【北京=矢板明夫】中国のウルムチで22日に発生した爆発事件は、習近平政権が主導する高圧的な少数民族政策が破綻したことを強く印象づける。

 雲南省昆明市の駅前で3月、173人が死傷したウイグル族の犯行とされる殺傷事件の際、習主席は「事件の解決に全力を挙げ、暴徒を厳しく処罰せよ」と公安当局に再発防止を指示、多くのウイグル族が逮捕された。

 しかし、4月に習主席自身の訪問先であるウルムチで爆発事件が起き、メンツは丸つぶれとなった。「テロリストを徹底的に叩け」と習主席が治安当局に出した当時の指示からその焦燥感が読み取れる。

 4月の爆発事件では、容疑者の妻や弟など家族が拘束された。しかし、そのわずか3週間後、同じウルムチで再び爆発事件が発生。高圧的な手段が抑止につながらないと示された形だ。

 毎月のように発生する事件について、中国当局は「国外組織と結託した分裂勢力によるテロ」と説明している。しかし、ウイグル独立の動きは数十年前から存在しており、習政権が発足するまで、これほど頻繁に事件は起きなかった。独立機運よりも、現政権の少数民族と宗教政策が事件を誘発する可能性が大きいとみられる。

 ウイグル族を支援する北京の人権活動家によれば、習政権による取り締まり強化で、漢族と良好な関係を保ってきたウイグル族が多く拘束された。当局の間にパイプ役がいなくなり、ウイグル族の間で当局への不信感と不満が高まったことが背景にあるという。