フィリピン・パラワン島で、南シナ海へ向けて航行する漁船(2012年4月25日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フィリピン政府は3日、同国の漁師に対し、中国からの妨害行為を回避するため、中国が領有権を主張している南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)には立ち入らないよう警告した。

 オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)は最近、南シナ海の領有権をめぐる中国の主張を退けてフィリピンに有利な判断を示したにもかかわらず、今回の警告は発せられた。

 中国政府はPCAの判断を拒否し、2日には南シナ海の係争中の海域を含め、自国の領海内で「違法」操業する漁船に対して罰則を科すと発表している。

 フィリピン外務省のチャールズ・ホセ(Charles Jose)報道官は記者団に対し、「中国がスカボロー礁を占拠していることは分かっている。それゆえ、漁師たちがこれ以上嫌がらせを受けずにあの場所へ戻れる方策が明らかになるまで待とうではないか」と語った。

 ホセ報道官は、PCAの判断は明確なものだったが、「現場での現実」は異なっていると述べ、「現実には中国があの場所にいるのだから、この件について話し合わなければならない」とした。

 さらに同報道官は、フィリピンの漁師はスカボロー礁を現在のところ避けるべきという意味かとの質問に対し、「これは皆の安全のためだ」と返答した。

 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領率いる新政権は、中国に対して弱腰との批判を受けており、スカボロー礁をめぐる今回の政府の対応は、さらなる批判を招きそうだ。【翻訳編集】 AFPBB News