南シナ海問題各国の立場(写真:産経新聞)

 【ビエンチャン=吉村英輝】ラオスの首都ビエンチャンで24日に始まった東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議は、南シナ海問題をめぐる加盟国の衝突で幕を開けた。今年のASEAN議長国ラオスは、中国から多額の援助を受けているほか、北朝鮮とも伝統的な友好関係にある。ラオスが南シナ海問題や核・ミサイル開発をめぐって中国や北朝鮮に過度の配慮を示せば、日米も参加するASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議や東アジア首脳会議(EAS)など、一連の会議が空転する事態も懸念される。

 「ASEAN憲章の27条には法の順守が掲げられているのだが」

 ASEAN外相会議の会場の片隅で24日、シンガポールとブルネイの代表はこう述べあい、外相会議の共同声明の作成作業が遅々として進まないことに疲れをにじませた。

 関係者によると、会議では南シナ海問題に関し、フィリピンとベトナム、インドネシア、シンガポール、ミャンマーが中国を念頭に、紛争の平和的解決のため「法的・外交的なプロセスを全面的に尊重する」との文言を共同声明に盛り込むよう主張した。

 一方、親中派のカンボジアはこれに反発、中国が南シナ海で進める「(岩礁の)大規模な埋め立てや軍事施設化」の表現を盛り込むことすら拒否した。

 事態を心配したインドネシアは23日夜、ASEAN外相の非公式会議を呼びかけ、調整を模索した。しかし、かたくななカンボジアを前に、フィリピンやベトナムは南シナ海問題での仲裁裁判所の裁定に関しても共同声明で言及するよう求め、「溝は逆に広がった」(外交筋)という。