鳥島周辺で漁をする多くの中国漁船とみられる外国船。中には中国国旗をたなびかせる船もあった=伊豆諸島の鳥島周辺で2014年10月31日午後2時3分、本社機「希望」から小川昌宏撮影

 ◇小笠原諸島の漁師「島民の生活を守るのは誰か…」

 小笠原諸島(東京都)の漁師が将来への不安を募らせている。一時210隻を超えた中国のサンゴ密漁船は姿を消したが、漁場である海底の被害は明らかになっていない。「島民の生活を本当に守ってくれるのは誰か」。それを見極める大切な選挙になった。【佐藤賢二郎】

 「(島民は)政治家の駒ではない」。先月26日、都内で開かれた緊急集会で、小笠原村父島の漁師、関伴夫さん(48)は怒りを込めて訴え、政府の対応の遅れを批判した。別の漁師は「海底の映像を見ると、まるで砂漠のようで涙が出た」と嘆いた。

 小笠原近海で中国のサンゴ漁船が増え始めたのは9月半ば。10月に入ると堂々と領海内で操業するようになった。しかし、海上保安庁が当初派遣した巡視船はわずか2隻。複数の巡視船を追加派遣し、取り締まり強化に乗り出したのは先月20日だった。島民の生活を最優先した対応とは、どうしても思えない。

 「収束まで2カ月以上。あまりに遅い。この間に生態系が壊滅的なダメージを受けた恐れがある」と関さんは悔やむ。密漁の罰金を増やす改正法は解散直前の国会で成立した。選挙では密漁船対策が「成果」として強調されているように聞こえるが、「選挙に利用されただけではないのか」との思いが消えない。