ベトナム側艦船(右)に放水する中国側の船=南シナ海のパラセル諸島付近で2014年5月7日、AP(ベトナム海洋警察提供)

 【北京・石原聖】南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で7日、掘削の準備をしていた中国の海底油田掘削装置(オイルリグ)を護衛していた中国艦船と、掘削を阻止しようとしたベトナム海洋警察の艦船が衝突した。ロイター通信などが伝えた。中国・ベトナム両政府は互いに相手側を非難、銃撃などはなかったが、ベトナム側の船員6人が負傷、数隻が損傷したとみられる。

 ベトナム政府によると、衝突した海域はベトナム本土から220キロの排他的経済水域内。AFP通信などによると、中国とベトナム側の艦船は今月3日以降、複数回にわたって衝突し、中国側が放水でベトナム艦船の接近を阻止した。AP通信などによると、現場海域にはベトナム海軍と海洋警察の計29隻が展開する一方、中国側の艦船80隻以上が警戒にあたっており、緊張が高まっている。ベトナム政府は「中国の船舶が意図的に衝突してきた。体当たりをやめなければ報復する」と強硬姿勢を示した。

 中国海事局は3日、中国海洋石油総公司(CNOOC)がパラセル諸島の付近で2日から8月15日まで海底資源探索を実施すると発表。5日には掘削装置周辺3カイリ以内への立ち入りを禁止する通告を出していた。ベトナム外務省報道官は声明で「許可のない活動は違法」と非難。米国務省報道官も「挑発的」と中国を非難していた。