MRJ初飛行の会見で記念撮影に応じる、左から戸田和男テストパイロット(副操縦士)、安村佳之テストパイロット(機長)、森本浩通・三菱航空機社長、岸信夫副社長=11日、名古屋市中区(写真:フジサンケイビジネスアイ)

 三菱航空機(愛知県豊山町)の森本浩通社長は11日午後、名古屋市内で開かれた記者会見で、小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初飛行について、「成功しかも大成功だった」と笑顔をのぞかせた。MRJはこの日、機長、副操縦士など5人が搭乗。離陸後、高度1万5000フィート(約4500メートル)まで上昇し、時速280キロのスピードで太平洋上を飛行した。上昇や下降、左右旋回などの基本特性を確認し、計画通り試験を終えて、11時2分に名古屋空港に無事着陸した。

 機長を務めた三菱航空機の安村佳之テストパイロットは「今まで操縦した機体の中でも安定性が高い」と評価した。開発計画が5度も延期したMRJだが、初飛行の成功で懸念や不安は取り除かれた。MRJの初飛行成功は、日本の航空機産業にとって大きな節目となる。半世紀前にプロペラ旅客機「YS-11」で海外展開を目指したが、赤字を累積し、生産中止に追い込まれた。そのショックで、長期間にわたり開発機運が萎んでいただけに、今回の成功により関係者の期待は大きく膨らんだ。

 林幹雄経済産業相は同日、「航空機産業の新たな時代の幕開けだ。日本の成長を支える原動力となる」と談話を発表した。航空機は数百万点の部品が必要で、部品メーカーの需要拡大など国産化の意義は大きい。製造業の高度化にもつながり、航空機産業が日本の基幹産業として発展する道が開ける。

 ただ、半世紀ぶりの旅客機開発で今はノウハウを蓄積している段階。ANAホールディングスへの初号機納入期限を守るためには型式証明を2017年前半までに取得しなければならないなど、商用化に向けたハードルはまだ多い