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2017年11月15日 (水)

北朝鮮、今度は弾道ミサイル発射・259

去る1月6日に核実験を行なった残虐な中世の亡霊・暗黒独裁国家・北朝鮮が、今度は長距離弾道ミサイル発射実験の準備を進めていたが、ついに7日9時31分に発射した。

政府は7日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、国民の安全確保に万全を期すとともに、米韓などと緊密に連携し、北朝鮮に厳しく対応していく方針を確認した。
NSCで首相は、「米国や韓国など関係国と連携し、必要な対応を適時適切に行う」よう求めた。また、首相は関係省庁に対し、(1)落下物などによる被害がないかの確認(2)情報収集・分析の徹底(3)関係国との連携―を指示した。

安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で記者団に対し、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したことについて「断じて容認できない。明白な国連安全保障理事会決議違反だ。国際社会と連携し、毅然として対応する。国民の安全と安心を確保することに万全を期する考えだ」と述べた。

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リンク:日米の対処力向上を=安倍首相と米太平洋軍司令官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「嵐の前の静けさ」韓国メディア 北朝鮮2カ月、軍事挑発なし さらなる制裁を警戒 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:朝鮮大学校系団体が不正会計 東京・小平市が補助金返還要求へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮問題、外交努力を支える軍事力重要=ハリス米太平洋軍司令官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ロナルド・レーガンはフィリピン海での演習開始 海上自衛隊と 朝鮮半島海域離脱 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:安倍首相、米太平洋軍司令官と北問題について協議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「めぐみさんを家族の元へ、優しい母を私の元に返してください」曽我ひとみさんが新潟で講演 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮懸念、中国には配慮=ASEAN首脳会議声明発表 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国の特使派遣、菅長官「北の非核化は日中の共通目標」 連携強化に意欲 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:在韓米軍トップと意見交換 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正恩委員長のトラクター工場視察には軍事的強化の意味合いも - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<トランプ氏>アジア歴訪を自賛「米リーダーシップ示した」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、アジア歴訪「とてつもない成功」 対北圧力、貿易是正の成果強調 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米国、韓国の同意なく北朝鮮へ軍事行動すべきでない=韓国与党 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「1969年の米軍機撃墜事件」で北朝鮮に報復しなかったアメリカ。トランプが軍事行動に出る可能性は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「拉致実行犯 めぐみさんに勉強教えた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南北がにらみ合う"境界線"はどんな場所か - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ大統領、アジア歴訪の成果を強調-北朝鮮問題や貿易分野 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮非核化へ日本と結束=アジア歴訪終了で米大統領声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:菅長官「『拉致』安倍内閣で解決」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:アジア首脳外交の駆け引き(2-2) - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:アジア首脳外交の駆け引き(2-1) - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日米、対北3カ国協力確認 在韓米軍司令官 消極的な韓国牽制 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:横田めぐみさん拉致から40年 進展なく「怒りや焦り」 群馬 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「明日こそ会いたい…40年」 横田夫妻会見 滋さん体調不良で発言できず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:拉致40年 菅官房長官「痛恨の極み」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北、経済握る中国つなぎ留め - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北亡命兵発見 銃撃の16分後 韓国軍、小銃使用に応射せず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:凍結? 再開? どう出る北朝鮮=挑発「自制」2カ月 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:むしろ潤っている? 制裁下で17年ぶり高成長 知られざる「北朝鮮経済」の実態 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米国から超高額イージス・アショアを買わされる日本 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮の自制はなぜか、孤立するトランプと「完全に一致」した安倍の危うさ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国 北朝鮮に特使派遣へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「拉致被害者返して」=曽我ひとみさんが講演―横田めぐみさん拉致40年・新潟 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

日米の対処力向上を=安倍首相と米太平洋軍司令官
11/16(木) 16:53配信 時事通信

 安倍晋三首相は16日、ハリス米太平洋軍司令官と首相官邸で会談し、日米同盟による対処力を向上すべきだとの認識で一致した。

 先の日米首脳会談で、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への圧力強化で一致したことを踏まえ、首相は「日米同盟の対処力、抑止力を一層強化すべく連携したい」と強調。ハリス氏は、米海軍と海上自衛隊の共同訓練に触れ、「日米の連携を示すことができた」と述べた。

 首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」についても意見を交わし、両氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)を含め、日米で緊密に協力することを確認した。在日米軍に関しては、基地負担を軽減し、安定的駐留のため協調することで一致した。


「嵐の前の静けさ」韓国メディア 北朝鮮2カ月、軍事挑発なし さらなる制裁を警戒
11/16(木) 16:13配信 西日本新聞

 【ソウル曽山茂志】北朝鮮が9月15日に日本列島を越えた中距離弾道ミサイルを発射して以来2カ月間、表立った軍事挑発を控えている。国際社会の厳しい経済制裁や米韓合同軍事演習によるけん制が効いているとの分析があるが、核兵器配備に向けて米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発の詰めに入っているとの指摘もあり、韓国では「嵐の前の静けさ」(聯合ニュース)との受け止めが少なくない。

 「いつ核戦争がさく裂するのか、予想できない」-。北朝鮮の慈成男(チャソンナム)・国連大使は13日(米東部時間)、米原子力空母3隻を動員して朝鮮半島東の海域で14日まで実施された大規模な米韓合同軍事演習を非難する書簡を国連事務総長に送った。

 北朝鮮は、トランプ米大統領が韓国国会で演説した後の11日にも、外務省報道官談話として「悪の帝国米国との対決で必ず勝利を成し遂げる」と対決姿勢をあらわにした。

「もはや核を放棄できない状況にある」
 それを裏付けるような動きもある。北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がトラクター工場を視察したと伝えた。金委員長は、トラクターの生産をほぼすべて国産化できたと評価し、「われわれの行く手を邪魔しようとする敵に強い一発を見舞った」と訴えた。金委員長は9月以降、農場や化粧品工場に足を運び、生産性向上を盛んに呼び掛けている。

 ただ、韓国では北朝鮮がこのまま平静を保つ可能性は低いとの見方が多い。米韓では、トランプ氏が近くアジア歴訪の成果を報告する中で、金正男(キムジョンナム)氏暗殺事件などを理由に北朝鮮を再び「テロ支援国家」に指定するとの見方がある。指定されれば、反発する北朝鮮が新たな弾道ミサイル発射などに踏み切る恐れがある。

 世宗研究所の鄭成長(チョンソンジャン)・統一戦略研究室長は、核兵器開発で韓国に対する軍事的優位に立とうとする北朝鮮は「もはや核を放棄できない状況にある」と指摘した上で、政権樹立70年の節目に当たる来年中にICBM完成を目指すと予測。完成に向けて「ICBM発射実験をあと数回は繰り返すだろう」としている。

=2017/11/16付 西日本新聞朝刊=


朝鮮大学校系団体が不正会計 東京・小平市が補助金返還要求へ
11/16(木) 15:05配信 産経新聞

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小平市から朝鮮大学校への金の流れ(写真:産経新聞)

 東京都小平市は15日、朝鮮大学校関係者らが幹部を務める「小平市ごみ減量推進実行委員会」に拠出した市の補助金が不正に使われたと断定し、返還を求める方針を決めた。市幹部が明らかにした。市は、架空領収書を自ら作成し不正な会計を行った元同校職員の副実行委員長から補助金の不正流用先や規模を追及する方針だ。

 市によると、委員会は平成25-29年度の毎年度、恒例の「こだいら環境フェスティバル」(市・同委主催)のポスターデザイン制作を朝鮮大学校に、ポスターの印刷を武蔵村山市の「福島グラフィック」に発注したとして、計約50万円を支払ったとする会計報告を小平市に行っていた。いずれの支払いも市による補助金が原資になっている。

 ところが、28、29年度にデザイン制作を請け負った「朝鮮大学校装飾」は校内の組織としては存在していなかった。さらに委員会は、「福島グラフィック(株)」が発行者として明記された領収書を25年度から毎年度、受け取っていたにもかかわらず、記載された領収書の所在地に同社は実在していなかった。

 このため、小平市が今月14日、委員会の副実行委員長に事情を聴いたところ、ポスターのデザインと印刷代金の領収書に虚偽の内容を記載したことを認めた。印刷されたポスターは存在しているため、市が入手経緯を調べている。一方、委員会は同日、架空領収書による使途不明金の返還を副実行委員長に求める方針を決定。さらに実行委員長、副実行委員長、監査担当者のほか、会計担当とメンバーの同校職員2人の退会処分も決めた。

 補助金をめぐっては、市は4-29年度の毎年度、約200万円を支出。これまでに計約5千万円が委員会に拠出されている。フェスティバルを含めた各種イベントでも、委員会が同校から飲食物を購入し販売した。市は4年に委員会を立ち上げた際、同校に参加を要請。同年以降、同校関係者3人が中核メンバーとして活動してきた。委員会の事務局がある市資源循環課は「不正会計について、警視庁に刑事事件として告発するか否か判断できていない」としている。同校は産経新聞の取材に対し、「断る」としている。

 同校は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す金正恩朝鮮労働党委員長を崇拝。昨年5月には「大学内で米日帝国主義を壊滅できる力をより一層徹底的に整える」と明記した手紙を金正恩氏に送り、その後に張炳泰(チャン・ビョンテ)学長が朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長からの要請を受け米国圧殺運動の展開を在校生に指示していた。

 さらに張氏は同年8月、同校教育学部など3学部の在校生約60人を「短期研修」の名目で北朝鮮に派遣。金正恩氏に対する崇拝の念を北朝鮮当局からの指導を通じ、醸成させた。一方、小平市の小林正則市長は今年6月の市議会で同校在校生や職員の動向について「市の中で問題行動を起こしたり、懸念される事件・事故も起きたりしていない」とした上で「外国人であろうと、どこの国籍であろうと、人が暮らしていく上で不自由のない生活を行政サービスとして提供していく」と述べていた。


北朝鮮問題、外交努力を支える軍事力重要=ハリス米太平洋軍司令官
11/16(木) 14:28配信 ロイター

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 11月16日、来日中のハリス米太平洋軍司令官は、小野寺五典防衛相との会談で北朝鮮問題について、外交努力が第一だが、確固たる軍事力でそれを支えることも重要との見解を示した。安倍首相(右)を表敬訪問した同司令官(左)。首相官邸で撮影。代表写真(2017年 ロイター)

[東京 16日 ロイター] - 来日中のハリス米太平洋軍司令官は16日午後、小野寺五典防衛相と会談し、北朝鮮問題について、「外交努力が第一義的に必要なことは明らかだが、確固たる軍事力でそれを支えることも重要だ」と語った。

日米は外交的な制裁に加え、北朝鮮に軍事的な圧力を強めるため、さきごろ日本海で米空母3隻と自衛隊が共同演習を行った。小野寺防衛相はハリス司令官に「北朝鮮に対し、たいへん強いメッセージになった」と指摘。ハリス氏は「日米の艦艇が共に航行する非常に良い写真が撮れた」と応じた。

(久保信博※)


ロナルド・レーガンはフィリピン海での演習開始 海上自衛隊と 朝鮮半島海域離脱
11/16(木) 14:06配信 産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸】日本海で共同演習を実施していた米原子力空母3隻は朝鮮半島周辺の海域を離れた。このうち米海軍横須賀基地(神奈川県)を拠点とするロナルド・レーガンはフィリピン海に移動し、日本時間の16日午前、海上自衛隊との年次演習を始めた。米海軍第7艦隊(本拠地・横須賀市)が15日、明らかにした。

 ニミッツ、セオドア・ルーズベルトは西太平洋を航行中。ロナルド・レーガンと海自の演習は沖縄県に近い海域で実施され、26日までの予定。米駆逐艦3隻などが加わり、米海軍からは総勢約1万4千人が参加する。具体的な状況を想定した訓練により、即応性や相互運用性を高める。

 日本海での共同演習は11~14日に実施された。核実験や弾道ミサイル発射で挑発を繰り返してきた北朝鮮を牽制する狙いがあり、海自との訓練も行われた。


安倍首相、米太平洋軍司令官と北問題について協議
11/16(木) 13:40配信 産経新聞

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ハリス米太平洋軍司令官(左)と握手する安倍晋三首相=16日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)(写真:産経新聞)

 安倍晋三首相は16日午前、米太平洋軍のハリス司令官と官邸で会談した。核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応で、日米の連携を強化することを確認した。首相は「アジア太平洋地域の安全保障環境が大変厳しくなるなか、日米同盟の対処力、抑止力をさらに強固なものとするために、一層緊密な連携を深めていきたい」と述べた。

 ハリス氏は「トランプ大統領のこの地域への訪問で、最初に日本を訪問したことは大変良かった。大統領は日米同盟の重要性を、色々なところで強調している」と応じた。


「めぐみさんを家族の元へ、優しい母を私の元に返してください」曽我ひとみさんが新潟で講演
11/16(木) 13:24配信 産経新聞

 拉致被害者の曽我ひとみさん(58)=新潟県佐渡市=は15日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで講演し、北朝鮮に連れ去られてから40年になった横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=に「また忌まわしい日が来たと落胆する日だろうが、あきらめないで必ず日本に帰ると信じて待っていてください」と呼び掛けた。

 曽我さんは19歳だった昭和53年8月に佐渡島で拉致され、平成14年に帰国。一緒に連れ去られた母のミヨシさん(85)=同(46)=の帰国は実現していない。

 曽我さんは、北朝鮮で一緒にアイスクリームを食べたり買い物に行ったりし、妹のようにかわいがったと思い出を語った上で「失った時間は戻ってこないが、めぐみさんを家族の元へ、優しい母を私の元に返してください」と訴えた。

 会場には220人が詰め掛けた。めぐみさんの同級生でバイオリニストの吉田直矢さん(53)が「コスモスのように」などを演奏し、めぐみさんとの再会を願った。


北朝鮮懸念、中国には配慮=ASEAN首脳会議声明発表
11/16(木) 13:19配信 時事通信

 【バンコク時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は16日、マニラで13日開かれた首脳会議の議長声明を発表した。

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に「重大な懸念」を表明したが、草案段階にあった「化学兵器」「大量破壊兵器」は盛り込まれなかった。

 声明は「9月3日の核実験や弾道ミサイル発射実験を含む挑発的・脅迫的行為」は域内外の平和と安定の深刻な脅威になっていると非難。北朝鮮に国連安保理決議の即時全面順守を強く促した。

 ASEANの一部加盟国と中国が領有権を争う南シナ海問題に関しては、「ASEANと中国の関係改善に留意」と明記。「懸念」という文言は含まれず、中国への融和姿勢をにじませた。


中国の特使派遣、菅長官「北の非核化は日中の共通目標」 連携強化に意欲
11/16(木) 12:39配信 産経新聞

 菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で、中国共産党の幹部が習近平総書記(国家主席)の特使として北朝鮮を訪問することに関連し、「北朝鮮の非核化は日中にとって共通の目標であり、連携を強化していくことで一致している」と述べた。

 菅氏は特使の訪問について「コメントは控えたい」としたうえで、「政府としては関係国と緊密に連携し、圧力を強化し、北朝鮮の政策を変えさせていきたい」と強調した


在韓米軍トップと意見交換
11/16(木) 11:32配信 ホウドウキョク

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(写真:ホウドウキョク)

小野寺防衛相は、韓国に駐留している在韓アメリカ軍のトップと防衛省で情報交換し、引き続き、北朝鮮に圧力をかけ続ける必要があるとの認識で一致した。
小野寺防衛相は、「国際社会の中で経済制裁を含め、圧力をかけることが有効に機能するだろうという話があった」と述べた。
会談では、北朝鮮が9月15日に弾道ミサイルを発射して以来、およそ2カ月にわたり核実験や弾道ミサイル発射を行っていないことについて、「圧力に一定の効果があるかどうか、まだ見極める必要がある」として、引き続き日米が連携して、北朝鮮に圧力をかけ続ける方針を共有した。
また、有事の際に韓国にいる日本人の退避計画についても話し合われ、さまざまな事態に対応できるよう、日米が協力して対応することを確認した。


金正恩委員長のトラクター工場視察には軍事的強化の意味合いも
11/16(木) 11:30配信 ホウドウキョク

9月15日の火星12型弾道ミサイルの発射以来この2か月間軍事挑発を行っていない北朝鮮だが、15日付けの労働新聞は金正恩労働党委員長がトラクター工場を視察する様子を報じた。

北朝鮮の軍事パレード

金委員長は「トラクターは経済強国への近道を開いた戦車であり、前途を阻もうと奔走する敵に強い打撃を与えた」と述べていて、経済活動に関する視察をアピールすることで北朝鮮が経済制裁に動じない姿勢を鮮明にしている。

ところで北朝鮮は、ある程度の不整地を走れる農業用トラクターを小型の多連装ロケット砲牽引にも使用していて、2013年9月の軍事パレードの映像でもその存在が確認できる。

林の木立の間に多連装ロケット砲を隠すのにはちょうど良い装備ということだろう。
金委員長は「戦車」という表現を使っているが、このように北朝鮮はトラクターを軍事的に使ってきたわけで、今回、金委員長が視察したトラクターも用途は経済建設だけではなく、軍事的装備としても使われるということかもしれない。

(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)


<トランプ氏>アジア歴訪を自賛「米リーダーシップ示した」
11/16(木) 10:46配信 毎日新聞

 トランプ米大統領は15日、就任後初のアジア歴訪(3~14日)の成果についてホワイトハウスで演説した。対北朝鮮での各国との連携確認や貿易不均衡是正をめぐり「歴史的な進展を遂げた。米国のリーダーシップを再び世界に示す旅となった」と自賛。「米国は復活した。未来は明るい」と語った。

 トランプ氏は、訪問の目的が▽北朝鮮の核の脅威に対抗する国際社会の結束▽「自由で開かれたインド太平洋」諸国との同盟・パートナーシップ関係の強化▽貿易不均衡の是正--の3点だったと指摘。いずれの分野でも満足いく結果を得たとの認識を示した。

 トランプ氏はまた「我々が自信に満ちていれば、他国は米国に敬意を持って接してくれる」と述べ、国益を最優先に据える米国第一主義が諸外国から理解と共感を得ているとの考えを示した。

 訪日で安倍晋三首相と「北朝鮮の非核化実現という絶対的な決意」で合意したと強調し「日本は防衛負担をより多く引き受け、米国製のジェット機やミサイル防衛システムを購入することを表明した」と指摘、「米国民の雇用につながる」と歓迎した。

 また、中国の習近平国家主席との会談では「習氏が北朝鮮の核問題が中国にとっても重大な脅威だとの認識を示した」と述べた。【高本耕太】


トランプ氏、アジア歴訪「とてつもない成功」 対北圧力、貿易是正の成果強調
11/16(木) 10:30配信 産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸】アジア5カ国歴訪から14日に帰国したトランプ米大統領は15日、ホワイトハウスで記者団を前に声明を発表し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力強化や貿易不均衡を是正するといった重要目標で「とてつもない成功を収めた」と述べた。日本に関しては、安倍晋三首相との会談で、朝鮮半島の非核化を目指して結束する決意を確認できたと強調した。

 トランプ氏は今回のアジア歴訪を「緊急の行動を要する北朝鮮の脅威に対して世界を結束させること」が第一の目標だったとし、自由で開かれたインド太平洋戦略、公正で互恵的な貿易と合わせて、「米国の指導力を再び示す歴史的な前進を遂げた」と語った。

 北朝鮮に関しては、中国の習近平国家主席に「時間は限られており、全ての選択肢がテーブルにある」と伝えたと説明。習氏も北朝鮮を「重大な脅威」と認識していると紹介した。

 訪日については、日本が北朝鮮の35団体・個人に対する独自制裁を発表し、「共同防衛の負担を引き受けると約束した」ことを評価するとともに、戦闘機やミサイル防衛など最新鋭の米国製兵器の売却が決まったことが米国の雇用につながると強調した。

 同様に、米中企業が総額約2500億ドル(約28兆円)の商談を成立させたことも「米国での雇用を創出する」と歓迎。不公正な貿易によって「米国が食い物にされてきた時代は終わった」と宣言した。


米国、韓国の同意なく北朝鮮へ軍事行動すべきでない=韓国与党
11/16(木) 10:14配信 ロイター

[ワシントン 15日 ロイター] - 韓国与党「共に民主党」の秋美愛代表は15日、トランプ米大統領は「いかなる状況においても」韓国政府の同意なしに北朝鮮に対する軍事行動を起こすべきでないとの見解を示した。

秋氏は米ワシントンのシンクタンクに対し「トランプ大統領は、すべての選択肢が交渉のテーブルにあると強調することがよくある」と指摘。その上で、「われわれは、新たな戦争状態という選択肢はテーブルにないということを確実にしたい。米国はいかなる状況においても、韓国の同意なしに軍事力を行使すべきでない」と述べ、「平和的な解決策を模索する必要がある」とした。

秋氏はワシントンでトランプ政権の当局者と会談する見通し。

同氏は、制裁を通じて北朝鮮に最大限の圧力をかけ、対話のための対話は行うべきでないとのトランプ大統領の方針を韓国は支持すると述べた。一方で、対話の機会を妨げれば、北朝鮮の「誤った判断」を招く恐れがあるとした。

対話に対するトランプ政権の取り組みに満足しているかとの質問に対しては、コメントを控えた。

秋氏は「現在の状況は緊急な対応を必要としている」とし、米国本土だけの問題でなく、日本と韓国への脅威となっていると述べた。


「1969年の米軍機撃墜事件」で北朝鮮に報復しなかったアメリカ。トランプが軍事行動に出る可能性は?
11/16(木) 10:00配信 週プレNEWS

米国のトランプ大統領は日本、韓国、中国で首脳会談を行ない、ベトナムでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、フィリピンでASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議にも出席し、アジア歴訪を終えた。

北朝鮮問題に関しては大きな進展がなかったようにも見えるが、アメリカ人ジャーナリストはどう見ているのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第98回は、米『フォーブス』誌ジャーナリスト、ジェームズ・シムズ氏に話を聞いた――。

***

―日・中・韓での各首脳会談では北朝鮮への対応も話し合われましたが、シムズさんはどう見ていますか?

シムズ 先日、1969年に起きた北朝鮮による米海軍の早期警戒機(EC-121)撃墜事件について、米国のニクソン図書館と国立公文書館に保存されている資料を調べました。当時、米国はリチャード・ニクソン大統領の時代で、この事件では31名の乗員全員が死亡しましたが、現在の状況を考える上で非常に示唆(しさ)に富んだ内容でした。

この文書には、当時の米政権内で交わされた議論が克明に記録されています。自国の軍用機が撃墜されたわけですから当然、報復を「するか・しないか」の議論が交わされました。事件後には現在の北朝鮮に対する軍事的圧力と同じように、日本の佐世保港から米海軍の駆逐艦「ヘンリー・W・タッカー」とミサイル巡洋艦「デイル」が北朝鮮周辺の海域へ向かい、空軍と合わせて最大26機の軍用機も投入されています。

しかし、最終的に米国は北朝鮮に対し、軍事的報復は行なわなかった。その決定に至る過程でカギを握ったのは、主に当時のニクソン大統領、ヘンリー・キッシンジャー国家安全保障問題担当補佐官と国防総省との間で交わされた議論です。

当時、北朝鮮への報復として「限定的軍事攻撃」という案が浮かび上がってきていた。これに対し、特にキッシンジャーが否定的な考えを示しましたが、その後やはり、攻撃をしないか、あるいは大胆な攻撃をし報復できないようにするかという二択の教訓を得たようです。

限定的軍事攻撃というのは、ありえない。それで済むわけがない。限定的な攻撃であっても、それを行なえば全面戦争に発展する可能性は十分に高い。つまり、ニクソンとキッシンジャーは、やるならば全面戦争しかないと考えたようです。そして、当時のニクソン政権は報復を断念した。

―1969年といえば、米国はベトナム戦争のドロ沼にドップリと腰まで浸かっていました。財政的にもいわゆる“双子の赤字”に苦しんでいたし、当時は冷戦時代ですから、北朝鮮と軍事衝突になればソ連が介入してくることも懸念されたはずです。米国にしてみれば、現在のほうが“戦争しやすい”状況なのでは?

シムズ いや、ここ最近の米国もアフガニスタン、イラクでの戦争が続いて、国民は血を流すことにウンザリしています。今年9月にギャラップ社が行なった米国内の世論調査では58%の人が北朝鮮に対して「軍事行動もやむなし」と回答していますが、それには「平和的解決が不可能となった場合には」という条件がついています。

財政的にも、トランプ政権になって以降も「政府債務上限問題」が再浮上するなど苦しい状況が続いています。69年当時よりも現在のほうが“戦争しやすい”とは言えないでしょう。

―軍事行動が選択肢にないとなれば、外交的圧力を強めるほかはありません。そのためには日本と韓国との連携が不可欠なはずですが…。

シムズ 残念なことに、今回のトランプ大統領のアジア歴訪では、日本と韓国の足並みの乱れが浮かび上がる結果になりましたね。特に晩餐会における韓国の演出は、まるでトランプ大統領がやりそうな、あまり趣味のよくないものだったと思います。竹島(韓国名:独島)産のエビが出されたり、元従軍慰安婦の女性を招いたり…「今、そんなことをしている場合か?」というのが率直な感想でした。

韓国は北朝鮮の問題に対して真剣に向き合っていないのではないか、とも感じました。日本と韓国の間にある竹島/独島の領土問題は北朝鮮の問題とは関係のないこと。従軍慰安婦の問題に関しては2015年12月に安倍首相と当時の朴槿恵大統領の間で「最終的かつ不可逆」な解決が合意されています。一体、あの両国首脳による合意はなんだったのでしょうか。

―日本もトランプ大統領と拉致被害者家族との面会をセッティングしています。

シムズ 北朝鮮による日本人拉致の問題も、核・ミサイル問題とは直接の関係はありませんが、訪日直前の9月19日にトランプ大統領は、国連での一般討論演説で横田めぐみさんの名前まで挙げてこの問題に言及しています。韓国が晩餐会の席に元従軍慰安婦の女性を招いたこととは意味合いが違うし、トランプ大統領の訪日中のスケジュールとして組み込んだことは、それほど不自然なものではなかったと思います。

安倍首相としては、この拉致被害問題に小泉政権時代から積極的に取り組んできたことで国民の支持を得てきた背景もあるので、自身のアピールポイントとしても実現したかったはずです。

―今回のアジア歴訪中に、米国内では「ロシア・スキャンダル」で新たな展開が報じられ、また「パラダイス文書」という問題も新たに浮上してきました。相変わらずトランプ政権の基盤は脆弱なままです。自身の政権を脅かす国内の問題から世間の目を逸らすためにトランプ大統領が北朝鮮に対して軍事行動に出るという可能性はありませんか?

シムズ 確かに、トランプ大統領の訪日中に米国のウィルバー・ロス商務長官がロシア側から巨額の利益を得ていたという報道がありました。しかし、米国での商務長官のポストは重要なものではありません。そして米国内のトランプ支持者たちは、どんな報道があっても「それはフェイク・ニュースだ」と断じ、信じようとしない傾向が顕著です。トランプ政権にとって致命的なダメージにつながる可能性は低いでしょう。

一方で、こういったトランプ支持者たちの支持をより強固なものにするために、日本・韓国・中国で「貿易不均衡の是正」や「武器輸出」といったテーマを積極的に持ち出し、巧みにアピールを行ないました。私がこのコラムで何度も強調している通り、トランプ支持者たちが切実な問題と考えているのは経済面、自分たちの収入がどうなるかということです。

また「自分の政権基盤を揺るがしかねない諸問題から追及の目を逸らす」ということでいえば、これまでのトランプ大統領の常套手段は思想や信条、主義主張に関わる、社会を二分するような問題を持ち出すことです。米国では「Cultural Wars」といわれていますが、8月にバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者たちが起こした事件を巡る対応などが典型です。

つまり、目を逸らすための手段として軍事攻撃のような大がかりな行動に出る可能性は、トランプ大統領のこれまでの処世術を分析すれば低いと言えます。ただし、大統領の言動が緊張を高めて偶発的な衝突が戦争に発展することはあり得ます。

―結局、今回のトランプ大統領のアジア歴訪で、北朝鮮問題に関して具体的な進展はあったのでしょうか。

シムズ なかったとは言えないでしょう。具体的には「交渉」という言葉のニュアンスが微妙に変化してきたと思います。日米首脳会談では、北朝鮮に対して「圧力を最大限まで高める」という談話を発表しています。これは一見、従来からの対応を上書きしただけのようにも受け取れますが、圧力を最大限まで高めた先に「北朝鮮が政策を転換するので、交渉を求めてきた時にはそれに応じる」という文脈が盛り込まれています。

ただし、北朝鮮に一番影響力を持っている中国はこれに歩調を合わせていない。トランプ大統領が訪日前のインタビューで「サムライの国である日本が事態の収拾に動くだろう」と、日本による軍事的攻撃を期待するような発言をしましたが、こういった内容のメッセージを、例えば中国に対して非公式の場で発信すれば有効に働いた可能性がある。

日本を「サムライの国」と称した背後には、日本の核武装化という可能性が秘められています。中国がそれを歓迎するはずはないので、北朝鮮問題に対してより積極的な働きかけを導き出せた可能性があったかもしれません。

米国は1980年代からのイランの核開発に対しても当初は現在の北朝鮮への対応と同様に圧力を強めましたが、中東情勢の変化もあり、最終的にはイランを米国の味方にしようという思惑のもと、条件付きでイランの核保有を容認しました。

このケースと同様に、現在の北朝鮮問題もICBMの完成までいく可能性は低くないと思います。いずれにしても、米国が北朝鮮に対して軍事行動に出る可能性は低いでしょう。

(取材・文/田中茂朗)

●ジェームズ・シムズ
1992年に来日し、20年以上にわたり日本の政治・経済を取材している。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の東京特派員を務めた後、現在はフリーランスのジャーナリストとして『フォーブス』誌への寄稿をはじめ、様々なメディアで活動


「拉致実行犯 めぐみさんに勉強教えた」
11/16(木) 9:23配信 ホウドウキョク

拉致被害者の曽我 ひとみさんが、横田 めぐみさんの両親に送った手紙の中で、めぐみさんを拉致した実行犯の男が、めぐみさんに数学や理科を日本語で教えていたことを明らかにした。

・「「拉致実行犯 めぐみさんに勉強教えた」」を映像で見るなら

「シン・ガンスは、めぐみちゃんに数学、理科を教えていました。日本語で、めぐみちゃんはまじめに習っていました」。

これは、拉致被害者の曽我 ひとみさんが、先週、横田 めぐみさんの両親に送った手紙。
曽我さんは、めぐみさんと平壌(ピョンヤン)市内の招待所で一時、共同生活を送っていたが、今回の手紙の中で、めぐみさん拉致の実行犯・辛光洙(シン・ガンス)容疑者が「義務教育だけは習わないとな」と話し、めぐみさんに数学や理科を日本語で教えていたことを明らかにした。
曽我さんは、自分が帰国できたのは横田さん夫妻の活動のおかげだと感謝の気持ちをつづり、「絶対にめぐみちゃんは帰ってきます。その日まで、絶対にあきらめずに一緒に待ちましょう」と、夫妻を勇気づけている。


南北がにらみ合う"境界線"はどんな場所か
11/16(木) 9:15配信 プレジデントオンライン

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バリケードが設置された非武装地帯の板門店(写真=AFP/時事通信フォト)
11月9日、トランプ米大統領が韓国と朝鮮の軍事境界線である「DMZ(非武装地帯)」の電撃訪問を試みたが、悪天候のため断念した。一方、13日には北朝鮮軍の兵士がDMZを越えて韓国側へ亡命をはかり、北朝鮮軍の銃撃を受けて負傷した。いつ発砲があってもおかしくない危険な場所に、なぜトランプ大統領は立ち入ろうとしたのか。DMZとはどんな場所なのか。軍事ジャーナリストの宮田敦司氏が解説する――。

■トランプ大統領は「電撃訪問断念」

 11月5日から14日にかけて、トランプ米大統領がアジア5カ国を歴訪した。このうち韓国には2日間滞在。この間に、朝鮮半島を分断している非武装地帯(demilitarized zoneの略/以下、DMZ)を視察し、北朝鮮に最も近い地域で、同国へ強いメッセージを送ることが予想されていた。

 トランプ大統領のDMZ視察は、事前に報道陣に示された日程にはなかった。7日の首脳会談の席上で文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の提案により急遽決定し、8日朝に訪れることにした、とされている。トランプ大統領は、ヘリコプターで現地へ向かったものの濃霧のため引き返すことになり、視察は実現しなかった。

 「電撃訪問断念」とメディアは報じたが、警備上の問題を考えると、「電撃訪問」ではなく事前に計画されていたと考えるほうが自然だろう。トランプ大統領も、必ず訪問したいと考えていたはずだ。朝鮮半島のDMZは、米国の大統領にとってそれだけ特別な場所だといえる。

■米国大統領の強い意志表明の場

 朝鮮半島のDMZは、半島を南北に分断する軍事境界線(全長248キロメートル)に沿って、南北にそれぞれ約2キロメートルの幅で設定されている。軍事境界線は朝鮮戦争の休戦ラインで、ここを象徴するのが直径約800メートル円形の板門店(パンムンジョム)共同警備区域である。

 板門店には1953年7月27日の休戦協定に基づく「中立国監視委員会」と「軍事休戦委員会」の本会議場が設置され、休戦協定の遵守状況を監視している。板門店共同警備区域は国連軍司令部が管轄しており、韓国にも北朝鮮にも属さない特殊な地域となっている。

 朝鮮戦争(1950~53年)がいまだに休戦状態であることから、この場所は、米ソ両陣営の対立による冷戦の象徴とも最後の遺物ともいわれている。同時に、DMZは南北合わせて約150万人もの地上軍が厳しく対峙する「最前線」でもある。

 緊張した雰囲気が漂う「最前線」で北朝鮮へ向けて米国大統領が発する言葉は、北朝鮮に対する米国の強い意志の表明となる。首脳会談の席上での発言や、国会議事堂でのスピーチとは違った重みがある。

 ロナルド・レーガン大統領(在任1981~89年)以降、ジョージ・ブッシュ大統領(父)を除いて、訪韓した米国大統領全員がDMZを視察している(ブッシュ大統領はレーガン大統領時代に副大統領として視察している)。朝鮮半島のこの場所は、それほど米国大統領にとって重要な位置づけなのだ。

 トランプ大統領のアジア歴訪は、北朝鮮との「口撃」の応酬に加え、米海軍の空母3隻を西太平洋へ展開して北朝鮮へ軍事的圧力を加えるなど、緊張した状態のなかで行われた。しかし、過去にはもっと緊張した状態で訪韓した大統領がいた。ビル・クリントン大統領である。

 クリントン大統領がDMZを視察した時(1993年7月11日)の米朝関係は、今年の「危機」のようなメディアを動員して作りだされたものとは違っていた。クリントン政権時代の危機は「第1次核危機」といわれている。

 クリントン大統領訪韓の約4カ月前である1993年3月8日、北朝鮮は米韓合同演習「チーム・スピリット」が2年ぶりに再開したことを受け、金正日が「朝鮮人民軍最高司令官命令第0034号」で「全国、全民、全軍に準戦時状態を宣布する」と宣言。国内が臨戦態勢に入った。「準戦時状態」が発令されるのは、全斗煥・韓国大統領暗殺を試みた「ラングーン爆弾テロ事件」以来10年ぶりだった。

 4日後の3月12日には、北朝鮮は核兵器不拡散条約(NPT)からの脱退を発表し、核兵器の開発を継続することを明確にした。さらに5月29日には、日本を射程距離に収める弾道ミサイル「ノドン1号」の初めての発射実験を実施。弾道ミサイル開発を継続し、韓国以外の国家にも弾道ミサイルで攻撃する意思があることを示した。

■カーター前大統領訪朝により危機は回避

 このような厳しい情勢のなかでクリントン大統領はDMZを視察し、板門店共同警備区域の西端にある「帰らざる橋」まで歩き、「(北朝鮮が核兵器を用いれば)彼らの国の最後になるだろう」と強く警告した。

 翌94年3月6日に板門店で開かれた「南北特使交換のための実務者会談」では、北朝鮮代表の朴英洙(パク・ヨンス)が「戦争になればソウルは火の海になる」と発言したことで、緊張はさらに高まった。

 こうした状況を受けてクリントン政権は4月になって、北朝鮮への武力行使の具体的な作戦の検討を始めた。こうして米朝の緊張状態はピークに達したのだが、6月15日にカーター前米大統領が訪朝し、金日成との会談で「核開発の凍結」への合意を引き出したことにより、危機は直前で回避された。

 朝鮮戦争休戦後、米朝関係は何度も危機を迎えたが、そのたびに回避されてきた。そして、DMZも維持されてきた。DMZの本来の機能は、偶発的な軍事衝突が戦争に突き進むことを防ぐもので、軍隊や軍事施設を備えない地域を意味する。DMZそのものは欧州やアフリカなどにも存在している。

 朝鮮戦争休戦直後のDMZの警備は緩やかで、境界線は木の柵だった。それが、北朝鮮軍特殊部隊部隊31人による朴正煕(パク・チョンヒ)大統領と閣僚の暗殺を狙った「青瓦台(大統領官邸)襲撃未遂事件」(68年)を契機に警備が一層強化され、1970年代には堅固な鉄柵が建設された。

 さらに1974年から78年にかけて戦車の進撃を阻止するコンクリートの障壁が建設され、現在のDMZの警備は、これ以上のものはないほど強固なものとなっている。

 DMZ内の警備を行っているのは、陸軍の一般の兵士ではない。休戦協定に基づき、韓国軍は「憲兵」(MP)が、北朝鮮側は「民警」(民事行政警察)が警備を行っている。

 このため、警備を行う軍人はMPを示す腕章を着用している。なお、北朝鮮軍は1996年に休戦協定の一部任務の放棄を宣言し、腕章を外しており、代わりに腕にワッペンを付けている。

■「非武装地帯」は有名無実化している

 DMZを警備する人員の数は、それぞれ1000人を超えないことになっており、武装は自衛用の単発式の小銃と拳銃のみ可能で、引き金を引くと銃弾が連射される自動小銃は禁止されている。

 しかし、実際には休戦協定の一部は形骸化している。DMZ内には韓国軍が約90カ所、北朝鮮軍が約280カ所の警戒所(OP)を設置しており、1カ所の人員を30人として計算すると休戦協定の「南北それぞれ1000人以内」の規定を違反している。

 また、北朝鮮軍は大型の火器を搬入しており、韓国軍も自動小銃で武装しているため、自衛用の武器のみの所持に限定している規定にも違反している。これについて韓国側は、「北朝鮮側が大型火器を先に搬入したので、これに対応するために最小限の武装を行った」としている。

 こうして搬入された武器により、銃撃戦が起きることもある。DMZにおける最大規模の銃撃戦は、1982年4月21日に北朝鮮軍の兵士が集団で韓国への脱出を試みた時だった。270分間にわたり、南北双方で8400発の銃弾が使用された。

 2000年代に入ってからは、DMZでは北朝鮮兵が軍事境界線を越境した場合に行われる警告射撃以外に銃撃は行われていなかったのだが、今月13日、板門店共同警備区域内で銃撃事件が発生した。

 本稿執筆時点(11月13日)では詳細はわかっていないが、板門店の北朝鮮軍の警備兵が韓国側へ逃走し、北朝鮮側からの銃撃を6~7発受けて負傷し、韓国の病院へ搬送されたのだ。

 実は、板門店での銃撃事件は1984年11月23日に発生した、ソ連人観光客の亡命事件以来のことになる(銃撃戦で北朝鮮兵3人死亡、米兵1人負傷、韓国兵1人死亡)。板門店はDMZでも最も警備が厳しい区域であるため、北朝鮮兵が板門店で亡命したのは1998年2月と2007年9月以来のことだった。

 このように、「非武装地帯」という名称の意味するところがわからなくなるほどの武装が施され、明日何が起きるのかもわからないのがDMZの現実なのだ。

 DMZを警備する兵士が置かれている環境は厳しい。人里から離れていて娯楽がないだけでなく、朝鮮半島東部には標高1000メートル以上の太白山脈がある。この山岳地帯にもDMZは続いているからだ。

 兵士は吹雪のなかでも急斜面にある鉄柵に沿って巡察(パトロール)し、異常がないか点検しなければならない。北朝鮮の工作員や特殊部隊がいつ鉄柵を破って侵入してくるかわからないからだ。

 巡察はDMZ外側の鉄柵沿いだけでなく、内側(南方限界線と軍事境界線の間)でも24時間態勢で行われている。夜間の巡察隊(韓国軍では「捜索隊」と呼ばれている)は日没後に出入門からDMZ内へ入り、日の出前に外に撤収する。この間、緊急時以外に出入門が開くことはない。

 ちなみに、厳しい対峙の場であるDMZには、意外な一面がある。警備用の通路以外に車や人が立ち入ることがないので、絶滅危惧種を含むさまざまな動植物が生息する豊かな自然が残っているのだ。

 しかしこの場所には、朝鮮戦争当時のものも含めて、韓国側、北朝鮮側双方で数百万個もの地雷が埋まっている。警備の車や兵士が通る場所以外は地雷原になっているのだ。そのため動物が地雷を踏んでしまい、夜になると爆発音が聞こえることがあるという。地雷さえなければ、動物にとっても楽園だろう。

■DMZが消えても数百万の地雷は残る

 DMZでは北朝鮮と韓国双方が大音量の拡声器で宣伝放送を行っている。筆者はたまたま、拡声器放送が行われている時期と中断されている時期それぞれに板門店を訪れたことがある。拡声器の音がない時は、鳥のさえずりと風の音しか聞こえないほどの静寂に包まれる。

 視界のなかに軍人の姿やプロパガンダの巨大な看板がなければ、見渡す限り豊かな自然が広がる平和な景色なのだが、同時にいつ銃声が聞こえてもおかしくない緊張感が漂っている。この独特な緊張感が、朝鮮半島が平和ではないことを物語っている。

 もし今後北朝鮮の政治体制が変わり、朝鮮半島に平和が訪れ、軍事境界線とDMZが消滅したとしても、数百万個もの地雷を完全に撤去することは難しい。

 カンボジアでは、1970年代以降の混乱や内戦で埋設された地雷の撤去作業がいまも続いている。カンボジア政府は15年に、地雷の撤去に必要な費用を今後10年間で約404億円と算出している。朝鮮半島でも、地雷を完全に撤去するには長い年月と巨額の資金が必要となるだろう。

 冷戦の遺物であり分断の象徴でもあるDMZは、同じく冷戦による分断の象徴であったベルリンの壁のように簡単に消し去ることはできないのだ。

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宮田敦司(みやた・あつし)
元航空自衛官、ジャーナリスト。1969年、愛知県生まれ。1987年航空自衛隊入隊。陸上自衛隊調査学校修了。北朝鮮を担当。2008年日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。著書に「北朝鮮恐るべき特殊機関」(潮書房光人社)がある。
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トランプ大統領、アジア歴訪の成果を強調-北朝鮮問題や貿易分野
11/16(木) 9:13配信 Bloomberg

トランプ米大統領は15日、ホワイトハウスで声明を発表し、約2週間のアジア歴訪について北朝鮮と貿易分野で何ら進展がなかったとの見方に反論する総括を行った。

トランプ大統領は、米国が世界中でこれほど敬意を示されたことはこれまでなく、米国民が再び、「将来を楽観し、われわれ自身の価値観に自信を持ち、歴史と世界で果たす役割に誇りを持つ」ようになったと主張。公正で互恵的な貿易について、アジアの首脳らに「私のメッセージが受け入れられた」と述べた。

大統領は「開かれた招待」と「経済的侵略や不正を働く国への警告」というスタンスを示し、他国との「公正で互恵的な貿易」を要求したと説明し、年間約8000億ドル(約90兆円)に上る貿易赤字は「受け入れられず、われわれはできる限り迅速にそれを減らし始めるだろう」と言明した。

アジアで出席した一連の首脳会議に参加した国々は、核開発プログラム放棄を迫るため北朝鮮に経済的圧力をかける米国の取り組みを支持しているとトランプ氏は語った。

中国国営の新華社通信は、中国の習近平国家主席が北朝鮮に今週特使を派遣すると伝えており、そのタイミングを考えると、米中首脳会談に関するメッセージを特使が携えている可能性もある。

原題:Trump Insists Asia Trip That Lacked Breakthroughs Was a Success(抜粋)


北朝鮮非核化へ日本と結束=アジア歴訪終了で米大統領声明
11/16(木) 8:10配信 時事通信

 【ワシントン時事】アジア歴訪を終え帰国したトランプ米大統領は15日、ホワイトハウスで声明を発表し、先の安倍晋三首相との会談について「北朝鮮の非核化に向け結束していくことで完全に一致した」と成果を強調した。


菅長官「『拉致』安倍内閣で解決」
11/16(木) 7:56配信 ホウドウキョク

横田 めぐみさんが北朝鮮に拉致されて、11月15日で40年がたったことについて、菅官房長官は15日、「安倍内閣で解決する考えに揺るぎはない」と強調した。
菅官房長官は「2002年に帰国された5名を除いて、いまだに拉致被害者の皆さんの帰国は実現していない。このことは、痛恨の極みであります。ご家族も高齢化し、一刻の猶予もない状況です。解決を強く求めるご家族の切迫感を、政府としても共有をさせていただいています。そして、安倍内閣の最重要課題として位置づけ、安倍内閣で解決をする考え方に、いささかも揺るぎはありません」と述べた。
また、拉致被害者の再調査などを約束したストックホルム合意を、北朝鮮が2016年に一方的に破棄すると表明したことに対し、菅長官は、「全く受け入れられない。破棄する考えは全くない」と述べ、引き続き、北朝鮮に対して、合意の履行を求めていく考えを示した。
そのうえで、「1日も早く、全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆる努力を傾注していく」と強調した。


アジア首脳外交の駆け引き(2-2)
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 ≪印≫

 ■4カ国同盟の重要度増す

 トランプ米大統領はアジア歴訪で「自由で開かれたインド太平洋戦略」を繰り返し提唱し、域内でのインドの重要性を強調。インドの存在感が高まる結果となった。インドでは台頭する中国を包み込む新しい関係構築を歓迎する一方、トランプ氏の「不確実性」への懸念も存在する。

 トランプ氏は10日のベトナム・ダナンでの演説で「インドは著しい成長を遂げた」とし、モディ首相については「広大な国と国民を一つにするために働いており、本当に成功している」と称賛した。

 14日の米印首脳会談でも両国関係の深化で一致しており、直接の訪問こそなかったが、常にインドが視野に入った歴訪となった。

 インドはアジア太平洋戦略において、米国が域内での存在感を増すことで、(1)中国を牽制(けんせい)する戦略的効果(2)中国への貿易依存を脱却する経済的効果-の2点を強く期待する。ただ、トランプ氏のアジア重視の“本気度”をいぶかる声も多く、現地ジャーナリストは「米国が本当のアジアのパートナーかは行動で示す必要がある」とくぎを刺す。

 そうした中、日米豪との「4カ国同盟」の重要性が浮上する。

 12日には4カ国の外務省局長級による「インド太平洋に関する協議」が開催され、連携強化に動き出した。

 印シンクタンク、カーネギー・インドセンターのC・ラジャ・モハン所長は「米国には不確実性が存在する」とトランプ氏を念頭に指摘。対米関係の仲介という意味でも「インドの信頼できるパートナーは日本だ」と強調した。(ニューデリー 森浩)

                  ◇

 ≪露≫

 ■砕かれた米との関係改善

 APEC首脳会議での米露の正式首脳会談見送りは、両国の関係悪化の実態をロシアのプーチン政権に改めて突きつけた。識者は今回の事態で、露の指導者層に残っていた対米関係改善への期待が完全に甘い見通しであったことが明らかになったと指摘した。

 一部露メディアによるとプーチン大統領は、APEC首脳会議への出席を会議開催の2週間ほど前まで決めかねていたという。

 直後にマニラで開催される国際会議にはメドベージェフ首相の出席が予定され、同氏がAPECに出席する判断もあり得たためだ。しかしトランプ米大統領がプーチン氏との会談を希望しているとの米側からの情報を受け、プーチン氏はAPEC出席に踏み切ったとされる。

 しかし10日には、正式会談が見送られるとの米ホワイトハウスの発表が報じられた。この問題をめぐる記者団の質問にラブロフ露外相は、トランプ氏は首脳会談実施を希望していたが、「他の“チヌーシ”(小役人)が何を言っているのかは知らない」と侮蔑的に述べ、米側の対応に不快感をあらわにした。

 ペスコフ大統領報道官は12日、会談見送りは米側がプーチン氏に都合が悪い時間帯1つのみを提示し、さらに会談場所も米側が借りた施設だったことが理由と明かした。

 7月にドイツで行われた米露首脳会談も米側の施設で行われており、今回は露側の施設を使うことが外交上の通例だったという。米側が首脳会談をいかに強く拒否していたかがうかがえる。

 モスクワ大学教授のフェネンコ氏は、会談見送りは「トランプ政権と対話ができるという“幻想”を完全に打ち砕いた」と述べ、同政権が過去の米政権と同様に対露関係改善の意欲を失った現実をロシアの政界エリートに突きつけたと断じた。

 別の専門家は「両首脳に合意できることは何ひとつなかった」と述べ、会談を行うこと自体、意味が薄かったと指摘している。(モスクワ 黒川信雄)

                  ◇

 ≪韓≫

 ■米中うかがい「一喜一憂」

 韓国大統領府は15日の会見で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の東南アジア歴訪を総括し、中国との関係改善や北朝鮮の核問題で成果があったと強調した。

 中韓関係は米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備問題でくすぶっている。大統領府は、11日の習近平国家主席との会談で、先月末に発表した関係改善の内容を再確認したことや、習氏から「文大統領の12月訪中の招請があった」ことなどを挙げ、「本格的な関係正常化の基盤ができた」と自賛した。

 ただ、中国の発表によれば中韓は、韓国のTHAAD追加配備の不可▽米国のミサイル防衛システムへの不参加▽日米韓の軍事同盟には発展しない-の3点で合意している。中韓首脳会談で、習氏が韓国の責任ある態度を求めTHAAD撤収を迫ったとされるのに対し、文氏は「中国を狙ったものではない」と従来の立場を繰り返したという。

 韓国側が大歓迎している文氏の12月訪中を中国側は発表しておらず、中韓相互の発表にはズレが見られた。中国との対話に喜んだ韓国だが、首脳会談が実現したものの中国の姿勢に本質的な変化は見られない。

 また、中韓首脳会談を前にトランプ米大統領を迎えた韓国は、中韓関係をめぐる米国の“誤解”を解き「米韓同盟」を確認した。しかし、その直後の中韓首脳会談は、米国からの誤解を再び招くものでもあった。韓国では「米中双方にいい顔をしている」(朝鮮日報)と文在寅政権の外交への批判は少なくない。

 一方、大統領府は、文大統領の一連の首脳外交で「北朝鮮核問題の平和的解決に向けた韓国政府の努力に国際社会の支持と協力を導き出した」とも評価している。ただ、北朝鮮の核・ミサイル開発に国際社会は常に反対しており、開発を続ける肝心の北朝鮮が態度を変えていない。

 米中の間で双方の顔色をうかがい一喜一憂した韓国に結局何が成果として残せたのか。北朝鮮問題など今後の課題は変わらない。

 大統領府は「文在寅政権が過去6カ月の外交的努力と成果を通し、韓国外交がこの間の空白を完全に復旧し新たに羽ばたく機会を作った」とも自己評価している。朴槿恵(パク・クネ)前政権の退陣騒動によって1年前から停滞を招いた韓国外交は、少なくとも、元の当然の形に近づこうとしているだけなのかもしれない。(ソウル 名村隆寛)


アジア首脳外交の駆け引き(2-1)
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 アジアを舞台にした一連の首脳外交が終わった。訪日で始まったトランプ米大統領のアジア歴訪、ベトナムでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議やフィリピンでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議では、北朝鮮の核・ミサイル開発や南シナ海の問題をめぐり各国の思惑が交錯した。

                  ◇

 ≪米≫

 ■歴訪「肩すかし」 禍根も

 中国の覇権主義に対抗する形で日米首脳は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱した。ただ米国やアジア各国に対し、懐柔策や離間策を駆使する中国のしたたかな外交戦略が際立った感は否めない。

 初のアジア5カ国歴訪を終えたトランプ米大統領は米東部時間14日夜(日本時間15日朝)、専用機でワシントンに帰着した。トランプ氏は14日にマニラで開かれた東アジアサミットへの出席を土壇場で取りやめ、米政権の「アジア重視」を打ち出すことを狙ったはずの一連の歴訪は、アジア諸国に「肩すかし」を食らわせる印象が付きまとった。

 ホワイトハウス高官によると、トランプ氏がサミットの出席を取りやめたのは、同日昼からのサミット関連会合の開始が遅れた上に議事進行が長引き、本来は午後1時ごろには始まるはずだったサミットが2時間遅れで開始となることが確実となったためだ。

 大統領専用機の出発予定時間は午後3時過ぎ。これ以上出発を遅らせればワシントン到着は、14日深夜か15日未明となるトランプ氏に出発時間の変更という選択肢はなかったとみられ、サミットには欠席する代わりに参加国首脳らによる昼食会の席上で、用意していた演説を読み上げた。

 ホワイトハウスが公表した演説原稿によると、トランプ氏は、焦点の南シナ海情勢に関し、「中国が拠点を建設し軍事化していることを引き続き懸念する」とした上で「領有権紛争の平和的解決を支持する」と述べたほか、全ての国に「航行と上空通過の自由」を尊重するよう要請した。

 ただ演説は、中国による南シナ海の軍事拠点化の抑止に向け、米国がどのような役割を果たしていくかについての言及はなかった。

 東アジアサミットとは、参加18カ国の首脳らが地域情勢に関して各国の立場を表明すること自体を主眼とする。米国はオバマ前政権下の2011年から参加国となった。ただ、会議では首脳間で具体的な議論が交わされることが少ないことから、外交筋によれば「オバマ前大統領が最も退屈そうに過ごしていた国際会議だった」という。

 だがそれでも、ASEANだけでなくインド太平洋の国々に対し、域内の安全保障上の懸案について米国の立場や政策を明確に打ち出す場は東アジアサミットが最も好適だったはずだ。

 トランプ氏がマニラで逸した機会は、米政権が想像する以上に禍根を残した恐れがある。(マニラ 黒瀬悦成)

                  ◇

 ≪中≫

 ■覇権主義隠し“微笑外交” 新型国際関係・一帯一路訴え

 中国の習近平国家主席は、ベトナムにおける日本、韓国、東南アジア諸国との首脳会談などで強面(こわもて)を封印し、“微笑外交”を繰り広げた。10月の中国共産党大会で打ち出した「強国」路線を柔和なベールで覆い隠しつつ、中国主導で「新型の国際関係」構築を目指す2期目の習外交が始動した。

 一連の会談で話題となったのが、習氏の柔和な表情だった。安倍晋三首相との会談では、仏頂面だった過去の会談との違いがメディアで取り上げられ、日中の関係改善を印象付けた。

 習氏はほほ笑みを浮かべる裏で、自身の早期訪日を望む日本や、対中関係の修復を望む韓国から譲歩を勝ち取るアメとムチの外交を展開。南シナ海問題で日本の対中批判を鈍らせるとともに、日米韓の安全保障協力では韓国から対中配慮を引き出すことに成功を収めた。

 習氏は党大会で、「今世紀半ばまでにトップレベルの国家になる」と宣言。強国路線を邁進(まいしん)する方針を示し、それを支える「大国外交」の強化をうたった。

 これに対し、中国の覇権主義や膨張主義を警戒する国際社会の声は高まっている。習政権としては、「強国」「大国」を包むオブラートが必要だった。「ウィンウィン」(共栄)を掲げた新型の国際関係や「人類運命共同体」、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」である。

 習氏はアジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合で、中国は「相互尊重、公平、協力、ウィンウィンを旨とする新型の国際関係と人類運命共同体の構築を進めていく」と演説、それが中国外交の目指すものだと主張した。

 その柱となるべき政策が一帯一路であり、習氏は「一帯一路はアジア、欧州、アフリカだけではなく、全ての国に開かれている」ともアピールした。

 2期目を迎えた習氏が今回、強面を封印し、柔和な姿勢に終始したのにはこうした背景がある。党大会で権力基盤を強化した余裕から生まれた微笑というレベルではない。大国外交推進のための戦略的微笑にほかならない。その先に見据えているのは、中国主導の新たな国際秩序作りだ。

 中国国際問題研究院の阮宗沢副院長は「中国の大国外交の目標は人類運命共同体の構築であり、その出発点は周辺国だ」と中国紙で指摘し、今回、習氏が周辺各国首脳と行った会談の重要性を強調している。

 中国は一方で、一帯一路を念頭に日米が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」には警戒感を隠さない。中国外務省報道官は「排他的なものにすることは避けるべきだ」と不快感を示し、「ウィンウィンに役立つものでなければならない」と牽制(けんせい)している。(北京 藤本欣也)


日米、対北3カ国協力確認 在韓米軍司令官 消極的な韓国牽制
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 来日中の在韓米軍のブルックス司令官は15日、小野寺五典防衛相、河野太郎外相と相次いで会談し、北朝鮮をめぐり日米韓3カ国の防衛協力を強化する方針で一致した。韓国政府が最近になって3カ国協力に消極姿勢を示している中、ブルックス氏は「同盟を再構築し、北朝鮮の挑発に焦点を当てることが重要だ」と述べた。ブルックス氏の来日は韓国政府を牽制(けんせい)する意味もありそうだ。

 外務省で行われた15日の会談で、河野氏が「日米同盟と米韓同盟の協力を強化することが極めて重要だ」と話すと、ブルックス氏は大きくうなずいた。

 日米両国は6日の首脳会談で韓国も加えた防衛協力の重要性を確認しており、15日の一連の会談では首脳間合意の具体化について協議した。ブルックス氏は、河野克俊統合幕僚長ら自衛隊幹部とも個別に協議した。

 韓国政府は10月31日に中国政府と関係改善に合意した際に「日米韓の安全保障の協力は3カ国軍事同盟に発展しない」ことに同意している。今月14日まで日本海で行われた日米共同演習には韓国軍も参加する予定だったが、韓国側が直前になって参加を拒否した。

 韓国国内には日本との協力に消極的な意見が根強く、防衛省関係者は「韓国軍は日韓協力が必要と分かっていても政治を気にして動けない」と語る。小野寺氏は会談後、記者団に「韓国国内に政治的に難しい案件もあると思う。少なくとも防衛当局はしっかり連携していきたい」と述べた。


横田めぐみさん拉致から40年 進展なく「怒りや焦り」 群馬
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=が北朝鮮に連れ去られて15日で40年となったことを受け、県内でも怒りや焦燥感が広がっている。拉致被害者の救出には国民世論の喚起はもちろん、北朝鮮への国際的な圧力も不可欠との声も強い。

 めぐみさんの両親の横田滋さん(85)、早紀江さん(81)夫妻が一時、前橋市内に住んでいたことから関わりがあり、平成14年に拉致被害者家族支援組織として立ち上がった「救う会・群馬」の大野敏雄事務局長は15日、産経新聞の取材に「北朝鮮に対する怒りや憤り、進展がないことへの焦りを感じている」と話した。

 14年に拉致被害者5人が帰国して以降は目立った動きがなく、15年が経過。被害者家族も高齢化が進み、表だった活動が厳しくなっている。

 「早紀江さんも気丈に見えるが、体の節々が痛いと言っている。夫妻にとってはこの40年間は針のむしろだったのでは。疲れ切った様子を見ると、時の長さを感じる」と大野氏。北朝鮮のミサイル開発にも言及し、「(政府は)核防止だけでなく、被害者救出の具体的な動きを見せてほしい」と訴えている。

 特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏は「拉致のことがもっと表に出てくれば世論は上がってくると思うが、それができていない」と指摘。「政府は、拉致問題がいかに重要かを北に伝え続ける必要がある」としている。

 県内では、救う会を中心に、拉致講演会やパネル展の開催など、国民世論の喚起を図っている。大沢正明知事は15日の定例会見で「拉致は非人道的な行為で許しがたい」と批判。「国際的に圧力をかけていかなければ解決できないと思っている。できる範囲で取り組んでいく」と語った。


「明日こそ会いたい…40年」 横田夫妻会見 滋さん体調不良で発言できず
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

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記者会見をする横田早紀江さん(左)と滋さん=15日、川崎市川崎区(川口良介撮影)(写真:産経新聞)

 横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=が北朝鮮に連れ去られて15日で40年となったことを受け、父の滋さん(85)と母の早紀江さん(81)は川崎市内で記者会見した。

 早紀江さんは「『明日こそは会いたい』と思い続け、姿が見えないまま40年たってしまった。必ず助ける。元気でいてほしい」と救出への願いを語った。老いや病で再会までの猶予が限られる現実に焦りもにじませ、「政府は本気度をもち、一刻も早く拉致被害者全員を救ってほしい」と訴えた。トランプ米大統領と家族会の面会が今月、実現したことについては、「拉致問題の解決へ良い機会。政府は各国としっかり連携してほしい」と期待を寄せた。滋さんは体調不良で発言できなかった。

 めぐみさんは昭和52年11月15日、新潟市で中学校のバドミントン部の練習を終えて帰宅中に北朝鮮工作員に拉致された。


拉致40年 菅官房長官「痛恨の極み」
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 菅義偉官房長官は15日の記者会見で、横田めぐみさんが北朝鮮に連れ去られて同日で40年となったことについて「長い年月がたっており、帰国が実現しないのは痛恨の極みだ」と述べた。「安倍晋三内閣の最重要課題として位置付け、安倍内閣で解決するという考え方にいささかも揺るぎはない」と強調した。


北、経済握る中国つなぎ留め
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が中国共産党の習近平総書記の特使受け入れを決めたのは、北朝鮮経済の生殺与奪権を握る中国をつなぎ留めようとするシグナルとみられる。ただ、国連制裁に同調した習政権への不信感は根深く、中朝の“雪解け”は予断できない。

 「習同志の特使として党中央対外連絡部長、宋濤同志が間もなくわが国を訪問する」。北朝鮮国営メディアは15日、ニュースでこう伝えた。同じ日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のトラクター工場視察も報じられた。

 金委員長は自らトラクターを運転、「敵対勢力の封鎖を破り、経済強国を切り開く自力自強の鉄馬だ」と評価したという。9月下旬以降、それまでの核・ミサイル関連から一転し、工場や農場視察に力を入れている。国連制裁の影響がひしひしと迫り、経済分野の引き締めを優先せざるを得ない内情がにじむ。

 そうした中、北朝鮮はロシアへの接近を強めてきた。崔善姫(チェ・ソニ)外務省北米局長が10月下旬、モスクワの国際会議に出席。日米韓の当局者らも参加し、露側が仲介に意欲を示したが、崔氏は「米国がわが国の核保有を認めない限り、会談に応じない」との原則論を振りかざし、不発に終わった。

 北朝鮮にとって結局、ロシアは安全弁にすぎず、貿易額の9割以上や原油供給を依存する中国との関係維持なしには、体制の安定もままならない現実がある。習氏の総書記再選に祝電を送り、習氏からの返信を党機関紙の1面に掲載するなど、関係維持を望むメッセージを送ってきた。

 一方で、中国は制裁圧力を加える当事者でもあり、名指しこそ避けつつ、国営メディアで非難してきた。制裁対象となった出稼ぎ労働者の一部に対しても、中国やロシアからの帰国が指示されたとも伝えられる。

 中国が対話の枠組みとして重視してきた6カ国協議について、崔氏はモスクワで「米国が変わらない限り、実効的でなく、復帰しない」と一蹴した。金正恩政権の最終的な交渉相手は中国ではなく、米国しか念頭にないとの姿勢を如実に示している。


北亡命兵発見 銃撃の16分後 韓国軍、小銃使用に応射せず
11/16(木) 7:55配信 産経新聞

 【ソウル=桜井紀雄】朝鮮半島の南北軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で越境しようとした北朝鮮兵士が銃撃された事件で、韓国軍が亡命兵士を一時、見失っていたことが分かった。北朝鮮側は休戦協定に違反し、自動小銃を使用。韓国側の対応の遅れや応射しなかったことが議論を呼んでいる。

 韓国軍が、北朝鮮側施設付近で軍人3人が素早く移動するのを察知したのは13日午後3時14分ごろ。直後に銃撃が起き、16分後にようやく韓国側で倒れていた兵士を発見した。救助までには事件発生から約40分が経過していた。

 韓国軍関係者は、亡命兵士が北朝鮮側で車を降りた場所は「木で隠れていた上、銃声で北の軍の動きを追っていて兵士の動きは把握できなかった」と釈明した。

 国会で14日、「南北共同警備区域(JSA)で北の銃弾が韓国側に越えてきた初の事件ではないか」との野党議員の質問に、宋永武(ソン・ヨンム)国防相が「その通りだ」と答えたことも波紋を呼んだ。宋氏が報告を受けたのは事件から1時間以上後。軍幹部は「韓国側で着弾の跡は確認されていない」と宋氏と異なる説明をした。

 北朝鮮側はJSAで携帯を禁じられている自動小銃AK47などで約40発発砲。これに対し、韓国側が応射しなかった対応を疑問視する声も上がるが、韓国軍関係者は「味方に危害が及ぶといった状況ではなかった」との認識を示した。亡命兵士は15日、2回目の手術を受けたが、意識不明の状態が続いているという。


凍結? 再開? どう出る北朝鮮=挑発「自制」2カ月
11/16(木) 7:04配信 時事通信

 【ソウル時事】北朝鮮が9月15日、日本上空を越える中距離弾道ミサイル「火星12」を発射してから2カ月がたった。

 この間、核実験や弾道ミサイルの試射といった大掛かりな挑発には踏み切っておらず、今後、どのような対応を取るかに関心が集まっている。北朝鮮は核・ミサイルの実験を事実上凍結しているという見方がある一方で、新型ミサイル用とみられるエンジン燃焼実験の実施報道もあり、ミサイル試射を近く再開する可能性も否定できない。

 15日付の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は論評で、トランプ大統領が韓国国会で行った演説について、「わが国家の存在自体を完全に否定し、わが人民の生存を許さないという公然たる宣戦布告と見なさざるを得ない」と非難。「米国は最も望まないことを体験することになる」と威嚇した。

 別の論評では「トランプのアジア歴訪中、米軍部は三つの空母打撃群を動員し、朝鮮半島周辺で演習を行った。それでも、米国が核戦争の導火線にあえて火を放てないのは、わが国が強力な核戦争抑止力を保有しているからだ」と主張、核保有を改めて正当化した。

 その上で、「トランプがわれわれの核放棄を夢見るのは、愚かな妄想だ」と批判し、「核保有国としてのわが国の実体を認め、尊重、共存する政策的決断を下さなければならない」と訴えた。

 米政府のユン北朝鮮担当特別代表は14日、韓国記者団に対し、「(核・ミサイル実験自制の背景は)分からない。北朝鮮は(実験を)停止するとわれわれに伝えてきていないためだ。このまま(自制を)続けるよう望んでいる」と述べた。

 ユン氏は10月末、「北朝鮮が核・ミサイル実験を60日間程度停止すれば、米国は直接対話に向けたシグナルと見なす」と述べたと報じられているが、明確な態度表明がないため、「停止」と見なすのはまだ早いという認識を示した形だ。

 トランプ大統領は近く、北朝鮮問題で声明を出す見込みで、韓国大統領府当局者は15日、「トランプ大統領の声明などに対し、北朝鮮がどのように対応するのか見極めなければならない」と指摘した。


むしろ潤っている? 制裁下で17年ぶり高成長 知られざる「北朝鮮経済」の実態
11/16(木) 7:00配信 SankeiBiz

 挑発を強める北朝鮮が、国際社会の圧力にもかかわらず着々と経済力をつけている。昨年はなんと17年ぶりの成長率を達成し、今年も9月末現在で貿易総額が2桁の伸びを記録する勢いだ。生活水準も向上し、背景には依然太い中国とのパイプや、アフリカなどでの活発な経済活動がある。知られざる北朝鮮経済の実態をリポートした住友商事グローバルリサーチの片白恵理子シニアエコノミストは「制裁はかつてほど効いてない」と警鐘を鳴らしている。

 2006年10月に最初の核実験を断行し、加えて相次ぐ日本海へのミサイル発射など、韓国や日本など近隣諸国への挑発を強める北朝鮮に対し、国連は安全保障理事会で制裁決議をたびたび採択してきた。中国やロシアなどかつての北朝鮮の友好国も、トランプ米政権に背中を押され、最近は制裁に同調する場面も目立つ。

 北朝鮮はさぞや苦境にあると思いきや、片白氏は「実際は制裁に対する抜け道があり、北朝鮮経済はむしろ潤っているようだ。(「トンジュ」と呼ばれる)新興富裕層も存在するほど平壌など都市部で生活水準が向上していると伝えられている」と8日に発表した調査リポートで指摘した。

 韓国の中央銀行である韓国銀行の推計によると、北朝鮮の16年の実質成長率は3・9%と08年以降初めて3%を超え、1999年の6.1%以来、17年ぶりの大きな伸びを記録した。前年に資源価格が下落した反動もあるが、ほとんどの産業で伸びが拡大した。GDPの21%を占める工業ではとくに重化学工業が前年の4・6%減から6・7%増のプラスに転じた。12%を占める鉱業も2.6%減から8・4%増とやはり大きく伸びた。GDPで最も大きな割合の22%を占める農林水産業も0.8%減から2.5%増とプラス成長に転じている。

 制裁により各国との貿易が減少し続け、2009年11月に通貨を100分の1に切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)で信頼失墜を招いたのにもかかわらず、リーマン・ショック後の09年から12年まで景気回復が続き、15年にマイナス成長となるまで「伸び率はほぼ横ばいの安定的な成長を持続している点は注目すべきだ」と片白氏は強調する。

 北朝鮮は中国への貿易依存度が高く、総額の9割以上を占める。その中国も国連の制裁決議に基づき、制裁を強化しており、今年2月には石炭輸入を停止し、8月から鉄鉱石や鉛の輸入を禁止した。影響はじわりと広がり、今年1~9月の輸入額は前年同期比16・7減となったが、片白氏は「今後も貿易総額の減少傾向が続くかは定かではない」とみている。今年1~9月の輸出額は20・9%増とむしろ伸び、輸出が押し上げて貿易総額も12・4%増だった。

 片白氏は「西側諸国による制裁はかつてほど効いていない。北朝鮮は海外に資金源を多く持っているからだ」と指摘する。

 北朝鮮は外貨獲得のため、故金日成主席時代から関係の深いアフリカ諸国でインフラ建設などに従事している。「一部のアフリカ諸国では不法活動を黙認し、中国企業が下請けに北朝鮮を使っていたりする」(片白氏)。そのプロジェクトの多くを担うのが北朝鮮の国営企業、万寿台海外開発会社だ。片白氏によれば、同社は少なくともアフリカの14の国連加盟国で軍需工場や集合住宅などのプロジェクトを担っており、北朝鮮経済を長期間支えられる規模になると推測されているという。

 片白氏は、緊迫の度合いを強める朝鮮半島有事の場合についてもリポートで分析。韓国のGDPが50%減少した場合に世界経済のGDPが1%減少するという、英調査会社キャピタル・エコノミクスの試算などを紹介している。片白氏は想定される被害を明確に予測することは不可能としながらも、「北朝鮮の核問題に関するリスクが高まる中、リスクを最小限に抑えるため想定シナリオを考えることは重要だ」と警告している。(SankeiBiz 柿内公輔)


米国から超高額イージス・アショアを買わされる日本
11/16(木) 6:15配信 JBpress

 トランプ大統領は訪日中に日本がアメリカから兵器を大量購入することを期待する発言をした。その発言にタイミングを合わせるかのように、日本国防当局は、かねてよりアメリカから購入する意向を明らかにしていた超高額兵器「イージス・アショア」弾道ミサイル防衛システムを、秋田県と山口県に設置する最終調整を進めていることが明らかにした。

現在、PAC-3防衛が保証されている7カ所の地点(地図)

 イージス・アショアは、これまで弾道ミサイル防衛システムを手にすることがなかった陸上自衛隊が担当するという。これで、海自、空自そして陸自すべてが弾道ミサイル防衛という“偉業”の当事者となる態勢が確立することになる。

■ 「二段構え」という宣伝文句のまやかし

 日本国防当局によると、「イージス・アショアの導入により現在二段構えの弾道ミサイル防衛態勢が三段構えになる」という。だが、これは詭弁に近い表現だ。

 国防当局は、現行の海上自衛隊イージスBMD艦(弾道ミサイル迎撃バージョンのイージス武器システムを搭載した駆逐艦)と、航空自衛隊PAC-3システムによる弾道ミサイル防衛態勢を“二段構え”として宣伝している。つまり、「まず日本海海上で待ち構えるイージスBMD艦から発射されるSM-3迎撃ミサイルで弾道ミサイルを撃墜する。その段階での迎撃に失敗した場合は、地上で待ち構えるPAC-3システムから発射されるPAC-3迎撃ミサイルで飛来してくる弾頭を撃破する」という。

 だが、これはあくまでPAC-3が配備され、迎撃態勢を維持している地点周辺20キロメートル圏内だけに限定されたシナリオだ。

 PAC-3システムによって弾道ミサイル(着弾直前の弾頭)を撃墜する確率は極めて高いとされている。1セットのPAC-3システムには、PAC-3迎撃ミサイルを16発搭載した地上移動式発射装置(TEL:トレーラーのような車輌)が2両所属しているので、計32発もの超高性能地対空ミサイルにより迎撃態勢を固めることになる。そのため、たしかにPAC-3システムは信頼に値するといえよう。

 しかしながら、PAC-3システムの迎撃性能が高い(とされている)ということは、弾道ミサイルを日本に撃ち込む側が、PAC-3が展開している場所を狙わないことを意味している。機関銃弾のように数万発、数十万発を発射することができない“なけなし”の弾道ミサイルをPAC-3によって撃墜されてしまっては元も子もない。よって「PAC-3システムを配備した場所には弾道ミサイルは飛んでこない」──これこそPAC-3の抑止力である。

 現在、航空自衛隊が保有しているPAC-3システムは18セットあるが、うち1システムは教育訓練用(このような予備セットはいかなる兵器にも必要)であり、即戦態勢はとられていない。したがって、陸上を移動して配備することが可能なPAC-3システムで防御できる地点(半径20キロメートル)は、全国で17カ所ということになる。

 それら17セットのうち2セットはアメリカ軍の重要航空基地が集中している沖縄に常備されている。また、これまでのPAC-3展開事例をみると、防衛省をはじめ中央指揮統制機能を防御するために防衛省本省敷地内、朝霞駐屯地内、習志野駐屯地内にそれぞれPAC-3システムが展開している。

 そして、今後日本に対する弾道ミサイル攻撃が予想される局面においては、弾道ミサイル追尾情報に必要不可欠なアメリカ軍の弾道ミサイル防衛用Xバンドレーダー(AN/TPY-2)を防御するために、青森県車力と京都府経ヶ岬にもPAC-3システムを展開させる必要がある。

 したがって、それらの“予約済み”配備地点以外に展開配備可能なPAC-3システムは、全て稼働状態にある場合で10セット(教育訓練用を実戦配備すれば11セット)、という計算になる。

 このように、「日本の弾道ミサイル防衛態勢は(現時点では)二段構え」という表現は、首都圏中心部、沖縄の米軍基地周辺部、米軍Xバンドレーダーサイト周辺部、そして“幸運な”10~11地点だけに当てはまるだけであり、まやかしに近い表現といえるのだ。

■ 「三段構え」にはならない理由

 日本国防当局は「現在二段構えの弾道ミサイル防衛態勢を、三段構えにして迎撃可能性をより一層高める」ためにイージス・アショアの導入を急いでいる。

 しかしながら、現在の弾道ミサイル防衛態勢は、上記のようにごくわずかな地点を除いては海自イージスBMD艦による一段構えに過ぎない。それも、複数のイージスBMD艦が日本海や東シナ海に展開している場合に限定される。そこで、イージス・アショアを秋田県と山口県に設置して、イージスBMD艦による一段構え態勢を補強しようというわけである。

 現在4隻が運用されているイージスBMD艦の場合、軍艦という性格上、4隻全部が常時出動しているわけではない。それと違って、青森県と山口県に建設される「弾道ミサイル防衛基地」に設置されるイージス・アショアは、常時日本海を越えて飛来する弾道ミサイルに即応することが可能である。したがって、イージス・アショアの導入が、イージスBMD艦による迎撃態勢を強化することは確実だ。

 ただし、イージス・アショアによって日本に飛来する弾道ミサイルを迎撃するためには、飛来する弾道ミサイルをできるだけ早く探知しなければならない。北朝鮮ならびに中国(満州地方)から発射される弾道ミサイルは、わずか7~10分程度で日本に到達してしまう。そのため、発射された弾道ミサイルを探知し、その飛翔データを秋田県と山口県に設置されるイージス・アショアに伝達するための「前進センサー」、すなわち現在6隻が運用されているイージス駆逐艦を少なくとも2隻は日本海に展開させておく必要が生ずる。したがって、イージス・アショアを導入したからといって海上自衛隊の防衛資源の節約には繋がらない。

 また、イージス・アショアは、イージスBMD艦に積載されている各種弾道ミサイル用センサーや武器システムを、地上に建設された固定基地に基本的にはそっくりそのまま陸揚げしたシステムである。迎撃用ミサイル(SM-3対空ミサイル)も共通であるし、弾道ミサイルを迎撃するポイント(上空で弾道ミサイルを撃墜する位置)も共通である。したがって、現在運用中のイージスBMD艦を2隻、秋田県と山口県に陸揚げして固定しただけということに等しい。

 つまり、確かに迎撃戦力強化にはなるが、イージス・アショアと競い合っていたTHAADシステムとは違って、「二段構えを三段構え」(実際には「一段構えを二段構え」)にするような強化策ではないのである。

■ アメリカの売り込み戦略に乗った日本

 トランプ大統領が日本政府に対して弾道ミサイル防衛システムのようなアメリカ製兵器の購入を期待する意向を示す以前から、日本政府は、オスプレイ中型輸送機、F-35A戦闘機、AAV-7水陸両用装甲車、そして弾道ミサイル防衛システムなどの超高額兵器の輸入を積極的に推し進めてきた。

 とりわけ、北朝鮮によるアメリカ本土攻撃用のICBMの完成が近づくにつれ、日本政府も日本のメディアも、あたかも日本に対する軍事的脅威は北朝鮮弾道ミサイルだけかのように、北朝鮮弾道ミサイルの脅威を声高に叫びはじめた。

 しかしながら、たとえ北朝鮮軍が日本を攻撃可能な弾道ミサイルを200発あるいは500発を手にしようとも、金正恩政権がそのような軍事的脅威を背景にして日本に政治的要求を突きつけたり、ましていきなり日本に弾道ミサイルを撃ち込む動機などは存在しない。

 北朝鮮による対日弾道ミサイル攻撃は、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃したときにのみ現実のものとなる。その点は、日本にとって深刻な潜在的脅威であり続けている中国の軍事的脅威とは大きく異なっている。

 したがって日本政府が何が何でも北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を避けたいのならば、アメリカによる北朝鮮に対する軍事攻撃を抑制することが、最大の、かつ確実な弾道ミサイル防衛ということになる。

 それにもかかわらず、中国による重大な軍事的脅威などには目もくれず、アメリカの対北朝鮮軍事攻撃を容認し、アメリカ側の言いなりになって超高額なアメリカ製弾道ミサイル防衛システムを購入しまくるという姿勢は、どこの国家の防衛当局のものなのか不明であるとしか言いようがない。

北村 淳


北朝鮮の自制はなぜか、孤立するトランプと「完全に一致」した安倍の危うさ
11/16(木) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン

 北朝鮮は9月15日の「火星12」の発射後2ヵ月間、弾道ミサイル発射を行っていない。従来、北朝鮮は米軍・韓国軍の共同演習を威嚇と見て、それに対抗しミサイルを発射、また国連の制裁決議に屈しない姿勢を示すためにもそうした行動を取ってきた。だが、トランプ大統領の11月5日からの日本、韓国、中国などの歴訪や日本海での日米、米韓海軍共同演習に対し、報道では口を極めた反発を示しつつ、軍事力の誇示を控えている。それはなぜかを考えてみた。

● 「核戦力の建設達成」は「中断」の弁明 米国の軍事圧力に一定の効果か

 唐突だったのは、朝鮮の「労働新聞」が10月28日号の論評で「核戦力の建設は既に最終完成の目標が全て達成された段階にある」と報じたことだ。

 その1ヵ月以上前の9月15日には、北海道上空を経て北太平洋に落下した「火星12」の発射実験を視察した金正恩国務委員長が、「(開発は)終着点にほぼ達しているので全力を尽くして終えなければならない」と語った、と北朝鮮で報じられた。

 わずか1ヵ月そこそこで、何がどう変わったのか。10月28日に突然「核戦力建設の目標は全て達成された」と発表したのは、ミサイル実験を今後行わない、しばらく中断することの内外に向けての弁明ではないか、と考えられる。

 北朝鮮の核・ミサイル開発は、1990年に当時のソ連が韓国を承認して国交を樹立、92年に中国もそれに続き、両国が北朝鮮に武器輸出を停止したため本格化した。

 ソ連、中国に見放された北朝鮮は孤立し、経済は衰弱、兵器の更新もほとんどできない状況にある。圧倒的に通常戦力で優勢な米軍・韓国軍に対して北朝鮮が抑止力を持とうとすれば、その最終目標は米国本土を確実に狙えるICBM(大陸間弾道ミサイル)と核弾頭の保有だったはずだ。

 9月15日に金正恩委員長が「終着点にほぼ近付いた」と言ったのは、そうした悲願ともいえるICBMの完成が近いことを示した、と考えられる。だが課題は残っていた。

 7月28日に発射した「火星14」は米国とロシアの間のICBMの飛行時間を上回る、47分間も飛び、理論上は、米本土ほぼ全域に到達する力を持つ。

 だが大気圏突入時の弾頭の姿勢制御や、その際に空気が圧縮されて生じる約7000度の高熱に耐え得るか、などの課題が残り、少なくとも完成までにはあと数回の発射実験が必要、と考えられていた。

 その後、北朝鮮は8月8日の人民戦略軍の声明などで、グアム島周辺の海上に向け「火星12」を4発発射する計画を公表、島根県などの上空を通るその軌道まで通告していた。ところがそれは実施せず、8月29日に北海道南部上空を経て北大平洋に向け「火星12」1発を発射しただけだった。

 グアム周辺への威嚇発射をやめたのは、米国がそれに怒って軍事的圧力を強化し、武力衝突に発展すれば北朝鮮の敗北は必至だったからだろう。

 米軍に攻撃されて、残った核ミサイルを急いで韓国、日本に撃ち込んだとしても、「刺し違い」となるだけで、北朝鮮は滅亡するから、米国に対し余りに露骨な威嚇は避けたものと考えられる。

 さらにその後、9月3日に北朝鮮は初の水爆実験を行い、9月15日に「火星12」を再び北太平洋に発射した。だが、それ以降2ヵ月ミサイル発射を行わず、10月28日に「核戦力建設の目標を達成した」と発表した。

 これは米国の軍事的圧力が北朝鮮に核廃棄を強いるほどの効果はなくても、ある程度自制をさせる役には立つことを示した、と考える。

● 中国が石油禁輸の制裁で 対北説得のカードを握る

 それ以上に重要なのは経済制裁、特に石油禁輸に対する中国の姿勢だろう。

 9月3日に北朝鮮が行った水爆実験に対し、翌4日に開かれた国連安保理緊急会合では米国のN・ヘイリー大使が「24年間も北朝鮮と対話してきたのは無駄だった。もうたくさん」と舌鋒鋭く徹底的な制裁を求め、6日に米国は全面的な石油禁輸を行う制裁案を提出した。

 だが、北朝鮮の石油輸入元の約9割を占める中国はそれに難色を示し、拒否権を発動しかねない状況だった。このため米国は中国と協議し、全面禁輸ではなく輸出量の上限を定める修正案を11日に提出。それが全会一致で決議された。

 実はこの米国案は骨抜きだった。北朝鮮への原油輸出を「年間400万バレル(63.6万キロリットル)以下」、石油精製品(ガソリン、軽油、重油など)は「200万バレル(31.8万キロリットル)以下」に制限することとしたが、OECD(経済協力開発機構)の付属機関である「国際エネルギー機関」の統計では、2014年の北朝鮮の石油輸入は原油が53.2万キロリットル、石油精製品が31.8万キロリットルだったから、安保理が定めた原油輸出の上限は2014年の北朝鮮の輸入量より10万キロリットルも多い。

 石油精製品の上限は2014年の輸入量と同じだった。米政府はメディアに「北朝鮮の石油精製品の輸入量は450万バレル(71.5万キロリットル)で、その55%の削減となる」と説明したが、2014年から16年までの間に輸入量が2倍以上に増えたとは信じ難く、トランプ流の成果の宣伝では、と疑われる。

 事実上、従来通りの北朝鮮への石油輸出を認めさせた中国は、その一存で北朝鮮への輸出量を左右できるから、それを北朝鮮説得のカギとすることができる立場となった。

 「全面的石油禁輸になるところを助けてやったのだから、アメリカを刺激するような行動はやめろ。またやったら石油を止める」と中国に言われれば、北朝鮮も従わざるを得ない。そこで「核戦力建設の目標は全て達成された」としてミサイル発射を控えることになった、と考えれば、北朝鮮の突然の姿勢変化の説明がつく。

● 米中首脳会談でも 習近平主席が主導権持つ

 トランプ大統領の11月8日の訪中を、習近平主席は最大級の厚遇で迎えたが、安倍首相の低姿勢のおもてなしと異なり、復活した「中華帝国」の威光をにこやかに示す風格が感じられた。

 北朝鮮に対する圧力に関して両首脳は共同記者会見で、「国連安全保障理事会が採択したすべての制裁決議を今後も厳格に履行していくことで一致した」と述べた。

 制裁決議は常任理事国である中国が賛成して決まったのだからこれは当然だ。米国が当初、唱えた全面的石油禁輸案に中国が反対し、事実上、従来通りの輸出量を上限とするよう修正させたのだから、トランプ大統領がその決議の「厳格な履行」に同意したのは「その範囲内での石油輸出には文句は言わない」と再確認したことになる。

 またトランプ大統領は「北朝鮮の核保有は認めず、経済圧力をかけ続ける」とも述べた。安倍首相との会談で合意した「最大限の圧力」ではなく「経済的圧力」としたことは「軍事的圧力」は除外する意味となる。

 習主席は「(米中)双方は対話と交渉による問題解決に努める」と共同会見で述べたが、これはトランプ大統領が「対話は無駄」とするこれまでの硬直姿勢を習主席との会談で緩めたことを意味する。

 トランプ大統領は、習主席との会談後、あらゆる手段による「最大限の圧力」や「対話は無駄」との日頃の主張をせず、「経済的圧力」を語り、習主席が求める「対話と交渉による解決」に反対する姿勢を示さなかった。トランプ大統領の場当たり的発言は定評があり、あまり当てにはならない、とはいえ、中国は北朝鮮と米国の双方をたしなめ、チキンゲームを続けて衝突することがないよう減速させることに、ある程度は成功したかに見える。

● 制裁で北の核放棄は期待できない 威嚇は武力衝突に発展する可能性が高い

 安保理が決めた経済制裁には、北朝鮮の核・ミサイル開発の速度を遅らせる効果はあっても、核廃棄をさせる効果があるか否かは疑わしい。

 前回10月19日の本コラムで書いたように、韓国政府は北朝鮮の核・ミサイル開発費用は 「昨年200億円以上」と推計していることを日本外務省に伝えている。

 これは日本が購入中のF35Aステルス戦闘機(1機146億円)の1.4機分でしかなく、北朝鮮のGDPの0.6%に過ぎない。この程度の額であれば、経済制裁によって「資金源を断って核・ミサイルを廃棄させる」効果はまずないといえよう。

 また、経済制裁で生活が苦しくなった国民が政府に対し蜂起した例もこれまでなく、むしろ制裁に反発し団結強化に向かいがちだ。経済制裁はせいぜいがミサイル発射や核実験を若干慎ませ、開発を遅らせる程度の効果しかあるまい。

 いずれ米国は「経済的圧力」に効果がなければ、「軍事的圧力」に力点を移すしかない。威嚇は相手がそれに屈しなければ一層エスカレートし、武力紛争に発展しがちだ。

 米国はトランプ大統領の東アジア歴訪に合わせて、空母「R・レーガン」「T・ルーズヴェルト」「ニミッツ」3隻とイージス・ミサイルシステムを搭載した巡洋艦、駆逐艦11隻を北西太平洋に集結させ、最大154発の「トマホーク」巡航ミサイルを搭載する原子力潜水艦「ミシガン」も朝鮮半島水域に派遣している。

 11月11日から14日の米韓合同海洋演習には韓国海軍の7隻も参加、日米の共同訓練には海上自衛隊のヘリ空母「いせ」と護衛艦「いなずま」「まきなみ」やP‐3C哨戒機などが参加した。グアムのB1B爆撃機と航空自衛隊、韓国空軍との共同訓練も行われ、米空軍は嘉手納にF35Aを12機増派、岩国の海兵隊のF35Bの16機と合わせステルス戦闘機は28機になる。

 これらの計画は、今回のトランプ・習近平会談以前に決まったもので、この会談後にトランプ大統領が「経済的圧力の強化、継続」を表明したのとは完全には合致せず、もし北朝鮮がミサイル発射を控え続ければ、米空母は再び横須賀を母港とする「R・レーガン」だけに戻る可能性が高い。

 だが一方で、北朝鮮がミサイル発射や核実験を再開すれば、米軍は威嚇を強化せざるをえない。北朝鮮の領海付近で艦艇、航空機が活動し、米軍がこれまで他国上空でしばしば行ったように、領空上空に入って偵察活動をすれば、相手は対艦、対空ミサイルを発射するなどで対抗し、誰も望んでいない戦争の戦端が開かれる結果になりかねない。

● 日本にもミサイルが発射される 日本人の命を守るのは習近平?

 米統合参謀本部は11月初頭、米国議員の質問に答えた書簡で「北朝鮮の核兵器の位置を特定し、完全に破壊する唯一の方法は地上部隊の侵攻であり、地下深くの施設を無効化する間に北朝鮮が核兵器で反撃する危険がある」と述べ、外交的解決を求めている。

 もし米・韓軍が北朝鮮を攻撃すれば、滅亡が迫った北朝鮮は自暴自棄となり、急いで残った核ミサイルを韓国や日本に発射する公算は高いのだ。

 仮に東京の都心上空で北朝鮮の水爆(推定威力は爆薬16万トン相当)が爆発すれば、半径4キロ以内では初期放射線と爆風、熱の相乗効果でほぼ全員が死傷し、6~7キロメートル以内でもヤケドを負うことになる。

 勤務時間内なら、都心の4キロメートル圏内に400万人は居るだろう。日本の政治、行政、経済、情報の中枢は壊滅し、救援も遅れて悲惨な状況になる。米国防長官J・マティス海兵大将(退役)が「第2次大戦後最悪の惨事となる」として、外交的解決を求めるのは当然だ。

 習主席が「対話による北朝鮮核問題の解決」の必要性をトランプ大統領に説いたのは、米軍の首脳部やR・ティラーソン国務長官、与党共和党の主流など、現実派と軌を一にしている。

 世界の国家指導者はほぼこぞって対話を求めている。一方、トランプ大統領は奇矯、浅慮の言動で世界から孤立、第一の同盟国である英国でも、「エリザベス女王が謁見をされるべきか否か」が論じられ、いまだに公式訪問ができないほどの不評だ。

 国内でも省庁幹部の任用がなお進まず、大統領令は裁判で次々に否定され、側近のロシアとの癒着の捜査が進み、共和党の重鎮とも罵倒の応酬をするありさま。彼の失態報道には「ウソだ。ウソだ」と耳をふさぐ、有権者全体の30数%のトランプ信者だけが頼りだ。

 ところが安倍首相だけはこの「四面楚歌」のトランプ大統領との密接さをアピールしようと、ひたすら歓待に努め、「対話は無駄」と言うトランプ大統領に歩調を合わせて、「最大限の圧力をかける」ことで完全に一致したのだ。

 米国の現実派と同調し、対話の必要性をトランプ大統領に説いた習主席とは対称的だ。
「戦争になれば大参事となる。核戦争を避けるには外交と対話が必要」とする米軍上層部の現状認識は私がこの数ヵ月間、本コラムで述べてきたことと「完全に一致する」。

 「日本人の命を守る」ことに貢献するのは安倍・トランプ両首脳ではなく、習主席および慎重な米国の将軍達か、と慨嘆せざるをえない。

 (軍事ジャーナリスト 田岡俊次)


中国 北朝鮮に特使派遣へ
11/15(水) 23:17配信 ホウドウキョク

中国共産党の外交部門トップが、習近平政権の2期目発足後初めて、北朝鮮を訪れることが明らかになった。
中国の国営メディアは、共産党の外交部門、中央対外連絡部トップの宋濤部長が17日、習主席の特使として北朝鮮を訪問すると伝えた。
10月に開かれた党大会について伝えるためだとしている。
中国共産党は、党大会の終了後すぐに、同じ社会主義国のベトナムとラオスに特使を出していたが、北朝鮮には派遣せず、関係悪化が影響しているとみられていた。
中国外務省の報道官は15日、「訪問中には、共通の関心事項について意見交換する」と述べていて、核・ミサイル開発の問題や経済制裁について、議論が及ぶ可能性がある。


「拉致被害者返して」=曽我ひとみさんが講演―横田めぐみさん拉致40年・新潟
11/15(水) 21:19配信 時事通信

 横田めぐみさん=失踪当時(13)=が北朝鮮に拉致されてから40年となった15日、拉致被害者の曽我ひとみさん(58)が新潟市内で講演し、「めぐみさんを家族に、母を私のもとに返してください。それだけしか望んでいない」と拉致問題の解決を訴えた。

 拉致から40年がたったことについて、「本当に心の痛む11月です。あまりにも長い年月がたっている」と語った。そして「めぐみさんにとって、また忌まわしい日が来たと落胆する日でしょう」と、救出を待ち続けるめぐみさんの胸中を思いやった。

 曽我さんは北朝鮮の招待所で2回、めぐみさんと同居したという。結婚を機に離れた際、めぐみさんから赤いバッグをもらい「優しさが心にしみて、別れがつらかった」と振り返った。

 「離ればなれになってからのエピソードを、笑い飛ばせるぐらい話しましょう。必ず日本に帰ると信じて待っていてください」と呼び掛け、再会を誓った。

 曽我さんと一緒に拉致され、いまだに行方が分からない母のミヨシさん=拉致当時(46)=については「39年、顔を見ることも声を聞くこともできていない。しかし拉致されたことは事実。母の現状を聞くまであきらめる気はありません」と強調した。

 会場では講演の後、めぐみさんの同級生で、バイオリニストの吉田直矢さん(53)によるコンサートも開かれた。

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