中国軍機が異常接近したとみられる地点

 ■識別圏既成事実化図る

 防衛省は11日、東シナ海の公海上空で同日午前11時ごろと正午ごろ、航空自衛隊のYS11EB電子情報収集機と海上自衛隊のOP3C画像情報収集機が中国軍のSu27戦闘機2機の異常接近を受けたと発表した。

 30~45メートルまで接近した。中国軍機の異常接近は5月24日以来2回目で、外交ルートを通じて中国側に厳重抗議した。

 小野寺五典(いつのり)防衛相は11日夕、オーストラリアのジョンストン国防相との会談の席上で事実関係を公表した。

 その後、記者団に対し「中国軍機の一方的な行動は、偶発的な事故につながりかねない大変危険な行動だ。決してあってはならない」と批判した。

 防衛省によると、異常接近があったのは日本の防空識別圏と中国が昨年11月に設定した防空識別圏が重なる空域。中国軍機は、YS11EB機に11日午前11時ごろ、約30メートルまで接近。約1時間後にはOP3C機に約45メートルまで近づいた。いずれも自衛隊機の背後から近づき抜き去った。異常接近は数秒間だった。中国機はミサイルを搭載していたが、レーダー照射や領空侵犯はなかった。

 度重なる異常接近の背景には、防空識別圏の既成事実化を図るため態度を強硬化させていることがある。「中国包囲網を敷いている日豪の会議に合わせて牽制(けんせい)したのではないか」(政府関係者)ともされる。