日本航空(JAL/JL、9201)のシンガポール発羽田行きJL038便のパイロットが現地時間7月12日未明、シンガポール・チャンギ国際空港の誘導路で誤って離陸しようとしたトラブルについて、シンガポールの航空当局と国土交通省航空局(JCAB)は31日、航空事故につながりかねない「重大インシデント」に認定した。同便の乗客と乗員にけがはなかった。

 JL038便(ボーイング767-300ER型機、登録番号JA606J)は、乗客198人(うち幼児3人)と乗員10人(パイロット2人、客室乗務員8人)の計208人を乗せ、12日午前2時16分(現地時間)に出発。C22番スポット(駐機場)から誘導路を走行し、「滑走路20C」から離陸する予定だった。

 ところが出発から約9分後、この滑走路の手前に並行して設置された「誘導路EP」を滑走路と間違え、副操縦士が離陸する操作を開始。機長が誤認に気づいて離陸操作の中断を指示し、副操縦士も中断した。この時、管制官からもほぼ同時に停止指示が出された。シンガポール当局によると、誘導路EP上に他の航空機はいなかったという。その後、午前2時36分に離陸し、羽田へ向かった。

 23日にシンガポール当局からJALに同便の運航状況について問い合わせが入り、トラブルが発覚。JALは同日JCABへ概要を報告し、機長と副操縦士は同日から乗務を停止。現在は事実関係を調査している。

 12日の発生から23日の発覚まで時間が空いた要因としては、誘導路を誤認後、すぐに離陸操作を中断したため、機長と副操縦士はトラブルと認識していなかった可能性があるとみられる。