MRJ飛行試験初号機の隣の駐機場に到着した飛行試験4号機=16年9月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国産旅客機「MRJ」の納入時期について、三菱航空機が顧客に対して5度目の延期を伝えたと報じられている件で、32機を確定発注した日本航空(JAL/JL、9201)へは報道後に連絡があったことが10月3日、Aviation Wireの取材でわかった。JALは2021年からMRJを受領する予定で、現時点では機体が計画通り引き渡されるとの見方だ。

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)とJALでは、初号機の受領時期が3年違うことや、MRJで置き換える機材の現状も異なっている。このため、仮に5度目の納入延期が正式決定した場合、ANAHDのほうがリスクが大きい。すでに2017年度には“中継ぎ”機材の就航が決定している。

 三菱航空機は9月末、MRJのローンチカスタマーで、全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAHDに対し、MRJの納入遅延リスクが生じる可能性を説明した。ANAHDによると、引き渡し時期の延期について言及はなかったという。

 この件について10月1日以降、三菱航空機がANAHDに対し、量産初号機の引き渡し延期を伝えたと報道各社が報じた。これに対し、三菱航空機は10月3日午前、MRJの製造を担当する親会社の三菱重工業(7011)とともに「現時点で納期変更を決定した事実はありません」との声明を発表した。

 JALによると、9月末時点では三菱航空機から納期に関する連絡はなく、一連の報道が出た後に説明があったという。この際、納入延期に関する言及はなかったとしている。

 ANAHDは現在、MRJを25機(確定15機、オプション10機)発注済み。現時点での量産初号機引き渡しは、2018年中頃となっている。運航はグループで地方路線を担う傘下のANAウイングス(AKX/EH)となる見通し。