外務省のホームページに掲載された東シナ海のガス田「樫」(防衛省提供)(写真:産経新聞)

 政府は12日、東シナ海の日中中間線付近で中国が設置した16基のガス田開発施設のうち、10月に入って新たに2基で天然ガスの生産活動を示す炎を確認したと発表した。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で、「累次の申し入れにもかかわらず一方的な開発を進めることは極めて遺憾だ」と非難し、外交ルートを通じて中国側に抗議したことを明らかにした。

 外務省は、10月上旬に海上自衛隊が上空から撮影した最新の写真をホームページで公開した。新たに炎が確認されたのは、日中中間線から中国側に60~70キロ離れた地点にある「第11基」「第12基」と呼ばれる施設。炎は海底から採取した際に余った天然ガスを燃焼しているためとみられ、これで炎が確認されたのは計12基となった。

 日中中間線付近は天然ガス田が点在しており、施設が中国側の海域にあるとはいえ、日中中間線を越えて日本側の海底資源が抜き取られている恐れがある。

 抗議は、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が12日までに行った。中国大使館側に「一方的な資源開発は認められない」と伝えた。政府は、年内に中国で開催する予定の日中高級事務レベル海洋協議でも一方的な開発をやめるよう求める方針だ。

 日中両政府は平成20年6月にガス田の共同開発で合意した。安倍晋三首相と習近平国家主席が今年9月に会談した際も、共同開発に向けて事務レベル協議を進めることで一致している。

 それでも中国側は合意を無視する形で開発を継続。8月には対水上レーダーとみられる設備が確認されている。施設がさらに拡張されれば、レーダー施設の設置など南シナ海と同様に東シナ海も中国の軍事拠点となりかねない。