【バンコク=児玉浩太郎】ベトナム国営紙トイチェー(電子版)によると、中国が石油掘削を始めた南シナ海のパラセル(西沙)諸島海域で26日午後4時頃、ベトナムの漁船が中国の漁船に体当たりされて沈没した。

 ベトナムの漁船には漁師10人が乗船していたが、いずれも他の漁船に救助されて無事だった。

 沈没したのは、掘削施設から南南西約31キロ・メートルの海域で、ベトナムの伝統的な漁場という。中国の漁船約40隻がベトナムの漁船団を取り囲み、体当たりした。ベトナム沿岸警備隊は「掘削施設の周辺現場は非常に緊迫している」との見方を示している。

 中越間で領有権争いが続くパラセル諸島海域では、今月初めに中国が石油の掘削作業を始めたと発表して以降、船舶の衝突などが相次いでいるが、沈没は初めて。両国関係がさらに悪化する可能性もある。