小笠原諸島姉島の南西海上で、サンゴの密漁を行う中国漁船=2014年10月7日撮影、小笠原島漁業協同組合提供

 東京都の小笠原、伊豆両諸島周辺で横行する中国漁船のサンゴ密漁問題で、中国公安当局は近く、帰港した密漁船を対象に大規模な取り締まりに乗り出す。中国側は日中外相会談(8日)などで「必要な措置を取る」と明言しており、成果をアピールする狙いがあるとみられる。ただ、帰港前に洋上で密売業者との取引を済ませてしまえば、証拠に乏しいとして摘発が困難になる可能性があり、実効性は不透明だ。【佐藤賢二郎、上海・隅俊之】

 日本政府関係者によると、中国当局はサンゴ密漁船の拠点の一つとされる浙江省象山で、小笠原近海から帰港するサンゴ漁船を集中的に摘発する。中国当局は監視衛星などを使い、中国本土に戻る船団の動きを正確に把握している。外交ルートを通じて日本側が提供した密漁船の特徴なども参考にするとみられる。中国政府は既に漁船オーナーに密漁船を帰還させるよう指示しており、今週末以降、数十隻がそれぞれの母港に戻ると予想されている。

 一方で、密漁船の多くは船名などを偽装し、宝飾品になる「アカサンゴ」は洋上で密売業者に売りさばかれてしまうケースが多いとされる。このため、密漁の痕跡を残して帰港する漁船は少ない可能性があり、多数の立件は難しいとの見方もある。