27日昼、気温30度を超える暑さの中、18キロ・メートル先に、黒っぽい掘削施設が浮かび上がった。双眼鏡で見ると、巨大な要塞のような施設の前に、多くの中国船が浮かんでいた。作業のため施設が動くたびに、要塞を守るかのように位置を変えていた。少し離れた所にベトナム船が見えた。中国船の動きに合わせ、方向を変えていた。

 「中国船は100隻、我々は30隻だ。常に中国船が上回っている」。沿岸警備隊の幹部が説明した。

 沿岸警備隊の幹部、ホアン・クオク・ダト氏によると、中国船は、海軍の艦船、漁船、貨物船、中国海警局(海上保安庁に相当)の公船で、半径10キロ・メートル以内に掘削施設を取り囲むように展開し、5キロ・メートル離れた所にベトナム船が対峙(たいじ)している。ベトナムの漁船が26日に中国の漁船に体当たりされ、沈没した海域に近い。

 中国が5月2日、この海域で掘削作業を始めてから、両国の緊張が続く。ベトナム側は30隻体制で、現場海域を2週間近くパトロールした後、給油のために帰港している。

 別の巡視船のホアン・トゥアン・アイン船長は先週、船を掘削施設に近づけ、スピーカーで「ベトナムの排他的経済水域(EEZ)である」と警告した。だが、中国船が何の前触れもなく、体当たりしてきたという。船長は「中国は目的のためなら手段を問わず暴力的だ」と憤っていた。