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2017年7月12日 (水)

北朝鮮、今度は弾道ミサイル発射・117

去る1月6日に核実験を行なった残虐な中世の亡霊・暗黒独裁国家・北朝鮮が、今度は長距離弾道ミサイル発射実験の準備を進めていたが、ついに7日9時31分に発射した。

政府は7日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、国民の安全確保に万全を期すとともに、米韓などと緊密に連携し、北朝鮮に厳しく対応していく方針を確認した。
NSCで首相は、「米国や韓国など関係国と連携し、必要な対応を適時適切に行う」よう求めた。また、首相は関係省庁に対し、(1)落下物などによる被害がないかの確認(2)情報収集・分析の徹底(3)関係国との連携―を指示した。

安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で記者団に対し、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したことについて「断じて容認できない。明白な国連安全保障理事会決議違反だ。国際社会と連携し、毅然として対応する。国民の安全と安心を確保することに万全を期する考えだ」と述べた。

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リンク:北朝鮮ICBM、西海岸到達の可能性…米で分析 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:射程はICBM級だが初期水準の飛行…韓国分析 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米軍、THAADによるミサイル迎撃実験に成功 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米、THAADによる中距離弾道ミサイル迎撃実験に成功 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

文大統領のTHAAD配備問題への中途半端な対応
7/18(火) 12:12配信 Wedge

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、「韓国の防衛上の大失策:新大統領はミサイル防衛についての中国の圧力に屈した」との社説を6月12日付けで掲載、文在寅韓国大統領が6月7日にTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイルの配備を一部中断する決定をしたことを批判しています。社説の要旨は次の通りです。

 6月7日のミサイル防衛の配備中断という文在寅の決定は、韓国の新大統領が北の脅威および米、中、日との関係にどうアプローチするかを示している。文は中道左派の前任者たち(注:廬武鉉や金大中)のように地域強国の間でバランスをとり、北朝鮮との協商を交渉したいとしている。このナイーブさが韓国の安全保障を危機にさらす。

 米国のTHAADが北のミサイル攻撃に有効なことは明らかである。費用も米国が10億ドル負担するので問題ない。しかし、中国がTHAADのレーダーで中国の空域を覗き見られることに怒っているために議論が生じている。中国は非公式な制裁を韓国に課している。

 文は中国の圧力に屈して、環境評価をするまで新しい発射台の配備を2年間、遅らせる決定をした。国家安全保障補佐官は、THAAD配備に関する米韓合意を守ると述べたが、他の大統領側近はTHAADの必要は「緊急」ではないと述べた。多くの韓国人は信じられない気持ちでいる。コリア・ヘラルド紙は「北のミサイル実験の頻度が増す中、THAADの配備は緊急課題である。対ミサイル能力は韓国にとり生き残りの問題である」と言っている。

 文は5月、米国のディック・ダービン上院議員(民主党)に「THAAD配備の決定は逆転させない」と言ったが、ダービン議員は、「文は米国との協力よりも中国との協力で北朝鮮を封じ込めるほうが可能性が大きいと考えている」と懸念を表明した。

 THAADのレーダーと前政権の時に配備された2基の発射台を撤去しない限り、北京をなだめることはできないだろう。海外でも国内でも皆を喜ばせようと言う文の試みは逆効果になろう。北は新しい政権を試すためにミサイルその他の軍事挑発をエスカレートさせかねない。

 文は誤りを正すべきである。安全保障が問題になっている時にあって、環境評価は見送りうるし、そうすべきである。

出典:‘South Korea’s Defense Blunder’(Wall Street Journal, June12, 2017)

 この社説は、的を射ています。今回の文在寅大統領の決定は、理解しがたい決定です。

 追加の4基の発射台の配備を環境評価が終わるまで中断すると言いますが、すでに配備済みの2基の発射台とそのためのレーダーの配備はそのまま継続されます。中国は、高性能のレーダーが中国のミサイル基地の情報も入手できることをTHAAD配備に反対する理由としてきました。したがって、今回の決定で中国側を満足させることはできません。

 中途半端に中国に譲る政策は中国に期待を持たせ、更なる要求を引き出すことになりかねません。北の脅威が強まる中、THAAD配備をせざるを得ないとの姿勢を貫くのが正解であったと思われます。

 THAADの追加4基の搬入が大統領に報告されていなかったということで調査がなされ、6月5日、国防省の国防政策室長(中将)が「隠ぺい」したとの調査結果が大統領府から出されました。6月7日には、追加4基の配備が、環境評価が終わるまで見送られることになりました。国家安全保障にかかわる問題についての決定としては、極めて異例な経緯、理由づけに基づくものです。

 北の脅威について文在寅大統領が深刻にはとらえていない証左であると思われます。日米韓が協力して対処しなければならない北朝鮮問題について、文在寅大統領は不協和音の素になる可能性が大です。

 今後、どう文大統領を教育していくか、米国とも相談していく必要があります。

 なお、ニューヨーク・タイムズ紙も6月12日付で本件について社説を掲載しています(‘South Korea, Caught Between Superpowers’)。同社説は、「北との交渉においては、米中韓の統一戦線が必要である。二つの超大国に挟まれた韓国の立場の配慮が必要」という主張をしています。3か国の団結保持を優先せよとの意見ですが、これは、無原則な対応になりかねない意見です。


習近平が米中首脳会談でにおわせた「金正恩政権転覆」の胸三寸 G20深層レポート後編
7/18(火) 10:01配信 現代ビジネス

ある民主活動家の死
 まずは、上の一脚の椅子を見てほしい。この青い立派な椅子は現在、中国のインテリ層の間で、SNSによって静かに拡散されている写真である。

 この椅子は、2010年12月10日、オスロで行われたノーベル平和賞の授賞式で、中国の民主活動家、劉暁波氏のために用意されたものだ。

 この日、雛壇には7席の椅子が用意された。他の受賞者6人は着席したが、客席から見て、向かって左から2番目の椅子だけが空席になっていた。中国の獄中にいた劉暁波氏は、出国を許されなかったからだ。そのためオスロではその椅子にメダルと花を置き、中国政府に対する抗議の意を示したのだった。

 中国では今年6月1日、インターネット安全法が施行された。これによって、中国当局の意に反する内容をSNSに書き込めば、たちどころに逮捕できることになった。

 そのため中国人は、7月13日に61歳で死去した劉暁波氏に対して、哀悼の意を表することができない。それで中国のインテリ層は、ひそかに骨董品の写真に紛れ込ませたりして、この椅子の写真を拡散させているのである。

 もう少し勇気のある中国人は、次の対連句を拡散させている。

 〈 学為人師、論美論徳論自由、保持沈黙幾過客。
 行為世範、獲罪獲奨獲解説、没有敵人一先生。〉

 (人の師となって学び、美と徳と自由を論じ、沈黙を守って歩んでいく。
 世の範となって行動し、罪と賞と論評を得て、何人をも敵視しなかった一男性。)

 ちなみに劉暁波氏の死去に対する中国政府のコメントは、7月14日の外交部定例会見で述べられた「中国の内政問題に外国は不適切な発言をする立場にはない」というものだった。その後、遼寧省政府が、「葬儀は遺族の意向に沿って行われた」と説明した。

 要は、習近平政権は、1989年の天安門事件そのものを無かったことにしようとしているのである。

 私はかつての劉氏の教え子にも話を聞いたが、「平和賞でなく専門の文学賞でノーベル賞を獲ってほしかった」と言って涙ぐんだ。

 劉氏の件に関しては、すでに日本でも多く論じられているので、これ以上多言はしないが、いずれ中国も、天安門事件の総括を行わなければならない時が来るだろう。一応、中華人民共和国憲法第35条を掲げておく。

 〈 中華人民共和国の公民は、言論・出版・集会・行進及び示威の自由を有する 〉

 このように中国政府が劉暁波氏の死去に、ことのほか敏感になっているのは、早ければ9月にも、5年に一度の中国共産党大会を開くことと関係している。今回の第19回共産党大会で、絶対的権力を掌中に収めようとしている習近平主席にとって、内省の安定と外交の成果が必要なのである。

文在寅大統領との初会談
 そんな習近平主席は、7月3日から9日までのロシア、ドイツ、G20という国家主席になって28回目となる外遊を、自身の権威を高める重要イベントと位置付けていた。前回のこのコラムで、外遊前半のロシアとドイツ訪問について詳述したので、今回は「習近平のG20外交」について述べたい。

 7月5日夜、ドイツ公式訪問においてメルケル首相との一連の日程を終えた習近平主席は、翌6日午前中に、滞在先のホテルで文在寅韓国大統領との、初めての中韓首脳会談を行った。

 1992年8月に国交を結んだ中国と韓国はこの25年間、おおむね良好な関係を築いてきた。それは、中国を利用して北朝鮮を牽制し、経済発展を実現したい韓国と、韓国を利用してアメリカを牽制したい中国の思惑が一致していたからである。特に2013年に習近平政権と朴槿恵政権が立ち上がって以降は、“中韓蜜月”を演出してきた。

 それが瓦解したのは、昨年2月7日、韓国政府が、「アメリカ軍のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)を韓国に配備する交渉に入る」と発表した時だった。以後、現在までの約1年半は、“中韓冷戦”とも言える状況が続いていたのだった。

 特に、今年4月に、導入を予定しているTHAAD6基のうち2基を配備してからは、中国の反発が強まった。

 韓国の『ハンギョレ新聞』(7月5日付)によれば、現代起亜自動車の今年上半期の中国市場での売り上げは42.9万台で、これは2009年に中国市場に初参入した時の水準だという。

 韓国から中国への自動車部品の輸出も、1月から5月までで前年同期比33.2%減。韓国国内の免税店利用客は、昨年5月の184万人から今年5月には102万人まで激減した。中国国内に99店舗あったロッテマートは、すでに87店舗が営業停止状態で、過去4ヵ月の損失額は、日本円で約500億円に膨れ上がっているという。

 そうした中で、5月10日に就任したばかりの文在寅大統領は、習近平主席に対して、次の2点を強調した。

 1点目は、THAADの6基のうち、残りの4基の配備を大幅に延期することで、中国側に配慮したということ。もう1点は、米韓合同軍事演習の規模を縮小させたり、来年2月の平昌冬季オリンピックで南北交流を図ることで、北朝鮮の“暴走”を緩和していくと述べたことだ。

 習近平主席は、同じアメリカの同盟国であっても、トップの態度や言動が隣の日本とは随分違うと感心したのではなかったか。中国中央テレビを見ても、「あなたとならうまくやっていけそうだ」という表情をして文在寅大統領と握手する習近平主席の姿が映っていた。

 実際、習主席は「あなたの自伝に書いてあった『長江後浪推前浪』という言葉を鮮明に記憶している」と述べた。宋代の劉斧の『青瑣高議』の一節で、揚子江の波が前の波を推し流していくように、新任者がつつがなく前任者を継いでいくという意味だ。

 周知のように北朝鮮は7月4日、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験に踏み切った。それによって世界中が北朝鮮に対する非難の嵐となっている中、この日、文在寅大統領は、習近平主席との会談後に、「ニュー・ベルリン宣言」を発表した。

 その要旨は、以下の通りだ。

 ・金正恩委員長といつでもどこでも会う用意がある。
・北朝鮮との平和協定を議論したい。
・「10.4宣言」10周年に南北離散家族を再会させたい。無理なら韓国だけでも北朝鮮からの墓参団を受け入れる。
・平昌オリンピックに参加してほしい。
・休戦協定64周年の7月24日から、38度線での“敵対放送”を中止する。

 中国もまた、朝鮮半島の非核化、対話と交渉による問題解決、地域の平和と安定という「3つの堅持」を主張している。習近平主席としては、少なくとも今秋に共産党大会を無事終えるまでは、北朝鮮がICBMを発射しようが核実験を強行しようが、甘受するつもりでいる。そのため、文在寅大統領が唱える“対話路線”は歓迎なのである。

BRICS首脳会談のモヤモヤ
 文在寅大統領との首脳会談に満足した習近平主席は、ベルリンを発ってハンブルクに向かった。ハンブルクではシュルツ市長が出迎え、「ここは中国が主導する『一帯一路』のゴール地点だ」と述べて、習主席を喜ばせた。

 メルケル首相といい、シュルツ市長といい、ドイツ人は本当に、習主席を心地よくさせる術を心得ている。さすがはかつて国の半分が社会主義をやっていた国である。

 6日午後、習近平主席はシンガポールの李顯龍(リー・シェンロン)首相と会談した。

 習近平: 「シンガポールとの関係は、大変良好だ。『一帯一路』建設を推し進め、インフラ整備、経済貿易、金融提携などを進めると共に、インターネットの新技術の提携も進めたい。来年ASEAN議長国となるシンガポールを、中国は支持していく」

 李顯龍: 「シンガポールは『一帯一路』建設に積極的に参加する。金融、高速鉄道、自由貿易区などの分野でも提携を進めていきたい。また中国とASEANとの橋渡し役も務めていきたい」

 7月7日午前、習近平主席が宿泊しているグランド・エリゼ・ホテルに、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、ブラジルのテメル大統領、南アフリカのズマ大統領が集まり、BRICS(新興5ヵ国)首脳会談を行った。今年は中国が議長国で、9月には習近平主席のかつての赴任地であるアモイで、首脳会談を予定している。

 BRICSは2009年、前年にG20が発足したことを受け、G7の先進国に対抗して新興国が結束する目的で作られた。高度経済成長を続ける中国とインド、資源大国のロシア、ブラジル、南アが結束したことで、一時は日の出の勢いだった。だが、現在では資源安や各国の思惑の違いなどからやや失速気味である。

 議長役の習近平主席は、開放型の世界経済、多様性を認め合う社会作り、地球規模での経済管理、共同発展の推進という4点を提起した。だが、4人の首脳はフンフンと聞いているばかりだった。

 この中で、習近平主席が目線も合わさなかったのが、インドのモディ首相である。

 インド側の報道によれば、今年に入って中国人民解放軍が、中国側からインド、中国、ブータンの国境紛争地であるドクラム高地に至る軍事用道路を勝手に建設した。今度は中国側の報道によれば、インド軍は6月4日と5日、中国領内に侵入し、中国の道路を破壊した。さらに両国の報道によれば、7月5日、チベット亡命政府のロブサン・センゲ代表が、国境沿いのラダック地区を訪れ、チベット独立の象徴である「雪山獅子旗」を、バンコン湖畔に掲揚した。

 そんなわけで、中国とインドは現在、一触即発の事態に陥っているのである。モディ首相は5月に北京で行われた「一帯一路国際サミットフォーラム」への出席を中止。代わりに6月にアメリカを訪問し、7月10日からはアメリカ軍と自衛隊をインド洋に招いて、日米印共同訓練「マラバール」を行っている。

 このようにインドは中国への対抗意識をメラメラとたぎらせているのである。BRICSの2大経済大国がこの様では、BRICSの結束もあったものではない。

世界ナンバー2の大国として
 気を取り直した習近平主席は午後、ハンブルクの国際コンベンションセンターに移動して、G20首脳会議に臨んだ。

 午後1時25分、18ヵ国・地域首脳が着席したメイン会議に、議長役のメルケル首相が習近平主席を伴って現れた。中国中央テレビはこの場面を、さも習主席が特別扱いを受けているかのように報じた。

 昨年の開催国・中国から今年の開催国ドイツに引き継ぐという演出を、メルケル首相が共産党大会を控えた習近平主席のために、派手にやってあげたのである。すっかり気をよくした習主席は、2日間にわたってメルケル首相を援護射撃したのだった。

 習主席は、自分の発言の出番が回ってくると、さすがにいつものような長文の演説は避け、短くスピーチした。

 「ハンブルクは世界に橋をかける城として誉れ高い。今年の世界経済の成長予測は3.5%で、ここ数年で最もよい。これもG20の努力と無関係ではない。

 今年はまた、世界の貿易が2.4%、投資が5%増加するという予測も出ている。我々は開放型の発展を堅持し、誰もが勝者となる道を歩まねばならない。

 世界の工業と商業の95%は、いまやインターネットと結びついている。世界経済のデジタル化と新たな工業革命の分野で、我々は提携を強化し、共同で新技術、新産業、新モデル、新製品を開発していくべきだ。そして2030年まで持続可能な発展の道を築くのだ。

 2020年までに、AIによって500万人近い雇用が取って代わられるという。そんな中でG20の使命は、公平と効率、資本と労働、技術と就業の矛盾を、うまく処理してやることにある。

 G20はまた、国際金融機関の改革にも取り組んでいかねばならない。中国は先日、『一帯一路国際サミットフォーラム』を成功させた。共に発展していこうという『一帯一路』の精神は、G20の理念と合致するものだ。

 ドイツには、『一人の努力は足し算だが、一つの国家の努力は掛け算だ』という諺がある。我々は手を携えて成長し、共に繁栄を目指そうではないか」

 しばらくして地球温暖化問題に議題が移ると、トランプ大統領とプーチン大統領は、G20首脳会議を抜け出して、2時間16分の長い米ロ首脳会談を行った。

 アメリカ大統領席には、長女イヴァンカ氏がちょこんと腰掛けている。おそらく、こうした光景を見た習近平主席は、ニヤリとしたことだろう。世界唯一の超大国であるアメリカがこの様では、世界は今後、ナンバー2の大国である中国を頼るようになるからだ。

 実際、この日のG20首脳会議が終了すると、習近平主席は、イギリスのメイ首相との会議に臨んだが、完全に中国が主導権を握っていた。

 前々回のこのコラムで詳述したように、20年前、香港がイギリスから中国に返還された時は、明らかにイギリスの方が主導権を取っていた。当時、私は香港に取材に行ったが、先進国のイギリスから遅れた中国の領土になって、香港はこの先どうなってしまうのだろうというのが、大方の香港人の危惧するところだった。

 それが20年を経て、中国は、少なくとも経済面においては、いまや日本経済の約3倍規模の大国になった。香港にもG20に合わせて空母を派遣し、軍事力を見せつけた。それに較べて1年前にBrexitという選択をしてしまったイギリスは、ヨーロッパ大陸からいじめられ、アメリカ大陸はトップが心もとなく、頼みの綱は中国大陸なのである。

 習近平主席は中英首脳会談で、「両国関係は“大方向”が重要だ」と力説した。その上で、「ロンドンのシティは人民元国際化の重要な拠点であり、中国はヒンクリーポイントの原発建設にもイングランド北部経済センター計画にも協力していく」と述べて、メイ首相を安心させたのだった。

 メイ首相は、「習主席が主導する『一帯一路』は素晴らしい着想であり、わが国も積極的に参加したい」と作り笑いを浮かべた。

日中関係の改善は困難か
 翌7月8日は、安倍晋三首相を自分の宿泊先のグランド・エリゼ・ホテルまで来させての日中首脳会談から始まった。

 ある中国の外交関係者の話によれば、アジアには習近平主席が心底嫌いな指導者が3人いるという。北朝鮮の金正恩委員長、台湾の蔡英文総統、そして日本の安倍晋三首相である。

 そのため前の二人とは会わないが、世界第三の経済大国の指導者と会わないわけにはいかない。それで安倍首相との首脳会談をセットする時は、中国の外交当局者も最大限、気を遣うのだという。そんなピリピリした雰囲気を感じさせる日中首脳会談となった。

 まず最初に握手した10秒間、両首脳ともムスッとしたままである。そこで雰囲気を和らげようと安倍首相が、「先月、上野動物園で生まれたパンダは、元気に育っていますよ」と話しかけた。だが、3日前にベルリン動物園のパンダ館前で、たれ目になってパンダについてスピーチしていた習主席は、相変わらずブンむくれたままである。

 安倍: 「北朝鮮への圧力強化に、中国がさらなる役割を果たしてほしい」

 習: 「大事なのは(圧力でなく)朝鮮半島の平和と安定だ」

 安倍: 「法に基づいた自由で開かれた海洋秩序が重要だ」

 習: 「中国の海洋主権と権益は、断固として守る!」

 安倍: 「日中韓サミットを(東京で)早期に開催し、日中首脳の相互訪問を実現させよう」

 習: 「……」

 まさにチグハグな日中首脳会談だった。習主席が台湾問題について、「台湾は中国の不可分の領土であり、日本が我が国の核心的利益に挑戦することは、断じて許さない!」と声を荒げる場面もあったという。

 日中韓サミットに関しては、出席する李克強首相は7月下旬に訪日する気だったが、習近平主席がストップをかけたとも聞く。それが事実なら、秋の共産党大会で李首相の再任はないと見るべきだろう。

 また、安倍首相と習主席のどちらかが退任しない限り、日中関係の根本的な改善は困難だという印象を持った。

 習近平主席は、続いてフランスのマクロン大統領との初の会談に臨んだが、ここでは一転して、25歳も年下の新大統領をねぎらうように、はじめから笑顔だった。

 習主席は、昨年11月に発効した「パリ協定」を誉め上げ、「中国は必ず遵守していく」と約束した。そして原発、航空、食品、金融など、幅広い分野での中仏協定を確認し合ったのだった。

 続くG20の2日目の首脳会議では、アフリカの発展に向けた計画を議論したが、議長のメルケル首相と、アフリカへの最大の支援国である中国の代表・習近平主席とが、絶妙なタッグを見せた。習主席は、「アフリカが提起し、アフリカが同意し、アフリカが主導するという3原則が重要だ」と力説した。

 G20は「ハンブルク宣言」を出して閉幕した。首脳一同の写真撮影でも、習近平主席は当然のように、前列中央のメルケル首相の隣に立った。

米中ロ「新ヤルタ会談」
 この後、習主席の最後の大仕事が、トランプ大統領との2度目の米中首脳会談だった。冒頭の握手の時、習主席は右手でトランプ大統領の肩を叩く仕草を見せた。これは習主席の余裕を示していた。習主席にとってもはや、トランプ大統領は畏れる相手ではないのである。

 米中両首脳がこの時、話し合った2大テーマが、経済貿易問題と北朝鮮問題である。前者に関しては、中国側の報道によれば、習主席は次のように述べた。

 「4月にフロリダでの会談で合意した米中の経済提携100日計画は、順調に進んでいて、いまは1年計画を双方で立案しているところだ。今月19日には第1回の中米経済対話が行われることになっていて、そこで詳細を協議する」

 これについてトランプ大統領も同意した上で、「アメリカにとって中国は重要な貿易相手であり、習近平主席と良好な関係を築けて嬉しい」と述べたという。つまり経済貿易問題については、割りあいシャンシャンと収まったということだ。

 ところが北朝鮮問題については、中国側の報道によれば「両首脳が深入りして意見交換を行った」とのことだが、どんな話になったのかが見えてこないのである。

 大方の日本メディアは、ICBM実験まで強行した北朝鮮に対して、トランプ大統領は強硬論を説いたが、習主席は前述の「3つの堅持」を主張して平行線に終わったと解説していた。だが、果たしてそんな単純なものだったのだろうか? 
 中国側の報道を見ていて気になるのは、米中首脳会談で習近平主席が、「両国の軍事交流を促進させよう」と、しきりに述べている点である。

 「両国の国防大臣の相互訪問を、一刻も早く行おう。まずは、アメリカの統合参謀議長の8月訪中を成功させよう。両軍の連合参謀部の初めての対話を11月に実施しよう。中国海軍は、来年のリムパック(環太平洋合同演習)に必ず参加する……」

 こうした習主席の発言の背景には、何か意図があるのだろうか? 
 ここからは私の推察だが、習近平主席の胸の内としては、秋に中国共産党大会を開くまでは、前述の「3つの堅持」を貫く。だが大会を無事終えれば、もう一度、北朝鮮問題について、真剣に討議しようということではないか。

 討議するメンバーは、トランプ大統領と習近平主席、それにプーチン大統領の3巨頭。そして討議する内容はズバリ、「金正恩政権の転覆」である。つまり米中ロの3巨頭で、「新ヤルタ会談」を開こうとしているのではないか――。

 この話は、次週のこのコラムで詳述したい。ともあれ、習近平主席の「大国外交」を見せつけたG20だった。日本としては、この隣の“巨竜”にどう対峙していくか、宿題を突きつけられたG20だったと言える。

【今週の東アジア関連推薦新刊図書】

 『隣国への足跡』
著者=黒田勝弘
(KADOKAWA、税込み1,728円)

 これは奥深い日韓現代史の本である。海外モノというのは、一日旅行して書けるものもあれば、長年現地に住まないと書けないものもある。本書は、韓国生活35年のジャーナリストでないと書けない箴言に満ちている。
贖罪史観では日韓史の本当のところは分からない。韓国に足を二本とも入れてはいけない。韓国は引き込まれやすく深煎りしがちな間柄である……。
私には歴史でも、戦前生まれの黒田氏は直接体験していたり、体験者から直接話を聞いている。黒田氏にソウルで初めて教えを乞うてから、まもなく30年になるが、「黒田史観」は尽きることがない。


漂流する「トランプ外交」そして北朝鮮は野放しに…  中ロ韓は面従腹背で様子見か
7/18(火) 9:01配信 現代ビジネス

対北朝鮮戦略の温度差
 7月4日の北朝鮮のICBM発射成功は、ハンブルグでのG20サミットの主要な議題となった。ただし、G20がこの問題で共同文書を出すことはできなかった。そもそも、地理的に遠いインド、欧州、中南米、中東の諸国は問題を共有していない。

 あくまでも、北朝鮮の核・ミサイル開発に影響を受けるのは、北朝鮮を交えた6者協議の交渉国、つまり米国、韓国、日本、中国、ロシアである。しかし、この5ヵ国においてすら、それぞれの認識および政策は大きく異なっている。

 今回、温度差が明白なのは、北朝鮮への圧力を強くかけることで合意している日米と、日米との連携は重視しながらも対話を求める韓国、そして北朝鮮の核・ミサイル開発は非難する一方で、米韓軍事演習の凍結やTHAAD(高高度ミサイル迎撃)システムの配備の中止を求めている中ロだ。

 さらに足元を見ると日米の圧力形成も心もとない。日本の安倍首相はG20の席上で、「圧力を強化して厳しい政策を盛り込んだ国連安保理決議の早期採択」を求める発言を行い一貫している。しかしトランプ政権からの発信にはブレがある。

 例えば、ニッキ・ヘイリー国連大使が、北朝鮮に対して国連安保理の席で、すべてのオプションを選択にいれるという厳しい発言をしている一方で、軍事のトップであるマティス国防長官は、早々に軍事オプションではなく外交による解決を求める発言をしている。

やっと問題の難しさに気付いた段階
 こうなると、トランプ政権に明確な対北朝鮮戦略があるかどうかが疑わしくなる。おそらく、トランプ大統領の特異な政策観と政権内部の対立があり、政権全体で明確な対北朝鮮戦略は共有されていないと結論づけられる。その根拠は以下の3つである。

 第一に、トランプ政権は、反エスタブリッシュメント、脱ワシントンを志向し、既存の共和党の安全保障専門家からのアドバイスを拒否し、具体的な政策議論を経ずに2016年11月の大統領選挙で選ばれたことだ。そのため選挙期間中に北朝鮮政策をはじめとする外交・安全保障政策を、チーム全体で大統領と議論して形成した形跡はない。

 第二に、現時点でも、政権内部で外交安保政策についての基本的な合意がなく、むしろ異なる認識を持つ2つのグループがせめぎあっていることだ。

 米国の世界への関与と国際ルール順守のための現状維持を求めているマティス国防長官らの現実主義者に対して、アメリカファーストの掛け声の下、既存の国際ルールからの離脱を考えているバノン首席戦略官らの孤立主義者がおり、トランプ大統領はどちらの勢力も排除していない。

 それゆえに、全体として矛盾した政策が生まれる。また北朝鮮政策のような長期戦略を要求される課題に、政権全体で取り組むことはますます困難である。

 第三に、このような政府内での対立もあり、政権への政治任用人事が大幅に遅れていることだ。本来であれば、対北朝鮮政策に重要な役割を演じるはずの、局長級のアジア太平洋地域担当の国務次官補と国防次官捕が、任命どころか指名すらされていない。政権全体を見渡しても、過去20年間の米朝の交渉の歴史を熟知する人間が、上層部にいないという決定的な空白がある。

 過去20年間の米朝の駆け引きを見てきた筆者の目には、これまでのトランプ政権の北朝鮮への姿勢は、20年間を3ヵ月に凝縮する早回しで、圧力と対話のメッセージを繰り返し、やっと北朝鮮問題の複雑な難しさに気づいて振り出しに戻った、という段階にあるように思われる。

 実をいうと、過去の米国の新政権は多かれ少なかれ、そのようなことを繰り返してきている。4年ごとの大統領選挙により、政治任用の政府高官が入れ替わる米国の構造的欠陥ともいえる。

 ただ、それにしても、これまでの米政権に比べ、トランプ政権の方向性の定まらなさは群を抜いている。

親ロシア方針だけは変わらない
 このような中で、ハンブルグを舞台にしたG20外交で示されたのは、情けないほどの米国の求心力の低下、特に欧州諸国の乖離であり、いまだにその戦略的意図が見えないトランプ大統領自身のロシア接近への意思である。

 著名コラムニストのアン・アップルボームはCNNテレビで「G20でのトランプ大統領は米国だけでなく世界を分極化している」と批判した。彼女は、温暖化対策や自由貿易について、米国以外の19ヵ国が積極姿勢をみせて首脳宣言を作ったことを「G19」として、米国の孤立を揶揄している。

 一方で、トランプ政権の孤立主義者たちは、それでいいと考えている。『ニューヨーク・タイムズ』電子版7月8日付の記事「Despite Deep Policy Divides, Europe Trip Seen by Buoyant Trump as High Point」(大きな政策的な分極化にも関わらず、能天気なトランプ陣営はトランプの欧州外遊を大きな成果だと考えている)は、孤立主義者と現実主義者の乖離を指摘する。

 G20の前にトランプ大統領はポーランドで演説を行ったが、そこで「我々の時代の基本的な疑問は、西洋が生き残る意思があるのかという点だ」と発言した。これはバノン首席戦略官が抱いているとされているイスラム国やイスラム圏との「文明の衝突」観というべき、白人至上主義の要素も持つ偏った世界観の反映とみられている。

 そこには民主主義や人権という、いわゆる西洋社会が育んできた価値感の共有ではなく、むしろ、「白人性」という要素が見え隠れする。

 しかもトランプ政権はあえて、反政府メディアを弾圧して民主化が後退しているポーランドを訪問先に選んでいる。オバマ大統領が在任中にポーランドを訪れた際には、民主化後退に厳しい発言をしていたが、トランプ大統領にそのような発言はなかった。

 一方で、プーチン大統領との会談では、ロシアに対する宥和的な姿勢が目立った。唯一同席したティラーソン国務長官とラブロフ外務大臣からは、まったく異なる認識が示された。ティラーソン国務長官はロシアの選挙介入について厳しく問い詰めたとする一方で、ラブロフ外務大臣からは和やかな会談の様子が示された。これは「イスラムとの文明対立の戦いに勝利するためには、ロシアとも協力すべき」という孤立主義者の世界観と合致する。

 少なくとも、中国とともに北朝鮮問題の対話による解決を求めているロシアとのこのような会談は、北朝鮮への圧力を削ぐことになる。

G20で見せた米国の求心力低下
 欧州諸国の関心も、北朝鮮よりも、むしろ欧州側に軍事的な圧力を増してきているロシアへのNATOの共同対処となり、直接の脅威ではない北朝鮮問題への関心は弱まる。それにも増して、欧州全体で米国から距離を置こうという動きが顕在化してきており、欧州は米国に耳を傾ける気はない。

 ハンブルグG20 におけるハイライトは、議長国のメルケル独首相が奔走して、「保護主義と闘い続ける」という内容を首脳宣言に盛り込んだことだ。これはトランプ政権の保護主義と矛盾するが、不公正な貿易相手国には「正当な対抗措置」を認めるということで、トランプ政権が妥協した。

 そしてG20の明るい要素としてクローズアップされたのが、日欧経済連携協定(EPA)の締結であることは象徴的だ。

 これは温暖化対策と同様に、「異質な」米国政権抜きで、世界が動いていることを示すものだ。『ニューヨーク・タイムズ』電子版7月6日付けに掲載されたロイター発信の記事「EU, Japan Seal Free Trade in Signal to Trump」(日欧はトランプから自由貿易を隔離した)では、日欧はトランプ政権の保護主義への対抗として経済連携協定を示したという評価を示している。

 トランプ大統領は日米首脳会談では、対日貿易赤字と市場アクセスに言及しており、日本も安全保障はともかく、通商では米国を警戒せざるを得ない。これもトランプ政権の戦略性の欠如ともいえる。

 ハンブルグG20で明らかになった米国の「孤立」は、中ロが独自の動きをすることを可能にし、米国の求心力をますます低下させることで、北朝鮮への圧力形成に大きなマイナスであることを示したのである。では、今後の動きはどうなるのか? 

中韓ロは、面従腹背の様子見
 本来であれば、まずトランプ政権が朝鮮半島情勢をよく知る現実的な安全保障専門家を主要ポストに任命して、日米韓の同盟国の連携を強める。その上で、北朝鮮と貿易をしている中国のビジネスマンへの二次制裁の強化を含む対中圧力を形成する。さらにロシアに抜け駆けをさせない、という方向性が、現実主義の教科書が教える政策だ。

 しかし、トランプ政権の思惑通りに動いてくれるアクターは日本ぐらいだろう。現在のトレンドは、関係国のトランプ政権への面従腹背だ。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、そもそも対話路線のリベラル派であり、大きな軍事圧力は望まない。とはいえ、同盟国のトランプ大統領の「キレやすさ」も理解しており、今回はトランプ大統領の日米韓でのディナーに応じて協調を演出した。しかし中国からの圧力もあり、日米とともに強力な圧力を形成するのに積極的ではない。

 中国も面従腹背だ。トランプ大統領が警告しているような、対北朝鮮政策への非協力の反動が、米中の貿易赤字や為替問題に飛び火することは望まない。であれば、なるべくトランプ大統領の顔を立てる一方で、自国に深刻な脅威となりかねない北朝鮮の崩壊につながるような決定的な経済制裁は先延ばしするのが合理的選択だ。

 そのような中国にとって、ロシアと組んで、北朝鮮の平和的解決を訴えることは、ある意味安全なやり方だった。

 今回の米ロ首脳会談が示すように、トランプ大統領は、ロシアの米国大統領選挙への介入や、トランプ政権とロシア政府との不透明な関係をめぐるロシアゲート・スキャンダルにもかかわらず、彼の初期設定であるロシア接近姿勢を変えていないからだ。

 トランプのロシア接近の意図は、あいかわらず不明だが、一部には、トランプ大統領のファミリービジネスの借金がロシア政府に肩代わりされているのではないか、という噂も飛び交っている。

 そうであれば、度重なるロシアとのトラブルにもかかわらず、トランプ大統領にしては珍しく、ブレのないロシア接近の意図や、頑なに税務申告の公表を拒んでいる理由も説明がつく。

 ロシア側はどう思っているのか。筆者は6月後半にモスクワを訪問して専門家の意見を聞いたが、ロシアはトランプ大統領の意図はともかく、米議会や米軍の反ロシア感情の強さ、およびトランプ政権の方向の定まらなさから、トランプ政権への警戒感が強い。

 ある専門家は筆者に、トランプ政権の方向性は当面定まらないことはあきらかであり、自分は政権の関係者には、拙速にトランプ政権と物事を決めるべきではない、とアドバイスしていると語っていた。ロシアも様子見で時間稼ぎをしている可能性が高い。

結局、北朝鮮は野放しか
 実は日本も、北朝鮮問題では、米国とともに真剣に圧力をかける方向で動いているものの、経済面では米国をけん制するために日欧EPAを締結し、米国抜きのTPP11を推進している。経済面ではヘッジをかけているのだ。

 そもそも日本にとっては、米国とともに対北朝鮮圧力を作り出すことは、中国が動いてくれればうまく機能して成功だし、もし、それが機能しなくても、米中間に不信感が広がるため、日本の頭越しの米中の妥協を防ぐ「王手飛車とり」になっている。

 日本にとっては、北朝鮮の核保有は嫌だが米国の核抑止は効くだろう。一方で尖閣をめぐる中国とのグレーゾーンでの緊張は、米国の核抑止が効かない種類の脅威だ。日本の計算も合理的だ。

 そして、肝心の米国の方向性はどうか。ロシア接近にみられるように透明性に欠け、政権の内向き志向のおかげで軍事の裏打ちによる力強さにも欠け、さらに欧州などとの協調性にも欠けており、端的にいえば「漂流」している。国内の支持率も低く、ロシアゲートという時限爆弾を抱え、今後、安定政権を維持できるかどうかも疑問である。

 結果的に、北朝鮮は、このような流動的な国際状況により、野放しにされてしまう可能性がある。当然のことながら、北朝鮮が安易な妥協をしないであろうことは明らかである。

 結論は、トランプ外交の漂流を見据えて、関係諸国がそれぞれの合理性で動いているが、それにより北朝鮮の核・ミサイル開発への歯止めがますます効かなくなっているのが、現在の国際関係だ。次なるテストは、北朝鮮の核実験だ。その際に、米国が行う北朝鮮への二次制裁がどのような効果を上げ、それに中国がどう反応するかだろう。

 それまでに米国が自身の政策を立て直さない限り、せっかくの経済制裁の効果も、それを結果に結びつけることができずに終わるだろう。極言すれば、米国が機能しなければ、北朝鮮問題は何も動かないのだ。安全保障の利益をより深く共有する同盟国の日本は、すべてのシナリオを視野に入れ、米国に辛抱強く働きかけていくしかないだろう。


池上さん、北朝鮮のミサイル発射にどこまで危機意識を持つべき?
7/18(火) 7:00配信 文春オンライン

Q 北朝鮮のミサイル発射。どこまで危機意識を持つべきでしょうか?
 ICBM発射など、北朝鮮の武力による威嚇が繰り返されています。いまに始まったことではないですけれど、私たちはどこまで危機意識を持つべきでしょうか。(40代・女・主婦)

A このところテレビで北朝鮮のミサイル発射情報があったときの対処法の政府広報が流れています。心配になるのは当然ですよね。
 この政府広報が東京都議会議員選挙の最中に始まったことには驚きました。選挙中に政府として危機を煽ろうとしているように思えたからです。ここで私が思い出したのは、我が故郷(長野県)の先輩ジャーナリスト・桐生悠々です。

 信濃毎日新聞の主筆だった桐生は、1933(昭和8)年8月に実施された「関東防空大演習」の直後、「関東防空大演習を嗤う」という社説を執筆しました。

 このとき東京を中心に関東地方では、敵機による空襲があったときに備えた大規模な防空演習が実施されました。

 桐生は、そもそも敵機を首都上空に迎え撃つ状況になること自体を「我軍の敗北」と批判しました。

 敵機を迎え撃つことになったら、軍を総動員しても討ち漏らす敵機が出て、爆弾が投下されるだろう。そんなことになったら、大きな被害が出るというわけです。

 北朝鮮からミサイルが発射された場合、政府がどのような対応を取り、私たちにどのように知らされるのかを知ることは必要です。でも、それで不安を募らせてしまっては、北朝鮮の思うつぼでしょう。北朝鮮は、「日本も攻撃対象だぞ」と脅すことで、日本国内に「北朝鮮と事を構えるのではなく、友好関係を築くべきだ」という世論が生まれるようにしようとしているのですから。

 肝心なのは、ミサイルを撃たせないことなのです。

 ここは冷静になって、北朝鮮が日本に向かってミサイルを発射する状況を考えてみましょう。

 もしミサイルが日本に着弾するようなことがあれば、日米安保条約に基づき、米軍が北朝鮮に反撃します。もし日本にある米軍基地が狙われたら、安保条約に関係なく、米軍は個別的自衛権を発動して北朝鮮を攻撃します。

 平壌の街に米軍のミサイルが飛んでくることを考えたら、北朝鮮がいきなり日本だけにミサイルを発射することは考えられません。

 北朝鮮が核やミサイルの開発に血道を上げているのは、アメリカが怖いからです。となれば、北朝鮮が他国を攻撃する場合、まずは米軍を対象にします。日本海に展開している米軍の空母やイージス艦、潜水艦です。と同時に、韓国内にある米軍基地です。

 韓国内にある米軍基地を攻撃すれば、韓国軍も反撃しますから、韓国軍基地も攻撃します。

 その次は、北朝鮮に反撃する戦闘機や爆撃機が飛び立つであろう日本の米空軍基地でしょう。

 日本の自衛隊には、北朝鮮に届くミサイルがありません。北朝鮮を攻撃して戻って来られる戦闘機も爆撃機もありません。ですから、北朝鮮は、「日本の自衛隊に攻撃される」という危機感がありません。攻撃の優先順位でいえば、日本にミサイルを発射する可能性は低いのです。

 政府やマスコミによる危機の煽りに惑わされず、まずは冷静に分析する力を身につけましょう。

池上 彰


韓国・文政権の北朝鮮対話路線には既に限界が生じている
7/18(火) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に就任してから約2ヵ月が経過した。同氏の北朝鮮に対する基本姿勢は対話を重視するとしている。しかし、北朝鮮にはまともな対話をする意思があるようには見えない。

 北朝鮮の金正恩は世界の非難を気にする様子もなく、核開発を進め、大陸間弾道弾(ICBM)の実験を行っている。文大統領は、こうした状況をいかにして打開しようと考えているのか、同氏の意図がよく分らない。

 足元で、韓国は中国との関係があまり上手くいっていないように見える。また、文大統領が訪米した際、トランプ大統領との対談も目立った成果を生まなかったと言われている。サムソンの業績がよいこともあり、現在の韓国経済の状況に大きな心配はないだろうが、国内世論を意識して慰安婦問題等を蒸し返すことになりそうだ。

● 文大統領の これまでの政策評価

 文大統領は、国内では財閥改革などを中心とした格差の是正を重視しつつ、外交面では米国と距離をとり、中国に近づくことを重視してきた。しかし、この政策には矛盾が多い。

 まず、文政権の対米政策はかなり袋小路に追い込まれていると見るべきだ。文氏が“前政権の負の遺産”と批判してきた米国のミサイル防衛システム(THAAD)の配備計画は遅れている。これに対する米国政府のいらだちも高まっている。この間、米国のトランプ大統領は米韓のFTA(自由貿易協定)を見直す考えも表明した。

 輸出依存度の高い韓国にとって、米国との安全保障、および、経済面での関係が後退することは、国力の低下につながる可能性が高い。長い目で考えると、韓国の国力低下は朝鮮半島情勢の不安定化、緊迫化につながるだろう。それは、わが国とっても対岸の火事ではない。

 一方、韓国の対中政策をみると、中国にすり寄ろうとしているように見える。中韓の首脳会談において文大統領は中国の習近平国家主席に、対話と圧力を軸に対北朝鮮政策を進める考えを示した。格差是正を目指す文政権にとって、中国との関係強化は需要取り込みのためには欠かせない。同時に、中国に近づき北朝鮮への抑止力を確保する考えもあるだろう。

 ところが、すり寄っているはずの中国との関係が、ここへ来てやや微妙になっている。問題の大元はTHAAD配備だ。中国はTHAAD配備に大反対しており、国内世論を巻き込んで韓国製品に対する不買運動にまで発展している。それは、韓国経済にとって、大きな痛手になるはずだ。

 わが国に対して、文政権は慰安婦問題の再交渉を求めようとしている。その背景には、韓国国内の世論があるのだろうが、前政権で解決したはずの慰安婦問題を執拗に蒸し返すのは、ルール違反というべきだ。日韓関係は一段とこじれかねない。

 その一方で7月、日韓は“シャトル外交”を復活させた。この背景には、北朝鮮問題への懸念が高まった時には、わが国に圧力をかけてもらおうという韓国の思惑があるように見える。それは、圧力のチャネルを確保しつつ、対話と圧力という北朝鮮問題に関する“玉虫色”の回答を中国に示すことでもある。

● 文政権の 対話主義の限界

 「対話する意思がない北朝鮮と対話はできない」――。ある韓国人の経済学者が言った言葉だ。

 文政権の最大の矛盾は、北朝鮮との対話政策だ。北朝鮮には対話する意思がない。文政権は聞く耳を持たない北朝鮮との融和を重視し、対話によって問題を解決しようとしている。話をする気がない人に話しかけても、効果は期待できない。

 北朝鮮が目指していることは、核兵器やICBMの開発を進め米国から金独裁政権の体制容認、制裁解除などの有利な条件を引き出すことに尽きる。今後も北朝鮮は軍事力の増強を進め、国際社会を挑発するだろう。

 それが分っているから、米国を中心に国際社会は北朝鮮への強硬姿勢を強めている。トランプ政権への不安が高まる中、韓国は、わが国を筆頭に、アジア・欧州各国を巻き込んで北朝鮮への制裁強化などの圧力をかけていくべきだ。その上で対話の糸口を模索すべきである。文政権の政策は、韓国政府として本来あるべき姿とは徐々に離れているように思えてならない。

 こうした中で中国は、できることなら北朝鮮問題を穏便に解決し、米国との対立が深まる展開を避けたい。それゆえ、懸念を示しつつも、表向きは対話での解決を重視している。また中国は、制裁強化などを通して北朝鮮に圧力をかけた結果、金正恩主席が暴走する、あるいは、中朝国境に難民が押し寄せる展開も避けたい。

 そのために中国は韓国をうまく使い、北朝鮮への対話と圧力のチャネルを同時に確保しようとしている。言い換えれば、中国にとっては、不安定ながらも韓国と北朝鮮の対峙が続く状況が好ましいのだろう。その結果、中国は米国とダイレクトに対峙し、政治、経済、軍事面でのエネルギーの消耗を避けられるからだ。

 韓国が北朝鮮への対話を優先し中国に恭順を示す間、北朝鮮の軍事的挑発は続く可能性がある。もし、韓国が対話の限界に気づき、北朝鮮への強硬路線を選んだ場合、中国は韓国への報復措置を発動するだろう。それは韓国の社会不安だけでなく、米国と中国の対立の激化など、国際社会の不安定化につながる恐れもある。

● 今後の韓国情勢を巡る展開 現実的な政策に回帰できるか

 どこかのタイミングで、文政権は現在の政策の修正を迫られる可能性がある。冷静に考えると、北朝鮮による核開発などが進むにつれ、韓国国内でも先行きへの不安は高まるだろう。いち早く文政権が現実的な政策に回帰できるか否かが重要だ。

 経済運営でも不安が残る。今、韓国経済はサムスンの業績に支えられて安定している。これは中国経済の回復や安定と無関係ではない。一方、中国での売り上げ減少から現代自動車の業績は減益に陥っている。

 中国経済の先行きが不透明であることを考えると、韓国の景気回復の持続性には不安が残る。状況次第では、財閥の業績が悪化し、景気の減速と政権批判につながる恐れがある。経済が財閥に依存しているため、痛みを伴う財閥改革も進めづらい。今すぐではないにせよ、徐々に韓国の政治・経済がふらつき始める可能性は排除できない。

 文氏は、財閥と癒着してきた政治との決別を謳い、大衆の支持を掬い取ることには成功した。その分、有権者が文大統領の手腕に疑問を感じ始めると、想定以上のスピードで政権批判が高まり、政治が不安定化する恐れがある。

 こうした展開を念頭に置いて、わが国は韓国に接していくべきだ。今後、韓国は慰安婦問題の再交渉などを要求し、思うように要求が聞き入れられない場合には、反日姿勢を強める可能性がある。それへの対応として、わが国は、慰安婦問題は最終的解決を見た事案である、との見解を示すだけでよいだろう。感情的に韓国を批判することは避けるべきだ。

 重要なことは、わが国がアジアや欧州各国との関係を強化することだ。米国が保護主義色の強い通商交渉を求める中、わが国とEUが経済連携協定(EPA)の締結に大筋で合意したのは、まさにエポックメイキングな出来事だ。

 政府はアジアを中心に多国間の経済連携を進め、わが国の主張に理解を示す国には経済支援などで応えていくべきだ。それが親日国の確保につながる。国際社会の意思決定は多数決の原理に則っている。大多数が自由貿易や米国を軸とした安全保障の重要性を支持すれば、米国とて、それを軽視できないだろう。そうした中長期の展開を念頭に、わが国は、アジア・欧州各国との関係強化に取り組むべきだ。

 (真壁昭夫・法政大学大学院教授)


韓国、北朝鮮に異例の軍当局者会談を提案
7/17(月) 15:42配信 BBC News

北朝鮮の長距離ミサイル実験による緊張が高まるなか、韓国政府は17日、北朝鮮に対して、南北間の軍事的緊張の緩和に向けた軍の当局者による会談を呼びかけた。

韓国国防省の徐柱錫(ソ・ジュソク)次官は記者団に対して、軍事境界線にある板門店北側の統一閣で21日にも、会談を行いたいと表明。「軍事境界線で軍事的な緊張を高める一切の敵対行為を中止するため」の会談にするのが目的だと説明し、北朝鮮から「前向きな回答が来ると期待している」と述べた。

実施されれば、2015年以来の高官級会談となる。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今月初め、ベルリンで行った演説で、北朝鮮との対話は今まで以上に急務だと述べ、北朝鮮の核・ミサイル開発を終わらせるためにも和平条約の締結が必要だと強調している。

北朝鮮による相次ぐミサイル実験は一貫して国連決議に違反している。特に、4日に発射実験を実施した大陸間弾道ミサイル(ICBM)が米アラスカ州を射程圏に収める可能性もあり、米政府をはじめ各国が警戒を強めている。

ソウルで取材するBBCのバーバラ・プレット記者は、軍当局者会談の究極的なねらいは、朝鮮半島情勢を過去20年間左右してきた南北朝鮮の軍事対立を終わらせることだと指摘する。さらに記者は、信頼醸成の措置として、たとえば軍事境界線沿いの悪名高い拡声器によるプロパガンダ放送の中止などから始まる可能性もあるとみている。

韓国政府と赤十字はこれとは別に、1953年に停戦となった朝鮮戦争で生き別れた離散家族の再会実施に向けて別途、南北赤十字の実務者会談を提案している。

しかし北朝鮮が離散家族再会の条件として脱北者送還を求めたものの、韓国は6月にこれを拒否した。北朝鮮は依然として立腹しているため、離散家族再会は困難なのではないかと専門家筋は懸念している。

(英語記事 South Korea proposes rare military talks with North Korea)


米国から離れる中国、しゃしゃり出るロシア 対北朝鮮対応でズレる思惑
7/16(日) 18:00配信 THE PAGE

 北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射は、国際社会の足並みの乱れを露見させています。米国と協調して北朝鮮への圧力をかける姿勢を見せてきた中国がここへ来て態度を変え、これまで北朝鮮問題に積極的に絡んでくることはなかったロシアも関与を強めようとしています。中国とロシアの思惑を中心に、元外交官の美根慶樹氏に寄稿してもらいました。

北朝鮮問題にまで絡んできたロシア
 北朝鮮は7月4日、米国側のレッドラインと目されてきた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に踏み切りました。これは深刻な問題であり、国際社会が一致して対応しなければならないはずですが、残念ながら、主要関係国の足並みは乱れてきました。

 その象徴的な表れが、翌日に国連本部で開催された安全保障理事会の緊急会合でした。安保理では、これまで北朝鮮が核やミサイルの実験を行うたびに決議、あるいは報道声明を行ってきました。今回は、これまでのどの実験よりも大きな問題であるICBMの発射実験でしたが、その対応をめぐり各国は合意できませんでした。

 北朝鮮問題は安保理会合の直後にドイツで開催されたG20首脳会議、またその際に行われた日米、日韓、米韓、米ロなど個別の会談でも話し合われました。これらの会議では関係国間の連携を強化するなど意見が一致したと盛んに言われましたが、実質的な内容は乏しく、かえって各国間の立場の相違をさらけ出した印象です。

 安保理が失敗に終わった原因は、第1に米国作成の決議案について、ロシアがICBMではなく中距離弾道ミサイルであると主張し、制裁の強化に賛成しなかったからであり、第2に中国も制裁強化に賛成しなかったからでした。

 ロシアは従来、北朝鮮の核・ミサイル問題について、自国の見解を強く主張することはありませんでしたが、今回の安保理では急にしゃしゃり出てきて米国作成の決議案の修正を強く求めました。ロシアが積極姿勢に転換した背景には、貨客船万景峰(マンギョンボン)号の定期運航開始にみられるように、北朝鮮とロシアとの関係緊密化があると見られています。

 従来、国際的に北朝鮮の立場を擁護するのは事実上、中国だけでした。しかし、北朝鮮は金正恩委員長の下で中国に不満を示すことが多く、特にトランプ政権下で米中が協力して北朝鮮に対する圧力を強化する姿勢を見せるようになったことから、北朝鮮は一層ロシアの方を向くようになったのです。

 注意すべきは、ロシアが中東問題と同様、北朝鮮問題についても米国との関係全体を踏まえて行動するようになっていることであり、単純化して言えば、米国の勝手にさせないという気持ちが出てきていることです。

「米中間にマイナス要因」協力姿勢に潮目
 一方、中国はさる4月の習近平主席の訪米以降、米国に協力する姿勢をより鮮明にするようになり、トランプ大統領も中国が努力していることを評価する発言を行っていました。

 しかし、6月21日に開催された両国間の外交・安全保障対話から再び両国の立場の相違が目立つようになりました。米政府は同月末、中国企業に対し新たな制裁を行うと発表する一方で、台湾に対する武器売却を決定しました。さらに7月2日には、南シナ海のパラセル諸島(中国名西沙諸島)トリトン島から12カイリ内で「航行の自由作戦」を行いました。

 いずれも中国が嫌悪することです。推測ですが、トランプ大統領は、中国が不満を抱くことが想像できたので、習近平主席に電話し、会談しました。しかし、習氏は「両国関係はいくつかのマイナス要因によって影響を受けている」とこぼしたと言われています。事実だとすれば、これはかなり強い不満の表明です。

 トランプ大統領は、その後も中国が北朝鮮に対する圧力を強化することを期待していると語っています。オバマ大統領時代の対北朝鮮政策「戦略的忍耐」をこき下ろしたうえで、去る4月に打ち出した新しい対北政策方針を維持しているのですが、ここへ来て中国はふたたび米国から距離を置くようになりました。そして、ロシアが強面を見せ始めました。

トランプ政権でオバマ時代より解決困難に
 さらに、トランプ大統領は北朝鮮にミサイルの発射を止めさせるため、空母を派遣するなどの「恫喝」までしました。これは今日の国際社会では常識的にはあり得ないことですが、米国の空母、高性能潜水艦、爆撃機のパワーを誇張して北朝鮮に見せつけたのです。しかし、これも効果は上がりませんでした。そのような強圧的方法で北朝鮮が動くことは今後もないでしょう。このような状況を鑑みるに、北朝鮮問題はオバマ政権の時より改善していないばかりか、一層困難になったと言わざるを得ません。

 一方、北朝鮮の核・ミサイルの開発は着実に進んでいます。米国は一刻も早く堂々巡りのチキンレースを終わらせ、北朝鮮問題の本質、つまり朝鮮半島の「非核化」に自ら取り組むべきであり、軍事行動による非核化が困難なのであれば、北朝鮮との直接対話を始めるべきです。今のところトランプ政権は、対話の開始には「環境が整うこと」が必要としていますが、対話の条件はできるだけ少なくすべきです。

 日本政府も「圧力強化」の一点張りでなく、トランプ大統領が対話に踏み切るよう後押しすべきでしょう。

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■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹


米国の「レッドライン」は……ICBM発射、足元見る北朝鮮
7/15(土) 19:10配信 THE PAGE

 北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射は周辺関係国の反発を招いています。ただ空母を派遣し、北朝鮮への圧力を強めてきた米トランプ政権は、現段階では実力行使に及んでいません。米国と北朝鮮の思惑を中心に、元外交官の美根慶樹氏に寄稿してもらいました。

武力行使で北朝鮮の核排除は可能か
 北朝鮮は7月4日、ついにICBMの実験に踏み切りました。北朝鮮がICBMを保有するようになると米国は核攻撃の危険にさらされます。そのため、ICBMの実験は米国にとって「レッドライン」、つまり忍耐の範囲を超えると見られていました。

 しかし、米国は北朝鮮に対して当面は実力行使をしないと思います。米国が軍事行動に慎重になる理由として挙げられるのは、北朝鮮との戦争が起こると同盟国である韓国や日本が甚大な被害、壊滅的ともいえる被害を被る可能性があるということです。さらに、米軍自体の犠牲も非常に大きくなるという予測が20年前のシミュレーションで示されていました。今ならもっと大きな被害、これは推測に過ぎませんが、米軍兵士の犠牲は作戦開始から3か月で数万人に上るでしょう。

 このシミュレーションは、北朝鮮の非核化を目指して、核とミサイルだけを標的にして攻撃することはほぼ不可能だという前提に立っています。中東では限定的な範囲の作戦が可能かもしれませんが、北朝鮮の場合は、国土が消滅するくらいの攻撃でない限り、核とミサイルを完全に破壊することは不可能だと見られています。つまり、北朝鮮との間では限定戦争ではとどまらず、全面戦争になることは避けがたいのです。

 今回実験したミサイルは本当にICBMか、疑問なので米国は本気になっていないとする見方もあります。北朝鮮はICBMだと発表しました。米国は当初慎重でしたが後にICBMだと認めました。しかし、ロシアは「中距離弾道ミサイル」だと言っています。

 しかし、遺憾なことに、北朝鮮のミサイル性能は、米国本土への到達が可能なぐらいにいずれ向上するでしょう。そうなるとレッドラインはどこまでか、あらためて問題になりそうですが、レッドラインは事前に示しておくようなことではありません。米国としてはどう対応するか選択の余地を残しておくでしょう。これは米国だけのことでなく、国際間で対立状態にある場合の常識です。トランプ大統領自身、「レッドラインはひかない」と言っています。

ロシアとともに米に協力しなくなりつつある中国
 米国は今後どう対応するでしょうか。トランプ政権はさる4月中旬、つぎのような北朝鮮政策を決定したと伝えられました。

○新政策の目的は北朝鮮の非核化であり、「政権交替」でない。
○中国に、北朝鮮に影響力を行使することを促す。
○北朝鮮と取引のある中国企業に制裁を加える準備を進める。
○軍事的措置も検討する。

 第4番目の「軍事的措置の検討」は今後も続けられるでしょう。常に最適の選択肢を求め続けていくわけです。

 一方、中国に北朝鮮への影響力を強めるよう促すことについては、黄信号が灯りはじめました。米中間で中国企業への制裁や台湾への武器売却などをめぐって不協和音が出始めたのです。北朝鮮による実験直後に開かれた国連安保理では、中国はロシアとともに制裁の強化に反対しました。トランプ大統領はその後も中国に期待するとの発言を行っていますが、中国はロシアとともに米国に協力しなくなりつつあるのです。

 トランプ大統領は、この4項目政策には含まれていませんが、北朝鮮に対してミサイル実験を控えさせるため強い姿勢を示しました。4月中旬に、空母、高性能潜水艦、爆撃機などを朝鮮半島に派遣し、「これは無敵艦隊だ」と述べるなど外交的には異例の行動に出たのです。俗な言葉では「恫喝」しようとしたと言っても過言でないでしょう。

米国の真意を“慎重に”見極めた北朝鮮
 推測ですが、北朝鮮はトランプ大統領の出方に非常に神経をとがらせたと思います。一つ間違えば北朝鮮は完全に抹殺されてしまう危険があったからです。

 しかし、トランプ大統領のこのようなおどろおどろしい発言は効果的でありませんでした。それから3か月近い時間をかけ、慎重に状況を見極めた結果、北朝鮮はICBMの実験をしても米国が軍事行動に出ることはない、軍事行動は米国や韓国および日本にとってあまりにも大きな犠牲となるので米国は踏み切れないと判断したのでしょう。ICBMの発射強行は、いわば米国の足元を見た形です。

 その間、一時期は、米中両国が協力して北朝鮮への圧力を強めるという、北朝鮮がもっとも嫌悪する状況になりました。北朝鮮を擁護してくれる国がなくなるからです。しかしその後、両国の意見は再び食い違ってきました。この経緯は北朝鮮の判断にとって重要な補強材料になったと思われます。

 国際社会の抗議を無視して核とミサイルの実験を繰り返す北朝鮮を容認することはもちろんできませんが、北朝鮮はある意味、命がけで行っている挑発行為であり、それには緻密に組み立てられた対応が必要です。米国は中国に頼るだけでなく、みずから北朝鮮と向き合い解決の道を探るべきだと思います。

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■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹


弱気漏らした文在寅大統領、G20から帰国し「韓国には力ない」
7/15(土) 12:20配信 Wedge

 ドイツでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議から帰国した韓国の文在寅大統領が7月11日の閣議で弱気な発言をした。北朝鮮の核問題と関連して「私たちが肝に銘じるべきなのは、私たちが最も切迫した状況にある朝鮮半島の問題であっても、現実的には私たちに解決する力はなく、私たちに合意を引き出す力もないという事実だ」と述べたのだ。

 6月末の米韓首脳会談で「当事者である韓国の主導的役割が認められた」と語っていた高揚感とのギャップが大きいだけに、目につく発言だった。

 「韓国の主導的役割」へのこだわりは前回のコラムに書いたので詳しくはそちらを参照していただきたいが、これ自体は歴史的な背景を考えれば理解できる感情だ。こうした気持ちは、文大統領の支持基盤である韓国の進歩派(革新)に広く共有されている。

 ただし、現実はそれほど簡単ではない。北朝鮮が核実験を繰り返し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験成功を誇示するようになっているからではない。北朝鮮はそもそも、米国を核問題の交渉相手として見ているのであって、韓国のことを相手にしてこなかった。国際社会の対応にしても米国が中心にならざるをえないのである。

北朝鮮問題を巡る日米と中露の溝を埋められず
 文大統領の発言は「北朝鮮の核とミサイルに対する韓国政府の立場について全ての国から支持を受け、もともとG20の議題ではなかったのに北朝鮮核問題を取り上げて国際的な共感を取り付けたことは成果だった。韓米日による初の首脳会談で北朝鮮の核・ミサイルに対する共同対応を協議したことも成果だ」と述べたうえでのものだった。

 文大統領はドイツで、日韓、日米韓、中韓、韓露などさまざまな首脳会談をこなした。ICBM発射成功を誇示する北朝鮮に対する当面の圧力強化と将来的な対話の必要性を国際社会に訴え、日米とは当面の圧力強化で連携していくことを確認した。東西ドイツ統一の象徴的な地であるベルリンで行った演説では、北朝鮮との対話への意欲も見せた。

 冷戦終結とともに分断を克服したドイツは、韓国にとって特別な思い入れのある国だ。金大中、朴槿恵の両氏も大統領としての演説で大規模支援や交流拡大を北朝鮮に呼びかけた。南北統一へ向けた長期的ビジョンを打ち出す演説だから、対話への意欲が前面に出るのは自然なことだ。

 トランプ政権にしても「最大限の圧力と関与」というのが対北朝鮮政策であり、関与というのは「対話」を意味する。マティス米国防長官らの発言を見る限り、軍事攻撃を現実的な選択肢だと考えている節はない。ただ、それでも北朝鮮が挑発的行動を繰り返す現状を考えると、今は圧力を強化すべき時だ。文大統領もそうした現実的な判断をしたことになる。

 一方で、中露両国は依然として圧力路線に消極的だ。この溝をなんとか縮めないと事態を前に進められない。文大統領にはそうした思いが強くあったのだろうが、結局、韓国が「主導的役割」を果たして国際社会をまとめるという展開にはならなかった。当然のこととして予測できたようにも思うのだが、文大統領としては不本意だったのだろう。

保守派メディアは、現実的外交につながると期待
 翌日の保守系紙「東亜日報」社説は、韓国の主導的役割を強調してきた文大統領による「国際政治の場に韓国の居場所はなかった」という悲観論とも聞こえる告白であり、「小さくない認識の変化だ」と指摘した。同じく保守系の「朝鮮日報」社説は「国民の大部分はかなり前から持っていた認識だ」と皮肉を利かせながら、「冷静で正確な現実認識だ」と書いた。

 朝鮮日報はさらに、北朝鮮によるICBM発射後に断固たる姿勢を文大統領が見せたことや日米韓首脳会談で「日米韓の安保協力」に初めて合意したことを肯定的に評価した。一方で、文大統領が側近として仕えた盧武鉉元大統領が打ち出した「バランサー論(米中の間で仲介者になるという主張)」を「幻想に近い考え」と切り捨て、文大統領をけん制した。

 バランサー論は、韓国の自主外交を志向するという意味で「主導的役割論」に通じる。どちらも、民族主義的な色の濃い韓国の進歩派には受けのいい考え方なのだが、バランサー論はかつて米韓関係を極度に悪化させる一因になった。だから保守派には強い警戒感を持たれるのである。

 実際には、文在寅政権の外交安保ブレーンは大統領選中から、日米両国との良好な関係を維持する必要性を強調していた。盧政権の時に日米との関係を悪化させたことへの反省を語りつつ、対日関係については慰安婦問題で全てを止めた朴槿恵政権前半期を強く批判しながらである。

 だから、米国との懸案である終末高高度防衛(THAAD)ミサイルの在韓米軍への配備問題では、文大統領は訪米中に配備を進める考えを明確に表明した。訪米前には、国内支持層からの突き上げや中国からの圧力を受けて揺れていると取られかねない姿勢を見せて心配されたが、なんとか踏みとどまった印象だ。

 日本との関係についても慰安婦合意の「再交渉」という公約は封印している。日本側から気になる点を指摘すればきりがないのだが、現在も「再交渉とは言わない」という線は守ろうとしているようだ。今後も、慰安婦問題で日本を刺激する動きは出てきそうだが、少なくとも一足飛びに「再交渉」と言い出すことはないだろう。

 それでも本当に現実路線を守っていけるのだろうかという疑念は残る。だからこそ、初の訪欧で文大統領が「限界」を認識したのならば、その意味は大きい。自らの限界を認識することは現実的な外交路線につながると期待できるからだ。

「力が足りない国は知恵を持たねば」
 朝鮮日報の社説には「力が足りない国は、情勢がどのように動いていくのか注視しなければならず、なによりも知恵を持たねばならない」と説く一節がある。それが歴史的現実なのだが、前回のコラムでも指摘した通り、その現実が「韓国の主導的役割」への渇望を生んだ背景でもある。

 ただ、外交的な影響力に限界があるというのは韓国に限った話ではない。北朝鮮の核問題では、日本の役割も極めて限定的である。冷徹な自己認識は日本にも求められているものだ。


軍事でも外交でもない、北朝鮮問題「第3の解決策」
7/15(土) 11:00配信 ニューズウィーク日本版

<北朝鮮が核を保有した今、金正恩に時間は味方しない。徹底した「封じ込め」で体制崩壊を待つべきだ>

北朝鮮問題には「いい解決策」が存在しないという見解は、今では定説化している。だが、この説は正しくない。軍事・経済面で圧倒的に不利なのは北朝鮮のほうだ。長期的にみて、彼らが勝者になる公算は小さい。

北朝鮮の核と弾道ミサイルの脅威が、質量共に新たな段階に入ったことは確かだ。だが日米韓の3カ国には、その脅威に対処し、北朝鮮の大規模な攻撃を防ぐ能力が十分にある。

アメリカと同盟国に全面戦争を仕掛ければ、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の体制は恐らく崩壊する。北朝鮮にとって体制維持は最大の戦略目標だから、全面戦争を思いとどまらせることは可能だ。

また、北朝鮮問題には軍事的解決策がないという説もよく耳にする。あまりに犠牲が大き過ぎるというのだ。

軍事的選択肢がない以上、外交解決を図るしかないと断言する向きも少なくないが、この説の妥当性は疑わしい。少なくともこれまでは完全な誤りだった。

父ブッシュからオバマまで、4人のアメリカ大統領が外交努力に注力したが、ことごとく失敗した。北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)、92年の南北非核化共同宣言、同年のIAEA(国際原子力機関)との保障措置協定、94年の米朝枠組み合意、05年の6カ国協議の共同声明、12年の米朝合意を全て踏みにじった。

北朝鮮は12年の憲法修正で、自国を核保有国と明記した。現体制が存続する限り、交渉による非核化は期待できない。

【参考記事】ICBMはミサイル防衛システムで迎撃できない

持久戦なら北朝鮮が不利

軍事も外交も駄目なら、選択肢はもうないのか。「圧倒的な反撃の脅威」によって、北朝鮮に大規模攻撃を思いとどまらせることは可能だ。少なくとも過去60年間はそうだった。

さらに豊かな韓国との経済格差の拡大によって、いずれ現体制は変化を余儀なくされるはずだ。北朝鮮の崩壊を何十年待っても実現しなかったという反論もあるが、80年代のソ連についても同じことが言われていた。

持久戦になって苦しいのは北朝鮮だ。アメリカや同盟国ではない。その一方で、将来の北による攻撃または攻撃の可能性に備えて、具体的な対策をいくつか進めていく必要がある。

まず、防御と攻撃の両面でサイバー戦争の戦略を強化することだ。それによって北朝鮮の攻撃を防ぐと同時に、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング事件のようなケースでは報復攻撃を実行する。

核兵器や核物質の密輸に対処するため、海と空の監視と規制、検問も強化すべきだ。短・長距離のミサイルに対する「ミサイル防衛」の改良も必要だ。北朝鮮による核の拡散や違法行為への対抗措置として、関係する中国企業への制裁などの2次的制裁も強化すべきだ。

つまり、アメリカは朝鮮半島の平和統一と非核化が可能になるまで、北朝鮮の封じ込めを徹底して続ければいい。同盟国やその他の国々と協力できれば、最高の成果が期待できる。

【参考記事】危機不感症に陥った日本を世界の激震が襲う日

北朝鮮が核兵器やミサイルの開発を着々と進めている現状を考えれば、恐怖心を抱くのも無理はない。だが恐怖は判断力を曇らせ、危機への対応を遅らせる。「恐怖は反応であり、勇気は決断である」と、チャーチル元英首相は言った。今こそ恐怖心を和らげ、勇気を倍増させるような決断を下す時だ。

北朝鮮が核開発を進めていたとき、時間は彼らの味方だったが、核を保有した今は違う。戦争を必要としない北朝鮮問題の解決策はある。今こそそれを実行すべきだ。


北朝鮮、安保理が新たな制裁決議採択なら「対抗措置」取ると表明
7/14(金) 18:21配信 ロイター

[ソウル 14日 ロイター] - 北朝鮮は14日、国連安全保障理事会が同国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を受けて新たな制裁決議を採択する場合には「対抗措置」を講じる方針を明らかにした。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が外務省の声明として伝えた。

KCNAによると、北朝鮮はICBM発射実験について、米国の核の脅威に対する合法的な自衛権の行使だと主張した。

米国は先週の北朝鮮によるICBM発射を受け、同国への追加制裁を含めた新たな安保理決議を支持するよう、中国とロシアの説得を試みている。


「朝鮮戦争に終止符を打つ平和条約」の実現性
7/14(金) 12:11配信 Wedge

 米ランド研究所のドビンズとホーナンが、6月8日付けニューヨーク・タイムズ紙に掲載された論説で、北朝鮮に平和的に核とミサイルを放棄させるには、朝鮮戦争を終わらせる平和条約が不可欠の要素となる、と主張しています。要旨は次の通りです。

 朝鮮戦争は64年前に休戦となったが、平和条約は署名されておらず、戦争は公式には終わっていない。

 北朝鮮の指導者は長年、戦争を公式に終了させることを重視してきた。彼らは、1953年の休戦で未解決となっている多くの問題(とりわけ朝鮮半島の恒久的分割についての合意)を解決するための平和条約の可能性を、繰り返し提起してきた。

 北は、米国や韓国との条約の交渉を提案してきた。近年は、中国もそうした交渉の開始を主張している。

 北朝鮮は、休戦ではなく、攻撃されない保証、米韓と世界による国家承認として、明確な平和宣言を求めている。

 歴代米大統領は、真剣な和平交渉が開始され得るには、非核化へのコミットメントと将来のミサイル実験の停止を含む、数多くの前提条件が必要と主張してきた。しかし、金正恩は、サダム・フセインやカダフィのような運命を辿らない保証を受け取ることなしに、北の核とミサイルを放棄することはないだろう。

 米国による北朝鮮政府の承認と外交関係の開始を含む、朝鮮戦争の公式な終了は、そうした保証の中核となる。

 トランプ政権は、制裁の強化、中国との協力、軍事力行使の威嚇により、北を非核化させる長年の努力にもうひと押しを試みている。しかし、韓国の文在寅新大統領は、北に対しもっとソフトな姿勢を約束しており、直接対話を始める可能性がある。トランプ自身も、金正恩との対話の用意があることを示唆している。

 いずれにせよ、朝鮮戦争を終わらせる平和条約は、北の核問題のいかなる解決にとっても不可欠の要素となろう。米当局者は、どうすれば合意が実効的なものになるか考える必要がある。どの政府が参加するのか、合意はどのように検証され強制されるか、などである。

 交渉は、ナイーヴに求められるべきではない。米国は、軍事演習を止めてはならないし、韓国との長年の同盟を危うくして他の同盟国に米国の地域の安全保障への関与を疑わせるような行動をとってもならない。交渉の全ての段階において、北が過去に何度もそうしたように約束を守らない可能性があることに留意する必要がある。

 北の核・ミサイル計画の完全な解体が米国の究極の目標となるべきである。かつての戦争の公式の終了を準備することは、新たな戦争を起こさずに目標に至るための鍵となろう。

出典:James Dobbins & Jeffrey Hornung,‘End the Korean War, Finally’(New York Times, June 8, 2017)

 朝鮮戦争に終止符を打つ平和条約と、北朝鮮の核・ミサイル計画が密接に関係していることは明らかです。

 まず、平和条約そのものについて、北朝鮮が米国との間で平和条約を望んでいることは間違いありません。平和条約が結ばれれば、米国は北朝鮮を主権国家として、北朝鮮政府を正統な政府として認めることになります。米国と北朝鮮の戦争状態が正式に終結されるので、敵対関係は基本的に緩和されます。北朝鮮は、「駐韓米軍は不要となった」と主張するでしょう。

 他方、平和条約は米国にとっても基本的には望ましいものです。敵対関係が緩和されることは、東アジアの平和と安定のため、米国の望むところでもあります。

 しかし、現在のように米国と北朝鮮が対決している状態では、平和条約に至る道筋はまったく不透明です。平和条約交渉の可能性を探るためには、現在の対決姿勢を徐々に緩和していく必要があります。

 次に、平和条約と北朝鮮の核・ミサイル計画との関係ですが、平和交渉を始めるとすれば、対決の最大の要因である北朝鮮の核・ミサイル開発をどうするかの問題に取り組まなければなりません。

 米国は北朝鮮による核・ミサイル計画の放棄を交渉の前提と考えるでしょう。他方、北朝鮮にとり、これは受け入れられない前提条件です。双方の立場を考えれば、交渉を始める条件は核・ミサイル計画の凍結以外に考えられません。

 交渉が始まったとしても、どうまとめられ得るのでしょうか。米国は平和条約締結の条件として、核・ミサイル計画の放棄を求めるでしょう。しかし、北朝鮮が求めているのは、米国が北朝鮮を核攻撃しないという保証です。平和条約を結べば、米国が北朝鮮を核攻撃する可能性はかなり低くなるでしょうが、絶対しないという保証にはなりません。論説は、金正恩はサダム・フセインやカダフィのような運命をたどらない保証を受け取ることなしに、核とミサイルは放棄しないだろう、と言っています。米国が平和条約を結んだ上に、北朝鮮を核攻撃しないという保証を与えることは考えにくいことです。もしそうとすれば、結局、北朝鮮が米国の万が一の核攻撃を防ぐためには、米国を核攻撃できる能力を持つという、米国に対する核の抑止力を整備する以外に考えられません。

 論説は、北朝鮮との平和条約の締結が、北朝鮮の核・ミサイル計画の廃棄につながる、と述べていますが、それは米国はじめ西側諸国のいわば希望的観測とも言うべきもので、北朝鮮の国家生存の論理から言えば、核・ミサイル開発は止められないことになります。その場合、平和条約締結の条件としては、米国は容易に受け入れないでしょうが、北朝鮮の核・ミサイル計画の廃棄ではなく、凍結が考えられることになります。

 また、朝鮮戦争の休戦協定の署名者には、米国(国連軍)、北朝鮮の他に中国がいます。韓国も朝鮮戦争の当事国です。中国と韓国が、仮に平和条約交渉が課題となった場合、北朝鮮の核・ミサイル問題をどう考えるかも考慮する必要があります。


北朝鮮の大陸間弾道ミサイル、届くのは「アラスカ」まで。それでも脅威な理由とは?
7/14(金) 8:50配信 HARBOR BUSINESS Online

 北朝鮮は7月4日9時39分(日本時間)ごろ、北朝鮮西岸の亀城(クソン)付近から、1発の弾道ミサイルを発射した。日米韓などによる追跡の結果、ミサイルは約37分間にわたって飛行し、高度約2800kmに到達。飛距離は約900kmにも達し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

 そして同日15時30分、北朝鮮の朝鮮中央テレビは「特別重大報道」を放送し、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の『火星14型』の発射試験に成功した」と発表した。

 この火星14型は、たしかにICBMと呼べるだけの性能はもっているかもしれないが、兵器としてはまだ不十分で、米国にとって危急かつ明確な脅威ではないかもしれない。それでも、北朝鮮のミサイル技術が着実に進歩し続けていることは間違いない。

◆5月に発射された「火星12型」の派生型か

 公開された写真や映像を見るに、火星14型は、今年5月に初めて発射された中距離弾道ミサイル「火星12型」を改造し、ICBMにしたものだと考えられる(参照:『北朝鮮、新型ミサイル「火星12」型を発射――その正体と実力を読み解く』)。

 火星12型は単段式といって、ミサイルが発射時と同じ、そのままの形でずっと飛んでいき、所定の高度に達したところで弾頭部分を切り離す、という仕組みをしている。

 単段式はシンプルなので、造りやすく、運用もしやすいものの、空になったタンクをそのまま抱えて飛び続けるようなものなので、ミサイルの性能が限られてしまう。火星12型の最大射程は約4000~5000kmと考えられているが、もしそれをもっと伸ばして、射程5500km以上のICBMにしようとした際、最も手っ取り早い方法は、その機体の上に小さなロケットを追加で載せて、2段式のミサイルにすることである。

 この場合、ミサイルはまず1段目のエンジンで上昇し、やがて空中で分離。続いて2段目のエンジンに点火して飛行を続ける。こうすることで、効率よく弾頭を加速させ、遠くまで飛ばすことができる。ちなみに人工衛星を飛ばす宇宙ロケットも、同じ理屈で2段式、あるいは3段式を採用している。

 ただ、写真を見たところ、火星14型の第1段は、火星12型より全長が短くなっている。おそらく単に火星12型の上に第2段を載せただけでは、全体の効率が悪くなるためか、あるいは重くなりすぎてエンジンの推力が足らなくなるためだろう。

 この2段目については、北朝鮮は今回の発表の中で「新開発の高比推力エンジンを使用した」としている(比推力というのは燃費とほぼ同じ意味)。また6月には衛星写真から、北朝鮮のロケット試験場で、小規模なエンジンの燃焼試験が行われたことが判明しており、おそらくこのとき試験されたエンジンと同型のものが、今回発射された火星14型の2段目に搭載された可能性が高い。ただ、エンジンの形など詳細はわからない。

 さらに弾頭部分にも変化があり、先端に弾頭を剥き出しで搭載していた火星12型とは違い、火星14型ではフェアリング(カバー)のような部品がついており、その中に弾頭が入っているものと考えらえる。

 なぜ火星12型のように剥き出しで搭載しなかったのかは不明だが、火星12型に積んでいた弾頭に問題があったなどの理由で、形状や仕組みなどを変えてフェアリングの内部に収めるようにしたか、あるいは今回は弾頭は積まず、ダミー・ウェイト(重り)を積んだため、ということが考えられる。

◆火星14型はたしかにICBM、けれども……

 当初、米太平洋軍はこの火星14型を「中距離弾道ミサイル(射程3000~5500km)」であると分類していたが、その後、米政府高官が「ICBMである」と発言したことを米メディアが報じ、さらにその後、国防総省やティラーソン国務長官がICBMであることを発表するなど、やや混乱がみられた。

 あるミサイルが「ICBMか否か」という定義は、今のところ「射程が5500kmを超えるか否か」ということだけによって定められている。これは冷戦中、ソ連と米国本土(この場合の本土とは、アラスカやハワイを除く、ワシントンD.C.やニューヨークのある、いわゆるCONUSのこと)をまたいだ距離から定義されたもので、そのまま他のミサイルにもこの定義を当てはめて論じるのは、やや問題がある。

 北朝鮮は火星14型を、もはやおなじみとなった「ロフテッド軌道(ロフテッド・トラジェクトリィ)」という、通常より上向きの角度で飛ばすことで、高い高度まで飛ぶ代わりに、飛行距離を短く抑えられる撃ち方で発射した。つまり標準的な角度で発射した場合の飛行距離、つまりミサイルとしての実際の射程は、それよりも長い。

 憂慮する科学者同盟(UCS)のDavid Wright氏の分析では、火星14型を標準的な角度で発射した場合の射程は、約6700kmになるという。つまり前述した定義上のICBMではあるものの、届くのはせいぜいアラスカまでで、米国本土には届かない。北朝鮮からワシントンD.C.までの距離は約1万kmを超えるので、火星14型の約2倍の射程が必要になる。

 たしかにアラスカは米国の領土であるし、ユーラシア大陸から北米大陸の“大陸間”を渡ることができるので、火星14型をICBMと言ってもよいことには違いないだろうが、しかし、ロシアや中国などがもつICBMと同等の能力を手に入れた、ということにはならない。

 この、アラスカまでしか届かないICBMというのは、おそらく北朝鮮にとってはぎりぎりのラインを攻めたものだろう。つまり射程5500kmを超える能力をもったミサイルを撃ってみせることで、他ならぬ米国が定めた定義上のICBMを発射した、と主張することができる。ただし、米国本土に到達する能力はないし、また米国がそう分析することは織り込み済みだろうから、直接的に刺激する意図はない、というメッセージにもなる。

 実際、今のところ米国は、これまで行ってきたこと以上の行動は起こさないようである。定義上はICBMだとしても、米国本土までは飛んでこないため、危急の問題ではないという認識なのだろう。ただ、それは単に受け止め方の問題なので、今後これまで以上の行動、たとえば軍事行動を起こす場合には、その理由づけのひとつになる可能性はある。

◆北朝鮮がICBM”級”のミサイルを発射したのは初めてではない

 実のところ、北朝鮮がICBM“級”のミサイルを発射したのは、これが初めてではない。

 北朝鮮は2012年に「銀河3号」ロケットを、2016年にその改良型とされる「光明星」ロケットを打ち上げ、小型の人工衛星を地球をまわる軌道に投入することに成功している(衛星そのものは故障したか、あるいはただの重りだったためか、機能していないようである)。人工衛星が打ち上げられるということは、米国に届くだけのミサイルも造れるということを示していた。

 ただ、銀河3号も光明星も、地上に建設された固定式の発射台で、何日もかけて組み立てや整備をしなければ発射できない。つまり事前に、偵察衛星などで察知されやすく、また実際に察知されており、米軍がその気になれば先制攻撃もできた。したがって、性能はともかく、ミサイルとしては実用的ではないと見なされていた。

 しかし同時に、米国まで届くミサイルの技術があることはたしかであり、このままではいつか名実ともにICBMと呼べる、つまり隠れて発射準備ができ、その兆候がつかまれにくい、移動式発射台から撃てるミサイルが開発できることは、誰の目から見ても明らかだった。

 そしてその危惧が具現化したのが、今回の火星14型だった。

◆着実に進歩する北朝鮮のミサイル技術

 もちろん、火星14型はまだ、米国の態度を一変させるほどの脅威ではないだろう。火星14型はたしかに移動式発射台から撃てるが、今回の発射の前に、弾道ミサイルを追跡できる米空軍の偵察機「コブラ・ボール」が日本から飛び立っていたことがわかっており、米国は事前に発射の兆候をつかんでいた可能性はある。

 また、そもそも本土には届かないし、もし万が一、アラスカに向かって飛んできたとしても、アラスカにある米軍基地には「GMD」という迎撃ミサイルが配備されているので、何発も同時に飛来しない限りは対処することができる。(参照:『米国、大陸間弾道ミサイルの迎撃試験に初めて成功。米国本土を守る迎撃ミサイルの実力』)

 しかし、火星12型や14型に使われているエンジンは、より推力の大きなエンジンにできる可能性ももっている(参照:『脅威増す北朝鮮のロケット技術――「新型ロケット・エンジン」の実力を読み解く』)。エンジンの性能が上がれば、米国本土に届くだけの性能をもったミサイルも開発できるかもしれない。

 おまけに北朝鮮は並行して、固体推進剤を用いたミサイルの開発も行っている。固体推進剤は液体推進剤よりも、はるかにミサイルに適した特性をもっているため、火星14型よりも実戦的なICBMを開発できる可能性がある。実際、今年5月に開かれた軍事パレードでは、固体のICBMのように見える新型ミサイルが登場している(参照:『ハリボテか? それとも脅威か? 北朝鮮が披露した新型「大陸間弾道ミサイル」の正体』)。また2016年に試験に成功している潜水艦発射型の弾道ミサイル技術も進歩すれば、さらに厄介な問題となる(参照:『北朝鮮、潜水艦発射弾道ミサイルの発射に成功。大きな脅威となりうる技術習得の可能性も』)。

 もっとも、実際に核ミサイルとして実戦配備するためには、ミサイルの射程だけでなく、ミサイルに積めるだけの小ささの核兵器の開発、そしてその核兵器を積み、大気圏への再突入に耐え、なおかつ狙った場所に正確に落とすことができる弾頭の開発が必要になる。

 この小型核兵器と弾頭の2つの開発について、米国などは北朝鮮にはまだそれだけの技術はないと見ているようだが、ここ数年で驚異的な進歩をはたしたミサイル開発と同様に、それらを手にするのも時間の問題かもしれない。

<文/鳥嶋真也>

とりしま・しんや●宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。

Webサイト: http://kosmograd.info/

Twitter: @Kosmograd_Info(https://twitter.com/Kosmograd_Info)

【参考】

・防衛省・自衛隊:北朝鮮による弾道ミサイルの発射について(第2報)(http://www.mod.go.jp/j/press/news/2017/07/04b.html)

・U.S. Pacific Command detects, tracks North Korean missile launch > United States Forces Korea > Press Releases(http://www.usfk.mil/Media/Press-Releases/Article/1236848/us-pacific-command-detects-tracks-north-korean-missile-launch/)

・U.S. Condemns North Korean Missile Launch > U.S. DEPARTMENT OF DEFENSE > Article(https://www.defense.gov/News/Article/Article/1236993/us-condemns-north-korean-missile-launch/)

・North Korea Appears to Launch Missile with 6,700 km Range – Union of Concerned Scientists(http://allthingsnuclear.org/dwright/north-korea-appears-to-launch-missile-with-6700-km-range)

・What is True and Not True About North Korea’s Hwasong-14 ICBM: A Technical Evaluation | 38 North: Informed Analysis of North Korea(http://www.38north.org/2017/07/jschilling071017/)


トランプ、習近平、文在寅を完全に手玉に取ったプーチンの本気と狂気 世界がロシアにひれ伏す日
7/14(金) 7:01配信 現代ビジネス

安倍総理との会談には大遅刻
世界が激動する中、ロシアのプーチン大統領が国際舞台の主役に躍り出てきた。北朝鮮情勢を巡っても、ロシアの存在感は際立っている。口は勇ましいトランプ米大統領や優柔不断の習近平・中国国家主席に代わって、プーチンが主導権を握りつつある。プーチン大統領の動きが注目されたのは先日、ドイツのハンブルクで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議だった。プーチンは会議の合間を縫って7月7日、トランプ大統領との会談に応じた。意外なようだが、両大統領が会うのはこれが初めてだった。2人はそれまで4回、電話会談しているが、顔を合わせてはいなかった。初対面は互いのケミストリー(相性)を測る機会になる。

会談は当初30分間の予定だったが、始まってみれば、なんと2時間15分に及んだ。1時間を過ぎたところでメラニア・トランプ夫人が割って入り終了を促したが、それでも終わらず、プーチン大統領はその後の安倍晋三首相との会談に大遅刻したくらいだ。両者はウマが合ったようだ。だが、相手を手玉に取ったのはプーチンの側だった。報道によれば、両者が議論したのはシリア内戦の停戦問題やロシアの米大統領選への介入疑惑、テロや組織犯罪、サイバー攻撃などに取り組む作業部会の設置、さらに北朝鮮問題だった。このうち、日本にとって最重要案件は北朝鮮問題である。プーチンは北朝鮮について、どんな姿勢を示したか。首脳会談に同席したティラーソン米国務長官によれば、プーチン大統領は北朝鮮の非核化を目指す方針に賛成したものの「方法とペースについて米国と相違がある」という見解を明らかにした。プーチンはトランプ大統領との会談に先立って7月3、4の両日、中国の習近平国家主席とモスクワで会談している。この会談は近藤大介氏のコラムによれば、3日の会談は当初1時間半の予定だったのが「3時間半以上の密談」になったという(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52261)。時間にこだわるようだが、時間の長さが話の密度に関わっているのは言うまでもない。それくらいプレーヤーが緊張し重大な局面を迎えているという証左でもある。

中ロの手先と化した韓国
プーチン大統領と習主席は何を話したのか。それぞれトランプ大統領との会談を控えて「オレたちはどう対応すべきか」という話だった。2人の結論は「核とミサイル実験の一時停止と引き換えに米韓合同軍事演習の一時停止を求める」というものだった。これは、直前に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が唱えた提案とまったく同じである。韓国と中ロは北朝鮮政策で足並みをそろえてきた。言い換えれば、文政権はいまや中ロの露払い役を演じている。韓国はTHHAD(超高高度ミサイル防衛システム)配備問題で米国にもいい顔を見せながら、実態は中ロの手先になっているのだ。ついこの間まで、米国が中国に北朝鮮への原油供給停止を要求し、中国の対応が北朝鮮情勢の鍵を握っていた。だが、秋に中国共産党大会を控えた習近平は首を縦に振らない。しびれを切らした米国は中国を見限って、北朝鮮と取引のある銀行に対する制裁に踏み切った。

そんな中国が味方を求めて訪問したのがロシアである。習近平が北京でプーチンを出迎えたのではなく、自らロシアに駆け込んだ点がそれを象徴している。プーチンは習近平を暖かく抱擁した。その結果が核・ミサイル実験と演習の一時停止案だ。トランプ大統領はといえば、プーチンとの初顔合わせでまったく譲歩を引き出せなかった。ロシアの米大統領選介入疑惑でも、プーチンから「介入した証拠を見せろ」と開き直られると、さっさと話題をシリア停戦に変えてしまったくらいである(https://www.nytimes.com/2017/07/07/world/europe/trump-putin-g20.html?action=click&contentCollection=Opinion&module=RelatedCoverage&region=Marginalia&pgtype=article)。プーチンが言明した「非核化への方法とペースに米国との違いがある」とは、どういうことか。習近平との会談を下敷きにすれば「まず韓国との軍事演習をやめろ。そうすれば核とミサイルの一時停止について相談に乗ってもいい」という話にほかならない。

トランプは、もう北朝鮮を叩けない
追い込まれたのはトランプ大統領である。いま大統領にどんな選択肢が残っているか。残念ながら、現状追認以外には手がない。 まず米国の先制単独攻撃はできるか。答えは、できない。

よく知られているように、北朝鮮は38度線の北側にソウルを射程に入れる大量の長距離砲を持っている。もしも平壌が米国に攻撃されれば、金正恩・最高指導者はソウルを砲撃して反撃する。そうなれば、韓国市民だけでなく米軍とその家族が危険にさらされる。米国が単独攻撃しようと思えば、事前に米軍家族をソウルから退避させなくてはならない。数万人に及ぶ米軍家族が退避し始めたら、多くは基地周辺に住んでいるので、たちまち韓国側に筒抜けになる。親北路線の文大統領はすぐさま北朝鮮の金正恩指導者に電話して「米軍が攻撃態勢に入ったぞ」と警告するだろう。次に記者会見を開いて全世界に「米軍がまもなく北朝鮮を攻撃する。1千万人が暮らすソウルが火の海になる」と発表するに違いない。つまり韓国に親北政権が誕生した以上、米軍の奇襲攻撃は不可能になってしまった。1994年の朝鮮半島危機でも、当時のクリントン政権が北朝鮮への軍事攻撃を検討し、実際に米軍家族の退避準備を始めたが、それが韓国側に漏れ、金泳三大統領がクリントンに電話して「攻撃は絶対ダメだ」と抗議した経緯がある。

だからといって、中ロ韓が求める核・ミサイル実験と米韓軍事演習の一時停止案にも乗れない。それは結局、交渉解決路線だ。軍事攻撃を断念してからクリントン政権とブッシュ(父)政権が採用し、失敗した宥和政策と本質的に同じである。 一言で言えば、トランプ大統領は手詰まりなのだ。

中国なんて子分みたいなもの
もともと北朝鮮という国を金日成を使って建国したのは旧ソ連である。日本が先の戦争で無条件降伏した後、建国の父とされる金日成は旧ソ連軍の朝鮮人将校として北朝鮮に入った。当時を振り返れば、中国もソ連の子分のようなものだった。毛沢東にとってスターリンは仰ぎ見る共産革命の兄であり、父だったのだ。プーチンはそんな歴史を踏まえて、北朝鮮情勢を眺めている。毛沢東が革命を達成した後、スターリンに謁見を求めてきたように、習近平がモスクワに自分を頼ってくるのは当然のように思っているのではないか。まして韓国はもはや手駒にすぎない。ロシアによる大統領選妨害疑惑でも、米ロ首脳会談が終わった直後、トランプ大統領の長男が「ロシア政府が大統領陣営を応援する」との内容が記されたメールを自ら公開した。これはニューヨーク・タイムズが報じると知って、先手を打ったとみられている。プーチンはトランプの苦境を笑いを噛み殺しながら眺めているに違いない。大統領の動きは今後、ますます目が離せない。


中国軍の急拡大にイノベーションで対抗する米軍
7/14(金) 6:15配信 JBpress

 圧倒的な質、量を手に入れつつある中国軍に対し、米海兵隊は軍事イノベーションを活用して対抗しようとしている。今回はその取り組みの内容と意味するところを紹介しよう。

■ 中国軍の攻撃で在日米軍は瞬時に壊滅? 

 6月29日、米シンクタンクのCNAS(新アメリカ安全保障センター)注目すべき発表を行った。トーマス・シュガートとヤビエル・ゴンザレスの2人の現役米海軍中佐が公開情報とシミュレーションを駆使して分析したところ、在日米軍は中国軍のミサイル攻撃で一瞬にして壊滅してしまうというのだ。

 彼らは日本各地の在日米軍に関係する飛行場、港湾、司令部、通信施設、燃料タンク、その他の重要インフラを500カ所リストアップし、それらに中国軍がミサイルを撃ち込むというシミュレーションを行った。

 まず、発射から15分以内に、沖縄、西日本、北陸、岩手以北等を射程に収める1200発の短距離弾道弾と、日本全土を射程に収める200~300発の中距離弾道弾が日本列島を襲う。その後、爆撃機と地上発射型巡航ミサイルが第2波として襲来する。これに対し、日米のPAC-3とイージス艦は物量で圧倒され、一部を除き迎撃はほとんど不可能である、というのが2人の見立てである。

 そして、彼らが導き出した結論は、「米軍はTHAADをさらに調達し、日本に事前配備しておくべきである。数十億ドルのミサイル防衛は、数十億の船舶、航空機、施設、人命を救えるのだから」というものであった。

 実は米国ではこうした見解は今や決して珍しくはない。実際、ミサイルだけではなく、艦艇でも中国軍の戦力強化は目覚ましい。2016年に中国海軍が就役させた主力艦艇は11隻だった。それに対して、米海軍は3隻、海自はたった1隻である。

 質でも同様だ。米軍事アナリストのカイル・ミゾカミ氏をはじめ多くの専門家が、今年進水した中国軍の55型駆逐艦を、米海軍の主力艦であるアーレイ・バーグ級に匹敵すると評価している。

■ 強襲揚陸艦を「ドローン空母」に

 こうした状況に対しイノベーションで対応しようとしているのが、米軍の「第3の相殺(オフセット)戦略」である。特に米海兵隊は「ドローン空母」や「3Dプリンタ」で対抗しようとしている。

 7月3日の米外交専門誌「ディプロマット」でトビアス・バーガースとスコット・ロマニウクが海兵隊のドローン空母構想を紹介している。その概要は以下のとおりである。

 ・海兵隊は、強襲揚陸艦から垂直離着陸が可能な大型無人戦闘機を開発中である。これは「MUX」と呼ばれるシステムである。

 ・この機体はV-22オスプレイと同じ速度・航続距離を持ち、その護衛が可能である。またF-35と同じミサイルを搭載することができ、空対空戦闘、電子戦、指揮統制、早期警戒、航空攻撃も可能である。2017年に最初のテスト飛行が行われ、2026年以降に運用システムが完成する見込みである。

 ・中国や北朝鮮が対艦弾道ミサイル等によって米空母に深刻なリスクをもたらそうとしている。そうした時代において、こうした小型艦艇と無人機によるシステムは南シナ海、東シナ海で有効性を発揮するだろう。

 ・日本のいずも級ヘリ搭載駆逐艦にもこのようなシステムを搭載させれば、日本は堅牢な無人機艦隊を得ることができ、本土周辺を超えて航空戦力を展開・強化できる。米海軍の負担も軽減できる。

 大型無人機は戦闘機に比べて予算的にも人的にもはるかにローコストである。それらを、やはり空母に比べると予算が少なくて済む強襲揚陸艦に搭載することで、中国の非対称戦略(安価な手段で、高価値目標を破壊する)に対抗しようというのである。

■ 3Dプリンタによる兵站革命は新次元へ

 また、こうした構想と並んで海兵隊が強力かつ急速に推進しているのが3Dプリンタの軍事転用である。海兵隊の3Dプリンタ活用はドローン、AI、ブロックチェーンといった最新のテクノロジーと結び付けることで新たな段階へ踏み込みつつある

 海兵隊がこれほどまでに3Dプリンタの導入を目指す理由は、第1に、海兵隊が旧式兵器を抱えた組織だからである。要するに、補充が難しい装備を抱えているということだ(これは自衛隊も同様である)。海兵隊の担当者は、「金属製部品の製造は数週間から数カ月かかっていたが、3Dプリンタならば数時間で可能だ。これによって海兵隊の侵攻作戦は一気に容易になる」と述べている。

 そしてもう1つの大きな理由は、中国等の現実の脅威への対応である。中国軍はA2/AD戦力を強化することで、米軍の前方展開拠点と本国からの来援を防ごうとしている。つまり米軍にとっては、有事の際に破壊された部隊や装備を早急に回復するための補給が困難になるということである。最初に述べたように、中国軍はミサイル戦力だけで在日米軍を壊滅することが可能だ。となれば、米軍が3Dプリンタという兵站革命に力を入れるのは当然であろう。米空軍も2019年に3Dプリンタ製部品を積載した軍事衛星を打ち上げる予定だが、これも短期間で生産することで中国などの衛星破壊に対抗するためである。

 では、実際にどのような取り組みが行われているのだろうか。

 第1に3Dプリンタをドローンと組み合わせることだ。海兵隊は今夏にも、3Dプリンタで生産した偵察用ドローン「ニブラー」を実戦配備する予定である。これは前線で生産可能であり、随時新しい部品にアップデートすることができる。将来的には偵察以外のドローンも同じ方式を導入していくとされ、まさに相手の物量には3Dプリンタによる物量で対抗しようというのである。

 また、3Dプリンタでよく問題視されるのが、生産データの流出である。つまり、サイバー攻撃等で生産データが盗まれると、相手側がそのまま同じ兵器を生産できてしまう危険性があるのだ。

 この対応策としては、ビットコインやフィンテック等に使用されている「ブロックチェーン」技術(P2P技術を活用してデータを分散管理する技術)の導入が国防総省全体で進められている。ブロックチェーンで3Dプリンタデータを保護する取り組みは、DARPA、米海軍のDON Innovatorが既に試験を開始している。米海軍はこの夏に試験を実施し、9月に詳細な報告を発表する予定だという。この試験によって生産データ流出問題の解決に一定の目途が立てば、3Dプリンタはより導入が本格化するだろう。

 最後は、人工知能(AI)との組み合わせである。海兵隊副司令官(兵站担当)のマイケル・ダナ中将は、今年6月、「Military.com」誌の取材に対し、将来的に海兵隊のトラックは、人工知能によって消耗寸前の部品を診断・発見し、自動的に注文を行い、消耗する前に3Dプリンタで生産した部品が自動的に届けられるようになると明らかにした。

 ダナ中将は、「将来的に海兵隊は、工場で作られた部品が届くのを待つのではなく、瞬時に3Dプリンタで生産・交換できるようになる最初の軍隊となる」と言う。人工知能と3Dプリンタの組み合わせが実現すれば、海兵隊の兵站効率は予算・時間共に大幅な効率化が図られるだろう。

■ 自衛隊は「ファッションショー」に夢中? 

 これらの方向性は2つに総括できる。

 第1は、非対称戦略の採用である。海兵隊はドローンと3Dプリンタを装備体系の中核に据えることで、膨大かつ安価なシステムを構築し、中国軍の質量ともに膨大な兵器群に対抗しようとしている。特に、いずもへの無人戦闘機導入は注目すべきアイデアであろう。

 第2は、民生技術の転用である。人工知能も、ドローンも、3Dプリンタも、ブロックチェーンも民生発技術である。民間の低価格・高性能な技術をいち早く転用することで、質における優位性を確保しようというわけだ。

 実際、ダナ中将は「将来的に海兵隊は、工場で作られた部品が届くのを待つのではなく、瞬時に3Dプリンタで生産・交換できるようになる最初の軍隊となる。テスラの自動車はソフトウエアが自動的にアップグレードされているし、私の妻のレクサスはオイル交換が必要な時期を教えてくれる。これは既に民間にある技術であり、それを軍隊に組み込みたいのだ」と述べており、民間の優れた技術の確保を重視しているのは明らかだ。

 海兵隊と同規模の自衛隊はこうした柔軟な発想を見習うべきである。しかし、装備庁・自衛隊にその姿勢は見られない。一部を除いた技官の多くは非常に狭いタコツボ型知識に拘泥しており、自衛隊も「軍隊かくあるべしという形式主義」から抜け出せていない。

 先頃、陸自は各駐屯地で、新しい制服は黒・紫・濃緑の3種類のどれが良いかというアンケートを行った。新制服はデザインもストライプを入れたり、制帽の装飾を増やしたりするなど現行から大きく変化している。だが、陸自の17万人分の制服変更ともなれば、膨大な予算と時間が浪費されるのは言うまでもない。形式主義の最たるものであり、隊員の多くがこれに反対している。自衛隊に、こうした余裕はもはやないはずだ。今こそ、発想の転換と外部を巻き込んだ自由な議論が求められている。


ついに北朝鮮のミサイルが完成間近――米軍「直接攻撃」のXデーは?
7/14(金) 6:00配信 週プレNEWS

アメリカ独立記念日の7月4日、北朝鮮は新型ミサイル「火星14」の発射実験を行なった。

ミサイルは山なりのロフテッド軌道で高度2500km以上に達し、約40分後に発射地点から約930km離れた秋田県沖約300kmの日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。

同日、朝鮮中央テレビは史上3度目の「特別重大報道」を放送し、「ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射に成功した」と宣言。翌日には、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が党機関紙でこうコメントした。

「(アメリカは)われわれからの“贈り物”が気に食わないだろうが、今後も大小の贈り物を頻繁に贈ろう」

これまで北朝鮮が発射してきた各種のミサイルは、日本やグアムを射程に収める一方、太平洋を横断して米本土に届くだけの能力はなかった。ところが、今回の「火星14」の発射実験成功はアメリカにも深刻な影を落としている。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏はこう分析する。

「今回のミサイルは液体燃料を使った2段式。ノズルの形状から見て、5月14日に発射した中距離弾道ミサイル『火星12』の技術を転用し、射程を伸ばしたものです。推定される最大飛距離は6000kmから6700km。アメリカが“レッドライン”とする米本土西海岸のサンフランシスコ(約9000km)までは届かないものの、北米大陸北西端の米アラスカ州は射程内となる計算です」

飛距離だけでいえば、北朝鮮は過去にも射程1万kmに達する「テポドン2改」を発射しているが、これはあくまでも“観測衛星打ち上げ”と称したもので、兵器として運用するためのさまざまなハードルをクリアしていなかった。核弾頭の運搬能力、すぐに発射できる即応性、車両や潜水艦など敵に探知されにくい場所から発射できる能力、目標へ向けて飛行する正確性……。今回の「火星14」は、すでにそうした条件の多くを満たしつつあるようだ。

注目は、弾頭部が燃え尽きないための大気圏再突入技術だが、これについても北朝鮮側は「大成功」と発表した。前出の黒井氏はこう語る。

「ICBMはマッハ20から24で再突入し、温度は6000℃から7000℃に達する。今回の『火星14』からは再突入時の耐熱データをしっかり取っているでしょうし、それ以外にもさまざまな弾道ミサイルの発射実験からデータを蓄積しているはずです」

昨年8月に北朝鮮から韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使によれば、「金正恩の目標は今年末から来年初頭に(米本土に届く)ICBMを完成させること」だという。

ともあれ、「火星14」の発射で、ボールは北朝鮮からアメリカに投げられたといえる。米本土と陸続きのアラスカが射程に入った今、これ以上の開発を止めるためにどんな対抗手段に出るのか?

とはいえ、選択肢はそう多くない。中国に北朝鮮をコントロールさせる目論見(もくろみ)は空振り続きだし、米軍による弾道ミサイル迎撃実験などで強硬姿勢を見せても“こけおどし”にしか映らないだろう。

やはりトランプ政権は、韓国や日本にも多くの犠牲が予想される「軍事オプション=北朝鮮への直接攻撃」に踏み切らざるをえなくなるかもしれない。Xデーがいよいよ見えてきた―。


<米軍縮大使>核兵器禁止条約の実効性に疑問呈す
7/13(木) 9:00配信 毎日新聞

 ◇「核抑止力が欧州やアジアの平和と安全維持してきた」

 【ウィーン三木幸治】核兵器禁止条約が国連本部で採択されたことを受け、条約に反対する米国のロバート・ウッド軍縮大使が11日、毎日新聞の電話取材に応じた。ウッド氏は「核兵器禁止条約の参加国が北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルを防ぐ答えを持っていない」と述べ、条約の実効性に疑問を呈した。そのうえで「核抑止力こそが長年にわたって欧州やアジアの平和と安全を維持してきた」と訴え、現状での核保有の正当性を強調した。

 ウッド氏は▽条約に核保有国が参加しておらず、核軍縮を一歩も進めることができない▽核兵器廃棄などの検証計画がない--と指摘し、「(参加国が)いい気持ちになるための条約でしかない」と批判。米国が核兵器を更新している理由については「ロシア、中国が急速に核兵器を更新している」ことなどを挙げ、「核兵器レースをするつもりはないが、(安全保障上の)現実を理解することが必要だ。核兵器禁止条約は両国(の核政策)に何の影響も与えない」と主張した。

 核拡散防止条約(NPT)は、核保有国による核軍縮を定めると同時に、非核保有国が原子力を平和利用する権利を認めている。ウッド氏は、双方の利益のためには「妥協が必要」と指摘する一方、「核兵器禁止条約によって(条約)参加国は(核保有国に)妥協しなくなる」と見通し、核軍縮に貢献してきたNPT体制の結束が危うくなると懸念した。

 また、交渉に参加しなかった日本などに対して「(事前に)米国の立場を話してきた」と明かしたうえ「日本政府は条約が国益に沿わないと感じていたのは明らかだ」と述べた。今後も「日本などと条約について協議を続けていく」と表明し、関係各国に対して「条約が安全保障に与える影響を考え、署名をしないことを望む」と訴えた。


北問題、韓国の限界認め… 文外交、現実路線へシフト?
7/13(木) 7:55配信 産経新聞

 【ソウル=名村隆寛】核・ミサイルでの挑発を続ける北朝鮮について11日の閣議で、「われわれには問題解決や合意を導く力もない」と韓国の限界を認めた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、米韓同盟を基盤とした現実的な外交路線に方向を転換しようとしている。

 初の欧米外遊で世界の現実に直面した文氏は「各国が国益を前面に外交をしている。われわれも国益を最優先に考え、貫徹できるよう外交を多角化し、外交力を高めねばならないと切実に感じた」とも訴えた。

 対北対話路線を掲げ、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備の事実上の先送りで、米国から疑心を受けた文氏としては、“画期的”な発言だ。文氏に批判的な韓国の保守系紙、朝鮮日報は12日付の社説で「普通の国民なら皆、以前から持っていた認識だ。大統領が今さらのように語るのは引っかかるが、幸いなことだ」と文氏の認識変化を歓迎した。

 注目されるのは、理想を追求していた文氏が現実に基づく国益重視の外交を強調したことだ。言及はなかったものの、文氏が訴えた国益重視外交には日本も含まれるとみられる。慰安婦問題をめぐる日韓合意について文氏は就任後、「再協議」を口にせず慎重な姿勢だ。しかし、韓国国内では文氏の思惑とは関係なく、日韓関係を後退させるような動きが進んでいる。

 鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)女性家族相は、民間団体などが進める慰安婦関連資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産への登録を支援する考えや、国立の慰安婦博物館の設立方針を表明。国政企画諮問委員会は8月14日を「慰安婦被害者の記念日」に公式指定する案を発表した。与党「共に民主党」は鄭氏に慰安婦問題の公論化を求めている。

 内政では、文政権発足から2カ月が過ぎても、野党の反対で国防相ら主要閣僚が決まっていない状況だ。野党時代に保守政権の現実路線に反発を繰り返した末に政権の座に就いた文氏。逆に今度は、自身の現実路線転換への説得に追われることになりそうだ。


拘束3人解放が対話再開の焦点 「中国 圧力強化に動く余地ある」
7/13(木) 7:55配信 産経新聞

 □米国務省前北朝鮮人権問題担当特使 ロバート・キング氏

 【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ前米政権下で今年1月まで国務省の北朝鮮人権問題担当特使を務めたロバート・キング氏(75)が産経新聞のインタビューに応じた。キング氏は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル発射を強行した北朝鮮は「核・弾道ミサイルの能力を確立するまで、(米国などとの)対話に応じる意思はないだろう」と指摘し、国際社会が経済制裁や人権分野で北朝鮮を一層締め付けることが重要だと強調した。

 また経済制裁のカギを握る中国については「中国国内では外交政策担当者らの間で北朝鮮に対する不安が高まっており、北朝鮮の核保有に関する危険性も理解している」と分析し、中国がさらなる対北圧力強化に動く余地はあるとした。

 一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制が拘束している3人の米国人について、解放すれば米朝の対話再開に向け「前向きの効果をもたらす」と予測。米紙ワシントン・ポスト(電子版)も5日、トランプ政権が3人の解放を条件に北朝鮮との対話に応じるかの是非を検討中と報じており、今後、3人の処遇が米朝の駆け引きの焦点になる可能性が出てきた。

 6月に北朝鮮から約1年5カ月ぶりに昏睡(こんすい)状態で解放され、帰国後に死亡した米国人大学生、オットー・ワームビア氏が北朝鮮当局に拘束された理由について、同氏が金正日(ジョンイル)総書記によるスローガンが書かれたポスターを、壁から取り外して持ち帰ろうとした末に床に置いたまま立ち去ったのが原因であると明らかにした。

 キング氏は「北朝鮮では最高指導者の名前が書かれた物を床に置くのは重大な違法行為だ」とした上で、「北朝鮮の法律は異質で、気を付けないと米国人には異様と思える理由で逮捕される」と警告した。

 ワームビア氏の父親がオバマ前政権の解放に向けた取り組みが不十分だったと不満を表明したことに対しては、「オバマ政権はさまざまな機会を使って解放を働きかけたが、ほとんどの場合、北朝鮮から無視された」と強調し、北朝鮮が誠意ある態度で応じなかったのが問題を長期化させた原因との見方を示した。


北朝鮮沖の地震、核実験によるものではない=米国防総省
7/13(木) 6:56配信 ロイター

[ワシントン 12日 ロイター] - 米国防総省は12日、北朝鮮沖の日本海で発生したマグニチュード5.8の地震は核実験により引き起こされたものではないとの見方を示した。

国防総省のジェイミー・デービス報道官は、地震が発生した地点や震源の深さを踏まえると、北朝鮮による核実験により引き起こされたものではないことが示唆されると述べた。ただ国防総省は引き続き地震活動に注視するとしている。

地震は現地時間13日早朝に発生。震源地は北朝鮮の清津の南東180キロ、震源の深さは海底より538キロ深い水準。マグニチュードは当初の6.0から5.8に改定された。

米地質調査所(USGS)によると、日本海のこの地域で大規模な地震が発生したのは1994年以来。


THAADが初の中距離弾道ミサイル迎撃実験に成功
JSF | 軍事ブロガー
7/12(水) 21:35

993
米ミサイル防衛局よりTHAAD実験FTT-18

7月11日、アメリカ軍の弾道ミサイル防衛システム「THAAD」が初めての中距離弾道ミサイル標的迎撃実験FTT-18に成功しました。これまでTHAADはニューメキシコ州ホワイトサンズ陸軍射撃場あるいはハワイのカウアイ島海軍射撃場で試験を行ってきましたが、今回からは普段は宇宙ロケットの発射場であるアラスカのコディアック打ち上げ基地で試験を行っています。コディアック島でのTHAAD試験は以前から予定されていたスケジュールであり、北朝鮮のICBM発射とは偶然時期が似通っただけで特に関連性はありません。

THAAD迎撃実験FTT-18。標的ミサイルは輸送機からの空中発射型
THAADは大幅な改設計を行った2005年以降、今回の試験を含めて14回の迎撃試験で14回とも全て成功させており、非常に高い信頼性を発揮し続けています。THAADは改設計前の1995年~1999年の試験では連続6回迎撃に失敗し一時は計画そのものが破棄される寸前でしたが、数年の期間を掛けて設計をやり直して以降は評価が全く変わりました。

なお最近、アメリカ軍は弾道ミサイル防衛システムの迎撃実験を3回立て続けに行いました。このうちSM-3ブロック2Aの実験が失敗に終わっています。

5月30日、米本土防衛用GBIが迎撃試験に成功、初のICBM想定標的
6月21日、イージス艦用SM-3ブロック2Aが迎撃試験に失敗
7月11日、THAADが迎撃試験に成功、初の中距離弾道ミサイル想定標的
GBIは通算の成績が悪く、大気圏外迎撃体の改設計で信頼性を確保しようと試みている最中です。SM-3ブロック2Aは新開発で迎撃試験自体がまだ2回目で、1回成功1回失敗という成績です。THAADは2005年以降連続14回成功の実績を積み重ね、より複雑な条件での試験を行っていく予定です。


米軍、THAADで迎撃実験
7/12(水) 21:10配信 ホウドウキョク

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(写真:ホウドウキョク)

弾道ミサイルの迎撃実験で、北朝鮮をけん制。
アメリカ国防総省は11日、地上配備型迎撃システム「THAAD」で、弾道ミサイルを迎撃する実験を行い、成功したと発表した。
実験では、ハワイの北の太平洋上で、空軍の輸送機から中距離弾道ミサイルに見立てた標的を発射し、それを、アラスカ州に設置されたTHAADで探知・追跡して迎撃することに成功したという。
アメリカ軍は、「弾道ミサイルの脅威を破壊する能力を示した」と強調した。
THAADは、すでに在韓アメリカ軍で配備が始まっていて、今回の実験は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した北朝鮮をけん制する狙いがあるものとみられる。


北朝鮮「ICBM祝宴」開催
7/12(水) 20:23配信 ホウドウキョク

ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射成功を祝う宴会に、夫婦で出席した。
朝鮮中央テレビは「『火星14』の試験発射の完全成功は、全ての地域を勝利者の歓喜と激情で勢いよく沸き上がらせている」と報じた。
朝鮮中央テレビは11日夜、ICBM発射の成功を祝う宴会が10日、平壌(ピョンヤン)で開かれ、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と李雪主(リ・ソルジュ)夫人が出席したと報じた。
李夫人の動静が伝えられるのは、およそ4カ月ぶり。
宴会では、軍の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長が演説し、「アメリカの首脳部も、われわれの発射実験の成功を認め、絶望の悲鳴をあげている」と主張した。


北朝鮮弾道ミサイル10分で東京直撃
7/12(水) 18:11配信 Japan In-depth

【まとめ】
・北朝鮮弾道ミサイル発射後10分で東京直撃との研究結果が海外で。

・北朝鮮ICBMが完成すれば米西海岸到達時間は30分強、東海岸へは40分弱。米は迎撃に地上からで5分はかかるという。

・この研究では日韓ミサイル防衛網の効力はほとんどない、としている。

「北朝鮮が日本攻撃を決めれば、その弾道ミサイルは10分ほどで東京を直撃する」――

こんな物騒な予測がアメリカとドイツの科学者2人の共同研究の結果として明らかにされた。北朝鮮のミサイルにはそんな危険な攻撃能力があるというわけだ。

このすぐ目の前にある日本国の危機に対して、わが国会は地方の一私立大学の学部設置の経緯を国家の一大事のように論じている。一体、どんなつもりなのか。野党の主張に百歩譲って、いかに首相が不当に関与していたとしても、それが国家の危機に優先するはずがない。

一方、アメリカでの北朝鮮のミサイル能力についてのこの分析はミサイルや戦略問題を専門に研究するカリフォルニア大学「グローバル安全保障プログラム」のデービッド・ライト氏とドイツの研究機関「ST分析」のマーカス・シラー氏が共同で7月上旬、AP通信に語った内容に基づいている。

両氏の分析によると、北朝鮮の打ち上げた火星12号ミサイルは完全なICBM(大陸間弾道ミサイル)ではないが、その発展型がアメリカ本土に届く性能を持つと仮定して、北朝鮮領内からサンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトルなどの西海岸の主要都市に到達する時間は発射から30分強だと推定できる。東海岸の首都ワシントンやニューヨークを直撃するには発射後、40分弱だという。

両氏は、アメリカの大統領にとっては、北朝鮮のICBMがアメリカ本土に向けて発射された場合、その発射や標的、搭載弾頭などの確認にかかる時間を割り引いて、どう反撃するかを決める時間自体は10分ほどになる、と述べた。大統領が北朝鮮への反撃、あるいは報復のミサイル発射を決めた場合、その決定から陸上配備のICBMだと5分以内、潜水艦搭載のミサイルだと15分以内に、それぞれ発射できるという。

ライト、シラー両氏は北朝鮮のミサイル攻撃の可能性は韓国や日本を標的とする場合もありうるとして、北朝鮮の弾道ミサイルが発射されてから東京に着弾するまでの時間は10分から11分だとの見解を明らかにした。ソウルの場合にはそれが6分ほどだという。

両氏は、北朝鮮がこの種の弾道ミサイルの攻撃では核弾頭と非核の通常弾頭のいずれをも使用する能力があると述べるとともに、化学兵器や細菌兵器の弾頭を搭載する可能性も排せない、と指摘した。

両氏が日本や韓国のミサイル防衛網については、その効力をほとんど認めていない点が日本にとってはさらに深刻な危機を示唆していた。

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)


自衛隊を「日陰者」の地位から抜け出させることの必要性
7/12(水) 16:00配信 NEWS ポストセブン

991
国際政治学者の三浦瑠麗氏

 安倍晋三首相が提起した「憲法9条改正」に向けて、自民党内で議論が始まった。しかし一連の改憲論議では、北朝鮮の核・ミサイルなど安全保障上の現実的な脅威に対し、「9条改憲」がどう資するかという視点が抜け落ちているのではないか。国際政治学者の三浦瑠麗氏が指摘する。

 * * *
 安倍首相の改憲案を聞いた時、「そんな内容でいいんだ!」と驚きました。

 安倍試案は、憲法9条の1項及び2項を維持しながら、新たに加える3項に自衛隊の存在を明記するという内容で、従来の自民党改憲草案よりずいぶんトーンダウンした印象です。改憲への姿勢は評価しますが、国の設計図である憲法が政治的な妥協の産物であってはなりません。

 最大の問題は、この案に則って憲法に自衛隊を明記しても「戦力は保持しない」と規定する9条2項を残したままでは「自衛隊は軍隊か」「戦力とは何か」という“神学論争”が残ることです。

 これでは、従来の憲法論議から抜け出せない。事実上核兵器を保有する北朝鮮の脅威が迫る現在、日本に必要なのはこれまでのような重箱の隅をつつく神学論争ではなく、現実に即したまっとうな安全保障論議です。

 北朝鮮や領土問題で対立する中国から国民の生命と財産を守るため、自衛隊の予算のどの部分を重点的に増加させるべきか。ミサイル防衛なのか、敵基地攻撃能力なのか、あるいは既存部隊の人員増や運用能力の強化を優先すべきなのかといった、リアルな思考が必要なのです。

 しかし憲法改正に慎重な人々は憲法に自衛隊を書きこまないことや、書いたとしても軍隊でないものとして扱うことを求めます。そこにあるのは、自衛隊を「日陰者」の地位にとどめておけば、旧日本軍のように暴走しないから安泰であるとの価値観です。

 平和憲法のもと、自衛隊は与野党双方からいじめられてきました。自民党でさえ、実は戦後日本的なハト派の価値観で自衛隊を冷遇してきたのです。憲法9条を奉るだけで、米国への依存も自主防衛も嫌がり、自衛隊は押し込めておくけれど、隊員には粛々と汗をかき、いざという時には血も流せというのは理不尽なご都合主義です。野党や一部の国民から圧迫を受ける自衛隊からすれば、たとえ“DV夫”だとしても自民党にすがるしかなかった。こうした不健全な依存構造は、3項追加の安倍試案では解けません。

◆自衛隊を「軍」と明記すべき

 現在は自衛隊が「軍」ではないので防衛省は一般の省庁と同じ扱いです。軍事面は“素人”である財務省に人件費を大幅にカットされ、隊員は人員不足のなか不眠不休で国防任務にあたっています。また憲法上、空母を持てないという解釈になっているので、わざわざ不必要な装備を搭載して“ヘリ空母”を護衛艦だと強弁してみたりとムダも多い。これまで真剣な安全保障論議を避けてきたので、政治家はどこに予算を投じるべきかわかっていません。

 防衛省の幹部は野党の意味不明な追及に意味不明な答弁をする防衛大臣を支えることに必死で、現場の能力向上に使うエネルギーが残っていない。それでいて、いざ有事になったら「出撃しろ」と命じて自衛隊に犠牲を強いるのはどう考えてもムチャです。

 現実の危機に即した安全保障論議を根付かせるために私が提案するのは、9条2項の削除です。そのうえで憲法には自衛隊を「軍」として明記すべきです。

 素直に2項を読めば、戦力は持てないのですから、世界有数の実力組織である自衛隊は違憲でしょう。

 それなのに、国民の生命、自由及び幸福追求権が覆される事態では「必要最小限度の武力行使」が認められるとの政府解釈でずっと誤魔化してきたわけです。国の最も根幹にかかわる部分が中学生に説明できないようではダメなのです。

「必要最小限度」の中身は極めて曖昧です。有事の際は相手国との交渉や対立のなかでリスク(危険性)とベネフィット(便益)に基づいて軍を動かすことが世界各国の常道ですが、それを抜きに国防を語る日本の価値観では、北朝鮮がミサイルを発射したり中国との偶発的な軍事衝突があった場合に「必要最小限度」の中身は何なのか。歯止めが利かず、自衛戦争の拡大解釈に突っ走る可能性すらあるのだから、平和主義にとってもマイナスです。

 軍は安全保障という国の運命の根幹を担う一方で、戦争になったら人を殺す存在であり、リスペクトと抑制や監視の双方が必要です。であるからこそ、憲法にはシビリアン・コントロール(文民統制)を強める観点から、開戦は国会の権限とすることや、殺人行為を前提とした軍事法廷の設置なども書き込むべきです。

 日本人の誇りである平和憲法は、同時に日本の自立を阻む象徴です。「我々日本人は憲法9条があるから平和的です」という思い込みは、時に国際社会への無関心にもつながってきました。戦後の平和主義が実は単なる利己主義でしかなかった場合も多かったのです。

 戦後70年、日本は米国に守られてきました。ところが、東アジアの緊張が高まる中で、米国の力や意思を今まで通りに頼りにできるのか。安全保障はイデオロギーや願望で語ってはいけません。どこまでも冷徹に危険を精査し、万が一に備えるという考え方をとらなければいけません。

 9条2項を削除して、自衛隊を陽の当たる場所に誘うことこそ、この先の日本が歩むべき道なのです。

※SAPIO2017年8月号


北朝鮮問題の「中国責任論」は大げさ、中国政府が異例の反論
7/12(水) 13:42配信 ロイター

[北京/ワシントン 11日 ロイター] - 中国政府は11日、北朝鮮問題を巡る「中国責任論」をやめ、関係各国がそれぞれ働きかけを高めるべきだと主張し、問題解決に向けた中国の圧力強化を求める米国に対して、異例の強い表現で反論した。

8日行われた米中首脳会談で、トランプ大統領は習近平国家主席に一定の融和姿勢を示しつつ、経済的・外交的に緊密な関係にある北朝鮮を制御するために、中国が十分な努力をしていないと不満も漏らした。

北朝鮮が4日、アラスカ州や米西海岸の一部も射程に収めるとの専門家の見方もある大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったこともあり、米国は不満を募らせている。

中国外務省の耿爽報道官は定例記者会見で、日米などが北朝鮮に対する圧力強化を求めていることについて、緊張を高めているのは中国ではないとした上で、解決の鍵は中国政府の手にないと強調した。

「最近、朝鮮半島の核問題について、いわゆる『中国責任論』を大げさに強調している人がいる」と、耿氏は具体的な人名などは挙げずに指摘。「これは、問題の全体像についての正しい知識の欠如か、責任を転嫁しようという隠れた目的があることを示している」

さらに、同報道官は、中国は間断なく努力し、建設的な役割を果たしており、関係各国にはお互いに譲歩が必要だと主張した。また、「他国に働くことを要請する一方で、自国が何もしないというのは受け入れがたい。背後から刺されるのは容認できない」と付け加えた。

<対朝貿易増加に対する批判に反発>

一方、中国の崔天凱駐米大使は10日にワシントンのシンクタンクで講演し、中朝貿易が増えているとの報道に対して、「ゆがんだ印象を与える」と反発した。講演は非公開で行われたが、中国大使館が11日に講演原稿を公表した。

崔氏によると、中朝貿易は、2015年と2016年に減少し、今年4月と5月には、中国による北朝鮮産石炭の輸入禁止措置の影響で、それぞれ41%と32%減少した。

崔氏は一方で、国連安保理の北朝鮮に対する制裁決議は、同国との通商禁止を盛り込んでおらず、「通常の貿易は、制裁下でも禁止されていない」と述べた。

トランプ大統領は先週、中朝貿易が第1・四半期に40%近く増加したとして、中国が北朝鮮の脅威の封じ込めに協力しているか疑わしいと不満を表明していた。4月に公表された統計によると、中朝貿易は、2月に石炭禁輸が発表されにもかかわらず、第1・四半期は前年比37.4%増加した。

崔大使は、北朝鮮による核実験やICBM実験などの安保理制裁決議違反に対して、安保理がさらなる行動をとることを中国は支持すると述べた。ただ、米国がICBMだったと結論付けた北朝鮮のミサイル発射実験について、中国の見解を語ることは避けた。

また崔大使は、制裁は必要だが、北朝鮮の問題はそれだけでは解決できないと述べ、北朝鮮が兵器実験を凍結する見返りに、米韓が合同軍事演習を一時中止するという中国の提案を受け入れるよう改めて要請した。

中国は、北朝鮮の度重なる核やミサイル実験に立腹しているが、同時に米国や韓国が合同軍事演習を行って緊張を悪化させていると非難している。

また、米国が韓国に新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)を配備したことに神経をとがらせており、配備により中国の安全保障が脅かされ、緊張緩和の役に立たないと反発している。米政府が北朝鮮と取引がある中国企業や個人に制裁を課したことにも抗議した。

米政府はこれに対し、米韓演習は対北朝鮮の防衛力を維持するために必要だと反論。米政府高官は、中国が北朝鮮に更なる圧力をかけないのであれば、米国の経済・通商圧力が強まることになると語った。

米中政府高官は19日に経済問題協議を行う予定で、米側はその場で北朝鮮問題も協議する構えとみられる。


北朝鮮との戦争が勃発する3つのシナリオ 専門家の分析
7/12(水) 13:41配信 The Telegraph

【記者:Julian Ryall】
 北朝鮮はこれまで、朝鮮半島(Korean Peninsula)で全面戦争が起きるのは時間の問題だと幾度となく警告してきた。以前は口先だけの脅しとして他国からは大して相手にされてこなかったが、今月4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功して以来、悪夢のシナリオは現実味を帯び始めた。

 専門家らは、この緊張がどのようにして戦争に発展するのか、いくつかのシナリオを想定した。戦争となれば、朝鮮半島、そして場合によっては日本を含む周辺国にも壊滅的な被害が及ぶ恐れもある。

 複数の試算によれば、従来型の戦争となった場合の犠牲者の数は100万人に上るとされている。だが大量破壊兵器の使用で、この数字はさらに跳ね上がるだろう。

 最も可能性の高いシナリオは3つ。米国による限定的な先制攻撃、北朝鮮による先制攻撃、そして小規模な交戦から事態が急転直下して大規模な武力衝突に発展するケースだ。

 いずれのシナリオも壊滅的な結末を迎えるだろう、と米トロイ大学(Troy University)韓国ソウル(Seoul)キャンパスで国際関係論を教えているダニエル・ピンクストン(Daniel Pinkston)教授は言う。

■米国が先制攻撃を行う場合

「北朝鮮の核開発を止めるために先制攻撃を行うという考えは、米国では1993年と1994年に検討されたが、実行には移されなかった。今、そのような攻撃を行うのはなおさら難しいだろう」と、ピンクストン教授はテレグラフに語った。

 また、「北朝鮮は資産を分散することを学んだ。彼らは強固なシェルターをいくつも使っており、それらの標的をすべて排除するのは極めて難しい」としながら、北朝鮮の軍事施設を完全に突き止めきれていない可能性も高く、さらにはミサイル発射用の輸送起立発射車両もあるため、武器すべてを追跡することも困難と付け加えた。

 外交的には、米国が国際社会の支持を得るのは不可能に近い。北朝鮮の同盟国である中国とロシアは国連安全保障理事会(UN Security Council)で拒否権を発動し、報復をまともに受けることになるかもしれない韓国と日本は反対するだろう。

 自己防衛を理由に、米国が一方的な攻撃を仕掛ける可能性もある。しかし、保有する長距離ミサイルを標的としたピンポイント攻撃を、北朝鮮は米国による宣戦布告とみなす可能性が極めて高い。

 ピンクストン氏は「北朝鮮はそれを全面攻撃とみなし、壊滅的被害を避けるためにあらゆる手を使うだろう」「だから私は、米国の先制攻撃という『処方箋』は病気を悪化させるだけだと考えている」と話した。

■北朝鮮が最初に仕掛けたら?
 第2のシナリオは北朝鮮による急襲だ。敵が攻撃を計画している、あるいは政権転覆を企てていると北朝鮮政府が考えたときに起きる可能性が高い。金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は、退陣や亡命よりも最後まで戦うことを選ぶはずだ。たとえそれが多くの犠牲者と壊滅な被害をもたらすことになるとしても。

 北朝鮮側からは推定1万の迫撃砲やロケット発射台などが、約1000万人が暮らす韓国・ソウルへと向けられている。北朝鮮は軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)の地下に掘ったトンネルを使って兵士らを韓国に送り込み、潜水艦で特殊部隊を上陸させ、同国に潜伏させている多数の工作員に活動を促すだろう。

 米国の軍事戦略家らは、北朝鮮はまず、数にものをいわせて韓国の防衛突破を試みるはずと指摘する。韓国の兵士の数は約66万人。これに加えて駐留米兵の数は2万8000人。一方の北朝鮮は男女合わせて100万人以上の兵力を備えている。

 しかし北朝鮮は兵士の数では上回っているが、技術面ではかなり劣っている。専門家らは、北朝鮮の勢力は激しい戦闘が4日ほど続いた後に失速するとみており、米国は北朝鮮の司令部に激しいミサイル攻撃を行いながら、金委員長と軍高官らを狙うことが想定されるとしている。彼らの死は兵士の士気低下につながるからだ。

 米国は今年、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を殺害した海軍特殊部隊が韓国で「斬首」作戦を含む訓練を受けていることを明らかにしている。

■北朝鮮が大量破壊兵器を使う可能性は?

 軍事戦略家らが最も懸念しているのは、敗北が避けられなくなったときの北朝鮮の出方──つまり、北朝鮮が従来型の戦争を次の段階に進める可能性があるのかどうかだ。

 多くの専門家らは、北朝鮮はすでに核兵器をミサイルに搭載するための小型化に成功していると推測している。短距離ミサイルは韓国と日本の基地や民間人が集まる場所に撃ち込まれる可能性があり、そうなれば大混乱が生じ、地上部隊の再配備や強化もままならなくなる。

 北朝鮮はまた化学兵器を大量に備蓄しているとされる。数々の報道では生物・細菌兵器を開発しているといわれているが、これについてはまだ確認されていない。

 北朝鮮が大量破壊兵器を使えば、壊滅的な反撃を食らうだろう。だが、その時点ですでに相当のダメージは与えられているはずだ。

■最も起こりそうな戦争のシナリオは?
 ピンクストン教授にとって第3のシナリオは、朝鮮半島に戦争をもたらす可能性が最も高いものだ。「最大の脅威は、偶発的事故、誤算あるいは誤解からあっという間に戦争に発展することだ」と、同教授は言う。「例えば、北朝鮮のミサイル実験が誤って韓国へ向けられた場合、韓国はそれを攻撃と見なして反撃するだろう」

 そして「同様に、北朝鮮は韓国で行われている合同軍事演習を侵略への前兆と解釈して攻撃してくるかもしれない。いずれも現在は一触即発の状態にあり、小さな判断ミスが大勢の犠牲者と壊滅的被害につながり得る」と指摘した。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。
「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。


北ミサイル、大気圏再突入技術は確立せず 韓国当局が分析
7/12(水) 12:29配信 CNN.co.jp

(CNN) 韓国の情報機関、国家情報院(NIS)は11日、北朝鮮が4日に発射実験を行った長距離弾道ミサイルについて、核弾頭を搭載して目標に到達するための技術は確立できていないとする分析結果を明らかにした。

北朝鮮の国営メディアはこのミサイルについて、大気圏に再突入するための安定したシステムを搭載し、弾頭は再突入時の高熱にも耐えられると伝えていた。

巡航ミサイルはほとんどの場合、地上と並行する角度で目標物に向かうのに対し、弾道ミサイルはアーチ形の軌道を描いて標的に向かう。

国家情報院から説明を受けた議員は、「今回のミサイルが固定された発射台から発射されたことを考えると、この技術はまだ初期段階にあるとNISは見ている」「NISの見方では、北朝鮮はまだ再突入技術を確立していない」と語った。

北朝鮮は先週の時点で、アラスカに到達できる初の大陸間弾道ミサイル実験を行ったと主張していた。

米韓の当局は、今回のミサイルが大陸間の射程を持つことを確認しているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。


北朝鮮に「最大限の圧力」=日米韓高官
7/12(水) 10:56配信 時事通信

 日本、米国、韓国の3カ国は12日、防衛当局の局長級によるテレビ会議を行った。

 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことについて「北東アジアを超える地域の平和と安定に対しても重大な脅威」との認識で一致。北朝鮮が挑発的行動を自制し、非核化の対話に戻るよう「最大限の圧力をかける」との方針を確認した。

 会議では、北朝鮮のミサイルに対処する日米韓3カ国の能力向上と防衛協力強化を進めることでも合意。ICBM発射は「累次の国連安保理決議に明白かつ甚だしく違反する」と非難した。


中距離弾道弾迎撃に初成功…米がTHAAD実験
7/12(水) 10:52配信 読売新聞

 【ワシントン=大木聖馬】米国防総省ミサイル防衛局は11日、ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」による中距離弾道ミサイルの迎撃実験を行い、成功したと発表した。

 ロイター通信によると、THAADによる中距離弾道ミサイルの迎撃成功は初めてだ。

 中距離弾道ミサイルは一般的に射程3000~5500キロ・メートル。大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するなどミサイル能力を向上させる北朝鮮をけん制する狙いがある。

 米空軍機がハワイ北方の太平洋上からミサイルに見立てた標的を発射し、アラスカ州に配備されたTHAADが捕捉、追尾して迎撃した。

 THAADは大気圏外や大気圏上層部で短距離弾道ミサイルなどを迎撃する能力を持つが、ICBMを撃ち落とす能力はない。同局によると、THAADによる短距離弾道ミサイルなどの迎撃実験は過去13回行われ、いずれも成功していた。


北朝鮮ICBM、西海岸到達の可能性…米で分析
7/12(水) 10:16配信 読売新聞

 【ワシントン=大木聖馬】米航空宇宙エンジニアのジョン・シリング氏は10日、北朝鮮が今月4日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」について、全ての問題点を解決すれば、飛距離が最大9700キロ・メートルに達するとの分析結果を発表した。

 北朝鮮から米西部カリフォルニア州サンディエゴの海軍基地まで届くことになる。

 シリング氏は米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮問題研究グループ「38ノース」を通じて発表した。4日のICBMは、通常より高度が高い「ロフテッド軌道」で打ち上げられたが、射程を伸ばす角度で発射されていれば、飛距離が「7000~8000キロ・メートルだったかもしれない」と推定。ICBMの精度にはまだ限りがあるものの、500~600キロ・グラムの核弾頭を搭載して、米西海岸に到達させることも可能になると予想した。


射程はICBM級だが初期水準の飛行…韓国分析
7/12(水) 10:16配信 読売新聞

 【ソウル=宮崎健雄】韓国の情報機関・国家情報院は11日、国会情報委員会で、北朝鮮が今月4日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)とされる「火星14」について、「大気圏再突入や(標的に向かう)終末誘導技術をまだ確保していない」との分析結果を示した。

 委員会は非公開で行われ、終了後、出席した国会議員が記者団に内容を説明した。

 国情院は、今回のミサイルが2段式だったとし、1段目に5月の試射で初成功した新型中長距離弾道ミサイル「火星12」のエンジンを、2段目には6月に燃焼実験を行った小型エンジンを搭載したと分析。北朝鮮国営メディアは「大型重量の核弾頭の搭載が可能なICBM」と主張したが、国情院は「誇張」だとし、「射程はICBM級だが、今回は初期水準の飛行試験」と報告した。


米軍、THAADによるミサイル迎撃実験に成功
7/12(水) 9:30配信 CNN.co.jp

(CNN) 米国防総省のミサイル防衛局は11日、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)を使ってアラスカ上空で目標を撃墜する実験に成功したと発表した。

ミサイル防衛局は今回の実験について、「THAADで弾道ミサイルを迎撃できる能力を改めて実証した」と評価している。

国防総省の当局者はCNNの取材に対し、今回の実験は北朝鮮が4日に実施した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験とは無関係だと語った。

THAADはレーダーでミサイルを探知して目標を確認すると、トラックに搭載した発射台から飛翔体を発射して、飛来するミサイルを撃墜する仕組み。北朝鮮が4日に発射したICBMよりも射程の短い短距離や中距離の弾道ミサイル迎撃を想定している。

迎撃に使う飛翔体は、開発にかかわったロッキード・マーティンが「インターセプター」と呼んでいるもので、運動エネルギーを利用する。

米軍は今年に入って韓国にTHAADを配備。これに対して中国やロシア、北朝鮮が強く反発している。韓国の文在寅( ムンジェイン)大統領は、環境影響評価を理由にTHAADの配備を中断した。


米、THAADによる中距離弾道ミサイル迎撃実験に成功
7/12(水) 8:37配信 ロイター

990
 7月11日、米国防総省ミサイル防衛局は、米軍の新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)の実験を行い、中距離弾道ミサイル(IRBM)の迎撃に成功したと発表した。写真は、ハワイ北方を飛行中の米空軍機が発射したミサイルを迎撃するアラスカ州コディアク島に設置されたTHAAD。提供写真(2017年 ロイターLeah Garton/Missile Defense Agency/Handout via REUTERS)

[ワシントン 11日 ロイター] - 米国防総省ミサイル防衛局は11日、米軍の新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)の実験を行い、中距離弾道ミサイル(IRBM)の迎撃に成功したと発表した。

迎撃したのは北朝鮮などが開発中のミサイルに似せたもの。実験は数カ月前から計画されていたが、北朝鮮が4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験をした後だけに、重要性が高まった。

THAADによるIRBMの迎撃実験は初めて。IRBMはより短距離のミサイルに比べて追跡が難しいとされ、IRBMに対するTHAADの迎撃能力はこれまで実証されていなかった。

今回の実験では、ハワイ北方を飛行中の米空軍機が発射したミサイルを、アラスカ州コディアク島に設置されたTHAADが迎撃した。THAADの実験は14回目で、すべて成功している。

ミサイル防衛局は「IRBMの脅威に対するTHAADの実験成功は、北朝鮮その他の国々のミサイル開発の脅威に対する米国の防衛能力を強化するものだ」との声明を発表した。

米国は今年、韓国にTHAADを配備している。

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