11日午前5時すぎ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島北西約67キロの公海上で、ギリシャ船籍の大型貨物船「アナンゲル カレッジ」(10万6727トン)と、中国漁船「●晋漁05891」が衝突し、漁船は間もなく沈没した。海上保安庁の巡視船が漁船の乗組員6人を救助。中国海警局の公船とともに行方不明の8人を捜索している。外務省が外交ルートで中国政府に救助を伝えたところ、中国側から謝意が示されたという。

 海上保安庁によると、貨物船から国際無線による遭難通信を受け、同庁の巡視船と航空機が現場に向かった。中国公船も遭難を把握したが、同庁が先に現場に到着し救難艇で救助した。6人の命に別条はない。

 事故当時、天候は悪く波風ともにやや強かった。貨物船は中国からオーストラリアに向かう途中で、漁船は操業中だった。

 尖閣諸島周辺海域では平成26年8月、鳥取県のイカ釣り漁船が国籍不明の漁船とみられる船と衝突する事故などが起きている。公海上の船舶事故の捜査は船籍のある国が行うため、今回の事故で同庁は捜査を行わず、貨物船からの聴取内容を両国当局に伝える方針。

 一方、尖閣周辺の領海外側の接続水域を航行していた中国公船は11日午前9時ごろ、すべて接続水域を出た。8日ぶりに接続水域と領海の中国公船がゼロになったが、約20分後には再び2隻が接続水域に入った。

 中国公船は3日午後6時ごろ、3隻で接続水域に入った後、徐々に隻数を増やし、8日には過去最多となる15隻が接続水域や領海を同時に航行。漁船200隻以上が接続水域で操業し、一部は領海にも侵入していた。

 中国側は公船が接続水域にとどまる理由について「漁船をコントロールするため」などとしているが、今回の事故で中国公船の対応は遅かった。日本政府関係者は「中国公船が何のために来ているのかが露呈した」と指摘している。