デモの起点になったとされる「ベトナム・シンガポール工業団地」の工場。デモ隊に放火されたとみられ、周囲には焼け焦げた臭いが立ちこめていた=16日、ベトナム南部・ビンズオン省(三塚聖平撮影)(写真:夕刊フジ)

 ベトナムで、反中感情が高まっている。領有権を争うパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で、中国が強引に石油掘削を始め、ベトナム船を追い払ったことに、ベトナム国民が激怒しているのだ。暴力・破壊行為は収まったが、インターネット上では、18日に全国で反中デモを実施しようとの呼び掛けが広がっている。

 「中国人に対する敵意をひしひしと感じた」

 ベトナムに接する中国広西チワン族自治区憑祥市の国境。反中暴動から避難するため急きょ帰国した中国人は恐怖をこう語った。

 中国外務省の華春瑩報道官は16日の記者会見で、暴動により中国企業の中国人2人が死亡したと発表した。

 ベトナムのグエン・タン・ズン首相は、デモの暴力行為を取り締まるよう関係当局に指示した。反中暴動に加わったとして、1000人以上が拘束されており、過激なデモは「収束の方向に向かうのではないか」(外交筋)との見方が出ている。