小笠原諸島沖で逮捕された中国のサンゴ密漁船の船長は2014年10月以降、これまで6人を数える。

 そんな中、海上保安庁の取り締まりで「特殊警備隊(SST)」が投入されていたと「週刊文春」(11月20日号、同13日発売)が報じた。SSTが投入されたとなると異例の事態だ。しかし海保からの正式発表はなく、全国紙など大手メディアによる確認記事もない。

■海保「具体的な事案については回答を差し控える」

 「戦慄スクープ」と週刊文春が見出しをつけている通り、記事は海保の緊迫した取り締まりの様子を伝えるものだ。10月5日、日本の領海内で赤サンゴを密漁する中国船に海保ヘリが急行。SSTはロープを伝って密漁船の甲板に降りて、船員を確保したという。

 また、SSTは密漁船の船員たちと交戦したと、付近にいた日本船船長の証言が伝えられている。それによると、刃物を振りかざす船員が乗る密漁船に、軽機関銃を構えて突入したというのだ。

 SSTは海上テロなどに対処する部隊で、特殊警備隊という名前から想像できるように、出動自体ほとんど公表されることがない。そのSSTが出動、中国密漁船の船長を緊急逮捕したとあっては全国紙で大きく取り上げられそうだが、実際にはそうなっていない。10月6日以降、各紙で領海内での違法操業で逮捕者が出ていることは報じられているが、SSTに関する記述はない。