全日本空輸によるエンジン洗浄作業。燃費効率を1%高められる(写真:産経新聞)

 航空各社が燃料節約の取り組みを強化している。燃料代は営業費用の実に25%を占め、機材購入費などをはるかに上回るためだ。原油価格は急落しているが、燃料使用量はコスト競争力に直結するため、削減の手を緩めるわけにはいかない。エンジン洗浄、コンテナの軽量化など地味な作業が多く、まさに「乾いた雑巾を絞る作業」といっていい。ただ、こうした細かな努力の積み重ねが日本の航空会社の競争力を支えている面も見逃せない。

 騒音問題のため、23時に1日の運用を終える成田空港。全日本空輸の整備格納庫では、その直後から夜を徹して航空機のエンジン洗浄作業が行われる。

 エンジンをスターターモーターで回転させつつ、前方からエンジン内部に温水や水を注入する。するとエンジンの後方から汚れた水が流れ出てくる。それを排水回収車で受け止め、排水処理するのが大まかな流れだ。

 航空機は、飛ばすたびにコンプレッサー(圧縮機)の羽根に空気中の微少なゴミやチリが付着し、運転効率が低下する。逆に定期的な水洗いを行えば、性能が回復し、燃費も良くなる。

 洗浄にはエンジン1基あたり4時間を要するが、燃費効率は1%高まる。1%といってもバカにできない。東京-ニューヨーク間では片道でドラム缶約5本、全日空全体では年間1万7500キロリットルの節約となり、CO2削減量は4万3000トンに及ぶ。