武装警察官らにより厳重に警戒された北京の日本大使館前を行進する反日デモ隊。正門付近には、投げ込まれたペットボトルやゴミが散乱していた(16日午後1時23分、北京で)=青山謙太郎撮影

 【広州=吉田健一、北京=大木聖馬】日本政府の尖閣諸島国有化に反対する中国各地の抗議デモは、16日もさらに拡大し、90都市以上で行われた。一部の地域では日本料理店や日本車が破壊されるなど暴徒化したが、大量の警官隊が各地で投入され、中国当局はデモ過激化の抑え込みに全力を挙げている。

 広州では同日午前、数千人のデモ隊が、日本総領事館が入るホテル「花園酒店」周辺に集結。沿道の市民も加わり、1万人以上に膨れあがった。当局は警官隊約3000人を配備して警戒にあたったが、デモ隊の一部が暴徒化して警戒線を突破し、ホテル正面玄関を約1時間半にわたって占拠した。暴徒はホテル内に乱入、日本料理店の窓ガラスをイスで割るなど破壊行為に及び、ホテルは営業不能状態に陥った。

 深センでは同日午前、約3000人のデモ隊が行進の途中、警察の敷いた規制線を乗り越えようとして警官隊ともみ合いになった。警官隊は催涙弾30発以上を発射して鎮圧にかかり、一部の暴徒を拘束した。デモ隊はその後、深セン市共産党委員会の入る建物に押しかけ、午前中に拘束されたデモ参加者の釈放を求めて警官隊と衝突。警官隊は放水器や催涙弾、催涙スプレーを使用して制圧を図り、複数の負傷者が出た。

 在広州日本総領事館によると、15日に続いてデモが起きた広東省東莞では16日、回転ずし店が壊されたとの情報がある。また、江西省南昌でも6000人規模の抗議デモが行われ、一部の暴徒が日本車約10台を破壊し、日本製品を販売する店も襲撃した。