領土領海の保全に向けた主要政党の安全保障政策(写真:産経新聞)

 船尾に掲げられた日の丸が海風を受け、南国の空にはためく。中国当局の船が領海侵犯を繰り返す尖閣諸島(沖縄県石垣市)から約170キロ。石垣島にある石垣海上保安部は尖閣警備の前線基地だ。

 停泊中の高速巡視船内では乗組員たちがせわしなく動き、24時間態勢で「出動」に備える。

 「現場へ急行するには速い方がいいが、船体が軽いからよく揺れる。船酔いする乗組員もいる」

 海保関係者がそう打ち明ける軽合金製の巡視船「よなくに」は27ノット(時速約50キロ)以上の俊足を誇るが、「国境の海」での任務の労苦は並大抵ではない。

 30ミリ機関砲や放水銃を備えた甲板から、2隻の巡視船が見えた。それぞれの船体に、「わかさ」と「えとも」の文字。舞鶴(京都府)と小樽(北海道)の海上保安部から派遣された応援部隊だ。

 だが、運用は綱渡りだ。中国漁船によるサンゴ密漁問題で揺れた小笠原諸島(東京都小笠原村)に加え、北方領土や竹島(島根県隠岐の島町)周辺など重点警備海域はいくつもあり、海保は「多正面作戦」を迫られている。