東京都内の大手書店では韓国・中国本が平積みになっている(写真:産経新聞)

 韓国・中国社会の問題点や国民性を論じた本が続々と刊行され、ベストセラーも誕生している。現地の新聞報道などの事実に即して課題を浮き彫りにする本が多いのが特徴。背景には近年の両国との関係悪化もあるだけに、ブームの行方に注目が集まっている。(溝上健良)

 「国内の有名人ではごくまれに告知前の増刷はあるが、韓国の方でこうした事例は前代未聞」と扶桑社の担当者は驚きを隠さない。同社が5月2日に発売した『韓国人による恥韓論』は初版1万部を用意していたが、発売の告知前に予約が殺到。4月中旬の段階で1万部の増刷が決まり、発売後3週間で発行部数10万部を突破した。

 著者は韓国在住のシンシアリーさん。母から日本語を教えられ、韓国の反日事情を日本語で紹介するブログは連日10万人以上が閲覧する人気だ。同書は韓国人の反日感情の背景として、強烈な序列意識が存在し報われることが少ない社会で、不満のはけ口が日本に向かっている実情を紹介している。

 昨年12月刊行の『呆韓論』(産経新聞出版)は、主に現地での報道を基に日韓の国民性の違いを論じ、現在27万部のベストセラーとなっている。ほかにも『歪みの国・韓国』(祥伝社)、『虚言と虚飾の国・韓国』(ワック)など5万部を超える本が続出している。

 こうしたブームの火付け役となったのが昨年4月に発売された『悪韓論』(新潮社)だ。著者は元時事通信ソウル特派員の室谷克実さん(65)。「韓国で2010年に偽証罪で起訴された人は日本の66倍」といった現地報道を引用し、同国社会の病理を浮き彫りにした内容だ。新潮社の担当編集者、松本冬樹さんは「数年前まではサムスン電子や現代自動車の躍進を背景に『韓国に学べ』といった内容の本が多かったが、それに対するアンチテーゼという面もある」と出版の意図を明かす。