ウクライナ東部では親ロシア派武装勢力が占拠を続け、解決の見込みは依然立たない。今回の事態は、米欧間のスタンスのズレや米国の弱腰な外交姿勢に原因があった。この危機に対し、米国とEU、日本は今後一致してロシアに厳しく対処しなければならない。三者間に亀裂を見出せば、ロシアはさらにつけ込んでくる。問題はそれだけではない。ウクライナ危機への対応を誤れば、中国が尖閣をめぐって日本への攻勢を強めてくる。

 3月18日にロシアが力づくでクリミアを併合した後、ウクライナ東部でも親ロシア派武装勢力による公共施設などの占拠が広がった。4月17日の「ジュネーブ四者合意」にもかかわらず、筆者が本稿を執筆している4月下旬の時点で、この親ロシア派の武装解除や公共施設の明け渡しは履行されておらず、早期に事態が打開される見込みは立っていない。これは、冷戦後の国際秩序が崩壊の瀬戸際にあることを意味している。

 今回の事態を招いたのは、ウクライナに対するロシアの野心に加え、ウクライナの将来像をめぐる米欧間のズレ、そして何よりも米国の弱腰な外交姿勢に原因があったといえる。しかし、この危機に際し米国とEU、そして日本は何よりも一致してロシアの行動に対し厳しく対処していかなければならない。