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東京・調布の小型飛行機墜落事故から1年 「謝罪もない!」

東京・調布の小型飛行機墜落事故から1年 「謝罪もない!」

小型機墜落の傷跡がまだ生々しく残されている事故現場=7月15日、東京都調布市(池田証志撮影)(写真:産経新聞)

 東京都の調布飛行場から離陸した自家用小型飛行機が民家に墜落し、機長らと住民の計3人が死亡した事故は、26日で発生から1年が経過した。鍵とみられていたエンジンの解析で異常は見つからず、原因究明にはなお時間がかかる見通しだが、空港を運営する都は6月、一部の自家用機の運航を再開する意向を示した。近隣住民らは家屋の改修費用などの補償もほとんど受けていない状態で、強く反発している。

 ■「修理に数百万円」

 「自宅の修理に数百万円かかったが、補償も謝罪もない」。墜落した小型機の爆発で自宅の2階窓が割れ、雨どいが溶けるなどした山本高さん(89)はこう訴える。事故発生時、自宅1階でくつろいでいたところに突然、「ドーン」という爆音と振動に襲われた。「だめかと思った」。小型機は向かいの一軒家に突っ込み爆発。反対側から屋外に出て難を逃れたが、消火後、玄関前の壁に据えられていた消火器が溶けて固まっていた。すんでのところで命拾いしたと体が震えた。

 改修費用は調布市が返済据え置きの無利子で貸してくれたが、事故機を操縦していた川村泰史機長=当時(36)=は死亡。管理・整備していた「日本エアロテック」(調布市)からは謝罪も受けていない。「せめて原因が分かるまで(自家用機の)運航再開は許せない」という。

 ■エンジン異常なし

 一方、日本エアロテックは、事故機の整備に問題はなかったとしている。同社側は「事故直後、一部の被害者に代理人を通じて見舞金を支払った。被害者への対応は都と協議をしながら進めている」と説明する。航空機保険は事故の責任者が確定しないと申請できないため、原因判明を待って本格対応に当たる方針だ。

 事故原因をめぐっては、小型機の搭乗者5人の体重や燃料を含めた総重量、気温34度という当時の気象条件など、複数の可能性が挙げられていた。だが、運輸安全委員会は離陸の様子が写った映像などから、上昇に必要な速度は十分確保できていたとみている。

 安全委は、事故機のエンジンを米国に運び、メーカーなどに解析を依頼。エンジン内に燃え残った燃料まで調べたが、異常は見つからなかった。現在は当時の映像などから墜落状況をシミュレーションするなどして調査を進めている。