尖閣諸島(写真:夕刊フジ)

 中国が、沖縄県・尖閣諸島への侵略意図をあらわにするなか、海上保安庁と自衛隊が「尖閣死守」のため、過去最大の予算確保に着手した。大型巡視船の新造や、新型地対艦ミサイルの研究開発費などに充てる。周辺海域に、公船や漁船を連日集結させる中国に対して、「領土・領海・領空を守る」という断固たる決意を示すものだ。

 「(日本と中国の)2国間の懸案事項は2国間会談で取り上げる。日本の考えを明確に直接伝えたい」

 岸田文雄外相は22日、東京で24日に開催される日中韓外相会談を前に、記者団にこう語った。岸田氏は、中国の王毅外相と個別に会談して、尖閣周辺での中国公船などの挑発行為に抗議し、自制を求める方針だ。

 警告だけでない。保安・防衛能力も強化する。

 海上保安庁は2016年度第2次補正予算案に、過去最大となる約600億円を計上する方針を固めた。同庁全体で、尖閣警備専従部隊への応援態勢を取りながら、その他の日本周辺海域の治安を通常通り維持することを目指し、大型巡視船3隻程度を新造する。各種巡視船艇の高性能化なども併せて進め、全国的な対応能力を高める。

 防衛省も17年度予算の概算要求で、米軍再編経費などを含む総額として過去最大の5兆1685億円を計上する方針を固めた。尖閣諸島など離島防衛を念頭に、23年度配備を目指した新型地対艦ミサイルの研究開発費も盛り込む。

 新型地対艦ミサイルは、現行の最新型12式地対艦誘導弾(射程約200キロ)の改良型。射程を300キロ前後に延ばすことを目指す。尖閣諸島のほか、有事の際に沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通航する外国艦艇の牽制につなげる。

 中国は今月に入り、尖閣周辺の接続水域や領海に大量の公船や漁船を侵入させている。漁船には軍事訓練を受けた100人以上の海上民兵が乗り込んでいるとされる。

 「既成事実を積み重ね、実効支配を強めていくのが中国のやり方」(公安関係者)だけに、海上民兵が尖閣に強行上陸したうえで、中国当局や軍が「自国民保護」名目で乗り込んでくる危険性が懸念されている。

 こうした暴挙を食い止めるには、スキのない海上保安体制を構築し、離島防衛能力を高めることが不可欠なのだ。