ロープのようなもので2隻をつなぎ航行する、アカサンゴ密漁船とみられる外国漁船=小笠原諸島・父島と母島の周辺海域で2014年11月7日午後3時53分、本社機「希望」から

 小笠原諸島(東京都)の周辺海域での中国漁船によるサンゴ密漁問題で、海上保安庁は27日、上空からの調査で中国漁船が一隻も確認できなかったと発表した。伊豆諸島の南方海域を含め、最大で210隻を超えた中国漁船が姿を消した。

 小笠原の周辺海域では9月から密漁船が増え始め、先月末には計212隻に達した。約2年半ぶりに日中首脳会談が行われた11月10日以降、減少に転じたが、20日時点でも約50隻が残り、密漁方法も巧妙化。監視の緩い夜間にサンゴが豊富な領海内に侵入し、昼間は領海外で待機する行動パターンも明らかになった。

 また、領海内で船長を逮捕した場合、巡視船で漁船を証拠品として本土まで運ぶ必要があり、大幅な戦力ダウンになることから海保は当初、領海外に追い出す戦術だった。しかしこれを察知した漁船側が領海内への侵入を繰り返したため、今月20日以降、態勢強化と戦術転換を決定。密漁船は24日8隻、26日4隻と減少し、ついにゼロになった。

 海保幹部は「外交ルートでの申し入れや罰金などの引き上げに加え、領海内での逮捕が駄目押しになり、今回の成果につながった」と分析した。【佐藤賢二郎】