震災を含めた3年間の思いを込めた自作の歌を卒業式で歌う釜石東中学校3年生=12日、岩手県釜石市鵜住居町(今村義丈撮影)(写真:産経新聞)

 東日本大震災の津波で校舎を失った岩手県釜石市立釜石東中学校(同市鵜住居(うのすまい)町)に震災直後に入学した3年生54人が12日の卒業式で、震災時の記憶と前に進んできた思いを全員の作詞作曲で表現した歌を披露した。3年を経て成長した姿を見せ、巣立った。

 「あなたに届けたい『ありがとう』」。昨年11月から制作を始め、式の3日前に「心、未来(あす)色に染めて」と題名が決まった歌が、鵜住居小学校との共用仮設体育館に涙混じりに響いた。

 同小出身で仮設住宅から通った佐藤桃香さん(15)が「仲間と作り上げた」と目を拭ったように、音楽の授業で全員が1行ずつ書き、節を付け発表。佐藤さんら生徒会執行部が選び、音楽の千葉裕子教諭(56)が曲を整え、みんなで微修正してきた。

 1番は1カ月足らずでできたという。だが「きれいな言葉ばかりで思いを出し切れていない」と感じた千葉教諭は「これならどこの学校でも作れる」とやや厳しい言葉をかけた。彼らの3年間の本当の苦労を知っていたからこそだ。