2015年4月14日午後8時5分に発生。同機が広島空港の滑走路(RWY28)に着陸する際、アンダーシュートとなったため、機長がゴーアラウンド(着陸復行)を実施した。

 機長は午後8時5分11秒、「滑走路が見えない。ゴーアラウンドする」と宣言。3秒後に滑走路西側に設置するILS(計器着陸装置)に衝突し、滑走路進入端の手前に接地した。その後、滑走路の南側に逸脱し、着陸帯内に停止した。

 事故機が停止後、乗客73人と乗員8人の計81人は、全員が非常脱出用スライドで機外へ脱出。乗客26人と客室乗務員2人の計28人が軽傷を負った。JTSBの調査によると、機体は主翼と主脚、エンジン、水平尾翼、胴体後部下側などに損傷が生じた。事故機はILSのローカライザー・アンテナに衝突し、右エンジンにはアンテナのものとみられるオレンジ色の塗料が付着していた。

 JTSBの事故報告書は、同機がアンダーシュートとなった原因について、機長が進入限界高度を下回り、目標物による識別で機体の位置確認ができなくなった状態で、ゴーアラウンドすることなく降下して進入を継続したことや、副操縦士が進入限界高度で滑走路が見えない状況になったときに、直ちにゴーアラウンドのコールをしなかったことによる可能性が高い、としている。

 JTSBは報告書で、機長が進入を継続したのは規定や手順の不遵守であり、アシアナ航空社内で規定遵守に関する教育・訓練が、不十分であったことが背景にあった可能性が高いと指摘。副操縦士がゴーアラウンドを主張しなかったことについては、操縦室内で得られるすべてのリソースを活用し、チームの業務遂行能力を向上させる「CRM」(Crew Resource Management)が適切に機能していなかった可能性が高い、と結論付けた。

 JTSBは韓国・国土交通部に対し、アシアナ航空の運航乗務員の訓練を再検討するよう勧告。進入限界高度を下回る場合は、あくまでも目視できる目標物を参照し、計器を使用する場合は補助とすることを教育・訓練で徹底する必要があるとした。