G20参加国・機関一覧(写真:産経新聞)

 中国・杭州で4日開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議は、初めて議長を務めた習近平国家主席にとって試練の場となった。「大国外交」を高らかにアピールするはずが、東・南シナ海をめぐる問題や世界経済の成長鈍化で、“震源地”の中国に対する国際社会の視線が急速に冷たくなったためだ。(杭州 河崎真澄、田村龍彦)

 「見えざる“対中包囲網”が静かに構築されつつある」。日中関係筋は、今回のG20首脳会議の構図について、こう指摘した。

 首脳会議の冒頭、議長の習近平国家主席は、国際社会が懸念を深めている南シナ海や東シナ海をめぐる摩擦や、イスラム過激派を含むテロの脅威など、外交・安全保障の問題には触れず、議題を国際経済に限る姿勢を改めて強調した。

 だが、「多くの首脳が参加する国際会議で、議長国のご都合主義で外交問題を封じ込めようとすればするほど、その異質さが浮き彫りになる」(オーストラリア紙の記者)との不満もくすぶる。杭州に集まった日米欧やアジア周辺国の首脳や外交当局者、報道関係者による水面下の意見交換のテーマは、習氏の思惑とは逆に、南シナ海など外交問題に集中している。

 しかし、首脳会議の議題から「封殺」する一方で、中国はフィリピンと領有権を争うフィリピン沖の南シナ海・スカボロー礁(中国名・黄岩島)近くに、埋め立て用とみられる10隻の船を集結させて、国際社会を刺激するというチグハグな動きを見せた。

 マニラからの報道によると、フィリピンのロレンザーナ国防相がスカボロー礁の周辺で中国船の存在を確認したのは3日。フィリピンの神経を逆なでしたのは、中国海警局の公船と軍の輸送艦とみられる2隻に加え、南シナ海で以前、大規模な埋め立てが行われた際に確認されたのと同様の浚渫(しゅんせつ)作業船4隻が存在することが判明したためだ。