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2017年9月 7日 (木)

北朝鮮、今度は弾道ミサイル発射・186

去る1月6日に核実験を行なった残虐な中世の亡霊・暗黒独裁国家・北朝鮮が、今度は長距離弾道ミサイル発射実験の準備を進めていたが、ついに7日9時31分に発射した。

政府は7日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、国民の安全確保に万全を期すとともに、米韓などと緊密に連携し、北朝鮮に厳しく対応していく方針を確認した。
NSCで首相は、「米国や韓国など関係国と連携し、必要な対応を適時適切に行う」よう求めた。また、首相は関係省庁に対し、(1)落下物などによる被害がないかの確認(2)情報収集・分析の徹底(3)関係国との連携―を指示した。

安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で記者団に対し、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したことについて「断じて容認できない。明白な国連安全保障理事会決議違反だ。国際社会と連携し、毅然として対応する。国民の安全と安心を確保することに万全を期する考えだ」と述べた。

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リンク:北朝鮮核実験 韓国、THAAD発射台4基を新たに搬入、6基態勢整う - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「ICBM9日発射」の予測も=北朝鮮に強い警戒感―韓国首相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:9日に運動会、北朝鮮のミサイル発射に備え警戒強化…避難方法協議し、職員や生徒に周知徹底 岡山 - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:トランプ米政権、米韓FTA破棄巡る協議を棚上げ=高官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:THAADを追加配備=発射台6基で運用へ―在韓米軍 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮危機・習近平の選択 次々つぶされた晴れ舞台 中国が恐れる「レッドライン」は米軍事行動 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北方領土 日露共同活動5分野 きょう合意、北圧力に協力要請 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国不在でも決議案配布 米、交渉本格化へ異例措置 安保理 - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:軍事行動、第1の選択でない=米大統領、次の展開「そのうち分かる」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米、原油全面禁輸の決議案=正恩氏を制裁指定、中ロの対応焦点―国連安保理 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「通常業務を継続」=冷静対応呼び掛け―在韓米大使館 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

THAAD発射台を韓国軍基地に追加配備-北ミサイル懸念の中
9/7(木) 10:38配信 Bloomberg

韓国軍の基地に7日、高高度防衛ミサイル(THAAD)の発射台4基が搬入された。韓国政府は北朝鮮が今週末にもミサイルを新たに発射する可能性があると警告している。

韓国の李洛淵首相は同日、ソウルでの会合で、北朝鮮が建国記念日の今月9日にミサイルを発射する可能性があると述べるとともに、北朝鮮の完全な核武装までにあまり時間が残されていないと指摘した。

韓国は北朝鮮の脅威の高まりを受け、THAAD発射台の追加配備を行うと表明していた。しかし、中国はTHAADが地域的な安全保障のバランスを崩しかねないほか、中国のミサイルに対しても使用され得ると反発している。

文在寅大統領は就任当初、追加配備に反対していたが、北朝鮮の7月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射を受け、ソウルの南東220キロメートルに位置する星州(ソンジュ)基地への発射台4基の配備を検討するよう高官らに指示した。

原題:Thaad Launchers Arrive at South Korea Base as Missile Fears Rise(抜粋)


北朝鮮核実験 韓国、THAAD発射台4基を新たに搬入、6基態勢整う
9/7(木) 10:26配信 産経新聞

 【ソウル=桜井紀雄】米韓両国は7日午前、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台4基と工事資材を韓国南部星州(ソンジュ)の配備地に搬入した。発射台2基は4月に配備済みで、北朝鮮のミサイル攻撃に備えた6基一式のTHAADの配備が完了する。

 文(ムン)在寅(ジェイン)大統領は、環境影響評価(アセスメント)の徹底を理由に4基の追加配備を先送りする姿勢を見せていたが、7月末の北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて一転、臨時配備を指示した。

 中国は配備に強く反対しており、中韓関係の悪化が長期化する恐れがある。

 配備地の入り口周辺では、配備に反対する住民ら約400人が約5時間にわたって座り込むなど抵抗し、排除しようとした警官隊と衝突。消防によると、警察と反対派計27人がけがなどで病院に運ばれた。


「ICBM9日発射」の予測も=北朝鮮に強い警戒感―韓国首相
9/7(木) 10:19配信 時事通信

 【ソウル時事】韓国の李洛淵首相は7日、「北朝鮮の政権樹立(建国)記念日である9日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を通常の角度で発射する新たな挑発に出るとの予測もある」と述べ、強い警戒感を表明した。

 ソウル市内で開かれた多国間の官民セミナー「ソウル安全保障対話」で演説した。

 李首相は、北朝鮮の核武装を防ぐ手段として、制裁と抑止、対話があるとしながらも、「今は制裁を最大限に強化し、軍事的な抑止手段を十分に確保しなければならない」と強調。「対話は最終的には必要だが、(今は)北朝鮮との対話を提起する時ではない」と断言した。

 その上で、北朝鮮への原油禁輸などを含む「最強の制裁」に支持を表明。軍事面では、韓国が開発可能なミサイルの弾頭重量制限を撤廃することで米韓首脳が合意したと説明した。


9日に運動会、北朝鮮のミサイル発射に備え警戒強化…避難方法協議し、職員や生徒に周知徹底 岡山
9/7(木) 9:46配信 産経新聞

 秋の運動会シーズンが到来しているが、9日に建国記念日を迎える北朝鮮が、これに合わせて弾道ミサイルを発射する可能性があるとされることから、同日に運動会を開催予定の岡山県内の学校関係者らが警戒を強化している。

 このうち津山市では、市立の全8中学校が9日に運動会の開催を予定。市教育委員会では各校にミサイル発射時の具体的対応を通告した。

 発射された場合の着弾までの時間は10分前後とされ、迅速な対応が求められるためで、各校ではこれをもとに状況に応じた避難方法などを協議し職員や生徒に周知を徹底。さらに当日観覧する保護者に向けては、避難方法などを説明した文書も配布した。

 同文書によると、Jアラート(全国瞬時警報システム)が運動会本番中に発信された場合は直ちに生徒を校舎内に誘導。机の下などに避難させる。保護者についても体育館や校舎内など動線の短い建物内の避難を呼びかけている。

 生徒の登下校中の発信の場合は、近隣の建物に入ることや物陰に身を寄せること、隠れる場所がない場合は、その場で地面に伏せるよう指導をしていることも紹介している。

 避難完了まで5分以内を目標としており、この文書を1日の配布に加え、6日にも再度学校便りと合わせて保護者へ配布した市立津山東中(同市押入)の松本勝巳校長は「体育会(運動会)は学校年間行事の中でも最大イベント。生徒らの大きな楽しみでもあり、本番に向けてみんな一生懸命練習している。万が一に備えて態勢作りを徹底するが、無事に終わることを願うばかり」と話していた。


最前線の離島に緊張、初のミサイル落下想定訓練…「さまざまな事態を島内で完結させる必要がある」 島根・隠岐の島町
9/7(木) 9:43配信 産経新聞

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教室で、机を動かし頭を抱える児童たち=9月6日午前10時22分、島根県隠岐の島町原田の町立中条小(小林宏之撮影)(写真:産経新聞)

 北朝鮮による弾道ミサイルの落下を想定した対応訓練が6日、実施された島根県隠岐の島町。島内に聞き慣れないサイレンが鳴り響き、児童・生徒らを中心に約2千人が避難行動を取るなど、同国に対峙(たいじ)する最前線の離島に緊張が走った。

 「ミサイルが発射されたもようです。頑丈な建物や地下に避難してください」

 午前10時20分。国民保護警報のサイレンとともに、防災行政無線でJアラート(全国瞬時警報システム)の情報が町内全域に伝えられた。

 授業中だった町立中条(なかすじ)小の児童たちは、担任の指示で机を両側に移し、窓から遠い教室中央部で身をかがめた。教員らは窓ガラスが割れるなどの事態に備え、窓のカーテンを閉めた。この間、担任は子供たちに姿勢を維持するよう指示したり、体調に異変がないかどうかを確認したりした。

 午前10時25分。「ミサイルが落下した可能性があります」とのアナウンス。教職員らが避難経路の安全を確認。子供たちは、本を入れたバッグや机のマットなどで頭部を保護しながら教室から体育館へ移動した。

 「サイレンの音は怖かった。本当にミサイルが落ちたらパニックになってしまうかも」と6年の男子児童(12)。6年の女子児童(11)は「ミサイルを撃つなんてやめてほしいけど、訓練はしておいたほうがいい」と話した。

 「できればやりたくない訓練だが危険性が高まっており、子供たちの身を守ることにつながる」と訓練を終えた佐々木隆校長。有毒ガスや爆発の有無など、さまざまな想定の訓練の必要性についても言及した。

 同町危機管理室の吉田篤夫室長は「今回の訓練は、Jアラートなどについて住民にしっかり理解してもらう第一歩。離島は、さまざまな事態を島内で完結させる必要があり、今後もしっかり取り組んでいきたい」と意義を強調した。


北朝鮮脅威で姉妹提携の高校生らが訪日延期…安全上の不安などが理由 小豆島とギリシャ・ミロス島
9/7(木) 9:37配信 産経新聞

 香川県・小豆島と友好姉妹島提携するギリシャ・ミロス島が10月に予定していた高校生13人を含む小豆島訪問団の来島が、緊張が高まる日本と周辺国との安全上の不安などを理由に延期されたことが6日、小豆島国際友好協会への取材で分かった。

 ミロス市のゲラシモス・ダムラキス市長によると、高校生13人と保護者、市職員ら計30人による訪問は、北朝鮮と近隣諸国との間の緊張した状態を懸念して訪問を数カ月、先送りする議案が市議会に提出され承認された。

 北朝鮮は8月26日、日本海に短距離弾道ミサイルを3発発射し、同29日には日本上空を通過して太平洋へ弾道ミサイルを発射するなど、かつてない脅威を日本国民に与えているだけでなく、今月3日には6回目の核実験を強行するなど危険な行為が続いている。

 両島の相互訪問では、平成13年の米国への同時多発テロ事件による世界的緊迫や、23年の東日本大震災とその後のギリシャの金融・経済危機や政権交代が引き金となった世情不安などでそれぞれ延期された経緯がある。どちらも数年後には訪問が実現しており、昨春は小豆島から13人の中・高校生がミロス島で友好を深めた。

 世界を揺るがす緊張に翻弄される2つの小さな島の友好関係。ミロス市では「小豆島訪問には意欲的」としており、同友好協会では「改めて訪問を計画されることを心待ちにしている」としている。


「次は東京上空越えるミサイルも」中国高官、日本の国会議員団に伝達
9/7(木) 9:30配信 産経新聞

 中国の孔鉉佑・朝鮮半島問題特別代表兼外務次官補が8月30日、日本の超党派の国会議員団と北京で会談した際、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「次は東京の上空を越える発射を行うシナリオも考えられる」と発言していたことが分かった。具体的な根拠は示さなかった。

 北朝鮮は会談前日の29日、北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射していた。孔氏は、ミサイル発射を強行した北朝鮮への圧力強化を求める日本を牽制(けんせい)したとみられる。日中外交筋が6日、明らかにした。

 会談したのは、自民、民進、公明各党議員による「日中次世代交流委員会第5次訪中団」(団長・遠山清彦衆院議員=公明)で、約1時間会談した。孔氏は北朝鮮情勢について「危機的な状況でも対話を試みる価値はある。さもなければブレーキが利かず、エスカレートするだけだ」と強調し、「東京上空通過」に言及した。

 同時に「そうならないように対応したい」とも語り、北朝鮮に対し国連安全保障理事会決議の順守を求めていることも説明した。

 遠山氏らが北朝鮮への圧力を強めるよう求めると、孔氏は「圧力の強化に賛成だ」とも語ったという。同席者によると、「『東京上空通過』はあくまで選択肢の一つとしてあり得るとの趣旨だった」と語った。

 孔氏は8月に北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議を担う朝鮮半島問題特別代表に就いた。日本語に堪能で、駐日公使の経験もある。


北朝鮮核実験 トランプ氏、軍事攻撃の実施は「様子見る」、米中首脳電話会談には手応え示す
9/7(木) 9:19配信 産経新聞

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮に対する軍事攻撃は「第1の選択肢ではない」としつつ「何が起きるか様子を見る」と述べた。トランプ氏はまた、6日に行った中国の習近平国家主席との電話会談について、「長時間にわたる非常に良い会談だった」と指摘した。

 その上で、「実行できるかは分からないが、習氏は行動する意思がある。北朝鮮で起きていることは我慢ならないし、習氏も私に100%同意していると確信する」と語り、習氏が国連安全保障理事会の制裁決議などを通じた北朝鮮に対する圧力の強化に同調することへの手応えを感じたことを示唆した。

 ホワイトハウスが発表した声明によると、米中首脳は北朝鮮による6回目の核実験は「挑的かつ(情勢を)不安定化させる行動」であるとして非難した。

 両首脳はまた、「北朝鮮が進んでいる道は世界にとって危険で、北朝鮮の国益にも沿わない」とした上で、朝鮮半島の非核化という目標に向けて米中が連携を強化し、さらなる措置を講じていくことを確認した。

 一方、ティラーソン国務長官とマティス国防長官、ダンフォード統合参謀本部議長、コーツ国家情報長官の4人は6日、議会を訪れ、上下両院議員らに北朝鮮情勢に関する非公開の状況説明を行った。

 北朝鮮が「水爆」と主張する先の核実験や、北朝鮮の核・ミサイル能力などに関する情報分析や、政権の今後の対応について話したとみられる。


北朝鮮核実験 米、石油禁輸の制裁決議案 金正恩氏の資産凍結も 国連安保理
9/7(木) 9:18配信 産経新聞

 【ニューヨーク=上塚真由】北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安全保障理事会の対北制裁交渉を主導する米国は6日、北朝鮮への石油輸出を全面的に禁止し、金(キム)正(ジョン)恩(ウン)朝鮮労働党委員長を渡航禁止や資産凍結の対象に指定する新たな制裁決議案を全理事国に配布した。米国のヘイリー国連大使が主張してきた「最強な措置」で、核・ミサイル開発を断固として容認しない強い姿勢が示された。

 米国は11日の採決を目指しており、今後、北朝鮮の後ろ盾である常任理事国の中国、ロシアとの激しい駆け引きが予想される。

 産経新聞が入手した新たな制裁決議案は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮のエネルギー供給源と、外貨獲得源を絶つことが柱。国連加盟国に対し、北朝鮮への原油、石油精製品、天然ガス液などの供給や販売、移転を禁じた。

 また、北朝鮮の輸出産品である繊維製品の全面禁輸も定めた。

 このほか、北朝鮮が海外に派遣している労働者については、原則として雇用や賃金の支払いを禁止。大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けた8月5日の制裁決議では新規受け入れの禁止にとどまったが、措置を強化した。

 北朝鮮労働者の最大の受け入れ先は中国とロシアだが、アジア、中東、アフリカ、欧州の各国に及ぶ。北朝鮮企業との合弁企業を設立することも禁じた。

 渡航禁止や資産凍結対象としたのは5個人と7団体。個人には金正恩氏のほか、朝鮮人民軍の黄炳瑞総政治局長ら、団体には国営高麗航空、朝鮮労働党中央軍事委員会、朝鮮人民軍などを対象としている。

 追加制裁に慎重な中国とロシアは、石油の全面禁輸や金正恩氏を制裁対象に加えることに反発する可能性があり、11日に採決に持ち込めるのか不透明な状況となっている。


トランプ米政権、米韓FTA破棄巡る協議を棚上げ=高官
9/7(木) 8:56配信 ロイター

[ワシントン 6日 ロイター] - トランプ米政権が米韓自由貿易協定(FTA)の破棄に関する検討を棚上げしたことが、1人の高官の話で6日、明らかになった。トランプ大統領は米韓FTAが米国にとって不公平な取り決めだと批判しており、破棄に向けて政権内で協議を行っていた。

高官が匿名を条件に語ったところでは、米韓FTAが破棄される可能性はまだあるものの、すぐに破棄する計画はないという。

北朝鮮が3日に6度目の核実験を強行し、朝鮮半島情勢の緊張が高まる中、北朝鮮の核・ミサイル開発問題の解決に努めるトランプ大統領にとって、韓国の協力は必要だ。

トランプ大統領のアドバイザーの中には、アジアの重要な同盟国である韓国との関係悪化を避けるため、現在のFTAを維持するよう大統領に強く求める者もいる。


THAADを追加配備=発射台6基で運用へ―在韓米軍
9/7(木) 8:54配信 時事通信

 【ソウル時事】在韓米軍によると、最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台4基が7日朝、配備先の南部・星州に搬入された。

 既に運用している発射台2基と合わせ、予定していた6基体制となり、配備は完了。北朝鮮のミサイルに備え、運用に向けた準備を進める。

 韓国国防省報道官は7日、「北朝鮮の核・ミサイルの脅威から国民の生命と安全を保護するため、発射台4基を配備した」と発表した。中国とロシアは韓国へのTHAAD配備を批判しており、反発を強めるとみられる。

 米韓両政府は朴槿恵政権下の昨年7月、北朝鮮の脅威に対する防衛態勢を強化するため、在韓米軍へのTHAAD配備を決定。今年4月に発射台2基を配備し、運用を始めていた。


北朝鮮危機・習近平の選択 次々つぶされた晴れ舞台 中国が恐れる「レッドライン」は米軍事行動
9/7(木) 8:18配信 産経新聞

 中国国防省は6日、ある軍事演習を前日に実施していたことを公表した。渤海湾付近でミサイル演習を行ったというのだ。

 「特定の国家を想定して実施したものではない」

 そうわざわざ断ってはいるが、渤海湾から目と鼻の先にあるのが朝鮮半島。有事に備えた演習、あるいは北朝鮮の度重なる挑発に対する軍事的警告か。さまざまな臆測が飛び交った。人民解放軍内の北朝鮮への憤りが伝わってくる-。

 5日午後、中国福建省アモイの国際会議センター。習近平国家主席は、閉幕したばかりの新興5カ国(BRICS)首脳会議の成果について「明るい未来を切り開いた」と総括したが、表情はさえなかった。最大の政治イベント、共産党大会を10月に控える習氏にとって、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相らを招いてのBRICSは「大国外交」の成果を誇示する“晴れ舞台”となるはずだった。

 しかし習氏が3日、会議の開幕を宣言する約4時間前に、北朝鮮が6回目の核実験を強行した。世界中のメディアの関心をBRICSから奪っただけではなく、習氏の「対北外交の失敗」を内外に強く印象づける形となった。

 習氏が北朝鮮にメンツをつぶされたのは、この1年間で3度目となる。昨年9月5日、杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議の最終日に、北朝鮮は3発の弾道ミサイルを発射した。今年5月14日には、習氏自らが掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を宣伝する国際会議の開幕式に合わせるかのように、北朝鮮は再び弾道ミサイルを発射した。

 「北朝鮮は習政権が大きなイベントを行うたびに挑発行為をしてきた。金正恩・朝鮮労働党委員長の本当の狙いは、中国に圧力をかけることではないか」といった見方が、中国の外交当局者の間で浮上している。

 米シンクタンク、ノーチラス研究所のピーター・ヘイズ氏も同じ考えだ。同氏は米紙ニューヨーク・タイムズに、「金正恩氏は、習氏がワシントンに対し影響力を持つ人物だと知っている。北朝鮮と米国の話し合いの仲介役になってほしいとプレッシャーをかけているのではないか」と語っている。

 つまり、相次ぐ北朝鮮の挑発行為は、中国が米朝協議実現のために動かなければ、習氏の顔に泥を塗り続けるという“脅し”の可能性があるということだ。トランプ米政権からは「北朝鮮を制裁せよ」と強い圧力をかけられ、米朝の板挟みの状態になっているのが今の習政権なのだ。そして習氏に圧力を加えているのは、米朝だけではない。

 北朝鮮による6回目の核実験から一夜明けた4日。中国外務省の記者会見で、韓国の記者が「なぜ3日の外務省声明には6カ国協議の語句がないのか」と質問した。中国はこれまで、北朝鮮が核実験を強行するたびに、北朝鮮や関係各国に自制を求めると同時に、北朝鮮の核問題を話し合う「6カ国協議」による問題解決の重要性を強調してきた。それが今回の声明では、その「6カ国協議」のくだりが欠落していたのだ。

 想定外の質問を浴びせられた耿爽報道官は、苦笑いしながら答えた。「(声明を)詳細に読み込んでいますね」。そして「6カ国協議に関する中国側の立場に変化はない」と続けた。しかし、中国の公式声明からキーワードが理由なく消えることはあり得ない。

 中国の外交関係者によれば、中国が危機回避に向けて水面下で働きかけているのは、米朝に仲介役の中国を交えた新たな枠組みによる対話だという。だが、まだ実現するに至らず、米朝がそれぞれの思惑で習近平政権に圧力をかけている。

 ロシアのプーチン大統領も、中国に強く圧力をかける一人だ。新興5カ国(BRICS)首脳会議の閉幕後、記者団にこう語った。「制裁はもう限界に達して効果がない」「北朝鮮は雑草を食べることになったとしても、自国の安全が保障されない限り(核開発の)計画をやめない」

 一見、日米が主導する北朝鮮への制裁強化に否定的な考えを示しただけに映る。しかし外交関係者は、プーチン氏が訪問先の中国でこの発言をしたのは、「日米と同じ行動をとらないよう中国を牽制する狙いがある」と指摘した。中国人民大学の北朝鮮専門家、成暁河副教授は海外メディアに「核兵器を持つ北朝鮮より、崩壊した北朝鮮の方が中国にとってリスクが大きい」と語った。

 中国にとって最悪のシナリオは、(1)大量の難民が中国に押し寄せる(2)親米政権が誕生する-事態だ。北朝鮮の金正恩政権を崩壊させかねない石油禁輸に反対する背景には、こうした事情がある。同時に習氏は、10月の共産党大会で権力基盤を固めるまで、米中関係の決定的対立も避けなければならない。

 このためプーチン氏の牽制にもかかわらず、米国に譲歩し「石油の輸出制限には応じる可能性がある」(外交筋)とも指摘される。金政権の崩壊を望まない習政権にとって、レッドライン(越えてはならない一線)の対象は北朝鮮ではない。「米国が金政権の転覆を目指す軍事行動を起こしたときだ」との見方が専門家の間で広がっている。

 北朝鮮が核実験を行った翌4日付の人民解放軍機関紙、解放軍報に装甲車が渡河する訓練写真が掲載された。朝鮮有事への対応を連想した外交関係者もいる。米国が政権転覆の軍事行動を起こすとき、中国軍が鴨緑江を渡河し、北朝鮮領に進軍するという選択を習氏がするのか。トランプ米政権が見極めたいのはこの一点かもしれない。(北京 藤本欣也)


北方領土 日露共同活動5分野 きょう合意、北圧力に協力要請
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 【ウラジオストク=大橋拓史】安倍晋三首相は7日、ロシア極東ウラジオストクでプーチン露大統領と会談する。北方領土での共同経済活動に関し、海産物の養殖や温室野菜栽培など5項目の事業を優先的に進めることで合意する見通しだ。日露両政府は5項目の事業を具体化するため、今秋をめどに2回目の現地調査団を派遣する方向で調整している。

 首相は6日、ウラジオストク入りした。出発に先立ち、官邸で記者団に「共同経済活動、元島民の自由な往来をさらに具体化させ、平和条約の問題を進展させていきたい」と強調した。

 合意する見通しの5項目の事業には、ほかに北方領土の観光ツアー、風力発電、ゴミの減量対策が挙がっている。具体化に向けた協議を加速させるため両首脳は関係省庁の局長級でつくる作業部会を設置し、早期の実現を目指す構えだ。

 首相は7日、プーチン氏も出席してロシア極東などの発展を議論する「東方経済フォーラム」で講演する。首相は「平和条約がないという異常な事態に、私たちは終止符を打たなければならない。ウラジーミル、私たち2人、その責務を果たそうではありませんか」と呼びかける。

 講演では北朝鮮についても言及。3日の核実験がウラジオストクから約300キロの地点で実施されたと指摘し、「国際社会は一致して最大限の圧力を加えなければならない」と述べ、制裁強化に向けたロシアの協力を求める。


中国不在でも決議案配布 米、交渉本格化へ異例措置 安保理
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安全保障理事会の対北制裁交渉を主導する米国が一両日中にも、安保理の全理事国に制裁決議案を配布する方向で調整していることが分かった。米国のヘイリー国連大使は「最強の措置」となる制裁決議案の11日採択を目指しており、決議案を早期に配布することで交渉を加速化させる狙いがある。

 安保理の対北朝鮮制裁をめぐっては、米国と中国が水面下で交渉を進め、両国が同意したうえで、他の理事国に草案を配布するのが慣例だ。ただ今回は、中国の劉結一国連大使が5日から9日の日程で、安保理の視察団としてエチオピアのアフリカ連合本部を訪問。ヘイリー氏は、劉氏不在のまま決議案を各国に配布し、制裁交渉を本格化させる見通しで、米中間の交渉も過去に例のない形で進められるもようだ。

 米国は、北朝鮮政府に対する石油禁輸などを新たな制裁項目として盛り込むことを目指しているが、石油禁輸に反対する中国やロシアの姿勢は変わっていないとされる。露外務省の発表によると、ラブロフ露外相は5日、ティラーソン米国務長官と電話会談し、米国の制裁決議案について「検討する用意がある」と発言する一方、ネベンジャ露国連大使は同日、「時期尚早」と述べ、交渉に時間がかかるとの認識を示した。

 米国は石油禁輸に加え、繊維製品の輸出禁止、高麗航空の乗り入れ禁止、海外に派遣される北朝鮮労働者の制限強化などを検討しており、短期間で中露からどこまで同意を引き出せるかが交渉の焦点。英首相官邸によるとメイ首相は5日、トランプ米大統領と電話会談し、「中国が重要な役割を果たし、北朝鮮に対して行動をやめるようあらゆる影響力を行使すべきだ」との認識で一致した。(ニューヨーク 上塚真由、ロンドン 岡部伸、ウラジオストク 黒川信雄)


北の核爆発160キロトンに 実験場周辺、広範囲地滑り
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 小野寺五典防衛相は6日、北朝鮮が3日に強行した核実験の爆発規模(TNT火薬換算)について、160キロトンと推定していることを記者団に明らかにした。これまで120キロトン以上としていたが、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)によるマグニチュード(M)の最終的な分析結果を踏まえて上方修正したと説明した。

 小野寺氏は「広島に落とされた原爆の10倍ということになる」とし、「水爆実験であった可能性も否定できない」と述べた。その上で「かなりの高い出力を持つ核爆弾が開発されていることは日本のみならず国際社会の大きな脅威になる」と語った。

 一方、米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は6日までに、核実験場の周辺で広範囲にわたり地滑りが起きていたと発表。「過去5回の核実験と比べて数や規模が大きい」と指摘した。実験直後に取り沙汰された地下の爆心地や坑道の崩落を示すクレーターなどは確認されなかった。

 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「さらなる陥没のリスクや、大規模な環境破壊の恐れがある」と指摘する中国地震専門家らの見解を伝えた。(ワシントン 黒瀬悦成、上海 河崎真澄)


万景峰、中旬にも再開 露見通し
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 【ウラジオストク=黒川信雄】北朝鮮とロシア極東を結ぶ貨客船「万景峰(マンギョンボン)」が港湾使用料未払いを理由に運航停止となった問題で、運営会社の露インベスト・ストロイ・トレスト社のウラジーミル・バラノフ社長(68)は6日までに産経新聞の電話インタビューに応じ、運航打ち切りの可能性を否定した。ただ北朝鮮への国連制裁で経営は厳しく、再開が実現しても難航は必至だ。

 バラノフ氏によると、インベスト社は9、10月分の露国内の港湾使用代金をめぐり代理店と合意ができておらず、万景峰は北朝鮮北東部の羅津港に停泊したままという。代理店側は100万ルーブル(約190万円)の支払いを要求したが、インベスト社は本来の10倍にあたる金額だとし、支払いを拒否した。そのため、万景峰は5月の就航から3カ月で運航が終了する可能性も指摘されたが、バラノフ氏は「9月中旬には問題が解決し、運航も再開される」との見通しを示した。

 万景峰は週1回、露朝間を往復していたが、当初100人を見込んでいた1回あたりの乗船者数は20人程度にとどまっているという。露極東を訪問する中国人観光客の利用も見込んでいたが「対北制裁の影響」(同氏)でほぼ利用者がいないもようだ。制裁で北朝鮮産の海産物輸入が禁じられ貨物の需要が減っていることも打撃となっている。

 バラノフ氏は3日に北朝鮮が強行した6回目の核実験については「影響はない」と強調した。


今年の最高値接近 北リスク、じわり円高 軍事衝突なら一転、大幅円安恐れ
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 北海道上空を通過した弾道ミサイル発射に続き6回目の核実験を強行した北朝鮮の地政学リスクが金融市場を揺らしている。外国為替市場では比較的安全な通貨とされる円が買われやすく、円相場は4月17日につけた今年の対ドルでの最高値(1ドル=108円13銭)にじわりと接近してきた。市場関係者の間では米朝の軍事衝突の可能性は低いとの見方が多い。だが、仮に軍事衝突が起きれば日本が巻き添えとなる恐れから、大幅な円安に転じるとの声がある。

 6日の外為市場で円相場は一時1ドル=108円50銭近辺まで円高が進み、弾道ミサイル発射があった8月29日以来の高値をつけた。北朝鮮情勢の緊迫化を嫌気して5日の米ダウ工業株30種平均が大幅安となるなど投資家のリスク回避姿勢が強まり、円が買われた流れを引き継いだ。

 米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受けた年内の米追加利上げ観測の後退や、新たな大型ハリケーンが米南部に上陸する恐れがあることもドル売りを促した。

 北朝鮮をめぐっては、核実験の後も国内で大陸間弾道ミサイル(ICBM)を移動させた形跡があると報じられ、9日の建国記念日に向けて新たな挑発行動を取る恐れもある。

 円相場は4、6、8月に一時1ドル=108円台まで円高が進んだが、そのたびに円安方向に戻した。

 みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは「(壁だった)1ドル=108円を超えて円高が進むと、円の上昇が急激で大幅になりかねない」と指摘する。

 一方、北朝鮮の地政学リスクが高まる中で、円が買われて円高に振れていることに違和感を覚える市場関係者は多い。米朝が軍事衝突すれば、地理的に近い日本に弾道ミサイルを放たれる恐れがあり、円は投資マネーの逃避先になりにくいとの見方があるためだ。

 米朝の軍事衝突は、発生する可能性が高くなくても、実際に発生すれば計り知れない影響が出る「テールリスク」とみなされている。鈴木氏は「軍事衝突が起き、日本が当事者として巻き込まれる事態になれば、円は大きく売られる可能性が高い」と述べた。(森田晶宏)


対北、イラン「対話必要」 高村氏、大統領と会談
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 【テヘラン=小川真由美】安倍晋三首相の特使としてイランを訪問している自民党の高村正彦副総裁は6日午後(日本時間同)、首都テヘランの大統領府でロウハニ大統領と会談した。高村氏は北朝鮮情勢について「核大国、ミサイル大国になりたいという北朝鮮の強固な意志を止めるため、国際社会全体の協力が必要だ」と述べ、米国などと連携し北朝鮮への圧力を強化する日本政府の方針に理解を求めた。

 高村氏はイランの理解を得て北朝鮮を牽制(けんせい)する狙いがあったが、ロウハニ師は日本の対応を支持すると表明しつつも「脅し合う形では解決しない」と対話の必要に言及した。これに対し高村氏は、金正恩朝鮮労働党委員長を念頭に「北朝鮮の指導者に大統領の百分の一の柔軟性があれば対話も可能だが、今は国際社会が結束し、圧力をかける必要がある」と念を押した。イランは北朝鮮の核・ミサイル開発に関与しているとの疑惑が指摘されている。

 また、高村氏はイランが2015年に米欧などと結んだ、核開発を制限する見返りに経済制裁を解除する「核合意」の順守方針を支持する考えを伝えた。ロウハニ師から「イラン側から核合意を壊すことはない」との言質を引き出した。核合意をめぐっては、トランプ米大統領がイランの弾道ミサイル開発などを理由に敵視政策に転じ、ロウハニ師は米国の対応次第で核合意破棄も辞さない構えをみせ、緊張が高まっている。

 高村氏は会談で、ロウハニ師の求めに応じ、日本とイランが昨年に結んだ投資協定が近く進展するとの見通しを示した。その前提となる核合意順守の支持を伝えることで、米国とイランの緊張緩和を仲介し、日系企業が現地に進出しやすいよう環境整備に一定の役割を果たした。

 高村氏がロウハニ師と会談するのは13年9月以来、7回目。今回の会談でロウハニ師の国際協調路線を支持する首相の親書を手渡した。その後、ザリフ外相とも会談した。


露韓、石油禁輸議論か 首脳会談 プーチン氏「北追い詰めるな」
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 【ウラジオストク=黒川信雄】ロシアのプーチン大統領は6日、ロシア極東ウラジオストクで韓国の文在寅大統領と会談し、北朝鮮の核・ミサイル開発問題をめぐり意見交換した。会談後に行われた共同会見でプーチン氏は「制裁と圧力のみで朝鮮半島問題を解決することは不可能だ」と述べ、国際社会による対北圧力の高まりを批判した。

 プーチン氏は北朝鮮の核・ミサイル開発は「国連決議への深刻な違反であり、核不拡散体制を損なうものだ」と指摘し、北朝鮮を「核保有国と認めない」と述べた。一方で「北朝鮮を追い詰めてはならない」として、外交手段によってのみ問題解決が可能との主張を繰り返した。

 文大統領は、朝鮮半島の平和を強固にしようとする韓国側の努力への「ロシアの理解と支持」に感謝すると述べるにとどめた。会談ではロシアが反発する米軍による韓国への最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備や、ロシアによる北朝鮮への石油輸出などをめぐり議論が交わされたとみられる。

 両首脳は、ロシアから北朝鮮を経由し韓国に天然ガスを送る構想も話し合い、実現に向け意欲をみせた。


習氏「対北対話解決を堅持」 トランプ氏と電話会談 米、北孤立へ総仕上げ
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸、北京=西見由章】トランプ米政権が北朝鮮による6回目の核実験を受けて同国を孤立させる政策の総仕上げに入った。中国やロシアに国連安全保障理事会で「最強の措置」(ヘイリー米国連大使)となる対北制裁決議採択に同調するよう求めているトランプ大統領は6日、中国の習近平国家主席と電話会談。同盟国の日本、韓国には拡大抑止(核の傘)の提供や最新鋭兵器の売却を通じた軍事的圧力の強化を確認した。

 中国国営新華社通信によると、習氏は電話会談で北朝鮮の核・ミサイル開発を協議し、「中国は朝鮮半島の非核化と国際的な核不拡散体制の維持にゆるぎなく尽力する」と強調。同時に「朝鮮半島の平和と安定の維持と対話を通じた問題解決を堅持する」と述べた。

 米国は11日の採択を目指す制裁決議で北朝鮮への石油禁輸を含む強い制裁措置を盛り込む考えで、電話会談では中国に同調を求めた可能性がある。北朝鮮に9割の石油を供給しているとされる中国は北朝鮮の暴発への懸念から禁輸に慎重で、ロシアのプーチン大統領も効果を疑問視している。

 トランプ政権は同盟国防衛の努力を一歩進めた。マティス国防長官は6日、小野寺五典防衛相と電話会談し、「米国の拡大抑止(核の傘)を含む日本防衛への責務」を果たすと強調。ミサイル防衛能力を高めるため緊密に連携していくことを確認。サリバン国務副長官も5日の鈴木哲外務省総合外交政策局長との会談で「拡大抑止強化のために不断の努力が必要」との認識で一致した。

 韓国とも拡大抑止に関する高官協議を近く開くことで合意し、韓国が保有する弾道ミサイルの弾頭重量制限の解除に同意した。トランプ氏が日韓に最新鋭兵器の売却を認めると表明。「米本土を犠牲にして同盟国を守る決意があるのか」との疑念払拭に務めた。

 トランプ政権は北朝鮮への軍事行動を否定しないが、軍事的圧力や制裁で核・ミサイル開発を断念させる路線は捨てていない。米紙ニューヨーク・タイムズは米政府高官の話として、米政権が軍事的手段ではなく石油禁輸などを含む安保理決議を「膠着を打開する最後で最大の機会」ととらえていると伝えた。経済制裁と軍事的圧力の強化の組み合わせによって、金正恩朝鮮労働党委員長が行動を改めることになお期待をかけているのだという。

 中露の同調が、「最大限の圧力」で核放棄を迫るトランプ氏の路線の成否を占うカギとなる。


北ミサイルで高校グアム修学旅行中止や変更の検討相次ぐ 新潟
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 北朝鮮が米領グアム島へのミサイル発射計画を明らかにしたことを受け、グアムへの修学旅行を見直す動きが県内でも広がっている。既に訪問先の変更を決めた県立柏崎工業高(柏崎市栄町)以外にも、4つの高校が訪問先の変更や修学旅行の中止を検討していることが6日、分かった。

 このうち県立村上高(村上市田端町)は、2年生203人が12月12日から3泊4日の日程でグアムを訪れる旅行を計画。生徒たちの国際的な視点を育もうと今年から訪問先を海外に設定したものの、グアム以外への変更も視野に入れて状況の推移を見守っている。

 関矢和彦校長によると、北朝鮮の暴挙に保護者から不安を訴える声もあり、修学旅行への参加を申し込む保護者の応諾書の提出は遅れ気味という。「生徒たちも楽しみにしており、教育目的も達成したいが、生徒の安心と安全の確保を第一に考える」(関矢校長)

 県教育委員会などによると県立では阿賀黎明高(阿賀町)と新津高(新潟市秋葉区)、私立では北越高(新潟市中央区)も訪問先の変更などを検討。各校とも10~12月に予定しており、保護者の意向も踏まえて結論を出すとしている。


米空母、朝鮮半島を巡回 米韓国防相確認、北挑発に圧力
9/7(木) 7:55配信 産経新聞

 マティス米国防長官と韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防相は5日、電話で会談し、核実験を強行した北朝鮮の挑発を受け米軍の原子力空母や爆撃機などによる大規模攻撃に向けた「戦略兵器」を今後、朝鮮半島周辺で定期的に展開させる方針を確認した。日米防衛相も6日に電話で会談し、北朝鮮への圧力強化で一致した。海上自衛隊と米海軍は電子情報を収集する偵察機による共同訓練を東シナ海で実施。海洋進出を続ける中国に加え、北朝鮮への牽制(けんせい)の意味合いがある。(千葉倫之、ソウル 名村隆寛)

 米韓国防相は、米韓合同軍事演習も増強するとしている。空母の巡回などについて、韓国国防省は「北朝鮮の挑発を抑制し、合同防衛体制を一層強化する」目的と説明している。マティス氏は韓国を防衛するとの米国の約束に変わりはないとし、「北朝鮮がどんな攻撃をしようとも、(米軍の)『圧倒的な対応』に直面する」と述べたという。

 小野寺五典防衛相とマティス氏の電話会談では「目に見える形で圧力をかけ続けていく」方針を確認した。小野寺氏は核実験について「過去の実験に比べ、はるかに大きく、より重大かつ差し迫った新たな脅威だ」と指摘した。

 マティス氏は「断固として許されるものではない」と応じ、「核の傘」を含む日本防衛に対する米国のコミットメント(関与)は揺るぎないと強調した。地上配備型の「イージス・アショア」導入など、日本の弾道ミサイル防衛強化に積極的に協力する考えも重ねて示した。

 小野寺氏は韓国の宋国防相とも電話で会談し、「北朝鮮から非核化に向けた具体的な行動を引き出すためには圧力強化が必要だ」と述べた。宋氏は「国際社会と一致して強い対応を取る」と応じた。小野寺氏は米太平洋艦隊のスウィフト司令官らとも防衛省で会談した。7日まで行われる海自と米海軍の共同訓練は、収集した目標の情報を交換する内容。実施を公表したのは初めてで、日米連携の着実な深化を示す狙いがありそうだ。

 訓練に参加したのは海自のEP3電子戦データ収集機とOP3C画像情報収集機、米海軍のEP3E電子偵察機。EP3は艦艇や潜水艦が発するレーダーや通信の電子情報を遠方から探知・収集することで動向をつかんだり、艦種・能力の識別を行う。OP3Cは通常の哨戒機よりも遠方から画像情報を収集する能力がある。安倍晋三首相は6日、北朝鮮について官邸で記者団に「今の道を進んでいくのであれば明るい未来はないと理解させ、現在の政策を変えさせなければならない」と強調した。


核シェルターが売れているのに、なぜ業者は憂うつなのか
9/7(木) 6:47配信 ITmedia ビジネスオンライン

 北朝鮮が6度目の核実験を実施した。この核実験は大方が予想していたものだが、これによって北朝鮮をめぐる東アジア情勢が不安定になるのは確かだろう。

【核シェルターの普及率、日本は?】

 例えばドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮が挑発を続けるなか、相変わらず中国の責任を主張している。またその矛先は韓国にも向かい始めている。トランプは、北朝鮮の悪態の責任を韓国の責任とも発言し始めているのだ。韓国については、米韓軍事演習で米B-1B戦略爆撃機の派遣を巡って米韓の小競り合いがあったり、米韓の自由貿易協定(FTA)をトランプ政権が破棄すると圧力をかけるなど、米韓関係の悪化で朝鮮半島の緊張がさらに複雑化する可能性が指摘されている。

 もちろん日本にとっても他人事ではない。8月29日には、北朝鮮の弾道ミサイルが北海道の上空を通過したあと襟裳岬から1180キロの太平洋上に落下した。もちろんそれ以前から日本は北朝鮮のミサイル射程圏内にあり、いつ攻撃されてもおかしくない状況にあるのだが、29日のミサイルでその現実を多くの人が再確認したはずだ。

 ただ幸いなことに、今のところ北朝鮮のミサイルが日本落ちる可能性は高くない。今のうちに、現状でできる対策を推し進めたほうがいい。ミサイル防衛システムの強化や法整備などは、現在の国際情勢をかんがみると日本政府ができる現実的な対策だと言える。2018年度の防衛費が過去最大を更新しそうなので、別の省庁が苦労していると聞くが、安全保障の意味では不可欠だろう。

 そこで今、個人としてできる対策として、「核シェルター」が注目されているという。テレビや新聞がこぞって取り上げており、欧米の大手メディアも次々と報じている。どのメディアも北朝鮮の攻撃を恐れて「シェルター」の販売数が増えているという。真偽を確認するために取材をしてみると、業者からは売り上げ増なのに素直に喜べないという意外な声も聞かれた。

●核シェルター、スイスの普及率は100%以上

 まず核シェルターというのはどういうものか。一般的なのは、コンクリートで覆われた地下の密閉空間に、有毒物質をろ過する特殊なフィルターの付いた換気装置を設置する。この換気装置が「シェルターの心臓部」とも言われ、放射性物質だけでなく、サリンやVXガスといった今世界で知られている有害物質を排除してくれるため、内部で安全に過ごせるのである。

 日本で核シェルターの普及率はどれほどなのか。日本核シェルター協会によれば、その普及率は0.02%に過ぎない。海外に目を向けると、世界で最も災害意識が高いと言われるスイスでの普及率は100%以上。スイスに住んだことがある知人によれば、「スイスでは、学校や病院、デパートにも核シェルターがあり、普及率は100%を超える。ただ2012年に規制緩和があって、シェルター設置の義務は緩和されたが、いまでもあちこちにある」という。

 1960年代からシェルター設置が始まったスイスは紛れもなく「シェルター先進国」。日本で輸入されるシェルターもスイス製が多い。

 ほかの国はどうか。例えば米国では、トランプ政権が発足してから、シェルターの需要が増加しているようだ。テキサス州に拠点を置くシェルター専門の有名企業では、全体の売り上げが400%も増加した。さらに50万ドル以上の高級核シェルター(ジムなども完備した生活ができるシェルター)の販売は700%も増加しているという。顧客には、サウジアラビアの富豪から、ハリウッドスターまで幅広い。

 筆者が以前住んでいたシンガポールの家には、核シェルターがあった。シンガポールは周辺国からいつ攻撃されてもおかしくないという危機感をもっているので、政府がシェルター設置を義務付けているのだ。ただ友人宅などを訪問すると、核シェルターは単なる物置になっていたり、メイド用の部屋に使われていたり、といったケースがあった。ちなみに筆者の自宅に設置されていたシェルターも物置と化していた。

 シンガポールでは地下鉄もすべて核シェルターが設置されており、スイス製の換気装置が採用され、1980年代に日本企業が設置を行なっている。

●核シェルターは売れているのに、業者の表情はさえない

 こうした国と比べると、日本は核シェルター後進国だと言える。そこで、北朝鮮の核実験の直後に、日本で核シェルターを販売する織部精機製作所に話を聞いてみた。

 同社の担当者に「核シェルターが売れているようですが」と聞くと、「うーん」という拍子抜けする返事が戻ってきた。話を続けると、どうも単純に「売れている」では済まないようだ。

 メディアなどでは確かに、「2017年は2016年に売れた数と比べて37倍になっている」「通常の年間注文数が6件程度なのに2017年4月だけで注文は8件」などと報じられている。どういうことなのだろうか。

 担当者によれば「確かに2017年の4月以降は問い合わせ、販売が増えている」という。しかしマスコミの問い合わせに困惑している、としてこう続けた。「取材の人は『何%増えましたか』『何台売れましたか』と必ず聞いてくるのですが、ほとんど売り上げがなかったモノが急に37台も売れるようになったことで、『シェルターがバカ売れしている』みたいに報じられてもねえ」と話した。要するに「数は知れているんですよ」と主張する。

 実際に販売された数を聞くと、例年以上に数は出ているようだ。これまでなら、核シェルターの部屋と換気装置をセットにしていたが、問い合わせの多さと、注文からシェルターを完成するまで、役所への許可申請なども含めて4カ月半もかかることから、2017年は換気装置だけを別売りすることにしたという。

 「62万円のシェルターに使う6人用の小さな換気装置は今年4月から50台ほど売れました。170万円の13人用が9台、25人用が10台、50人用が12台、400人用の換気装置の注文もありました。昨年から増えているのは確かですが……」

 売り上げは伸びているのに、担当者はなぜ浮かない様子で話を続けるのか。その理由はその後の発言から分かった。

 「今回のミサイル実験についての子どもたちの避難訓練を見ましたか? 屈んで頭をかかえるという訓練です。あれが日本の現実なんです」

 その様子は、同社が取材を受けた海外メディアの映像にもシニカルに含まれており、織部精機製作所の公式Webサイトにもアップされている。

●日本もあちこちに核シェルターを設置すべきなのか

 話を総合すると、核シェルターは売れているが、スイスなどと比べると、日本では普及しているとは言えない。織部精機製作所の担当者は、売り上げ云々よりも、ミサイルが頭上を飛んでいく時代なのに、子どもにしゃがんで対策させるといった日本全体の危機感のなさに絶望しているのである。もっとシリアスに対策すべきである、ということだろう。

 ただ日本全土に雨あられのようにミサイルが降り注ぐことは現実的にはあり得ない。「Jアラート」でミサイル着弾までに4分しかなくても、シェルターがあちこちにあれば身を守ることはできるかもしれない。仮に核兵器が投下されるような事態が起きれば、その被害地域でシェルターが活躍することは間違いない。

 ただその可能性がどれほどあるのか。またその可能性のために最低62万円(6人用)の換気装置(プラス、窓枠などの密閉措置が必要になるだろう)を購入しようという人がどれほどいるのだろうか。普及率を現在の0.02%から1%に上げるには、130万人分のシェルターが必要になる。これは途方もない数字である。

 とはいえ、頭を抱えてうずくまるという対策が不十分なことは言うまでもない。安全保障における現在の日本の限界を考えれば、ミサイル防衛だけでなく、あちこちに核シェルターを導入することについても、真剣に考えてもいいのかもしれない。

(山田敏弘)


北朝鮮の核保有を認めざるを得ない米国
9/7(木) 6:15配信 JBpress

 北朝鮮は9月3日、日米韓など国際社会の警告を無視して、6回目の核実験を強行した。7月には2度にわたる大陸間弾道ミサイル「火星14」の試験発射を実施した。

 8月5日にはこれまでにない強い国連制裁決議がなされた。だが、これを無視するかのように8月29日、中距離弾道ミサイル「火星12」を発射し、日本上空を通過させた後、太平洋に着弾させた。そして今回の核実験である。

 北朝鮮の核兵器研究所は、大陸間弾道ミサイル用水爆の実験が北部の実験場で行われ、「完全に成功した」と発表した。また核弾頭について、電子機器を麻痺させる電磁パルス(EMP)攻撃も可能な多機能弾頭と伝えている。

 核実験は1年ぶりであり、米国のドナルド・トランプ政権発足後初めてである。トランプ大統領の「炎と怒り」発言や「誰も見たことのない事態が北朝鮮で起きるであろう」といった異例の強硬姿勢にもかかわらず、核実験を強行した背景には、今こそ核搭載ICBM開発に拍車をかける絶好のチャンスと見たのではないだろうか。

■ 米国は軍事活動に出ないとみる金正恩

 米国の強硬姿勢はコケ脅しだ。今は何をやっても米国は軍事力行使をしないとの深い読みが金正恩朝鮮労働党委員長にはあり、危険な賭けに出たのだろう。またインドとパキスタンが計6回の地下核実験を実施した後、事実上の核保有国として認められていることも念頭にあったのかもしれない。

 韓国に亡命した太永浩元北朝鮮駐英公使は「米韓の政権交代期を核開発の好機とみて、2017年末までに核開発を完成させる目標を立てている」と述べている。

 ジェームズ・マティス米国防長官は3日、ホワイトハウスでの安全保障チームによる緊急会合の後、制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長と共に報道陣の前に現れ、「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対するいかなる脅威も、大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応に直面するだろう」と述べ「われわれには数多くの軍事的選択肢がある」と強く警告した。

 安倍晋三政権は「対話と圧力」を主張し、国際社会に強く経済制裁を働きかけてきたものの、北朝鮮は「カエルの面になんとか」状態である。

 つい先日、「火星12」が津軽海峡上空を横断した直後の核実験でもあり、日本国内ではこれまでにない危機感が高まっている。だが、同時に日本一国ではどうしようもないという無力感に苛まれている感がある。

 国内メディアはこういった雰囲気に乗じてか、米国の軍事力行使を盛んに取り上げている。米国でも50%以上の国民が北朝鮮に軍事力行使すべしという世論調査結果が出ている。

 日本国民も声高には主張しないものの、米国の軍事力行使に対して潜在的期待感が見え隠れし、米軍は必ず軍事力行使をやるだろう、やるはずだ、いや、やるに違いないといった根拠のない希望的観測が横行しているようだ。

 米国は北朝鮮に軍事力行使をするだろうか。するにせよ、しないにせよ、日本は韓国に次いでその影響を受ける国である。我々は希望的観測を排除し、冷静に情勢を分析し、日本の採るべき次の一手を考えなければならない。

 結論から言おう。米国は軍事力行使をしない、いやできないと筆者は考えている。トランプ大統領がレッドラインについては明確にしてこなかった理由もここにある。

 マティス長官は今回、「国連安保理が北朝鮮の脅威に対し一致して上げた声に、金正恩委員長は耳を傾けるべきだ」と主張し、「われわれは北朝鮮であれ、いかなる国も完全に壊滅させるつもりはない。ただし、そのための選択肢は多数ある」と幾分宥和的に述べた。そして実際に軍事衝突が起きる可能性を問う記者の質問には答えなかった。

 トランプ大統領は、記者団から軍事力行使の可能性について問われ、「そのうち分かる」と述べた。その後、ツイッターに「北朝鮮とビジネスをする国とは、貿易をすべて中止することも検討している」と書き込んでいる。

 8月13日、ティラーソン国務長官、マティス国防長官は対北朝鮮政策に関する連名記事をウオール・ストリート・ジャーナルに掲載した。要旨はこうだ。

■ 軍事的手詰まりに陥った米国

 (1)これまでの「戦略的忍耐」は失敗であったが、これからは軍事的手段に支えられた外交的努力を主とする。
(2)目的は朝鮮半島の非核化であり、金王朝の体制変換は求めず、南北統一も求めない。
(3)軍事力行使ではなく交渉を優先させる。

 この背景にあるのは、次のような軍事的「手詰まり」状態である。

 (1)ソウル周辺には北朝鮮の火砲の射程圏に約2000万人が住んでいる。言わば約2000万人が人質状態と言える。核やミサイル施設を破壊するには、同時に38度線に配置された約1万門とも言われる北朝鮮軍の火砲を奇襲的に一挙に無力化しなければならない。

 これには、海空軍の航空戦力増派が必要である。だが増派にはロジスティックも含めると最低1~2か月はかかり、奇襲性が失われるというジレンマがある。

 (2)軍事力行使の場合、反撃による犠牲は日本、韓国にも及び、両国政府の事前承諾は欠かせない。特に韓国は多数の犠牲者が予想され、韓国政府の合意は欠かせない。だが、文在寅韓国大統領は北朝鮮攻撃には強硬な反対姿勢を示しており、承諾を得るのは難しい。

 (3)小規模軍事作戦で「斬首作戦」もオプションにあるが、リアルタイム情報(ヒュミント情報)が決定的に不足している。「ポスト金正恩」の出口戦略もない。また、この作戦のチャンスは1回しかない。しかも金正恩の死を検証できる攻撃でなければならない。(死体が確認できないような攻撃は失敗)失敗すれば反撃の口実を与え、ソウルが「火の海」になる危険性が大きい。

 (4)中朝友好協力相互援助条約を結んでいる中国の承諾、最低限「黙認」の取りつけが必要。この条約は自動参戦規定がある。

 (5)国連での何らかの武力行使容認決議が必要である。北朝鮮の「米国をこの世から消し去る」といった激しい恐喝だけであれば、自衛権行使は認定されない。国連のお墨つきなしでは国際社会のみならず米国議会、米国民の支持も得られないだろう。

 (6)独裁者に理性的対応は期待できない。軍事力行使によって、絶望の淵に追いやると自爆的行為も考えられる。核兵器を保有するので予想を超える被害が出る可能性がある。

 中国は朝鮮半島問題のキープレーヤーである。特に(4)については、米中戦争にエスカレートすることは米国も望んでおらず、中国の面子や意向を無視することはできない。だが北朝鮮に対する中国の考え方は以下の通りであり、現実的には中国の「黙認」を取りつけるのは難しい。

 (1)金王朝の崩壊は大量難民を生み、国境を接する中国領内に混乱をもたらす。また出口戦略(ポスト金正恩)なき作戦は混乱を生むだけであり、米国の軍事力行使は中国にとって百害あって一利もない。

 (2)韓国主導の半島統一は中国にとっての悪夢である。影響力を残したバッファゾーンを維持し、米国の影響力を局限するためにも、北朝鮮を温存したい。

 (3)中朝友好協力相互援助条約を蔑ろにすることは、今後の中国の覇権拡大に悪影響を及ぼす。コミットメントを守らない国との烙印を押され、信頼を失う。

 (4)米国本土への北朝鮮ICBMは中国の対米戦略上、むしろ好都合である。

■ シリアのようにはいかない理由

 まさに米国にとっては軍事的「手詰まり」状態であり、軍事力を背景とする交渉とは言うものの迫力に欠けるのは否めない。

 4月7日、化学兵器を使用したシリアに対し、米国は59発の巡航ミサイルを撃ちこんだが、北朝鮮に対しては、このような「ちょっとだけ攻撃」して「お仕置きを」というわけにはいかない。最近の一連の核、ミサイル開発の動きは、金正恩がこの「手詰まり」を見透かしたものであろう。

 もし米国の軍事力行使があるとしたら、マティス国防長官が言うように「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対する」攻撃があった時であろう。その時は明確に自衛権行使が認定され、国連でも何らかの武力行使容認決議がなされる可能性もある。

 だが、金正恩も馬鹿ではない。米国に口実を与えないよう、ぎりぎりで「寸止め」し、実をとる瀬戸際政策を続けるに違いない。

 今後たとえ米朝対話が実現したとしても、金正恩は核武装を絶対放棄しないだろう。核保有は父金正日総書記の遺訓であり、金正恩はこれを蔑ろにすれば後継者としての正統性が揺らぐ。また外圧で核を放棄したとあっては、独裁者としての権威は失墜する。

 また、リビアのカダフィ、イラクのフセイン、両独裁者が消されたのは核武装を放棄したからだと金正恩は信じている。韓国に亡命した元駐英北朝鮮公使太永浩は「1兆ドル、10兆ドルを与えると言っても北朝鮮は核兵器を放棄しない」と述べている。

 核武装を決して諦めない北朝鮮、大規模な戦争はやりたくない米国、北朝鮮を崩壊させず、しかも影響力を失いたくない中国、この三者でどう落としどころをつけるか。選択肢はそう多くない。

 日本は米国が武力で解決してくれるといった希望的他力本願ではなく、蓋然性が高く、しかも日本にとって最悪のシナリオを想定し、事前に腹案を固めておく必要がある。

 次のようなシナリオがあり得ると筆者は考えている。米国は最終的に北朝鮮を核保有国として認める。その代わり、米国に届く長射程ICBMは保有させない。(米中で共同管理するなど)これをのめば、金正恩体制の変更は求めない。つまり核保有を認め、ミサイルは米国の本土に届かない限り黙認するというシナリオだ。

■ 叶わぬ相手とは手を結べ

 トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」のためなら中国、北朝鮮とのディールもやりかねない。またアングロサクソンには「叶わぬ相手とは手を結べ」という格言がある。

 最終手段としての軍事力による解決が期待できないのであれば、金正恩と手を結んで次善の策を追求することも十分あり得る。日本は最悪を覚悟しておかねばならない。

 このシナリオでは、北朝鮮は日本全土を射程圏とする核ミサイルを保有することになる。日本にとってはとても受け入れがたいものだ。「独裁国家が強力な破壊力を持つ軍事技術を有した場合、それを使わなかった歴史的事実を見つけることができない」といった歴史家がいる。

 日本にとっては朝鮮半島の非核化は譲れない一線である。だが、いつまでも希望的観測に安閑としている時ではない。

 これは中国にとっても好都合だ。米国が北朝鮮を核保有国として認め、平和条約を結んで金王朝存続を認めることを取引材料として、金正恩にミサイルの射程制限をのませる。中国はこの成果を梃として米国との信頼関係を築く。そうすれば念願の「新型大国関係」が構築でき、アジアの主導権を握ることが可能になるかもしれない。

 この時日本はどうするのか。危機管理の鉄則は「考えられないことを考える」ことである。考えたくないから思考停止するといったこれまでの習性ではもはや生き延びることはできない。北朝鮮が中距離核ミサイルを保有するのであれば、それをいかに使わせないかを真剣に考えなければならない。

 戦略家エドワード・ルトワックは「核兵器は使われない限り、有効である」と言った。いわゆる「ルトワックのパラドクス」である。

 核兵器は広島、長崎以降、世界で一度も使用されたことがない。核兵器は非常に使い難い兵器であり、使用のハードルは極めて高い。今後も多分そうだろう。だが、ルトワックが言うように、「使わない使用」つまり威嚇、恫喝をもって相手に我が意志を押しつけるには、核兵器はいまだに極めて有効な兵器である。

 北朝鮮の核の恫喝、威嚇に右往左往して妥協を繰り返すだけでは、もはや主権国家とは言えない。この威嚇、恫喝を無効化するには、ミサイル防衛やシェルターの整備といった拒否的抑止能力と、相手に壊滅的打撃を与え得る懲罰的抑止能力を持たねばならない。

 これまで懲罰的抑止は米国による拡大抑止に依存してきた。だが、米国が北朝鮮を核保有国に認定した場合、米国の拡大抑止は依然有効と言えるのだろうか。

 これまで日本は米国の「核の傘」に安穏としてきた。だが北朝鮮の核の「使わない使用」に対して、これまでのように「核の傘」に(たとえそれが虚構となっても)縋り、「非核三原則」を壊れたレコードのように繰り返すだけで果たして日本の主権と独立を守ることができるのだろうか。

 北朝鮮の核による恫喝や威嚇を拒否し、しかも核抑止を確かなものにするにはどうすればいいか。米中が手を結んで北朝鮮に中距離核ミサイルを保有させるという最悪のシナリオを想定し、日本はタブーなき議論を直ちに開始すべき時だろう。

 弾道弾ミサイルの発射実験が立て続けに行われ、6回目の核実験があったこの後に及んでも、テレビのワイドショーでは、思考を停止した「話し合いを」の一色である。

 これまで日本では核論議はタブー視して逃げてきた。だが、もはや逃げ道がないところまで日本は追い込まれている。

 北朝鮮情勢を直視し、朝鮮半島の非核化は目指しつつも、最悪のシナリオを想定し、「核の傘」の補修、核保有、核のシェアリング、非核三原則の見直し、そして憲法改正など、タブーなき冷静な論議が求められている。

 その際、同盟国米国と緊密な意思疎通や連携が欠かせないのは言うまでもない。我々が自らの手で、日本の核抑止戦略を早急に構築することが何より求められている。核の脅威は間違いなく我が頭上にある。


核施設のみならず一瞬で北朝鮮の全焦土化狙う米国
9/7(木) 6:10配信 JBpress

■ レッドラインを突きつけ合う米国と北朝鮮 「チキンゲーム」へ

 米国は、北朝鮮が米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載のICBMを保有することを絶対に認めることができない。それが、米国の北朝鮮に対するレッドラインであろう。

 他方、北朝鮮は、最高の国家目標である金王朝の体制存続と朝鮮半島統一のための「最後の切札」である核ミサイルの開発、およびそれを中心とする軍事力の行使と経済社会活動を麻痺させる石油禁輸は絶対に阻止しなければならない。

 それが、北朝鮮の米国(その他日本を含む反北国際社会)に対するレッドラインであろう。

 日本は、アメリカ合衆国(America)、英国(Britain)、中華民国(China)およびオランダ(Dutch)が行った対日貿易制限、すなわちABCD包囲網と、最終的には石油禁輸によって苦境に陥り、その難局を打開するために大東亜戦争(太平洋戦争)へと突入せざるを得なかった。

 それを歴史的先例とすれば、日米などが主張している対北石油禁輸を北朝鮮のレッドラインと見なすことに、さほど異論はないであろう。

 北朝鮮は、2017年7月4日、弾道ミサイルの発射実験を行い、ICBMだと発表した。米国は当初慎重であったが、後にICBMだと認めた。そして9月3日、北朝鮮は2016年9月9日以来、6度目となる核実験を強行した。北朝鮮は、ICBMに搭載可能な水爆実験に成功したと主張している。

 報道によると、2017年7月、米国防情報局(DIA)は、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したとの機密分析をまとめた模様である。

 また、多くの専門家は、弾道ミサイルの実戦配備に必要な弾頭部の大気圏再突入技術を保有しているかどうかは不透明だが、来年末までにこの技術を獲得する可能性があるとみているが、DIAはさらに時期を早め「2018年前半には、核弾頭を載せたICBMを取得する可能性が高い」と指摘している。

 日本政府も北朝鮮の核兵器について、17年版防衛白書で「小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が考えられる」と分析している。

 このように、北朝鮮は、米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載のICBMの保有に限りなく近づいていると見られており、すでに米国は北朝鮮からレッドラインを突きつけられた格好だ。

 他方、8月29日、北朝鮮が事前通告なしに日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受けて、国連の安全保障理事会は日本時間の8月30日朝、北朝鮮を強く非難しミサイル発射の即時停止を求める議長声明を全会一致で採択した。

 北朝鮮に中国などが輸出している石油をめぐっては、これまでも米国が禁輸の対象にすべきだと主張してきたのに対し、中国は市民生活に深刻な影響を及ぼすとして強く反対してきた。

 しかし、今般の弾道ミサイル発射と6度目の核実験を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」と考える日本と米国は、北朝鮮への石油の禁輸も視野に、さらに厳しい制裁決議案を取りまとめる方向で調整に乗り出す方針であり、北朝鮮の生命線にレッドラインを突き付ようとしている。

 つまり、米朝関係は、お互いにレッドラインを突きつけつつ、いよいよ危険な脅し合いの「チキンゲーム」の様相を呈しつつある。

■ 初めから勝敗の明らかな「チキンゲーム」

 本来「チキンゲーム」は2者の間で行われ、米国と北朝鮮との2国間における「チキンゲーム」は、例えれば、米国のスーパー戦車と北朝鮮の中古軽自動車を衝突寸前まで走らせるようなもので、その勝敗は始めから明らかである。

 北朝鮮は、依然として大規模な軍事力を維持しているものの、旧ソ連圏からの軍事援助の減少、経済の不調による国防支出の限界、韓国の防衛力の急速な近代化といった要因によって、在韓米軍や韓国軍に対して通常戦力において著しく劣勢に陥っていることから、「従来の通常兵器を使った“戦場”で米国に直接対抗するのは不可能だ」と認識しているのは間違いない。

 そのため、北朝鮮は、核兵器などの大量破壊兵器や弾道ミサイルの増強に集中的に取り組むことにより際立った劣勢を補おうとしている。それが、米朝関係における軍事能力上の基本構図である。

 北朝鮮の最高目標は、金王朝体制の存続と南北統一であるが、その最大の障害は米韓相互防衛条約に基づいて陸空軍を中心に約1.7万人の在韓米軍を維持する米国の存在である。

 北朝鮮は、米国に戦略的に対抗するためには、核ミサイルが必要不可欠であるとして、国際社会からの非核化の要求をものともせず、核ミサイルの地位と役割を最高度に押し上げ、「最後の切札」として、その開発と運用に大きく依存しようとしている。

 繰り返すまでもなく、世界の覇権国家である米国と世界の最貧国の1つである北朝鮮との2国間における「チキンゲーム」の勝敗は、自明である。

 しかし、米朝間の「チキンゲーム」は、周辺国を巻き込んで展開されているのが特徴であり、同盟国である日本や韓国を人質にすると脅されている米国と、世界の大国である中国とロシアから支援を受けている北朝鮮の置かれた立場が、この「チキンゲーム」を余計に複雑にしている。

■ 中露が絡んで複雑化する「チキンゲーム」 石油禁輸を渋る中国と石油輸出を拡大しているロシア

 北朝鮮の核ミサイル開発をめぐる米朝の対立には、朝鮮戦争における地政学的対立の構図が基層となって横たわっており、日米韓と中露鮮の利害が絡んだ複雑な「チキンゲーム」になっている。

 「中朝友好協力相互援助条約」を締結し、北朝鮮と「血の友誼」の関係にある中国は、8月採択された新たな国連制裁決議に盛り込まれた北朝鮮からの石炭や鉄鉱石、海産物などの輸入禁止には応じた。

 しかし、北朝鮮への石油輸出については、中国から北朝鮮へ年間50万トン程度の原油を供給しているパイプラインをいったんストップすると、その再開に膨大な時間と労力を要するとの理由を挙げて、禁輸を渋っている。

 その一方で中国は、国連の禁輸リストに含まれていない織物材料や他の労働集約財などを輸出し、より安い労働力が享受できる北朝鮮での製造を増やして、「メイド・イン・チャイナ」のタグをつけた北朝鮮製商品を、世界中に輸出している。

 このため、中朝貿易は、国連制裁決議にもかかわらず減少するより増加している模様であり、中国の対北朝鮮制裁は国際社会が期待するような効果を上げていない。

 「露朝友好善隣協力条約」を締結し、北朝鮮への融和姿勢を取るロシアは、今年1~6月に、ガソリンやディーゼル燃料など石油製品の北朝鮮への輸出を前年比で倍増させていたことが露税関当局の資料から明らかになった。

 専門家は、実際には統計をはるかに上回る石油製品が北朝鮮に輸出されていると指摘する。北朝鮮の核ミサイル開発への国際的な非難が高まるなか、北朝鮮を経済面で支えるロシアの姿勢が改めて鮮明になった。

 また、北朝鮮が発射したICBMに使われたエンジンは、ウクライナで生産され、ロシアに納入されていたものが北朝鮮へ流出した可能性がある、との指摘もある。

 このように、中国は石油禁輸を渋り、ロシアは石油輸出を拡大しており、北朝鮮を現実的に追い詰める厳しい措置に議論が及ぶと、中国やロシアが慎重姿勢を崩さない。

 このため、日米などが石油禁輸によって北朝鮮の生命線を止めようとする「チキンゲーム」は、国連を舞台にした外交的な駆け引きの中で、その行方が見通せない状況になっている。

■ 日米は対北強硬策を緩めてはいけない

 中露は、北朝鮮を支援し、日米が誘導しようとしている「チキンゲーム」を回避しようとする一方で、北朝鮮が米国に対してレッドラインとして突きつけている核ミサイル開発を放棄させるための有効な措置を講じる姿勢を見せていない。

 これに対して米国のドナルド・トランプ大統領は、「レッドラインは引かない」が、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と繰り返し警告している。

 米国は、過去に、旧日本海軍にパールハーバーを攻撃されて日米戦争に突入し、「9・11」のアメリカ同時多発テロを受けて、アフガン戦争、イラク戦争に突入した。

 その歴史が暗示するように、トランプ大統領が「米国にとって非常に敵対的で危険」と非難する北朝鮮が、米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載ICBMを保有すること自体、将来への脅威を見越せば、絶対に認めることができないだろう。

 9月3日、北朝鮮の核実験を受け、トランプ大統領が国家安全保障担当補佐官らと協議した後、ジェームズ・マティス国防長官は「米本土またはグアムを含む海外領土、あるいは同盟諸国に対するいかなる脅威も、大規模な軍事対応をもって迎えられるだろう、実効的かつ圧倒的な対応だ」と言明した。

 このように、今後の外交努力によって北朝鮮の非核化が達成できない場合、同盟国である日韓に及ぼす影響を慎重に考慮したとしても、「米国第一主義」を掲げるトランプ政権が軍事行動をためらう最終的な理由にはならないのである。

 中露や北朝鮮に誤算があるとすれば、その点であろう。中露が支援して日米から突きつけられている北朝鮮に対するレッドラインを回避できたとしても、米国はすでに北朝鮮によってレッドラインを突きつけられている以上、軍事的選択肢を放棄することはできないのである。

 その際、「朝鮮半島の非核化」が国連安保理事国の共通した目標であったとしても、米国による軍事攻撃は、北朝鮮が金王朝体制存続のために全面対決を躊躇ない可能性が大きいことから、核ミサイル(およびその関連施設)だけを標的にした限定攻撃にとどめることはできない。

 金正恩の斬首作戦による体制転覆はもちろんのこと、韓国の首都ソウルを火の海にすると豪語する軍事境界線沿いに配備された1万3600両といわれる大砲や多連装ロケット砲の一挙制圧、陸海空軍基地や地下に造られた攻撃拠点・兵器弾薬庫の破壊など、国土が消滅するくらいの全面攻撃になることは避けられないのではなかろうか。

 その結果、中露は、米国が隣人となりかねない地政学的最悪の条件を受け入れるか、それとも、北朝鮮を支援して何らかの形で米国との軍事衝突に介入するかの重大な選択を迫られことになる。

 つまり、中露の賢明な選択は、日米が要求する対北朝鮮石油禁輸を受け入れて、米朝両国がギリギリまで追い込まれる、正面からの「チキンゲーム」を成立させることである。

 そのような段階に至れば、ようやく対話や交渉などによって問題の解決を図ろうとする外交の場に役割が移り、北朝鮮の非核化を平和的に解決し、金王朝の体制存続をも可能とする希望が生まれるというものである。それが国際政治を動かす現実である。

 この「チキンゲーム」を通じて日本(そして韓国)に求められることは、「非合理の合理」を追求する北朝鮮が及ぼす自暴自棄的な軍事的リスクに敢然と対決する覚悟を決め、わが国およびアジア太平洋地域の安全保障を確保するうえで必要不可欠な日米同盟とその集団的自衛(相互防衛)の体制を堅持する立場をより明確にして、米国とともに対北強硬策を緩めないことであろう。


予防戦争に参加するのか?決断を迫られる日本
9/7(木) 6:10配信 JBpress

 北朝鮮が日本列島越え弾道ミサイルテストの実施に引き続き、核実験も強行した。1カ月ほど前の本コラム(「強力な国連決議で近づいた『北朝鮮先制攻撃の日』」)でも指摘したように、国連による強力な経済制裁決議などまったく役に立っていない。また、米韓合同軍事演習をはじめとするアメリカ軍の「対北朝鮮攻撃戦力の誇示」も、金正恩政権には何ら抑止効果を発揮してはいないようだ。

■ さらに高まった「予防戦争」の可能性

 7月28日のICBM発射テストなどを分析している米軍やシンクタンクなどのミサイル専門家たちは、「北朝鮮弾道ミサイル技術が急速に進展している状況から判断すると、2018年中には間違いなくアメリカ本土、それもワシントンDCやニューヨークを確実に攻撃できるICBM(核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル)を北朝鮮が手にすることは間違いない」との予測を口にしていた。しかし今回の核実験によって、金正恩政権が米本土攻撃用ICBMを手にする時期はますます早まったと考えねばなるまい。

 ということは、トランプ政権がかねてより公言している北朝鮮に対する「予防戦争」の実施可能性も大幅に高まり、その時期も早まったということを意味している。

 「アメリカ第一」を標榜するトランプ大統領に限らず、いかなる独立国家の政府や国会も「自国第一」、すなわち「自国の国益を維持し、自国民の生命財産を保護」することを最優先させるのは当然である。トランプ政権そしてアメリカ連邦議会が、北朝鮮のICBM攻撃からできるだけ多くのアメリカ国民を守るための措置をとることは当然といえよう(その場合、韓国に駐屯するアメリカ軍将兵をはじめ韓国や日本に居住するアメリカ国民、それに戦闘に参加する米軍将兵など多数のアメリカ国民の生命が犠牲になることは織り込み済みである。それは、アメリカ本土で暮らしているさらに多数の人々を守るためだからだ)。

 もし、北朝鮮がICBMをアメリカ本土、例えばロサンゼルスやワシントンDCといった大都市部に向けて発射し、米軍による迎撃網(注)による迎撃が功を奏さなかった場合、広島・長崎以上の死傷者とインフラなどの損害が発生することは避けられない。

 (注:日本周辺海域のイージス艦からのSM-3、アラスカあるいはカリフォルニアの地上からのGBI、アメリカ沿岸海域のイージス艦からのSM-3、着弾目標の200km圏以内からのTHAAD、着弾目標の20km圏以内からのPAC-3)

 そして、北朝鮮によるミサイル搭載用核弾頭開発完成が確実になるにつれ、通常の核攻撃よりもはるかに恐ろしい電磁パルス攻撃の可能性も真剣に議論されはじめている。

 通常の核攻撃は、核ミサイルを発射して攻撃目標に着弾させる。一方、電磁パルス攻撃というのは、高高度(地上からおよそ40kmから数百km)で核爆弾を爆発させることによって電磁パルスを発生させ、極めて広範囲(爆発高度による)に電磁パルスを放散させて、電子機器や電気機器の機能を一瞬にして破壊してしまう(ただし、人間をはじめとする生命体は直接影響を受けない)というSF小説もどきの核攻撃である。

 実際に米軍では、核爆弾を使わずして電磁パルスを発生させるNNEMP兵器の研究開発を進めており、電磁パルス攻撃の恐ろしさは熟知している。そのため、北朝鮮が命中精度がさほど高くないICBMを手にしたとしても、万一それを用いて電磁パルス攻撃でも加えられたら、アメリカは破滅すると考える人々も少なくない。

 いくら電磁パルス攻撃によっては直接人間を殺傷することはないとはいっても、電子機器や電気機器が一瞬にして作動しなくなれば、飛行機は墜落するし、自動車も制御不能になり、社会的インフラはストップしてしまい、通信も不能、病院機能も停止、ペースメーカーなども停止・・・、といった具合に、通常の核攻撃以上の大惨事が発生しかねない。

 したがって、アメリカ本土やハワイやグアムなどが北朝鮮の核攻撃を受ける可能性の芽を摘むのは先制攻撃しかないという声が強まるのは必至となってきた。すなわち、北朝鮮が開発完成段階に達しつつあるICBMやIRBMに、やはり開発完成段階に達しつつある小型化した核爆弾を搭載させて、核弾頭搭載ICBMや核弾頭搭載IRBMを手にする前に、ミサイル開発施設や核開発施設、それにミサイル関連戦力などを叩きつぶしてしまう「予防戦争」を発動せよという声である。

■ アメリカの先制攻撃により開始される対日攻撃

 日本では「アメリカが北朝鮮を攻撃した場合、米軍基地がある以上、日本もとばっちりを受けかねない」といった“対岸の火事”的な当事者意識を欠いたコメントが見受けられる。だが、これらのコメントは「“平和ぼけ”極まれり」と言わざるを得ない。

 日本列島越えIRBM(中距離弾道ミサイル)テスト後に北朝鮮が公言していたように、北朝鮮にとって核ミサイルを撃ち込む攻撃目標は日本ではなくアメリカ(グアム・ハワイ・米本土)である。なぜならば、アメリカは北朝鮮などこの世から消滅させてしまうだけの強力な軍事攻撃力を保持している。だからこそ、北朝鮮はアメリカに核攻撃を加える能力を保有することによって、金正恩政権が壊滅させられるようなアメリカの軍事攻撃だけはなんとかして避けようとしているのである。

 アメリカと違って日本は、金正恩政権の存立を脅かす軍事攻撃どころか、北朝鮮に対する効果的な軍事攻撃を実施する能力すら持っていない。もし北朝鮮が威力の弱いスカッドミサイルを日本に撃ち込んだとしても、日本は報復攻撃を敢行することもできないのが現状だ。北朝鮮にとって日本は軍事的には全く恐れるに足りない。したがって、本来は北朝鮮が日本を先制攻撃する理由は全く存在しない。とはいえ、実際には北朝鮮軍は日本攻撃用のスカッドER弾道ミサイルとノドン弾道ミサイルを少なくとも100発以上手にしている。それらは、(日本がアメリカの「予防戦争」に反対せず)アメリカが北朝鮮に対して先制攻撃をかけた場合、反撃として日本に向けて発射されることになる。

■ 日本の積極的支援を期待するアメリカ

 アメリカ政府・連邦議会が北朝鮮に対する「予防戦争」開始を決断する際、事前に日本政府に同意と支援を求めてくることは確実である。なぜならば、北朝鮮攻撃中にアメリカ軍は、日本に設置してある航空基地や海軍基地を出撃補給拠点として使用したいからだ。そのためには日米安保条約の規定(第6条といわゆる「岸・ハーター交換公文」)によって日本側の事前の許可が必要となる。

 それに加えて、大規模で徹底的な航空攻撃や艦艇からのミサイル攻撃などが必要となる「予防戦争」では、日本の米軍基地だけでなく自衛隊の航空基地なども使用できることを米軍側は期待している。

 また、自衛隊航空機や艦艇による警戒監視や空中給油、日本国内やグアム、それにハワイなどからの弾薬補給などの支援、大損害が予想される韓国からの同盟軍側非戦闘員や負傷者の日本への搬送、日本国内の医療機関での戦傷者に対する医療活動、損害を受けた航空機や艦艇の修理作業・・・といった具合に、日米同盟を根拠に、日本側が積極的にアメリカの「予防戦争」を支援することをアメリカ側は大いに期待しているのだ。

■ 極めて厳しい選択を迫られる日本

 もちろん、日米安保条約が存在するからといって、独立国家である日本がアメリカの「予防戦争」に自動的に協力しなければならないわけではない。しかしながら、日米同盟の根幹をなす多数の米軍基地が日本に存在している以上、日本が「予防戦争」に対して曖昧な立場をとるという“逃げ”の選択肢はあり得ない。

 トランプ政権が北朝鮮に対する「予防戦争」をオプションの1つであると公言している現状において、日本政府そして国会は、アメリカの対北朝鮮「予防戦争」に賛同するのか、反対し局外中立を表明するのか、(とりわけ後者の場合は)事前に態度を明確にしておかねばならない。

 なぜなら、日本がアメリカの「予防戦争」の実施には絶対に賛同できないという意思を事前に明示しておかない限り、北朝鮮としては「日本はアメリカの同盟国として行動する」と判断することになるからだ。

 日本が「予防戦争」に賛同した場合、アメリカによる先制攻撃が開始されると共に、北朝鮮から50発から100発程度の弾道ミサイルが日本各地に向けて発射されることになる。現在の弾道ミサイル防衛態勢では、30発から80発近くの弾道ミサイル弾頭が降り注いでくることは覚悟しなければならない。その際、多くの日本国民の生命財産が犠牲となることは避けられない。

 ただし、日本がそのような多大な人的物的犠牲を払う結果として、米軍の猛烈な攻撃によって金正恩政権は息の根を止められ、北朝鮮の核戦力・ミサイル戦力は壊滅し、日本に対する北朝鮮からの軍事的脅威は確実に消滅するであろう。

 反対に、日本の指導者たちが、北朝鮮による対日弾道ミサイル攻撃は絶対に招いてはならないと判断した場合、日本政府そして国会はトランプ政権による「予防戦争」に断固として反対することになる。すなわち、米軍航空機や艦艇、それに海兵隊部隊が日本の基地から出撃することはできなくなり、自衛隊が上記のような各種支援作戦に参加することはなくなる。

 ただしこの場合、日本に北朝鮮の弾道ミサイルが飛来することはなくなるが、それとともに日米同盟は終焉を迎えることになるであろう。


対北朝鮮制裁、米国は石油禁輸措置など提案=決議案草案
9/7(木) 6:10配信 ロイター

[国連 6日 ロイター] - 核実験を強行した北朝鮮に対し、米国が原油・石油製品の禁輸措置のほか、金正恩朝鮮労働党委員長に対する資産凍結と渡航禁止を含む制裁措置の導入を提案していることが6日、ロイターが入手した決議案の草案で明らかになった。

米国が提案している制裁措置には、北朝鮮の資源に次ぐ主要輸出品である繊維製品の輸出禁止や、北朝鮮人労働者の国外雇用の禁止なども含まれている。

米国のヘイリー連大使はこれまで対北朝鮮制裁措置について、国連安全保障理事会が11日に採決を行うことを望む発言。ただロシアのネベンジャ国連大使はこの日程での採決は時期尚早としている。ロシアのプーチン大統領は6日、北朝鮮問題は経済制裁や圧力だけでは解決できないとの考えを示した。

中国が決議案草案を支持しているかは現時点では不明。中国は北朝鮮向けの原油供給の大半を担っている。

決議案の採択には、安保理を構成する15カ国のうち、少なくとも9カ国が賛成し、かつ常任理事国の米、英、仏、ロシア、中国がいずれも拒否権を行使しないことが条件となる。

安保理は2006年以降、核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、8本の制裁決議を全会一致で採択してきた。

今年8月5日に採択された8本目の制裁決議では、北朝鮮からの石炭や鉄鉱石、海産物などの輸出を禁じ、年間30億ドルに相当する輸出を3分の1削減することを目指している。

新たな制裁案では、これまで例外とされてきたロシア産石炭の北朝鮮の羅津(ラジン)港での積み替えも認められなくなる。

8月の安保理制裁決議では、国外で働く北朝鮮人労働者を現在の水準から増やすことが禁じられたが、新たな制裁では、国外での北朝鮮人労働者の雇用と賃金支払いが完全に禁止される見通し。外交筋によると、国外で働く北朝鮮人労働者は推定で6万─10万人。

新たな制裁案では、金正恩委員長に加え、北朝鮮の高官4人についても資産凍結と渡航禁止の対象とする予定。朝鮮労働党と北朝鮮政府も資産凍結対象となる。

制裁案にはこのほか、朝鮮人民軍の傘下にある高麗航空の資産凍結、公海上の船舶停止・立ち入り検査が含まれる見通し。高麗航空は現在、北京や丹東など中国の少数の都市とロシアのウラジオストクに乗り入れている。


北朝鮮ミサイル問題、今後起こりうる3つの可能性とは?<アメリカ帝国衰亡論>
9/7(木) 6:01配信 幻冬舎plus
中西 輝政

 8月29日に日本上空を通過した弾道ミサイル発射実験、そして9月3日に行われた6度目の核実験を受け、北朝鮮をめぐる世界の状勢はかなりきな臭いものになってきています。

 今年4月にも米朝開戦の噂がまことしやかに流れましたが、北朝鮮と日本、同盟国アメリカほか、世界は今後どうなっていくのでしょうか。

 覇権国アメリカの変容から世界の行方を分析した『アメリカ帝国衰亡論・序説』(中西輝政・著)の中から、未来を冷静に読み解く鍵をお届けします。

 * * *

北朝鮮問題・3つの可能性
 アメリカによる北朝鮮への先制攻撃が、まことしやかに噂されるようになった2017年3月下旬、私は東京で開かれた保守派の先生方の会合にゲストとして招かれました。そのとき、ある出席者から、「中西先生は、アメリカの対北攻撃はいつ始まるとお考えですか?」とたずねられました。

 それは、「Whether(攻撃があるかどうか)」ではなく、端的に「When(いつ攻撃があるのか)」といわば既定の話のような質問でした。

 そこで私は答えました。

 「アメリカによる北朝鮮への先制攻撃は、あり得ない話ですよ。アメリカは、これまで核を持っている国に対して攻撃をしたことはありませんから」

 そう申し上げると、居並ぶ保守派の先生方は、一瞬にして白けてしまいました。中には、私が京都へ帰る新幹線の時間が気になって真面目に答えていない、と思われた方もいたかもしれません。

 北朝鮮にまつわる「4月危機」を見ていて、日本では左も右も、その政治的立場を問わず、ある種のセンセーショナリズムに振り回されました。国際関係の基本構造をしっかり踏まえた議論が大きな声にならず、広まりもしませんでした。

 私は、「4月危機」に限らず、そもそも北朝鮮問題の大局的な方向として、理論的には次の3つの可能性しかないだろうと考えてきました。

【可能性1】核戦争も含めた武力衝突
 核戦争に発展しかねない、あるいは、核戦争一歩手前の大規模な戦争になる可能性も含めてのあり得るシナリオです。

 これについては、今回日本では、あたかも「これしかない」かのように、盛んに論じられました。また、それよりも規模は小さくなりますが、「ピンポイント攻撃」や「斬首作戦」といわれる金正恩暗殺計画、38度線を挟んでの交戦なども、北の核問題シナリオの「仮想ではない現実」の可能性として盛んに語られました。

【可能性2】アメリカと北朝鮮の正式な直接交渉
 一応、米朝直接交渉の前には、北朝鮮の核放棄が「前提」にならなければなりませんが、じつはトランプ・金正恩首脳会談の実現につながる、正式な米朝直接交渉へ向けた水面下の動きが昨年末からずっとありました。

 さらに言えば、北朝鮮が核兵器を持ったままでの、米朝首脳会談が行われる可能性も、以前からアメリカの政府系識者の中には言及する人がいました。

 現に、北朝鮮を「核保有国」と認めたうえで、米朝の直接交渉を有力な選択肢の1つと考えるアメリカの元国防長官や元国務次官補が何人もいます。

 この2つのいずれかが北の核問題解決の理論的なシナリオなのですが、あえてもう1つ付け加えると、次の可能性もあるでしょう。

【可能性3】北朝鮮国内でクーデターが起き、金正恩政権が倒れる
 しかしこの場合、金政権が倒れたあとの体制がうまくできるか、核兵器をどうするかなどの問題があります。クーデターのシナリオは、現状ではかなり見通しが厳しいとされます。

 実際、【可能性1】のピンポイント攻撃や斬首作戦を実行しようとしても、攻撃対象の施設や金正恩がどこにいるのかを、予め正確に特定するのは極めて難しいでしょう。

 2011年、アメリカの海軍特殊部隊がウサマ・ビン・ラディンを仕留めることができたのは、潜伏していたパキスタンが、表面上はアメリカの友好国であり、アメリカのスパイが多数潜入している特殊部隊が町々に配置され、アメリカが実質的な制空権を握っていたからです。

 それを北朝鮮でやって、万一失敗すれば、北朝鮮はすぐさま反撃に出るでしょう。よく言われるように、北朝鮮は、休戦ライン(38度線)に沿って並べている何百門という長距離砲やロケット砲を、一斉にソウルに向けて撃ち込んでくるはずです。

 休戦ラインからソウルまでは最短距離で約四十数キロ。長距離砲の射程は30~40キロメートル以上あると言われています。ソウルから仁川にかけては、韓国の人口5100万人のうち、約半数が住んでいます。

 そのエリアは北朝鮮の射程に入っているので、北朝鮮の反撃で韓国の数百万人の命が危険にさらされる恐れがあります。北朝鮮は「ソウルを火の海にする」としきりに威嚇しているので、少なく見ても何百万人もの死者が出るとされています。

 韓国が、そんな戦争のGOサインを出すわけがありません。おまけにこの地域には、在韓アメリカ軍やその家族もいるので、アメリカ人にも多数の犠牲が出る可能性があります。つねに「弾劾の危機」にさらされているトランプ政権が、そんな犠牲に耐えられるわけがありません。

 イラクでサダム・フセインを探し出せたのは、すでにアメリカがイラク全土を占領していたからですし、リビアの最高指導者カダフィが殺害されたのは、NATOの空爆によって国が完全に破壊されていたからです。

 アメリカ軍が、同じような作戦を北朝鮮で実行しようとしても、あいまいな情報しかないなか、中東のように容易に特殊部隊が潜入できる状況とは思えません。


アントニオ猪木の「訪朝」がバカにできない理由
9/7(木) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン

 32回目の訪朝に旅立ったアントニオ猪木氏。ネットでは批判の声があふれているが、猪木氏は北朝鮮出身の力道山とともに、かの国の記念切手になったこともあるほど人気のある人物だ。むしろ、果敢に相手の懐に飛び込むやり方が、戦争回避に役立つかもしれない。(ノンフィクションライター 窪田順生)

● オヤジギャグを言い放って訪朝へ アントニオ猪木氏は愚か者か?

 「包丁1本さらしに巻いて旅へ出る…という歌でしたが、32回目の訪朝をして参ります」――。

 参議院外交防衛委員会でそんなオヤジギャグを披露して、信じられないほどスベっていたアントニオ猪木氏が昨日、北朝鮮へ渡った。

 9月9日の建国記念日にまたミサイルを飛ばすのでは、という憶測が広がっている中での訪朝に、ネット上では「せっかく国際社会で圧力をかけようと呼びかけているのに足並みを乱すようなことをするな」とか「こんな時期に行ったら北朝鮮の思うように利用されてしまうのでは」というような批判的な声があふれている。

 たしかに、これまでも北朝鮮は日米韓が連携して圧力をかけると、個々の国に対話路線をちらつかせるという「分断工作」をおこなってきた。挑発から対話姿勢を見せて、圧力をかわしたい北朝鮮からすれば、32回もやってきている「親朝派」である猪木氏は利用価値が高いのは言うまでもない。

 菅義偉官房長官が「全ての国民に北朝鮮への渡航の自粛を要請している。この政府の方針を踏まえ、適切に対応すべきだ」と訪朝を見送るように求めたにもかかわらず、聞く耳を持たない猪木氏に対しては「政治家失格だ」というような厳しいバッシングも聞こえてくる。

 そのような意見はわからないでもないが、個人的には猪木氏の「訪朝」は言われているほど愚かな行為とは思えない。むしろ、一触即発という緊張関係が高まっている今だからこそ、猪木氏のような「北朝鮮と友好関係を築こう」という人の出番だと期待している。

● 湾岸戦争では日本人人質の救出も! プロレス外交の功績の数々

 若い人からすると、「元気ですかぁ!」と叫んでビンタをするおじさんのイメージが強いだろうが、実は猪木氏はプロレスラーとして世界的名声がある。それを生かして、普通の政治家がパイプをつくることさえできぬ国に乗り込んで「対話」をするという、「闘魂外交」をおこなってきた実績があるのだ。

 たとえば、昨年亡くなったキューバのフィデル・カストロ前議長と猪木氏は、1990年に会談をして以来交流を続けた。最初の会談時は、西側諸国の政治家と会うのは8年ぶりということで世界的にも大きなニュースとなった。カストロ氏との会談前から、猪木は「モハメド・アリと戦った男」として、キューバ国内では名声を得ていた。

 昭和天皇が崩御した際、キューバは1週間、半旗を掲げ続けたという。日本は、キューバにとって敵対するアメリカの同盟国。かつ、遠い異国であるにもかかわらず、ここまで親しみを持ってくれたのは、政治家・アントニオ猪木の影響も少なからずあったことは言うでもない。

 湾岸戦争時は、イラクで日本人46人が人質となったのだが、その際にサダム・フセイン大統領(当時)と交渉をして、彼らを全員救出したのは外務省でも時の政府でもなく、猪木氏だった。

 なぜそんなことができたのかというと、猪木氏がイスラム世界では、日本人が想像している以上に人気があるからだ。

 イスラムの英雄、モハメド・アリと引き分けたということはもちろん、アクラム・ペールワンというパキスタンの国民的人気を誇る格闘家を「セメントマッチ」で倒したことも大きい。これをきっかけに猪木氏はパキスタン政府に祝福され、後に「猪木記念日」までつくられたのだ。

● 猪木氏イベントの視聴率は95%!? 北朝鮮でも絶大な人気を誇る

 猪木人気は北朝鮮でも同様だ。北朝鮮が誇る故国のスター・力道山の愛弟子ということで猪木氏の好感度は高く、1995年には力道山とともに、記念切手になった。本当かどうか確かめようがないが、当時放送された猪木氏のプロレスイベント「平和の祭典」は、あちらでは視聴率95%だったという。

 そんなスターを、北朝鮮も手厚くもてなす。処刑された張成沢氏や、金永日氏など、トップクラスの人物が猪木氏と会食をしてきた。その人脈は各国も注目し、95年には韓国政府が対北コメ支援のメッセージを猪木氏に託したこともある。

 だが、猪木氏は、日本ではかなり冷ややかに見られているようだ。ご本人は、こう語っている。

 「訪朝するたびに、外国の政府関係者から問い合わせがありますが、残念ながら日本政府からは何の接触もありません」(週刊朝日2014年1月31日)

 政治討論番組に出演して国家天下を論じたり、選挙区の駅前で「対話ガー」「圧力ガー」と喉を枯らしたりというのも議員の立派な仕事かもしれないが、猪木氏のように、とにかく相手の懐に飛び込んで対話をしてくる、という議員がいてもいいのではないか。

 ただ、このような「実績」もさることながら、筆者がこのタイミングでの猪木氏の「訪朝」に期待する最大の理由は、これまでよりも明らかに「バッシング」が増えてきているからだ。

 歴史を振り返ると、国全体が「戦争」という国威発揚イベントで興奮状態になっている時というのは、国民からバッシングされるくらいの行動をしている人の方が、実は戦争回避のために尽力をしている、というケースが圧倒的に多い。

● 戦前、愛国マスコミに叩かれても 戦争回避に動いた朝河貫一

 たとえば、戦前の日本で初めてイェール大学の教授となった朝河貫一という歴史学者がいる。

 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)の報告書に名前が出て一躍、注目を集めた人物なのでご存じの方も多いと思うが、日米開戦直前に、ルーズベルト米大統領から昭和天皇へ親書を送らせようと、当時の日本政府とは関係なく個人で奔走した人物である。

 自ら草案を書いて、友人で、ワシントンに顔がきくハーバード大学美術館のウォーナー東洋部長に託した。結局、朝河の草案がそのまま採用されることはなかったが、ルーズベルトは親書を天皇に送った。しかし、時すでに遅しで、届いたのは真珠湾攻撃の直前だった。

 そんな朝河を「朝日新聞」では「祖国が平和を諦めた中で、朝河は1人闘う」(2015年4月2日)なんて調子で、戦争回避のために単身働きかけたヒーローのように扱っているが、実は戦前は朝河を敵国のスパイのように扱っていた。

 日露戦争で勝利した日本では、ロシアからバンバン賠償金を取れ、朝鮮半島の権益をぶんどるべきだという世論があふれ返っていたが、朝河は、「日本は金や領土のためではなく、アジア解放という大義のために戦ったのだから、そんなものを要求してはならない」と説いてまわった。

 それを当時は「愛国マスコミ」の急先鋒だった「大阪朝日新聞」(1905年10月30日)が、いけすかない奴だとディスっている。横浜市立大学の矢吹晋名誉教授があるセミナーで、そのあたりの「悪口」の説明をされているので、引用させていただこう。

 《「朝河貫一と呼べる人なり、此の人イェール大学を卒業し、目下、米国某学校に於いて東洋政治部の講師として聘せられ居るものなり。名刺にはドクトル及び教諭と記し、日本人に語るにも日本語を用いず、必ず英語を以てす。此の人、ポーツマスに来たり、日々ホテル・ウェントウォースに在りて、多くの白人に接し、頻りに平和條約の條件に就て説明をなしつつあり。英文にて記せる朝河貫一なる文字とその肩書きの立派なるよりほかは知らざる白人は…」との書き出しで、学校の講師で安月給のくせに、1日に5ドルのホテル代を払って、ここにいるのははなはだ疑わしい、誰の回し者だという書き方です》(日本海海戦100周年記念歴史セミナー「世界を変えた日露戦争」より 2005年5月28日)

 猪木氏が訪朝するたびに、「北朝鮮の手先か」とか「北朝鮮に媚びを売っている」といたるところでディスられているのと、ほとんど変わらないのではないだろうか。

● 猪木氏が批判されても 訪朝を繰り返す理由

 猪木氏は、批判されても訪朝を繰り返す理由をこのように述べている。

 「おれが言いたいのは、ドアを閉め切る外交というのが世界中どこにあるのかということです。話し合いもしないで、どうして解決するんですか(中略)制裁をかけたら『ごめんなさい』と言うほど、相手は甘くない」(週刊朝日2010年11月12日)

 もちろん、北朝鮮の核を認めてまずは話し合おうなんてのは論外だ。政府は強硬な姿勢をとるべきで、もし猪木氏が閣僚であれば、勝手なスタンドプレーは許されることではない。しかし、幸いというか、猪木氏は無所属議員に過ぎない。これまで長い時間をかけて培ってきた北朝鮮との信頼関係もある。そんな猪木ルートまで断絶して、話し合いの道をすべて閉ざすことで、この問題を解決できるとは思えない。

 「朝日新聞」にディスられた朝河はくじけることなく、「反省ある愛国心」を説き続けた。

 中国大陸で権益を拡大する日本を批判。当初の志である清帝国の独立や領土保全、列国民の機会均等のために、さっさと中国から撤退すべきだと訴えた。そんな国益に反することを唱える人物が、日本に圧力をかける米国の大統領に働きかけ、畏れ多くも天皇へ親書を送ろうと奔走する。その時代の「愛国者」たちからすれば、大ヒンシュクもののスタンドプレーだったことは言うまでもない。

 「アメリカの回し者」だと白い目で見られていた朝河が、70年経ってガラッと変わって英雄とされているように、猪木氏の訪朝もいつか評価される時代がくるのではないか。

訂正 1)記事初出時、猪木氏が1990年にキューバのカストロ前議長と面会したことで、89年の昭和天皇崩御の際にキューバが1週間半旗を掲げたとも読める表現がありましたが、実際には猪木氏はカストロ氏との面会前からキューバで名声を得ていたため、誤解を防ぐために文章を補足しました。

 2)同じく猪木氏がパキスタン国王から祝福されたとの記述があり、猪木氏の著書「闘魂外交」(プレジデント社)の記述を参考にしたものでしたが、実際にパキスタンには国王はいないため、パキスタン政府と改めました。

 2017年9月12日 ダイヤモンド・オンライン編集部


北朝鮮の核保有国化に日本の持つ対抗手段が無力な理由
9/7(木) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン

 北朝鮮は8月29日午前5時58分頃、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を行った。このミサイルは北海道南部の渡島半島と襟裳岬上空約500kmを通過、同岬の東方約1180kmの太平洋に落下した。

 次いで9月3日午後0時29分頃には咸鏡北道豊渓里の地下核実験場で6回目の核実験を行い「弾道ミサイルに搭載できる水爆弾頭の実験に完全に成功」と発表した。

 日本では弾道ミサイルの北海道上空通過に大衆は強い反発を示したが、実は水爆実験の方が大きな危険だ。米国と北朝鮮の威嚇競争が一段とエスカレートしかねないだけでなく、日本にとっても北の「核保有国」化が現実のものになりつつあり、第二次大戦後、最悪の危機局面だ。

● 日本に届くミサイルは20年以上前からある 「グアム」は報復恐れて回避

 8月29日の「火星12」の発射実験では、ミサイルの高度は550kmに達し、北海道の上では軌道の頂点を過ぎていたが、500kmはあったと考えられる。

 この高度では、日本の領空とはいえず、「領空侵犯」と非難はできない。

 宇宙がどの国にも属さないのは自明のことだ。地球は自転していて、北海道上空の宇宙は1時間後には中国上空になるからだ。

 「空気のある所までは領空」との定義にはどの国も反対していないが、徐々に空気は薄くなるから、領空と宇宙との線引きは困難だ。このため「人工衛星が飛ぶところは宇宙だろう」との説が何となく一般化した。人工衛星には最低高度が100km程度で周回した物もあったから「一応100kmまでは領空」と言われてきた。

 高度500kmもの宇宙をミサイルが通っても「領空侵犯」とは言えないから、日本政府は2006年7月の国連安保理決議1695以来、国連が何度も北朝鮮に求めている「弾道ミサイル計画に関わる全ての活動の停止」に対する違反だ、として抗議した。

 北朝鮮が日本のほぼ全域を射程内に入れる弾道ミサイル「ノドン」(推定射程1300km)を1993年頃から配備を始めて以来、すでに20年以上たつ。北朝鮮は今回以前にも4回、日本上空の宇宙を通るコースで弾道ミサイル、あるいは人工衛星用ロケットを発射していてきた。

 今回の場合、北朝鮮は8月21日から31日までの米韓合同演習(これは部隊を動かさない指揮・通信訓練で、大規模なコンピューターゲーム だ)に反発し、「グアム周辺30kmないし40km(米領海外)の海上に4発のミサイルを撃ち込むことも検討」と発表していた。

 だが、もしそれを行えば、米軍はグアムに配備したミサイル迎撃ミサイル 「サード」(射程100km)などで撃破しただろう。

 もし狙いが外れて領海や島に落ちれば、米国は北朝鮮に報復攻撃をするおそれもあったから、さすがにそれは控えて、代わりに1発だけ北太平洋に発射し、米韓の合同演習に対抗した形を示したのだろう。米国と威嚇し合う「チキンレース」で速度を落とした形だ。

● 水爆の威力は都心を狙えば 半径6.6km圏で致死的な火傷被害

 一方で、9月3日の水爆実験は日本に対する脅威を著しく高めるだけでなく、米国と北朝鮮の威嚇競争を数段エスカレートしかねない。

 前回、昨年9月9日の核実験では、日本の気象庁はマグニチュード5.3と計測、韓国国防省は「TNT爆薬10キロトン相当の爆発」と発表した。今回の核爆発では気象庁は「マグニチュード6.1」と発表。威力は「前回の10倍以上」すなわち100キロトン以上としている。マグニチュードが1上がると震源のエネルギーは31.6倍になる。今回のマグニチュードは前回より0.8高い。

 同日のCNNによれば、米国の専門家は「威力は120キロトン」と推定したという。防衛省は同日「70キロトン」との推定を発表、5日に「120キロトン」に修正。さらに6日に「160キロトン」とした。韓国国防省は「50キロトン」と言うが、これは国民の動揺を案じてか、低目の推定値を採ったのかもしれない。

 原子爆弾では威力は自ずと20キロトン(TNT2万トンに相当)程度になるもので、広島型では約15キロトン、長崎型で23キロトンだった。それに比べ今回の威力ははるかに大きいから、北朝鮮が水素爆弾の製造に成功したことはまずたしか、と見ざるをえない。

 威力10キロトンないし20キロトンの原爆では、爆心地から約3km以内で第2度の火傷(やけど)を起こし、体の表面の30%以上に第2度の火傷を負うとすぐ手当しないと致命的だ。2km以内では大部分が火傷で死亡、火災が発生する。

 爆風は約2km以内で大部分の建物を倒壊させ、中性子とガンマ線は約1.4km以内の人を1ヵ月以内に死亡させる。巻き上げられた土砂は風下50kmないし100平方kmで致死的放射線量を発する。

 北朝鮮の水爆弾頭の威力が、160キロトンと仮定し、威力15キロトンの広島型原爆の10.7倍の威力とすれば、破壊力の半径は3乗根になるから(爆発力は前後左右にも上にも拡がる)、2.2倍だ。「熱効果」(2度の火傷を起こす)が原爆で約3kmのところ、水爆では約6.6kmになる。

 仮に国会議事堂を爆心地とすれば、原爆なら北は水道橋、南は三田、西は千駄ヶ谷、東は八丁堀が3kmの熱効果の半径内だ。だが6.6kmの半径になると、北は巣鴨、南は大崎、西は中野、東は錦糸町付近までが圏内に入る。東京23区の人口密度は1平方kmに1.5万人だから約205万人あるいはそれ以上が被災すると推定される。

● 落とせる数に限界 ミサイル迎撃システム

 だが弾道ミサイルを迎撃する態勢は不十分というより、むしろ形ばかりだ。

 核ミサイル対策として日本は現在イージス艦6隻を持つが、うち4隻が弾道ミサイル迎撃用の「SM3ブロック1a」ミサイル(射程1000km)を8発ずつ搭載している。

 それを大幅に進歩させた「SM3ブロック2a」(射程2000km)を積むために他の2隻は改装中で、さらに2隻を建造する予算も付いていて、数年後には計8隻となる。

 加えて本来艦載用のイージス・システムを陸上型にした「イージス・アショア」を2ヵ所に配備する方針だ。

 イージスは弾道ミサイルが軌道の頂点付近に達し、速度が落ちたところを狙うが、それが撃ち洩らした弾道ミサイルは航空自衛隊の短射程迎撃ミサイル「パトリオットPAC3」が破壊することになっている。

 「PAC3」は発射機34基があり、各4発のミサイルを積んでいる。1地点に発射機2基、8発が配備される。射程は20km以下だから、ごく狭い地域しか守れない。迎撃用のミサイルは、故障、不発があることも考え、1目標に2発ずつ発射するのが普通で、「PAC3」も「イージス」も8発では弾道ミサイル4発にしか対抗できない。

 「PAC3」は射程を30kmに伸ばした「PAC3MSE」に換装中だが、それでも1地点しか守れないことは変わらない。

 ミサイル防衛にはすでに1兆8000億円近くが投入されたが「今後さらに1兆円掛かる」と言われる。だが多数の弾道ミサイルがほぼ同時に発射されれば突破されるのは避け難い。

 北朝鮮は旧式の「ノドン」だけでも300発はあると言われている。核弾頭は20発程度(量産開始の可能性がある)としても、通常(火薬)弾頭付きのものとまぜて発射されれば区別が付かないから、防御側はすべてに対処せざるをえない。

● 「敵基地攻撃力」は困難 目標の位置が分からない

 ミサイル防衛は十分な守りにはならないから「敵基地攻撃能力を保有すべきだ」と自民党政務調査会は今年3月政府に提言した。

 だが目標の位置が分からなくては攻撃はできない。偵察衛星は地球を南北方向に1周約90分で周回し、世界各地の上空を1日約1回、時速約2万7000kmで通過する。固定目標は撮影できても、常時1地域を見張ることはできず、移動式発射機に載せて山岳地帯の無数のトンネルに隠されている弾道ミサイルを発見するのは不可能に近い。北朝鮮の新型の弾道ミサイルはトンネルから出て来て10分程で発射可能とされる。

 赤道上空を高度約3万6000kmで周回する静止衛星は、この高度だと地球の自転速度と釣り合って地表からは静止しているように見える。米国の早期警戒衛星もその一種で北朝鮮を常時監視することも可能だが、地球の円周4万kmに近いこの距離ではミサイルは見えず、発射の際の大量の赤外線を探知できる程度で、発射前に攻撃する役には立たない。

 ジェットエンジン付きの大型グライダーのような無人偵察機「グローバル・ホーク」を日本も3機、約630億円かけて導入するが、公海上空から斜めに撮影するのでは、北朝鮮北部山岳地帯の谷間のトンネルなどは撮影できない。

 多数の無人機を常に北朝鮮上空で旋回させておけば、発射機が出て来たところを発見できるとしても、領空侵犯であり、高度は2万メートル以下で低速だから、旧式の対空ミサイルでも簡単に撃墜される。 米軍にとっても北朝鮮の弾道ミサイルの位置をすべて、リアルタイムで知ることは不可能だ。

 また、もし北朝鮮の弾道ミサイルの位置がすべて確実に分かるのなら、圧倒的な航空戦力を持つ米韓軍が攻撃して処理できるから、自衛隊の出る幕はない。「邪魔だから来るな」と断られそうだ。

 北朝鮮空軍は1990年代以降、極度に衰弱したため、韓国空軍は防空の必要が薄れ、戦闘機約480機のうち、約310機を対地攻撃任務にあてている。陸軍は射程300kmないし500km(弾頭重量による)の「玄武2型」弾道ミサイルをすでに約1700基も配備している。米空軍も戦闘機約40機、対地攻撃機24機を韓国に置いており、攻撃能力自体には不足していない。

● Jアラートは予告なしの 発射に対応しきれない

 日本の残るミサイル防衛手段としては住民の避難がある。

 Jアラート(全国瞬時警報システム)は全国1741自治体すべてに通信衛星を経由する警報の受信機を配置したが、今回、8月29日のミサイル発射以前にJアラートの警報が出されたのは2012年12月と2016年2月の2回だけ。北朝鮮が「テポドン2」で人工衛星を打ち上げた際だけだった。

 この時には北朝鮮は発射の時間帯や場所、予定軌道などを事前に公表していたから、集中的に監視を行い、1回目は発射の6分後、2回目は4分後に沖縄でJアラートの警報が出たが、度重なる日本海へのミサイル発射実験では予告がなかったからJアラートは機能しなかった。

 8月29日は、発射が5時58分、警報は4分後の6時2分に出たから、初めて北朝鮮の予告なしでも警報が出たわけだ。安倍首相は「ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握していた」と得意気に記者団に語った。

 だが、首相は前夜から公邸に泊まって待機していたことが後に分かった。北朝鮮は発射を誇示するために偵察衛星が撮影しやすい平壌郊外の順安飛行場に、ミサイルを引き出していたから、予告があったのと同然だった。

 ただ、どこへ向けて発射するかは分からず、北朝鮮はグアム周辺の公海上に4発のミサイル発射を検討している、と言っていた。

 実際は、米軍の「早期警戒衛星」がミサイル発射をすぐ探知し、日本にも情報が伝わり、熱源の移動でおよそどの方向に向かうかも分かるから、「南のグアム方向ではなく、東に向かう」と判断、北海道から長野県にかけ1200kmもの広大な地域に警報を出したようだ。

 ミサイルが上昇して、水平線の上に現れ、イージス艦のレーダーや、九州西方の下甑島や佐渡島の巨大レーダー「FPS5」がそれを捉えれば軌道計算ができ、どこに向かうか詳しく分かるだろう。だがとにかく早く警報を出そうとすれば、対象地域は広くならざるをえない。

 北朝鮮から日本に向かう弾道ミサイルは8分程で飛来するから発射後4分で警報が出れば4分の差があり、運が良ければ地下室などに逃げ込んで助かる人もいるだろう。

 だが今回のように日本列島の北半分という広大な地域に警報が出ると、ほとんどの人にとっては「カラ振り」となる。今後も北朝鮮は太平洋への発射を続ける構えで、何度も広域に警報が出れば警報慣れして無視する人が多くなる。

 そもそも警報システムは退避すべきシェルターと一対になって意味がある。有効な隠れ場所を用意せず警報を出しても片足だけ靴をはいたようなかっこうで、住民が「どうしろと言うのか」と当惑するのは当然だ。

● 石油禁輸は自暴自棄に走らせる 核保有を認めれば日本は従属の立場に

 北朝鮮は石油の約90%を中国に頼っているから、中国が石油輸出を停止すれば決定的打撃となるが、命脈を断たれる北朝鮮は自暴自棄となり、1941年8月に米国の石油禁輸を受けた日本が対米戦争を決意したようになりかねない。

 そうなれば韓国、日本や中国にとっても危険が大だ。米国では「北朝鮮の核放棄を求めても応じるはずがない。むしろ核保有国と認め、国交を結んで懐柔する方が現実的では」との声も一部に出る。

 それだとたしかに当面の危険は避けられるが、米国に核保有を認められ、国交を結んだ北朝鮮は日本、韓国などに対し、核を背景にさまざまな要求を続け、日本は従属を続けざるをえなくなるだろう。一度、恐喝に応じれば次々と脅かされる結果になる。日本は第2次世界大戦後最悪のピンチに陥ったようだ。

 (軍事ジャーナリスト 田岡俊次)


米韓FTA破棄、当面見送り=北朝鮮緊迫でトランプ政権
9/7(木) 5:52配信 時事通信

 【ワシントン時事】米通商専門紙は6日、トランプ政権が韓国との自由貿易協定(FTA)の破棄を現時点で見送ったと報じた。

 北朝鮮が核実験を強行するなど、情勢が一段と緊迫する中、米有力議員や経済団体が米韓関係の悪化などを懸念し、破棄反対を表明していた。

 インサイドUSトレード紙によると、政権は有力議員に、米韓FTAの破棄を検討課題から取り下げたと説明した。ただ、経済団体の関係者は「トランプ大統領の言動は予測できない」と指摘。引き続き協定を破棄しないよう働き掛けていくと述べた。

 トランプ氏は、2012年に発効した米韓FTAにより、貿易赤字が拡大したと主張し、韓国に再交渉を要求した。しかし、8月下旬の会合で韓国が拒否したため、トランプ氏は破棄の検討を指示したとされる。

 そうした中で今月3日、北朝鮮が核実験を実施。通商政策を担当するハッチ上院財政委員長らは5日、「米韓同盟の重要性が明確になった」と破棄反対を表明。米商工会議所も声明で「軽率で無責任な措置を取らないよう強く求める」と政権に自重を求めた。


軍事行動、第1の選択でない=米大統領、次の展開「そのうち分かる」
9/7(木) 5:26配信 時事通信

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は6日、6回目の核実験を強行した北朝鮮への対応について、軍事行動は「われわれの第1の選択ではない」と記者団に語った。

 国連安全保障理事会での対北朝鮮制裁決議案採択を最優先とする一方、「北朝鮮で起きていることに、いつまでも我慢を続けない」とも警告。「何が起きるかは、そのうち分かる」と述べ、軍事的選択肢自体は排除しなかった。

 これに先立ち、トランプ氏は中国の習近平国家主席と電話会談した。トランプ氏は「(北朝鮮問題で)習主席は何かをしたいと思っている。それができるかどうか、いずれ分かる」と語り、中国の北朝鮮への影響力行使に期待を表明した。安保理決議案の早期採択への協力も中国に求めたとみられる。

 電話会談は約45分間行われたと明かした大統領は「非常に率直で力強い電話だった」と評価してみせた。北朝鮮への対応をめぐり「習主席は私に100%同意していると思う」と強調した。


米、原油全面禁輸の決議案=正恩氏を制裁指定、中ロの対応焦点―国連安保理
9/7(木) 5:10配信 時事通信

 【ニューヨーク時事】北朝鮮による6回目の核実験を受け、米国は6日、北朝鮮への原油供給を全面的に禁止し、金正恩朝鮮労働党委員長を渡航禁止や資産凍結の対象に指定する新たな制裁決議案を国連安全保障理事会の全15理事国に配布した。

 米国は11日の採決を目指す。今回の決議案の内容は従来の決議と比べ極めて強力で、局面の打開を図りたい米国の強い意志が反映された。

 ただ、北朝鮮を不安定化させる措置に反対してきた中国やロシアが、北朝鮮の生命線とも言える燃料供給を断つ制裁を容認するかは微妙。拒否権を持つ両国の説得に向け、激しい外交戦が展開されることになりそうだ。

 一方、ロシアは11日の採決を「時期尚早」(ネベンジャ国連大使)と考えており、協議が順調に進むかは予断を許さない。

 米国が「最強の制裁」(ヘイリー米国連大使)を目指す背景には、9日の北朝鮮建国記念日を前に、北朝鮮を強くけん制したい狙いがあるとみられる。韓国国防省は、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を再発射する可能性も指摘している。

 決議案は、国連加盟国による原油や石油製品、天然ガス液(NGL)などの供給や販売、移転を全面的に禁止。さらに、外貨収入源の締め付け強化策として、北朝鮮の主要輸出品である繊維製品を全面禁輸としたほか、各国が北朝鮮の出稼ぎ労働者を受け入れることを禁じた。労働者の収入は核ミサイル開発への転用が指摘され、今年8月の決議で新規の受け入れが禁止されたが、既に受け入れている労働者の雇用継続は認められていた。

 資産凍結や渡航禁止の制裁対象には、朝鮮人民軍の黄炳瑞総政治局長や金委員長の妹、与正氏ら5人と高麗航空や人民軍など7団体が追加された。


「通常業務を継続」=冷静対応呼び掛け―在韓米大使館
9/7(木) 3:56配信 時事通信

 【ソウル時事】北朝鮮による6回目の核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射で米朝関係の緊張が高まる中、在韓米大使館は6日、米国人向けに注意喚起を行い「米大使館は通常業務を続けている」と冷静な対応を呼び掛けた。

 朝鮮半島情勢の緊迫感が増す中、米国人から安全に関する問い合わせが増えていることに対応したという。

 米大使館のウェブサイトによると、業務活動や職員数、韓国に滞在中の米国人に対するガイダンスに関し、これまでと変更はない。一方、個人の安全や緊急時の備えについては、引き続き注意するよう呼び掛けた。

 北朝鮮が8月、米領グアム島周辺を狙うミサイル発射計画を公表した後も、米大使館は同様の注意喚起を行った。米政府は6日現在、韓国への渡航について警告などは出していない。

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