習近平政権による最近の日本非難の動き(写真:産経新聞)

 戦後補償をめぐる訴訟で中国の上海海事法院が商船三井の船舶を差し押さえたことに対し、日本政府は昭和47(1972)年の日中共同声明ですでに「解決済み」となっていた日中間の損害賠償問題を中国側が蒸し返したとして警戒を強めている。近く中国に外交ルートを通じて抗議。国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に対抗措置を検討している。

 政府高官は20日、差し押さえについて「国内外からの中国への投資はどんどん減る」と牽制(けんせい)した上で、「ダメージは中国の方が大きい。やり過ぎだ」と不快感を示した。

 政府は「日中間の請求権の問題は、日中共同声明後、存在していない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)との立場。しかし、中国司法当局が戦時中の「強制連行」をめぐる対日訴訟で3月に訴状を受理して以降、今回の案件で差し押さえに踏み切る可能性もあるとみて、早くからICJへの提訴を含む対応を検討していた。

 中国では戦時中に日本に「強制連行」されたとする当事者らによる日本企業への提訴が続いており、このまま放置すれば日本企業の資産の差し押さえが相次ぎかねないためだ。