オランダ・ハーグの仲裁裁判所= CC BY /Mllerustad

フィリピン提訴 南シナ海の中国の領有権判断
 7月12日、来週の火曜日には、南シナ海の中国による領有権主張を巡り、仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が国連海洋法条約に基づいて判断を出す予定だ。

 その中身に世界が注目している。中国に不利な内容になるとの見方が多いためだ。

 中国政府は、いかなる判断も受け入れない姿勢を示し、南シナ海の一部海域で軍事演習を行うことを発表した。中国はなぜ、これほど神経質になるのか? 3つの観点から考えて見た。

 仲裁裁判所は、国際海洋法条約の解釈や適用範囲などに関する紛争が起きた場合に設置される国際司法機関の名前のことだ。ある国が申し出れば、たとえ相手国が出席や協力を拒否しても、審理が始まり、判断が出される。

 5人の仲裁人(裁判官に相当)が審理を進める。裁判長役の仲裁人はスリランカ出身、判事に当たる残り4人は、それぞれポーランド、ドイツ、オランダ、フランスの出身者だ。

 2013年にフィリピンが申し立てた時には、関心を呼ばなかったが、ここ数年、中国が南シナ海での権益を主張し、人工島や滑走路の造成を急ピッチで進めたため、仲裁委の判断に注目が集まった。強制力はない。

 最大の焦点は、中国が主張している「9段線」と呼ばれる海の境界線だ。中国側から舌のように垂れ下がって、周辺国の海岸線まで迫っており、紛争の原因となっていた。

 フィリピンはこの9段線について「国際的に違法」と訴えている。

 まず中国が恐れているのが、9段線の正当性を否定されることだ。中国は、これまで歴史的文書を土台に、領有権を主張してきた。「裁定は無効」(中国外務省報道官)であり、当事者間での解決を主張している。国際機関が違法と認めれば、中国に対して「国際法を無視している」との批判が高まることは避けられない。