ヘーゲル米国防長官(右から2人目)らと握手を交わす安倍首相=2014年5月30日、AP

 【シンガポール青木純】安倍晋三首相は30日午後(日本時間同)、シンガポールを訪問し、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)で基調講演した。首相は「既成事実を積み重ね、現状の変化を固定しようとする動きは強い非難の対象とならざるを得ない」と述べ、南シナ海でフィリピンやベトナムと対立する中国を暗に批判。「東南アジア諸国連合(ASEAN)各国が航行の自由や飛行の自由を保全しようとする努力に支援を惜しまない」と対中連携に意欲を示した。さらに「どの国も一国だけで平和を守れる時代ではない」と述べ、集団的自衛権の行使容認に向けた安倍政権の取り組みに理解を求めた。

 首相は講演で「(アジア地域で)成長の果実の多くが軍備の拡張や武器の取引に充てられているのは残念だ。大量破壊兵器の脅威や力による現状変更の試みもある」と述べ、名指しを避けつつ、中国や北朝鮮が不安定要因との認識を示した。さらに中国の海洋進出を踏まえ、「力や威圧に頼らず、紛争の平和的解決を図るべきだ」と国際法の順守を訴えた。