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2017年5月22日 (月)

北朝鮮、今度は弾道ミサイル発射・86

去る1月6日に核実験を行なった残虐な中世の亡霊・暗黒独裁国家・北朝鮮が、今度は長距離弾道ミサイル発射実験の準備を進めていたが、ついに7日9時31分に発射した。

政府は7日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、国民の安全確保に万全を期すとともに、米韓などと緊密に連携し、北朝鮮に厳しく対応していく方針を確認した。
NSCで首相は、「米国や韓国など関係国と連携し、必要な対応を適時適切に行う」よう求めた。また、首相は関係省庁に対し、(1)落下物などによる被害がないかの確認(2)情報収集・分析の徹底(3)関係国との連携―を指示した。

安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で記者団に対し、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したことについて「断じて容認できない。明白な国連安全保障理事会決議違反だ。国際社会と連携し、毅然として対応する。国民の安全と安心を確保することに万全を期する考えだ」と述べた。

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リンク:中国、北朝鮮に安保理決議違反やめるよう促す 「当事国は自制を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮の核弾頭搭載ICBMの開発は、全面戦争以外に阻止できない - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮ミサイル配備「新たな脅威」=稲田防衛相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<安保理>北朝鮮非難の報道声明 ミサイル発射受け - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:弾道ミサイル「火星12型」は「核」搭載用弾頭部分の試験だった - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮、新型ミサイル「火星12」型を発射――その正体と実力を読み解く - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北ミサイル発射でも 揺るがぬ“親北” 韓国・文政権、民間交流を検討 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北ミサイル 米国務長官「失望した」 圧力強化を強調 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北ミサイル 米本土と在日基地を射程 飛距離・奇襲性、戦略使い分け - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:G7 安倍首相、北制裁で実効措置訴え - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:防府などで来月4日にミサイル想定し訓練 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:実戦配備、新たな脅威=日本全土が射程内―量産着手見方も・北朝鮮ミサイル - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:独自制裁を着実履行=対北朝鮮で包囲網強化も―政府 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国連安保理、北朝鮮のミサイル発射を非難 23日に緊急会合 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:2年前に失効した「米国は矛、日本は楯」の役割分担 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮ミサイルを非難=追加制裁も再警告―国連安保理 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国連安保理、北のミサイル発射を強く非難 制裁強化へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮、「北極星2」実戦配備へ…日本へ脅威 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:発射は「100点」 量産化を指示 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国外務省、北朝鮮を批判 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<北朝鮮ミサイル>視察の金正恩氏「100点満点だ」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<北朝鮮ミサイル>制裁強化を米韓と協議中 外務省幹部 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:防護服など購入見送り=北朝鮮ミサイル対策―長野・軽井沢町 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮、ミサイル「北極星2型」発射の映像放映 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、各国に自制求める 北朝鮮ミサイル実験受け - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正恩氏標的、トマホークなど約1700発!米空母2隻「開戦」態勢、在韓米国人避難が重大サイン - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:習氏、ドゥテルテ氏に八つ当たり? 北ミサイル発射で赤っ恥、南シナ海で資源採掘なら「戦争になる」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国連安保理、23日に緊急会合 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:再びミサイル発射に韓国は... - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:対北「敵基地反撃能力」必要 小野寺五典元防衛大臣 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北ミサイル 2月12日と同一型の可能性 菅義偉官房長官 独自制裁強化へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<官房長官>北朝鮮への独自制裁強化へ ミサイル発射受け - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮への独自制裁、深堀りし厳しく行うことが大事=菅官房長官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:X国のテロから首相を守るには? いまこそ要人暗殺テロへの備えと予防策を強化すべき - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

中国、北朝鮮に安保理決議違反やめるよう促す 「当事国は自制を」
ロイター 5/23(火) 13:10配信

[北京 23日 ロイター] - 中国の王毅外相は、北朝鮮に対し核・ミサイル開発に関する国連安全保障理事会決議に違反する行動をこれ以上とらないよう求める声明を発表した。

中国外務省のウェブサイトに23日に声明が掲載された。

外相はまた「当事国が自制を保ち、ひとつひとつの行動に影響されないことを望む」とした。北朝鮮を巡る安保理決議の実施を続け、平和的な手段と対話を通じた問題解決を目指すよう促した。

このほか、米新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)の韓国配備問題について、韓国側の対応に「新たな変化」が見られたと指摘。「韓国が2国間関係のとげを早期に抜くことを望む」とした。

中韓関係はTHAAD配備を巡り悪化していたが、韓国の文在寅大統領の就任を受けて融和の兆しも見られるようになっている。


北朝鮮の核弾頭搭載ICBMの開発は、全面戦争以外に阻止できない
Wedge 5/23(火) 12:12配信

 ニューヨーク・タイムズ紙の4月17日付解説記事が、北朝鮮の核・ミサイル計画は、北朝鮮体制の崩壊という脅威に対処するためのものであり、トランプはいずれ、北朝鮮が力や脅しで解決できない、より複雑な力学に動かされていることに気づくだろう、と言っています。要旨は以下の通りです。

 北朝鮮の弱みこそが、国の歴史と国内の力学と相まって、同国指導者にコストを顧みず核とミサイル計画を追求させている。トランプはいずれ、北朝鮮は力や脅しで解決できない、より複雑な力学に動かされていることに気づくだろう。

 北朝鮮の核、ミサイル計画は、体制の崩壊という脅威に対処する戦略の中核をなすものである。冷戦後、世界中で共産主義政権が倒れ、北朝鮮も続くと思われた。当時の指導者の金正日は、軍優先の「先軍」政策で対応し、いつ起きてもおかしくない戦争への準備態勢を整えた。この政策で、北朝鮮の物不足と配給が巨大な軍の維持に必要であることを説明するとともに、国内の敵を一掃し、戦時によくある愛国主義を鼓舞するため、弾圧を正当化しようとした。

 今日、北朝鮮は安定しているように見える。しかし、そのため、常に戦争に近い状態にあるという代価を払っている。外国の脅しも譲歩も、この状況を変えられなかった。

 ソ連の支援を失い、米国とその同盟国の脅威にさらされた金正日は、いかなる戦争もコストが大きすぎるようにしようとした。

 当初、核・ミサイル計画は、米国との「大取引」の取引材料と考えられていた。しかし、戦争のリスクを伴う挑発が繰り返されるにつれ、核・ミサイル計画は象徴的に有用であるのみならず、戦略的に必要となった。北朝鮮は近隣国からの攻撃を恐れ、計画の中止は国の壊滅をもたらすとして、核・ミサイル計画を中止できなくなった。

 米国の強さもまた逆説的に弱さを意味する。北朝鮮は短時間のうちに米国の全面攻撃にさらされることを知っている。従って紛争の初めから核攻撃にエスカレートさせる以外に選択肢はない。また北朝鮮は米国が政権を打倒しようとすることを恐れ、核での報復を繰り返し警告している。このように北朝鮮の弱みが米国の選択を制限している。

 北朝鮮に対する懲罰的攻撃、あるいは核・ミサイル計画を妨害する攻撃は、北朝鮮の全面攻撃への恐れを呼び起こし、核紛争に至るであろう。

 北朝鮮の核弾頭搭載ICBMの開発は、全面戦争以外に阻止できないだろう。サイバー攻撃は開発を遅らせるだけである。

 情報分析家は、時間とともにリスクは大きくなると見ている。Arms Control Association のDaryl G. Camball専務理事は、現在の「行動―反応」というパターンが続けば、朝鮮半島非核化の見通しを暗くするのみならず、破滅的な核戦争のリスクが増大するだろうと述べている。John R. Bolton元国連大使は、北朝鮮の核兵器計画を終わらせる唯一の方法は北朝鮮を終わらせることであると言っている。

出典:Max Fisher,‘The North Korea Paradox: Why There Are No Good Options on Nuclear Arms’(New York Times, April 17, 2017)

 この解説記事は、いくつかの重要な点を述べています。

北朝鮮の最大の懸念
 第1は、北朝鮮にとって最大の懸念は体制の崩壊である、ということです。北朝鮮が核・ミサイル計画を推進するのは体制崩壊の脅威に対処するためであり、挑発的に振る舞うのは、政権の正統性が危機に瀕しているとの自覚からであり、常に戦争に近い状態にあるのも体制の崩壊を防ぐためです。もし体制の崩壊が北朝鮮の最大の懸念であるとすれば、米国などによる力の誇示や脅しは効きません。戦術的に、一時的に核実験を中止するといったような対応はするかもしれませんが、核・ミサイル計画はやめないでしょう。

 第2は、北朝鮮が、紛争の当初から核攻撃にエスカレートさせられる態勢を取っていることです。これは、核による報復を警告することにより、米国などの攻撃(懲罰的攻撃と全面攻撃の両方を含む)を阻止しようとするものです。トランプ政権は、北朝鮮に対し力の行使も辞せずとの姿勢を取っていますが、北朝鮮の考えがこのようなものであれば、米国がどのような攻撃をするにせよ全面対決にエスカレートする恐れがあるということです。

 さらに、解説記事は、北朝鮮の核弾頭搭載ICBMの開発は、全面戦争以外に阻止できないであろうと言っています。トランプ政権は米国に届くようなミサイルの開発は許せないと言っていますが、具体的にどのような対策を考えているのか明らかではありません。

 解説記事の主要点は正鵠を射ていると思われます。もしそうであれば、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる危機の解は容易に見出せないということになります。トランプは中国に期待しているようですが、中国は北朝鮮政権の存続を危うくするような制裁の強化はできないでしょう。とすれば、ある時点で、トランプは中国の対応に失望するでしょう。トランプは中国が対応しないならば米国がすると言っているので、その時、危機は深刻な局面を迎えることとなります。


北朝鮮ミサイル配備「新たな脅威」=稲田防衛相
時事通信 5/23(火) 11:39配信

 稲田朋美防衛相は23日の閣議後の記者会見で、金正恩朝鮮労働党委員長が21日に発射されたとみられる中距離弾道ミサイルの大量生産、実戦配備を指示したことに関し、「新たな段階の脅威であり、断じて容認できない。米韓と緊密に連携しつつ、北朝鮮の軍事動向の情報収集に努めていく」と述べた。


<安保理>北朝鮮非難の報道声明 ミサイル発射受け
毎日新聞 5/23(火) 10:39配信

 【ニューヨーク國枝すみれ】北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、国連安全保障理事会(15カ国)は22日、北朝鮮を強く非難し、「制裁を含めた重大な措置を取る」と警告する報道声明を発表した。安保理は23日午前(日本時間同日午後)に緊急会合を開催し対応を協議する。制裁強化に向け、米国と中国の綱引きが活発化しそうだ。

 報道声明は、安保理の警告を無視して北朝鮮がミサイル発射を続けていることに「最大限の懸念」を表明。安保理理事国はすべての制裁措置を「完全に履行すると誓う」と明記し、また加盟国にも「速やかかつ真剣」な履行を強く要請した。さらに、決議の履行状況を調べる安保理制裁委員会に対し、専門家パネルの勧告を含めたあらゆる措置を「直ちに」実施するよう求めた。

 安保理はこれまでも、北朝鮮にミサイル発射や核実験を行わないよう要求し、従わない場合、「制裁を含めた重大な措置をとる」と警告し続けてきた。

 緊急会合は日本、米国、韓国の3カ国が要請した。

 北朝鮮は21日、中距離弾道ミサイルを発射。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は22日、ミサイル発射は「成功した」として、実戦配備を承認し、量産を指示した。

 北朝鮮国連代表部のキム・インリョン次席大使は19日、国連本部で記者会見を開き、米国が敵視政策や制裁をやめない限り、北朝鮮は「核攻撃能力の強化」を進めると宣言している。


弾道ミサイル「火星12型」は「核」搭載用弾頭部分の試験だった
ホウドウキョク 5/23(火) 10:02配信

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(画像:ホウドウキョク)

能勢解説委員
北朝鮮は14日朝、新型弾道ミサイル「火星12型」を発射。ロフテッド軌道で高度2000kmまでに達することを見せつけました。しかも一段式なのに30分も飛翔し、バーニヤ(姿勢制御エンジン)を使う液体ロケットエンジン、最大射程は4,50kmとも5,00kmとも言われていると…森本さんからご覧になって、日本の防衛、安全保障の観点からはこのミサイルのどんな点が注目されるでしょうか?

森本 敏・元防衛大臣
2つあると思います。ひとつはかなり高い高度に飛翔したのでロフテッド軌道とは言いながら我々が迎撃をしにくいように、何かあって日本の領域、領土に入って来ることが予想される場合でも破壊措置命令を出して実際に破壊するというのがブーストフェーズ(上昇している時)に難しくするということを意図したんだと思いますが、それができた。

しかも2,10kmの上空に達するというのは、ミサイルの全体のエネルギーを考えると射程が相当長いものを、ああいう形で打つ。
というので技術が相当進んでいるというのは、やはり驚きました。

もうひとつは、どうもこれは今まで撃った弾道ミサイルとは少し型式(かたしき)が違うということです。

どこが違うかというと、弾頭部分の形が相当違う。これについてはいろいろ見方があると思うのですが、弾頭部分の形が違うのは、おそらくその弾頭に今後、核兵器を搭載するという場合に再突入する時のガードに必要な装置を内蔵して今回発射した。だから弾頭部分が少し大きな形になるですが、そういうことが考えられる。

なかなかまだ核兵器を載せる時に小型化できないので弾頭部分が大きくなってしまうということで、このミサイルを分析した時に一番注目すべきところは弾頭部分にあるということなんです。そこから先はまだ推定の域を脱しない。

能勢解説委員
これがひょっとしたら「核」を前提とした弾頭形状かもということですか…

森本・元防衛相
もちろん中距離以上ですから、これはVXとか普通の強化爆弾では意味がないので核兵器を積まなければ核の抑止の機能を発揮できないということで、将来は核兵器を載せるということを念頭に設計され、それをテストしている。
将来は核搭載を念頭に開発していることは間違いないと思います。

能勢解説委員
この「火星12型」はこのまま実用ミサイルになっていくのでしょうか。それとも弾頭部分の試験翔の試験機ということでしょうか?

森本・元防衛相
弾頭部分をテストするために撃ったということです。
ただ、わかっていないことがあって…実際落ちてくる時の再突入の時の衝撃にどれだけ耐えうるかということをどうやって検証するのかなということ…通常冷戦時代だと当時の米ソは戦略兵器を実験する時に、飛行する諸元というのを信号で送ってくるわけですね。それを受信しながら、どういう諸元で飛翔するかということがずっと最後までわかるようになっていた。海に激突する時には粉々になって跡形なくなるので回収はできないわでですから、従って途中の状態をどういう信号で発信しているかが北朝鮮のミサイルに関してこれがわからないです。

冷戦時代はその信号に暗号をかけていたんですね。だから他の国には受信できないようにしてあったんですが…今回はそういう感じではないんですけれども、例えば弾道ミサイルが諸元を送り続けていて、将来再突入する時の諸元を我々が探知できれば、どういう形で再投入した時の衝撃がミサイルに与えられたか、そこで爆発してしまったのがしなかったのかということがわかるのですが…

能勢解説委員
今回北朝鮮側はどのくらいの高度に達したかということを、ものすごくこまかい数字で出していましたが、そうするとあれはデータの送信、テレメトリーを出す機能を持たせていたということが考えれれるんですか?

森本・元防衛相
ええ、送信の施設をもっていなければ飛行している諸元は全然わからない。目で全部追いかけられるわけではありませんので、ミサイルに送信装置が付いていて、刻々と、飛んでいる諸元を発信していてそれを受信して分析するというシステムになっているわけです。

能勢解説委員
北朝鮮はノドンやスカッド、ムスダンなど日本を攻撃できるミサイルをいろいろ持っていますよね。そうした中で新たにこの「火星12型」を開発しているというのは、今おっしゃった核弾頭の試験というほかに何か意図はあったりするのでしょうか?

森本・元防衛相
これはミサイル全体のエネルギーを測定した時に最大射程がどこまで行くかということを計算できる。特にアメリカにはそれが測定できることを意図して撃ったんだと思いますね。射程がどんどん確実にのびていてアメリカの領土に近づきつつあることをアメリカに見せることが目的なので日本を念頭にしたものではないと思いますね。

能勢解説委員
そうするとロフテッド軌道で日本をということではなくて、アメリカ本土が目標だと…

森本・元防衛相
そうです。どこまでアメリカに近づいているかということを見せることによって「北朝鮮に手を出したら確実にアメリカに報復できるぞ」という能力を示すことによって抑止をする、体制を維持するということなのではないかと思いますね。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)

森本 敏・元防衛相が徹底解説5月19日生配信した「週刊安全保障」より


北朝鮮、新型ミサイル「火星12」型を発射――その正体と実力を読み解く
HARBOR BUSINESS Online 5/23(火) 9:10配信

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エンジン部分にはぼかしが入っているが、中央に大きなメイン・エンジンがあり、その周囲に4基のヴァーニア・エンジンがあることが見て取れる Image Credit: KCTV

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は5月14日5時28分ごろ(日本時間)、同国の西部にある亀城(クソン)から、一発の弾道ミサイルを発射した。

 米軍や韓国軍、そして自衛隊は、このミサイルが約30分にわたって飛翔し、高度2000kmを超える高さにまで達したのち、発射地点から約800km離れた日本海の公海上に落下したと発表した。

 翌15日、北朝鮮は国営メディアを通じ、新型の中・長距離ミサイル「火星12」(ファソン12)型の発射試験に成功と発表。到達高度は2111.5km、飛距離は787kmに達し、この試験によって、新開発の誘導、制御システムやロケット・エンジンの性能や信頼性の実証に成功。また、弾頭部分の大気圏への再突入能力や、核弾頭の起爆システムも実証したとしている。

 この火星12は、4月15日に平壌で開催された軍事パレードで初めて存在が明らかになったもので、またおそらく今回が初めての発射でもあったと考えられる。この新型ミサイルの正体と実力、将来への発展の可能性について分析したい。

◆ムスダンとは異なる新型ミサイルか

「火星12」は一見すると、北朝鮮がこれまでなんども試射をおこなっている「ムスダン」とよく似ている。唯一、大きくはっきりと異なるのは、全長が伸びている点で、そのため、ムスダンの全長を伸ばして推進剤(燃料と酸化剤)の搭載量を増やし、射程を伸ばしたミサイルであると見る向きもある。

 ただ、そうすると辻褄が合わない点がある。ムスダンは、かつてソ連で開発された潜水艦発射型のミサイル「R-27」をもとに、全長を伸ばすなどして開発されたミサイルと考えられている。つまりR-27より重くなっており、一方でエンジンはそのままだと考えると、そもそもムスダンは、R-27由来のエンジンで打ち上げられる、ほぼ限界の重さになっている可能性がある。そこへさらに全長を伸ばして推進剤をたくさん積むとなれば、同じエンジンのままでは飛び上がることすら難しくなる。

 具体的に数字を出すと、まずR-27は、エンジンの推力は約26~30トンに対し、ミサイル全体の質量は14.2トンであり、つまり自重に対して約2倍の推力がある。ムスダンはR-27よりやや大きく、全体の質量は20トン近くになっていると考えられるが、もしエンジンの推力がそのままであっても、まだ打ち上がらない重さではない。しかし火星12ほどの大きさになると、その質量はおそらく20トンを超えているはずである。

 つまり火星12を飛ばすためには、R-27やムスダンのエンジンは使えず、かといって改良で推力を増すのにも限界がある。したがって、より推力の大きな、まったく異なるエンジンが必要になると考えられる。

 実際に、北朝鮮が公開した、火星12を後ろから撮影した(ぼかし入りの)写真を見ると、ムスダンとは異なるエンジンを積んでいることがわかる。

 ムスダンのエンジンは、メインとなる1基のロケット・エンジンを中心に、その外側に「ヴァーニア」と呼ばれる、姿勢や飛行方向を制御するための小さなエンジンが2基、装備されている。一方で火星12は、メインのエンジンが1基に、ヴァーニアは4基も装備している。ムスダンにあったような安定翼が、火星12ではなくなっているのは、数を増やしたことで、ヴァーニアのみで姿勢や飛行方向の制御ができるようになったためだろう。

◆今年3月に燃焼試験した新型エンジンを搭載か

 以前、本サイトでもお伝えしたように、北朝鮮は昨年4月と9月、そして今年3月と、それぞれ異なる新型ロケット・エンジンの燃焼試験を行っている。(参照:HBO『脅威増す北朝鮮のロケット技術――「新型ロケット・エンジン」の実力を読み解く』)

 この新型エンジンのうち、今年3月に試験されたものは、メインのエンジン1基にヴァーニアが4基であり、火星12が装備しているものと形が合致する。

 このエンジンは、その形状から、かつてソ連で開発された「RD-250」というエンジンをもとにしたものと考えられ、メイン・エンジン部分のみは昨年9月にも試験されている。その推力は40トン、ヴァーニアと合わせれば50トンほどと推測されるため、20トンを超えると考えられる火星12を飛ばすのには十分であろう。

 また、発射時の写真を見ると、メイン・エンジンやヴァーニア・エンジンが出す噴射ガスとは別に、形の異なるガスが、横にはみ出すようにして出ているのがわかる。

 R-27やムスダンが装備しているエンジンは、その仕組み上、エンジンからの噴射以外に排出するガスがないため、このようなガスが見えることはない(ヴァーニアを動かすためのガスは出るが、これほど量は多くない)。

 一方、昨年9月と今年3月に試験されたエンジンが採用している仕組みは、ムスダンのエンジンとは異なり、タンクからエンジンに推進剤を送り込むためのポンプを動かす際に使ったガスを外に排出することから、この写真のように、噴射ガス以外に別のガスが出ているように見える。

 この点からも、火星12はムスダンとは異なるエンジンを積んでいる可能性が高いと考えられる。

◆ムスダンとの兼ね合いは? さまざまな疑問点

 もっとも、この説に欠点がないわけではない。

 前述の記事のように、この新型エンジンが試験されたのは昨年9月が初めてであり、ヴァーニアも装着した状態で試験されたのは今年3月が初めてである。そこからわずか2か月で、実機のミサイルに組み込み、そして実際に発射するだろうか、という点である。

 失敗すれば貴重なエンジンや設備を失う上に、国際社会から恥をかくことになるのにもかかわらず、十分に試験されていないミサイルの発射を強行するというのはやや考えにくい。これを説明するには、北朝鮮のミサイル開発の異常さを踏まえるとありえなくはない、と考えるか、あるいは公表していないだけで、もっと以前から燃焼試験がおこなわれていたといった可能性を考えるしかない。

 また、昨年4月に試験された、ムスダンのエンジンを2基束ねたようなエンジンの存在や、そのエンジンを使ったICBM級とされる「KN-08」や「KN-14」といったミサイルとの兼ね合いも疑問である。同時に並行して開発するのは、とくにリソースの少ない北朝鮮にとっては無駄が多く、本来ならどちらかひとつに注力するのが合理的である。

 もっとも、ムスダンはこれまでなんども発射試験が行われているものの失敗が続いており、なんらかの致命的な問題を抱えている可能性が高い。そのため、ムスダンの実用化を諦め、その代わりに異なる仕組みのエンジンをもち、性能も比較的近い火星12にシフトしようとしている可能性もあろう。

 ただ、ムスダンが開発されたのはまだここ最近のことであり、つい先日も発射試験がおこなわれたところから、いずれにしても並行して開発していた、あるいは今なおしていることは間違いない。

◆大陸間弾道ミサイルへの発展はあるか

 すでに各所で報じられているとおり、今回の火星12は、極端に高い角度(ロフテッド・トラジェクトリィ)で発射されたため、到達高度約2000km、飛距離約800kmという、ミサイルとしてはきわめて特殊な飛び方となった。もし通常の撃ち方で発射していれば、飛距離は4000から5000kmにも達すると推測されている。

 今回の飛ばし方からもう少し角度を寝かせれば、在日米軍基地を含む日本全域を狙うことができるが、すでに北朝鮮はノドンやその派生型などで日本を射程に収めており、わざわざ虎の子の火星12を使う理由はない。

 しがたって、素直に考えれば、火星12は主にグアムを狙ったミサイルであり、今回の発射は、その威力を見せつける意味合いがあったと思われる。

 しかし北朝鮮にとっては、米国と対峙できるだけの核戦力をもつこと、そしてもっていることを見せつけることが最大の目的であり、日本はもとより、グアムを射程に収めることは通過点に過ぎず、あくまで主眼は、米国の本土に核弾頭を撃ち込める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に置かれていることは間違いない。

 では火星12はICBMになるのかといえば、そのままでは難しいだろう。火星12は1段式のミサイルと考えられるが、その上に第2段、第3段を積めば、飛距離を伸ばすことはできる。しかし、その分搭載できる弾頭(ペイロード)の質量が減るため、核弾頭が積めなくなるか、あるいはさらなる小型化をしなければならない。

 可能性があるとすれば、エンジンの強化である。以前、『脅威増す北朝鮮のロケット技術――「新型ロケット・エンジン」の実力を読み解く』で触れたように、昨年9月と今年3月に試験され、そして火星12に装備されていた可能性のあるエンジンは、ソ連のRD-250というエンジンを”半分”にしたものと考えられる。したがって、もとのRD-250と同じ形に戻せば、推力は2倍の80トンにまで増える。これを第1段に使ったミサイルを開発すれば、第2段、第3段とあわせて、重い弾頭をより遠くへ飛ばすことが可能になる。

 つまり火星12は、性能上はグアムを狙うことができ、今回の発射もそれを見せつける意味があったものの、それと同時に、新型のエンジンや弾頭の再突入の試験機でもあり、ICBMの開発に向けた布石であるとも考えられなくはない。

 はたして北朝鮮は、そのような展開を考えているのだろうか。そもそもムスダンや、ムスダンをもとにしたICBMと考えられるKN-08や14、さらに固体推進剤を使った「北極星」ミサイルなど、他の弾道ミサイルとの開発や運用の兼ね合いがどうなっているのかなど、まだわからない点は多い。

 もちろん、その答えが北朝鮮自らの手によって明らかにされる前に、こうしたミサイル開発を含む、北朝鮮をとりまくさまざまな問題に、終止符が打たれることが望ましい。

<文/鳥嶋真也>

とりしま・しんや●宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。


北ミサイル発射でも 揺るがぬ“親北” 韓国・文政権、民間交流を検討
産経新聞 5/23(火) 7:55配信

 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮による2週連続の弾道ミサイル発射を韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「無責任な行動で、強く糾弾する」(外務省報道官の声明)と非難したが、一方で、北朝鮮との民間交流や人道支援を再開させる姿勢を見せている。

 韓国統一省の報道官は22日、「ミサイル発射実験などの挑発には強力に対応していく」と強調したものの、断絶状態にある南北関係について「朝鮮半島の安定などを考えた場合、望ましくない」と述べた。

 さらに、「民間交流など南北の問題は国際社会の対北制裁の枠組みの中で柔軟に検討していく」と語った。

 報道官の発言は、条件付きながらも、民間団体による人道支援のための対北接触を認める方針を示したものだ。文在寅政権の発足により、韓国では北朝鮮がミサイル発射で挑発を続けているにもかかわらず、南北関係の改善への期待が一部で高まっている。すでに民間の約10団体が対北接触を申請しているという。

 ただ、北朝鮮のミサイル発射は「制裁を含むさらなる重大な措置をとる」と警告した国連安全保障理事会の報道声明(15日)を完全に無視している。

 この期に及んで「対話の可能性は開かれているが、挑発には断固対応する」(韓国外務省)と対話も示唆する韓国の姿勢は、対北制裁強化に向けた国際社会の足並みを乱しかねない。

 韓国の世論調査機関リアルメーターが文在寅大統領の就任後初めて行った調査(15~19日)で、文氏の国政運営への肯定的評価は81・6%で、異例の高さだ。

 ただ、対北政策で対話にこだわる文在寅政権の姿勢は、対外的には、むしろ“親北”の印象を国際社会に植え付け、疑心を生じさせる可能性さえある。


北ミサイル 米国務長官「失望した」 圧力強化を強調
産経新聞 5/23(火) 7:55配信

 【ワシントン=加納宏幸】ティラーソン米国務長官は21日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受け、引き続き制裁など経済的、外交的な圧力を強めることで対応する考えを強調した。トランプ大統領とともに訪問中のサウジアラビアでFOXニュースのインタビューに答えた。

 ティラーソン氏は、北朝鮮の今月14日に続くミサイルの発射により「失望した。憂慮すべきだ」と述べた。また、「(発射)実験をやめるまでは、北朝鮮が考えを変えていないことになる」と警告した。

 番組の司会者は、相次ぐミサイル発射は核・ミサイル開発をやめさせるため圧力を強化する戦略が奏功していないからではないかと指摘。これに対し、ティラーソン氏は「北朝鮮への圧力は初期段階にあり、北朝鮮は圧力を感じ始めたことへの反応で(挑発)行動をしているとも解釈できる」との見解を示した。


北ミサイル 米本土と在日基地を射程 飛距離・奇襲性、戦略使い分け
産経新聞 5/23(火) 7:55配信

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が22日、実戦配備に向けた発射実験に成功したと報じた中距離弾道ミサイル「北極星2」は、固体燃料を使い奇襲性に秀でているとされる。14日には、液体燃料を用い、米アラスカも射程に収めるという「火星12」を発射。今後、異なる2つの特性のミサイルを軸に米本土を狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発を加速させるとみられる。

 「われわれの攻撃手段は、米本土とともに在日米軍基地に照準を合わせ、発射の瞬間を待っている」

 朝鮮中央通信は20日、論評で日米をこう威嚇した。在日米軍基地を狙う攻撃手段の一つが、射程2千キロ以上とされる北極星2だ。

 発射準備に時間のかからない固体燃料を導入。道路以外も走行できる無限軌道型の移動式発射台に搭載して、どこからでも発射でき、発射の兆候をとらえにくい。北朝鮮が「コールドローンチ」に言及したことも注目される。ミサイルを空中に射出した後、エンジンに点火する方式で、発射を探知しにくいとされる。

 こうした奇襲性こそが日米韓にとって大きな脅威で、発射の兆候をつかんで拠点を先制攻撃する米韓の防衛戦略「キルチェーン」を骨抜きにしかねない。

 これに対し、燃料注入に時間のかかる液体燃料を使っているのが火星12だ。ただ、射程は4千~6千キロに達すると分析され、朝鮮中央通信が22日、「米太平洋軍司令部が巣くうハワイとアラスカを射程に入れている」と主張した。

 この火星12に搭載したとみられるのが、北朝鮮が3月に燃焼実験に成功したとする大出力エンジンだ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、実験の意義を「全世界が間もなく目にすることになるだろう」と誇示した。

 この新型エンジンを束ねたり、多段式にしたりすることで、米本土を攻撃できる射程1万キロを超えるICBMへの転用が可能だとみられている。日韓の研究者は「北朝鮮は、技術者らに異なる特性のミサイル開発を競い合わせることで、ハイペースでミサイル開発を深化させている」との見方を示している。


G7 安倍首相、北制裁で実効措置訴え
産経新聞 5/23(火) 7:55配信

 安倍晋三首相はG7サミットの場で、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への制裁で実効性ある措置を取ることを首脳宣言に盛り込むよう働きかける。また、シリア問題などでロシアと協力する重要性も訴える方針だ。日本政府は、サミット出席が6回目となる安倍首相の外交経験と、トランプ大統領との個人的関係を強みと位置づける。貿易・難民政策などをめぐる米欧対立が懸念される中で、G7の結束確認に向けた要石の役割を果たす考えだ。

 安倍首相は22日の自民党役員会で、北朝鮮が21日に弾道ミサイルを発射したことに関連し、「G7サミットでもしっかり議論し、明確なメッセージを発信したい。ドイツのメルケル首相に次ぐ古参の首脳として、しっかりと役割を果たす」と意気込みを示した。

 今回のサミットでは、4カ国の首脳が初めて出席する。外務省関係者は「欧州諸国はアジアの情勢に理解が深いわけではない」とし、北朝鮮や、強引な海洋進出を進める中国への懸念の共有に向けて安倍首相の役割を期待する。

 ロシアに関しては、北方領土交渉を進めるプーチン大統領との信頼関係を重視する一方、ウクライナ南部クリミア半島併合に反対するG7の足並みを乱せない事情を抱える。日本としては、シリア問題やイラン核開発などをめぐり協力が不可欠との認識で臨む。

 G7の結束維持も主眼に置く。欧米で広がる保護主義の傾向に懸念が強まるが、3月にドイツで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では米国の反対で「保護主義に対抗する」との文言が共同声明から削除された。

 サミット交渉筋は「文言にこだわる必要はない。自由貿易が重要であることが確認できればいい」と語る。(杉本康士)


防府などで来月4日にミサイル想定し訓練
産経新聞 5/23(火) 7:55配信

 山口県防府市の松浦正人市長は22日の記者会見で、6月4日に北朝鮮による弾道ミサイルの発射を想定した住民への情報伝達訓練を実施すると発表した。「北朝鮮が21日にもミサイルを発射したばかり。日本は戦後最大の危機にある」と述べた。同県光市や阿武町でも同日、同様の訓練を行う。

 防府市や光市では、政府からの全国瞬時警報システム(Jアラート)や防災行政無線(屋外スピーカー)を通じ国民保護サイレンを鳴らし、避難を周知する。

 阿武町では住民約250人が訓練に参加する。ミサイル発射の知らせを受けると、実際に役場や学校などの頑丈な建物に避難する。

 防府市では毎年、各地区で洪水などの自然災害に備えた訓練を行う。だが、今年は北をめぐる緊張の高まりを受け、訓練内容を切り替えた。

 松浦氏は会見で「実際にどんなサイレンの音が流れるのか、知ってもらうだけでも啓発効果は大きい」と述べた。


実戦配備、新たな脅威=日本全土が射程内―量産着手見方も・北朝鮮ミサイル
時事通信 5/23(火) 7:02配信

 【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、21日に発射されたとみられる中距離弾道ミサイル「北極星2型」の大量生産と実戦配備を指示した。

 北極星2型は既に配備済みの弾道ミサイルに比べ、機動性が高く、日本全土を射程内に収める。北朝鮮が既に量産に着手したとの見方もあり、日本の防衛当局も警戒を強めている。

 ◇奇襲能力向上
 「百点満点だ。完璧だ。北極星2型弾道弾は完全に成功した戦略兵器だ」。朝鮮中央通信によると、ミサイル発射を視察した金委員長は手放しで褒めたたえた。

 同型のミサイルは2月にも発射されたが、今回は量産を指示。ミサイルの運用や開発を担当し、有事には在日米軍基地を攻撃対象とする朝鮮人民軍戦略軍への配備も命じた。

 韓国国防省によると、北朝鮮が配備しているミサイルは短距離「スカッド」(射程300~1000キロ)や中距離「ノドン」(1300キロ)、「ムスダン」(4000キロ)。今月14日には「火星12」(5000キロ)が成功し、昨年以降失敗が続き、技術的な問題が指摘されるムスダンより性能を向上させたミサイルとして登場。いずれも液体燃料を使っている。

 一方、北極星2型は固体燃料を使用。液体燃料は発射直前に注入作業などが必要だが、固体燃料は搭載した状態で長期間の保存が可能だ。短時間で発射でき、兆候の察知が困難になり、奇襲能力は格段に向上する。

 ◇「状況は深刻」
 北極星2型とみられるミサイルは4月の軍事パレードで6基公開された。このため、軍事専門家は「10基以上量産することは難しくない」と指摘し、既に大量生産が始まっているとの見方を示す。

 韓国軍によれば、北極星2型の飛距離はスカッドやノドンより長い2000キロ前後。弾頭重量次第で長くも短くもなる。ヤン・ウク国家安保フォーラム研究委員は日本全土が攻撃可能になると指摘し、「射程内の空母などを攻撃する能力もある」と分析。今回の発射が米空母をけん制する狙いもあるとみられる。

 自衛隊幹部は「対応を先送りするほど数は増え、精度も上がる」と予測。核の小型化も近づきつつあるとされ、「日本に届くミサイルに核弾頭が搭載された場合、状況はかなり深刻だ」と懸念を示している。


独自制裁を着実履行=対北朝鮮で包囲網強化も―政府
時事通信 5/23(火) 7:02配信

 政府は核・ミサイル開発による挑発を繰り返す北朝鮮に対し、既に実施している独自制裁の実効性を高めていく方針だ。

 これとは別に、北朝鮮の資金源を遮断するため、金融面での効果的な措置に向け、米国と連携していく考えだ。

 菅義偉官房長官は22日の記者会見で独自制裁について、「さらに深掘りして厳しく行っていくことは大事だ」と述べ、既存の制裁措置の強化も含め、徹底した履行が重要との認識を示した。

 政府は2006年7月、弾道ミサイル発射を受けて貨客船「万景峰号」の入港禁止などの独自制裁を発動。同年10月の核実験後には、輸入と北朝鮮籍船舶の入港を全面禁止した。その後も、挑発のたびに輸出の全面禁止や北朝鮮への送金の原則禁止など、順次制裁を強化してきており、残されたメニューは限られているのが実情だ。

 中国やロシアといった周辺国と協力し、「北朝鮮包囲網」の強化も課題となる。中国は北朝鮮経済への影響が大きい重油の大部分を輸出しており、人道目的以外の禁輸が実現すれば効果は大きいとされる。ただ、ロシアが万景峰号との定期航路を開設したことは懸念材料。「外貨獲得の抜け穴になる」との指摘があるが、北方領土問題を抱える日本としては、ロシア側に強く出られない事情もある。

 一方、政府内には、北朝鮮へのカネの流れを止めるため、「経済的な圧力を強める必要がある」(外務省幹部)との意見が強い。菅長官も22日の会見で「やはり金融。日米で連携しながらしっかり対応していくことも大事だ」と指摘した。

 米国は05年、北朝鮮が資金洗浄に利用しているとしてマカオの金融機関「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」と米金融機関との取引を禁止し、当時の金正日体制に打撃を与えたとされる。外務省幹部は「BDAのような役割を担っている金融機関への制裁も選択肢だ」として、米国との連携が重要との考えを示した。


国連安保理、北朝鮮のミサイル発射を非難 23日に緊急会合
ロイター 5/23(火) 6:39配信

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 5月22日、国連安全保障理事会(安保理)は、北朝鮮による21日の弾道ミサイル発射(写真)を非難するとともに、安保理を無視する同国の「非道かつ挑発的な行為」に懸念を表明した。提供写真(2017年 ロイター/KCNA/via REUTERS)

[ニューヨーク 22日 ロイター] - 国連安全保障理事会(安保理)は22日、北朝鮮による21日の弾道ミサイル発射を非難するとともに、安保理を無視する同国の「非道かつ挑発的な行為」に懸念を表明した。

安保理は日米韓の要請を受け、23日に非公開の緊急会合を開き、今回のミサイル発射について協議する。

安保理は2006年に北朝鮮に対する最初の制裁決議を採択した。


2年前に失効した「米国は矛、日本は楯」の役割分担
JBpress 5/23(火) 6:15配信

 北朝鮮は5月21日、またもや弾道ミサイルを発射した。細部はいまだ不明であるが、先週の14日に新型の中距離弾道ミサイルを発射したばかりだ。

 14日のミサイルは、北西部の亀城付近から発射し、高度2111.5キロに達し、787キロ飛行した後、日本海に落下したという。朝鮮中央通信はこのミサイルが新型ミサイル「火星12型」であり、公海上の目標水域を「正確に打撃」し、発射実験は「成功裏」に行われたと報じた。

 この日は中国の習近平国家主席が自ら提唱した「一帯一路」(現代版シルクロード経済圏構想)に関する初の国際会議の開幕日だった。中国が今年最大の外交イベントとして準備してきた会議であり、習近平主席の “晴れ舞台”にケチをつける格好となった。

 核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に対し、これまで国際社会は制裁を課してきた。だが中国は、のらりくらりとかわして裏口を用意し、制裁の実効性は上がらなかった。

■ 潮目を変えた4月の米中首脳会議

 この状況は4月の米中首脳会談において大きく変わった。何らかの取引がなされたようで、習近平主席は実質的な制裁を強く求められた。

 中国による本格的な制裁が始まり、北朝鮮は強く反発していた。朝鮮中央通信はこれまでは名指しで中国を批判することは避けてきた。だが5月3日からは、次のように名指しで非難するようになった。

 「中国は無謀な妄動が招く重大な結果について熟考すべきだ」「中国はこれ以上、無謀にわれわれの忍耐心を試そうとするのをやめ、現実を冷静に見て正しい戦略的選択をしなければならない」

 今回の発射には金正恩朝鮮労働党委員長自らが立ち会ったという。習金平主席の“晴れ舞台”にミサイル発射を強行した意味は大きい。

 どんな制裁があっても、どんなに人民が餓えに苦しもうが、米国が北朝鮮を核保有国と認めて交渉に応じるまで、核・ミサイル開発を続けるという金正恩の強いメッセージに違いない。

 韓国に亡命した元駐英北朝鮮公使太永浩は昨年12月に次のように述べている。「1兆ドル、10兆ドルを与えると言っても北朝鮮は核兵器を放棄しない」

 今回のミサイル発射は、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で打ち上げられた。

 北朝鮮は、核弾頭搭載が可能で、新たに開発したエンジンの信頼性も再確認し、大気圏再突入の環境下で弾頭部の保護や起爆の正常性が実証されたと報じた。19日、米国メディアも米国防当局者の話として、弾頭の大気圏再突入に成功したと報じている。

 準備されていた6回目の核実験は、今のところ中国の圧力が奏功したのか、いまだ実施されていない。だが、これを強行して核弾頭の小型化が実現すれば、我々の頭上に核の脅威が現実に覆いかぶさることになる。

 相手は専制独裁国家である。ある歴史家が述べた言葉が重くのしかかる。「独裁国家が強力な破壊力を持つ軍事技術を有した場合、それを使わなかった歴史的事実を見つけることができない」

 ドナルド・トランプ米国大統領は米国本土に届く核弾頭ICBM(大陸間弾道ミサイル)の完成をレッドラインとしているようだ。

 だが現実には、北朝鮮への先制攻撃は軍事的ハードルが極めて高い。彼自身、「大規模紛争になる」と及び腰だ。ジェームズ・マティス米国防長官も、19日の会見で北朝鮮への軍事行動について「信じられない規模での悲劇が起きる」と指摘した。

■ 日本にとって悪魔のシナリオが現実味

 このまま膠着状態が続けば、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領は、北朝鮮を核保有国と認める代わりに、米国に届く長距離弾道ミサイルは持たせないということでディールする可能性がある。

 日本にとって悪夢のシナリオである。だが、その現実を突きつけられてから右往左往するようでは独立国家とは言えない。我々は最悪を想定し、日本独自の核・ミサイル抑止戦略を構築しておかねばならない。

 抑止政策には3種類ある。「懲罰的抑止」「拒否的抑止」、そして「報償的抑止」である。懲罰的抑止とは「もし一発でも撃ったら、百発打ち返して壊滅させるぞ」というものである。

 日本はこの抑止政策は憲法上、また能力上も採れない。米国との同盟つまり「核の傘」に期待するしかない。

 拒否的抑止とは「もしミサイルを撃とうとしても、目的は達成できないよ。そちらの意思は拒否する」というものである。具体的にはミサイル防衛、策源地攻撃、シェルターによる被害局限措置などがある。日本は主権国家として主体的に拒否的抑止能力は整備しなければならない。

 報償的抑止とは「もしミサイルを撃たなければ、もっと良いことがあるよ」というものである。「飴と鞭」の「飴」に焦点を当てた外交交渉であり、国際的な枠組みで実行しなければ効果は期待できない。

 北朝鮮とは1994年以降、KEDO(Korean Peninsula Energy Development Organization, KEDO)という米朝枠組み合意に基づいて、核開発をやめる代わりに軽水炉、重油燃料を提供するとしてきた。

 だが、結果的には裏切られ、報償的抑止は失敗に終わった。トランプ政権では「もはや戦略的忍耐は破綻した」との認識に至っている。

 これらの抑止政策はそれぞれ単独で実施しても効果が上がらない。また、どれが欠けても機能せず、三位一体となって実行していかねばならない。

 北朝鮮の核に対して日本がやるべきことは懲罰的抑止である「核の傘」の信頼性を上げるとともに、拒否的抑止を実効性あるものに整備することである。報償的抑止については6か国協議をまず再開させることだ。

 拒否的抑止のために、我が国はイージス艦から発射する「SM3」と陸上配備の「PAC3」の2層でもってミサイル防衛体制を構築している。

 今回の「ロフテッド発射」を見ても分かるように、北朝鮮のミサイル技術は日増しに進歩しており、現体制では不十分である。報道によると、政府はSM3とPAC3の能力向上に加えて、イージス・アショアシステムを新規に導入することでさらに重層化を図ろうとしているようだ。

■ 「敵基地反撃能力」の保有

 だが、いくら能力向上を図り、重層化しても飛んでくるミサイルを100%撃ち落とすことはできない。そのため、発射前のミサイルを地上で叩くという「策源地攻撃能力」も併せて整備する必要がある。

 3月29日、自民党の安全保障調査会は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を踏まえ、敵基地を攻撃する「敵基地反撃能力」の保有を政府に求める提言をまとめ、翌30日、安倍晋三首相に提出した。

 従来使っていた「策源地攻撃」という言葉は分かりにくいということで「敵基地」とし、また先制攻撃ではないと明確にするため、「反撃」の語句を入れたという。

 調査会の座長を務めた小野寺五典元防衛大臣はこれについて次のように説明している。

 「何発もミサイルを発射されると、弾道ミサイル防衛(BMD)では限りがある。2発目、3発目を撃たせないための無力化のためであり自衛の範囲である」

 「敵基地反撃能力」の保有については、1956年に鳩山一郎内閣が次のように政府見解を示しており、憲法上の問題はない。

 「誘導弾等の攻撃を受けて、これを防御するのに他に手段がないとき、独立国として自衛権を持つ以上、座して死を待つべしというのが憲法の趣旨ではない」

 反対する人の中には、日米同盟の「矛と楯」の役割分担を持ち出す人がいる。米国が矛の役割分担だから、攻撃は米国に任すべきとの主張である。与党内の有力議員でも同様に主張する人がいる。

 だが、これは実は大きな間違いである。2年前に改定された「日米防衛協力のための指針」、いわゆる新ガイドラインでは、既に日米の役割分担は変わっているのだ。

 2015.4.27に改定された新ガイドラインを見てみよう。

 「日本に対する武力攻撃への対処行動」の「作戦構想」で「弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦」については、「自衛隊及び米軍は、日本に対する弾道ミサイル攻撃に対処するため、共同作戦を実施する」とある。

 役割分担については「自衛隊は、日本を防衛するため、弾道ミサイル防衛作戦を主体的に実施する。米軍は自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」と記されている。

 1997.9.23に策定された旧ガイドラインではどうなっているか。「作戦構想」で「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対処するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する」となっていた。

■ 新ガイドラインで消滅した一文

 旧ガイドラインにあった「策源地攻撃」に関する記述、つまり「(米軍は)必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する」という一文は、もはや新ガイドラインでは消滅している。

 また旧ガイドラインでは「米軍は、日本に対し必要な情報を提供する」とあったのが新ガイドラインでは、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル発射を早期に探知するため、リアルタイムの情報交換を行う」と対等になっている。

 つまり「弾道ミサイル防衛」に関しては、従来の「矛と楯」の役割分担は既に改定され、自衛隊が主体的に実施し、米軍はそれを「支援し、補完」するという役割分担に代わっているのだ。

 本来なら2年前のガイドライン改定後、直ちに「敵基地反撃能力」を議論をすべきところ、北朝鮮の核・ミサイル脅威が顕在化してやっと自民党が重い腰を上げたということだ。

 ちなみに新ガイドラインはバラク・オバマ政権下で策定されたものである。オバマ大統領は2013年9月、「もはや米国は世界の警察官ではない」と宣言した。

 既に日米同盟も変質している。米国の同盟国に対する姿勢は1969年7月のニクソン・ドクトリンに立ち戻ったと見なければならない。ニクソン・ドクトリンでは、「(米国はコミットメントを維持するが)国家の防衛は当事国が第一義的責任を負う」と主張しているのだ。

 日米で「矛と楯」の関係が完全に消滅したかというとそうではない。新ガイドラインに1か所だけ出てくるところがある。作戦構想の「領域横断的な作戦」には、「米軍は、自衛隊を支援し及び補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」とある。

 「領域横断的な作戦」とは言わば全面戦争である。つまり全面戦争になれば、核を含む打撃力による報復は米軍が実施する(正式には「実施できる」"may conduct"だが)としており、「懲罰的抑止」については、従来の「矛と楯」の関係が辛くも維持されている。

 「敵基地反撃能力」に関する国内議論も盛り上がらないが、同床異夢で概念が整理されていないことにも原因がある。

 我が国に飛来するミサイルを無力化するのが拒否的抑止としてのミサイル防衛であるが、飛来するミサイルをどこの時点で無力化するかによって、一般的には次のように分類されている。

 ブースターが燃焼している間に迎撃する「ブースト・フェーズ」、ブースターが燃え尽きた後、大気圏を飛行する間に迎撃する「ミッドコース・フェーズ」、そして大気圏内に突入してから迎撃する「ターミナル・フェーズ」の3段階である。

 今回の「敵基地反撃」というのは「ブースト・フェーズ」直前の段階で、ミサイルを無力化するものである。いわば「ゼロ・フェーズ」(筆者の造語)段階でのミサイルを地上で「迎撃」することを意味するものであり、ミサイル防衛の一環として位置づけられる。

■ 「ゼロ・フェーズ」の迎撃態勢整備を

 我が国に向かってくるミサイルを空中において無力化するか、発射直前の地上で無力化するかの違いに過ぎず、いずれもミサイル防衛なのである。

 日本のミサイル防衛体制は、最終フェーズである「ターミナル・フェーズ」で迎撃する兵器としてPAC3を導入し、「ミッドコース・フェーズ」で迎撃するためにイージス艦にSM3を装備してきた。

 今後はこれに加え、「ゼロ・フェーズ」で迎撃する兵器、巡航ミサイルなどの精密誘導兵器を導入し、ミサイル防衛体制をさらに実効性ある体制に充実させていかねばならない。

 ちなみに「ブースト・フェーズ」で迎撃する兵器として、レーザー兵器などの研究がなされているがいまだ完成されたものはない。

 「敵基地反撃能力」については、民進党や共産党は「専守防衛の建前を崩す」などとして反対している。「反対のための反対」ではないと思いたいが、だとすれば、「懲罰的抑止」と「拒否的抑止」を混同しているのだろう。

 またすでに虚構となった「矛と楯」という日米役割分担に対し、手前勝手な思い込みにしがみついているだけかもしれない。

 いずれにしろ、もし反対であれば、我が国の頭上を覆いつつある北朝鮮の核・ミサイルに対しどう対応するか対案を示すべきだろう。でなければ政治家として、あまりにも無責任すぎる。

 ただ実際の運用になると、「敵基地反撃」は非常に難しい作戦であることは確かだ。

 リアルタイムのミサイルの位置情報入手が鍵となるが、ミサイル発射台が移動式になり、固定燃料化すると発射までの時間が大幅に短縮される。従って発射前のミサイルを発見しても、これを攻撃する時間的余裕は極めて制限される。

 加えて、もし仮に巡航ミサイルで攻撃するにせよ、韓国上空を飛行させるわけにはいかないだろう。目標発見、攻撃要領、攻撃経路の選定など運用面での課題は多い。

 だからといって「敵基地反撃能力」は持つ必要はない、持っても抑止力としては役に立たないとは言えない。

 冷戦時、極東ソ連軍が侵攻してきたら自衛隊はひとたまりもないと言われてきた。だから自衛隊はいらないとは言えなかったのと同じである。

■ 手前勝手な思い込みは国を亡ぼす

 少しでも拒否力があれば抑止力として機能することはあり得る。拒否力と懲罰力が相まって、大きな抑止力になり得るのだ。

 また物理的「能力」を保有するにも、最低5年単位の長い年月がかかるし、一朝一夕にはいかない。まず物理的「能力」を整備しながら、並行して運用上の課題を解決していくという姿勢が求められる。

 先述したように北朝鮮の核・ミサイルに対する抑止は、懲罰的抑止、拒否的抑止、そして報償的抑止がバランスよく三位一体となってようやく機能する。その中でも拒否的抑止は独立国として主体的に実施しなければならない。

 拒否的抑止であるミサイル防衛に関し、日米の役割分担が既に変わっているにもかかわらず、手前勝手な思い込みにしがみついていても米国は相手にしないだろう。日本が主体的に努力しなければ、米国による懲罰的抑止にまで悪影響を及ぼしかねない。

 その他の拒否的抑止施策として、地下鉄などをシェルターとして利用する被害局限措置についても、真剣に現実化していかねばならない。

 また懲罰的抑止についても、完全に米国任せでいいのか、タブーなき議論も今後必要である。金正恩を思いとどまらせるために、日本は何をなすべきか、日本人自らが当事者意識をもって主体的に考えなければならないのだ。

 安倍総理大臣は参議院本会議で、「敵基地反撃能力」について「法理的には自衛の範囲に含まれ可能だ」とし、「常にさまざまな検討を行い、あるべき防衛力の姿について不断の検討を行うことは当然のことだ」と述べた。

 核・ミサイルの脅威が現実味を帯びてきた今こそ、原点に立ち返り「様々な検討を行い、あるべき防衛力の姿」を真剣に模索すべき時なのである。もはや甘えは許されないし、一刻の猶予も許されない。

 できることから現実化していかねばならない。厳しい国際情勢は待ってはくれないのだ。


北朝鮮ミサイルを非難=追加制裁も再警告―国連安保理
時事通信 5/23(火) 5:56配信

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は22日、北朝鮮による21日の弾道ミサイル発射を強く非難する報道機関向け声明を発表した。

 前回の声明と同様、状況を注視しつつ、「制裁を含むさらなる重大な措置を取る」と追加制裁を改めて警告。従来の決議の履行徹底も促した。

 安保理は23日、今回の発射を受けた緊急会合を開き、追加制裁を含めた対応を協議する。議論進展には常任理事国の中国やロシアが鍵を握る。

 報道声明に法的拘束力はないが、安保理の統一した意思を迅速に示す狙いがある。全15理事国の同意が必要で、中国やロシアも内容を容認した。

 声明は、北朝鮮による不安定化を招く行為に「最大限の懸念」を表明。安保理の全理事国が既存の決議を「完全かつ包括的に履行すると誓う」と明記し、他の加盟国にも履行を迫った。

 今回の声明は決議の履行状況を調べる安保理の北朝鮮制裁委員会に対する要請を新たに追加。世界全体で履行状況が早期に改善されるよう同委に一層の努力を求めた。


国連安保理、北のミサイル発射を強く非難 制裁強化へ
AFP=時事 5/23(火) 5:49配信

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信が配信した、弾道ミサイル「北極星2」発射実験の様子を写した写真(2017年5月22日公開)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】(更新)国連安全保障理事会(UN Security Council)は22日、北朝鮮による先週末のミサイル発射実験を強く非難し、全ての国に対し対北制裁の強化を求める声明を発表した。

 北朝鮮の同盟国である中国も支持した全会一致の声明で、安保理は制裁委員会に対し、昨年採択された一連の厳しい措置の施行に向けた取り組みを強化するよう指示した。

 安保理はまた、北朝鮮に路線変更を迫り、「安定を著しく損なう行為」をやめさせるため、「制裁を含む、さらなる重要な措置を取る」ことで一致した。

 安保理は23日、日本、韓国、米国の要請で非公開の緊急会合を開き、今回のミサイル発射実験に対する追加の制裁を協議する。【翻訳編集】 AFPBB News


北朝鮮、「北極星2」実戦配備へ…日本へ脅威
読売新聞 5/22(月) 22:59配信

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(写真:読売新聞)

 【ソウル=井上宗典】北朝鮮は22日、2月に初めて発射した新型中距離弾道ミサイル「北極星2型」(射程約2000キロ・メートル)の発射実験に再び成功したと発表した。

 21日の発射を指しているとみられる。今回は「実戦配備に向けた最終的な試射」で、立ち会った金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は実戦配備を承認し、大量生産を指示した。

 スカッドER(射程約1000キロ・メートル)やノドン(同1300キロ・メートル)とともに奇襲性の高いミサイルが日本を標的として実戦配備される可能性があり、日本にとって脅威が増大した。

 北極星2型は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を地上配備型に改良したものだ。朝鮮中央テレビが22日に公開した映像では、空中に押し上げた後、自力で噴射する「コールド・ローンチ」と呼ばれるSLBMの技術で発射されていた。「高出力固体エンジン」を搭載しており、注入に時間がかかる液体燃料ではなく、迅速な発射が可能な固体燃料が使われていたとみられる。北極星2型は移動式発射台に搭載されており、発射の兆候がつかみづらく、迎撃も難しいのが特徴だ。


発射は「100点」 量産化を指示
ホウドウキョク 5/22(月) 22:21配信

発射は「100点」と評価し、ミサイルの量産化を指示した。
北朝鮮の朝鮮中央テレビは、22日午後3時半すぎから、21日に発射したとみられるミサイル「北極星2型」の映像と写真を放送した。
移動式発射台で運ばれ、ガスでいったん、打ち出されたミサイルが、空中で点火して、上昇していく。
また字幕で、「1段目分離」、「2段目x弾頭部分離」と説明をつけ、ミサイルに搭載されたカメラで、宇宙空間から地上を映したとする映像も公開した。
そして、「(金委員長は)100点満点だと、けちをつけることなく完ぺきだと、大満足だった」としている。
北朝鮮メディアはまた、「北極星2型」について、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、実戦配備を承認し、量産化を指示したと伝えている。


中国外務省、北朝鮮を批判
産経新聞 5/22(月) 22:16配信

 中国外務省の華春瑩報道官は22日の記者会見で、北朝鮮が21日に弾道ミサイルを発射したことについて、「中国は北朝鮮が国連安全保障理事会の決議に違反し、弾道ミサイルを発射する行為に反対する」と北朝鮮を批判した。

 中国は前回14日のミサイル発射時も同じ表現で北朝鮮を批判した。(北京 藤本欣也)


<北朝鮮ミサイル>視察の金正恩氏「100点満点だ」
毎日新聞 5/22(月) 22:09配信

 ◇「北極星2」発射実験 その場で実戦配備承認、量産化指示

 【ソウル米村耕一】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は22日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が新型中距離弾道ミサイル「北極星2」の発射実験を視察したと報じた。金委員長はその場で実戦配備を承認、量産化を指示した。21日に北朝鮮内陸部から発射した弾道ミサイルを指すとみられ、韓国軍関係者は実験について「(北朝鮮は)ミサイルの信頼度を向上させ、意味のあるデータを確保した」と述べた。

 労働新聞によると、実験は「実戦配備のための最終試験発射」で、ガスの圧力によりミサイルを打ち出した後に空中で点火する「コールドローンチ」方式で打ち上げられ、新型の固体燃料式の高出力エンジンの信頼性や正確性も確認した。労働新聞は、ミサイル発射の場面と同時に北極星2の弾頭部分に設置したカメラで撮影したとみられる大気圏からの写真も掲載した。

 金委員長は実験を「100点満点だ」と評価したうえで、「米国とその追従勢力が身構える間もなく、われわれの核兵器の多様化、高度化を加速すべきだ」と強調した。

 北極星2は21日に内陸部の平安南道(ピョンアンナムド)・北倉(プクチャン)一帯から発射され、最高高度約560キロで約500キロを飛行し、島根県・隠岐諸島から約400キロの日本海に落下した。韓国軍関係者によると通常の角度で発射された場合の飛距離は2000キロ前後で、約3500キロ離れた米領グアムには届かないという。

 22日の労働新聞は「少し前にハワイと米アラスカ州を射程圏内に置く新型中長距離弾道ミサイルの実験にも成功した」と指摘。北朝鮮が今月14日に打ち上げ、最高高度2111.5キロ、飛距離787キロを飛んだ「火星12」を指すとみられ、北朝鮮側が火星12を米本土を狙う弾道ミサイルだと認識していることが確認された。

 北朝鮮のミサイル発射を受けて、国連安全保障理事会は23日、緊急会合を開く。挑発行為に対する対応を協議するほか、北朝鮮を非難する報道機関向け声明の発表も調整するとみられる。


<北朝鮮ミサイル>制裁強化を米韓と協議中 外務省幹部
毎日新聞 5/22(月) 22:05配信

 自民党は22日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて対策本部の会合を開いた。北朝鮮への制裁強化を政府に求める意見が相次ぎ、外務省幹部は「経済面の圧力をかけていくことが重要だ」と説明。北朝鮮への石油輸出を止めるよう中国に働きかけることを含め、米国、韓国と協議していることを明らかにした。

 菅義偉官房長官は22日の記者会見で、制裁について「北朝鮮の外貨収入を減少させ、核・ミサイル関連の貨物や技術の移転を防止することが重要だ」と強調。日本の独自制裁に関しても「さらに深掘りして、厳しく行っていく」と述べた。【加藤明子】


防護服など購入見送り=北朝鮮ミサイル対策―長野・軽井沢町
時事通信 5/22(月) 18:56配信

 北朝鮮のミサイル発射などを想定し、防護服や防毒マスクの購入を検討していた長野県軽井沢町は22日、費用約160万円の補正予算案の提出を見送ることを明らかにした。

 町民から賛否の意見が寄せられたといい、町は「総合的に判断した」と話している。

 町は1日に開かれた町議会の全員協議会で、職員30人分の防護服などについて補正予算案を6月定例議会へ提出する方針を表明していた。その後、町民から電話などで「備えるに越したことはない」「必要はない」などの意見が寄せられたという。

 補正予算案の提出を見送る一方で、町は今年度当初予算で、感染症に対応できる密閉服やマスクなど計30セットを約10万円で購入することを決めた。


北朝鮮、ミサイル「北極星2型」発射の映像放映
読売新聞 5/22(月) 17:38配信

 【ソウル=井上宗典】ラヂオプレスによると、北朝鮮の国営・朝鮮中央テレビは22日午後3時10分(日本時間同3時40分)からの臨時ニュースで、新型の中距離弾道ミサイル「北極星2型」が発射された際の様子を放映した。

 21日に発射された弾道ミサイルの映像とみられる。

 映像では、移動式発射台に搭載されたミサイルが、発射管から上方にいったん飛び出した後、噴射口から火炎が吹き出し、空中を上昇する様子が収められていた。ミサイルに搭載されたカメラで撮影されたとみられる宇宙空間からの地球の映像も含まれている。


中国、各国に自制求める 北朝鮮ミサイル実験受け
ロイター 5/22(月) 17:21配信

[北京 22日 ロイター] - 北朝鮮が中距離弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表したことを受け、中国外務省の華春瑩報道官は22日の定例会見で各国に自制を求めた。

報道官は、北朝鮮のミサイル開発の動きに中国は反対するとの立場もあらためて示した。


正恩氏標的、トマホークなど約1700発!米空母2隻「開戦」態勢、在韓米国人避難が重大サイン
夕刊フジ 5/22(月) 16:56配信

 2つの船影は総攻撃へのサインか-。朝鮮半島近海に原子力空母「カール・ビンソン」を展開している米軍が、原子力空母「ロナルド・レーガン」も派遣。2隻態勢が整えば、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の拠点を含む北朝鮮国内の1200カ所が巡航ミサイル「トマホーク」など約1700発の攻撃対象となる。

 ロナルド・レーガンが横須賀基地を出港したのは、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した2日後の16日。第5空母打撃群と合流し、近くカール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群と任務を交代する予定とされるが、当面は朝鮮半島周辺海域で、2隻同時に演習を実施するとみられる。

 聯合ニュースは19日、来月初めに韓米両軍が、米原子力空母2隻と韓国海軍による合同訓練を行う方向で協議していると報じた。記事では、韓国政府消息筋が「先月(4月)末に整備を終えたロナルド・レーガンは、5月の1カ月間装備のテストを行った後で東海(日本海)に移動する」と説明したことを紹介した。

 「通常、米軍が開戦する場合、『空母2隻態勢』をとる」。4月時点でそう話していた軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、次のように解説する。

 「ロナルド・レーガンが加わることで、米軍は艦からのトマホーク発射や、艦載機『FA18ホーネット』による精密誘導爆弾の投下など、1回目の攻撃だけで1700発程度の爆弾を使用できるようになる。すでに米軍は攻撃すべき北朝鮮国内の1200カ所もの拠点を特定している」

 米軍は4月、地中海東部に展開する駆逐艦から59発のトマホークをシリアに向け発射し、アサド政権の空軍基地を攻撃した。ロナルド・レーガンとカール・ビンソンの合流は、その30倍近い規模の第1次攻撃が可能になったことを意味する。

 韓国メディアによると、在韓米軍は6月、韓国に滞在する米国人を海外に避難させる訓練を実施する。訓練は昨年も行われたが、米国がレッドラインに設定した「6回目の核実験」実施の緊張も高まっているため、今回はより実践的なものになるとみられている。

 世良氏は「北朝鮮の核をめぐる1994年の米朝枠組み合意の前に緊張が増した際には、実際に在韓米国人の避難が行われた。実際に米国人の避難が始まったならば開戦に向けた重大なサインとみるべきだろう」と指摘する。

 ジェームズ・マティス米国防長官は19日の記者会見で、北朝鮮への軍事力行使について「信じられないほどの規模の悲劇」をもたらすと述べ、外交手段による打開を求めていく考えを示した。だが、米国が軍事オプションを選択する可能性も決して否定はできない。

 ドナルド・トランプ米政権は一連の「ロシアゲート」疑惑に揺れている。このため、支持率を高める効果もある国外での軍事行動に対してハードルが下がっている事情もあるのだ。

 空母2隻態勢が整う中、朝鮮半島の緊張感はさらに高まった。


習氏、ドゥテルテ氏に八つ当たり? 北ミサイル発射で赤っ恥、南シナ海で資源採掘なら「戦争になる」
夕刊フジ 5/22(月) 16:56配信

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に弾道ミサイル発射を強行され、メンツを潰された八つ当たりなのか。中国の習近平国家主席が、フィリピンのドゥテルテ大統領に対し、南シナ海で領有権を主張して天然資源採掘を実施した場合、「戦争になる」と“恫喝(どうかつ)”したというのだ。ドゥテルテ氏が19日の演説で明らかにした。ロイター通信などが伝えた。

 ドゥテルテ氏は15日、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」がテーマの国際会議に合わせ、北京で習氏と会談した。その際、「(南シナ海の係争海域は)私たちのものだと主張し、海底油田の掘削をするだろう」と話したという。

 習氏は、ドゥテルテ氏の発言に対し、友好的ながら決然として「現在の良好な関係を維持したい。だが、その問題を強行するならば、戦争になる」と返答したという。

 習氏はまた、中国の南シナ海での主権主張を全面否定した国連海洋法条約に基づく仲裁裁定について、現在は応じないが、将来は議論すると約束したという。ドゥテルテ氏は、ベトナムなどがフィリピンに続いて提訴する事態を警戒しているとの見方を示した。

 ドゥテルテ氏に強気で迫った習氏だが、その背景には、北朝鮮に赤っ恥をかかされたことが関係している可能性もある。

 北朝鮮は14日に北西部の亀城(クソン)付近から、新型中距離弾道ミサイル「火星12」を発射した。ちょうどその日、北京では習氏が提唱した現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する初の国際会議が開幕し、北朝鮮代表団も招待されていた。

 顔に泥を塗られた形の習氏だが、14日に国際会議で演説した際には、北朝鮮のミサイル発射に言及しなかった。ドゥテルテ氏を“恫喝”したのはその翌日のことだった。

 ドゥテルテ氏は正恩氏のスケープゴートだったのかもしれない。


国連安保理、23日に緊急会合
ホウドウキョク 5/22(月) 16:55配信

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(写真:ホウドウキョク)

北朝鮮のミサイル発射を受け、緊急会合を23日に開催。
国連安全保障理事会は、日本、アメリカ、韓国の要請を受けて、23日に緊急会合を開き対応を協議する予定。
安保理は、16日にも緊急会合を開いたが、アメリカや日本などが、より厳しい制裁を訴えたのに対し、中国とロシアが慎重な姿勢を示したため、意見がまとまっておらず、今回の緊急会合でも、協議は難航する可能性がある。


再びミサイル発射に韓国は...
ホウドウキョク 5/22(月) 16:47配信

2週連続のミサイル発射に、韓国政府は難しい対応を迫られている。
北朝鮮の弾道ミサイル発射について、韓国統一省は22日の会見で、今後の方針を問われ、「南北関係の断絶は、朝鮮半島の安定を考慮すると望ましくない」、「民間交流などは制裁の枠を、き損しない程度に柔軟に検討する」などと、戸惑いをにじませた。
また、韓国メディアは、4月のミサイル発射と同じ場所で発射実験を行うことで、ミサイル技術の完成度を高める狙いがあったとするほか、これまでの傾向と違い、夕方に発射することで、「いつでも撃てる」とのメッセージを示す狙いもあったとしている。
朝鮮半島近海では、6月にもアメリカの原子力空母2隻が合同訓練を行う予定で、北朝鮮情勢は、さらなる緊迫化が予想される。


対北「敵基地反撃能力」必要 小野寺五典元防衛大臣
Japan In-depth 5/22(月) 15:00配信

【まとめ】 ・韓国、文新政権の今後の政権運営は厳しいものとなろう。 ・有事の邦人保護・避難は米と協議し備える。 ・今後は自衛隊の「敵基地反撃能力」保有が必要。
■ 韓国新政権の今後

韓国大統領選挙が終わり、文在寅(ムン・ジェイン)新大統領が就任した。北朝鮮情勢が緊張を続ける中、文氏の就任が日本の安全保障にどう影響してくるのか。元防衛大臣、小野寺五典衆議院議員に政治ジャーナリストの細川珠生氏が聞いた。

文大統領は、選挙期間中から北朝鮮に親和的かつ、日本には強硬的な姿勢で、日本国内では文大統領の誕生を懸念する意見も少なくない。さらに北朝鮮情勢が加わり細川氏は、朴槿恵前政権と違ってどのような影響が出てくるのか小野寺氏に問うた。

小野寺氏は、文大統領の今後の政権運営は「難しい時期」と述べ、そう考える理由を4つ挙げた。

・文大統領の政党「共に民主党」は少数与党のため韓国国会の運営が困難である可能性
・通常1か月はある「政権移行期間」がない
・THAAD(サード)ミサイル配備を巡る中国との関係
・歴史問題をめぐる日本との関係

特に議会運営について、細川氏は「(文政権が)外交政策で点数を稼ぐという戦略もあるかもしれない。」と述べ、日韓米関係で早速動きがあるのではと質問した。小野寺氏は、「米韓、日韓の間の間で話し合いをしているので意思疎通はしていく。」と述べた。

■ 限界ある韓国の対北朝鮮融和策

さらに小野寺氏は、「国際社会、国連、韓国国内には北朝鮮に対してもっと制裁を強めるべきだ、という意見がある。」と指摘した。具体的に韓国の開城(ケソン)工業団地の例を挙げた。ここは、韓国が予算を出し、北朝鮮の労働者が仕事をする「南北の協調の象徴」だが、現在は閉鎖している。国連決議もあり、文大統領の判断だけでは再開することはできない。小野寺氏は「北朝鮮に融和的な政策といってもせいぜい対話する程度。結局最後は行き詰まり、選挙戦で言ってきたことがどんどんトーンダウンしていく。」と述べ、文政権の北朝鮮政策には限界があるとの考えを示した。

また小野寺氏は「心配なのは、唯一文在寅大統領ができることとして反日姿勢を強め国内の世論を引き付ける(こと)。」とし、韓国の反日世論の高まりに懸念を示した。

■ 朝鮮有事における邦人保護

細川氏は、「北朝鮮有事の場合、在韓邦人救出のために自衛隊がいくには韓国側の受け入れの許可がないと入れない。」点を指摘した。

最近ワシントンを訪問した小野寺氏は、アメリカでも、北朝鮮の弾道ミサイルの問題について緊張感が高まっている、と紹介した上で、「一番緊張がないのが韓国。見たくない現実はなるべく見ないようにするという雰囲気だ。正面切って日本政府が相談するのは難しい。」と現状を説明した。

だからこそ、「独自で米軍と一緒に、観光客を含め最大約6万人いるといわれている在韓邦人をどのように日本もしくは隣国に速やかに避難させるかは日米で協議をしていく必要がある。」と述べ、アメリカと邦人保護・避難の協議を進める必要性を強調した。

■ ミサイル防衛の必要性

小野寺氏は自民党の「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」の座長として、3月30日に「弾道ミサイル防衛の迅速かつ抜本的な強化に関する提言」を総理に提言した。小野寺氏は、「北朝鮮という国の特異性」について金正男氏殺害事件に言及、(事件が起きた)マレーシアは北朝鮮との国交を一時止めようとしたが北朝鮮は、平壌にいるマレーシアの外交官を人質にしてマレーシア政府と交渉をしたことを例に上げ、北朝鮮は「外交的に何をするかわからない」国であり、だからこそ、ミサイル防衛が必要だ、と述べた。

日本のミサイル防衛は現在、自衛隊のイージス艦からのSM3というミサイルで迎撃する。万一撃ち漏らした場合には陸上に配備したPAC3で撃ち落とす2段構えの構成だ。しかし、「北朝鮮はさらに撃つ能力を高めている」と指摘。実際に北朝鮮は3月に、4発同時にミサイルを発射しており、内3発は日本のEEZ(排他的経済水域)内に到達している。そうした北朝鮮の能力向上に対し小野寺氏は「真剣に自衛隊として考える必要がある。政府が動きにくいのであれば、自民党として提言をまとめて総理に伝えていく。」ことが必要だとの考えを示した。

防衛力の強化は予算もかかるがこの点について、細川氏が現実的に進むのか問うと、小野寺氏は、「防衛予算を増やしたいわけではない。私たちの安全を担保するために必要なものはなにかということで装備をしていく。」と述べた。宮城県気仙沼市出身の小野寺氏も東日本大震災を例にとり、「津波などの被害を防ぐためにはダムや防潮堤など様々な備えをする。ミサイル防衛も同じこと。必要なものを予算として要求をすることは国民を守るために必要。」とミサイル防衛の必要性を強調した。

■ 敵基地反撃能力

具体的な自衛隊の装備について小野寺氏は、「(現状)飛んできた爆撃機を打ち落とすための航空自衛隊の地対空ミサイルや陸上自衛隊のミサイルがある。また相手の軍艦を無力化するための地対艦ミサイルや潜水艦の攻撃もある。」と自衛隊の能力を説明した。しかし自衛隊の現在の装備は、射程が「短いもの」のみであり、「長距離を飛んで直接相手のミサイル基地をたたくものはない。」と指摘した。

対して米軍は、トマホークという巡航ミサイルをはじめとする長距離射程のものも装備している。「(自衛隊が)アメリカのようなすべての装備を持つのは難しいが、日米の協力の中で何が日本にとってコスト的にも能力的にもいいのか、選んで装備していくことが大事だと思っている。」と述べた。

また、小野寺氏は「飛んでくるミサイルを打ち落とす」のは高い性能が必要なことと莫大な予算がかかるのに対し、「反撃する」能力はそれほど多くの予算を必要としない、と指摘した。そのため、「守っていくことと併せて反撃をする能力を持つ」ことは相対的に低予算で済み、かつ「日本の抑止力を格段に高める大きな役割を持つ」と述べ、「敵基地反撃能力」保有の必要性を強調した。

この記事は、 ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」(2017年5月13日放送)の要約です。

「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分
ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php
細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/
細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/


北ミサイル 2月12日と同一型の可能性 菅義偉官房長官 独自制裁強化へ
産経新聞 5/22(月) 12:30配信

 菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、北朝鮮が21日に発射した弾道ミサイルについて「2月12日に発射されたものと同一の新型のミサイルだった可能性が考えられる」と述べた。北朝鮮は2月12日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を地上配備型に改良した新型中距離弾道ミサイル「北極星2」を発射している。菅氏は詳細に関して、「分析中」とした。

 また、今後の対応には、「北朝鮮の核・ミサイルの開発を阻止するためには北朝鮮の外貨収入を減少させ、関連の貨物や技術の移転を防止することも重要だ」と指摘。「国連安全保障理事会決議の実効性を確保するとともに、独自の措置の実施を決定していきたい」と強調し、対北独自制裁を強化する考えを示した。


<官房長官>北朝鮮への独自制裁強化へ ミサイル発射受け
毎日新聞 5/22(月) 12:21配信

 菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、北朝鮮による21日の弾道ミサイル発射を受け、日本政府として独自制裁を強化する考えを表明した。「さらに深掘りして厳しく行っていくことは大事だ」と述べた。

 菅氏は北朝鮮の核・ミサイル開発への対応として、「北朝鮮の外貨収入を減少させるとともに、関連の貨物や技術の移転を防止することも重要」と指摘。「国連安全保障理事会決議の実効性を確保するとともに、わが国独自の措置を徹底する」と述べ、北朝鮮に自制を求めるため圧力を強める考えを強調した。【田中裕之】


北朝鮮への独自制裁、深堀りし厳しく行うことが大事=菅官房長官
ロイター 5/22(月) 12:16配信

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 5月22日、菅義偉官房長官は午前の会見で、北朝鮮が21日にも弾道ミサイルを発射したことについて、日本独自の制裁措置を「深堀りし、厳しく行っていくことが大事だ」との考えを示した。写真は2月にKCNAが配信した「北極星2型」の発射実験。提供写真(2017年 ロイター/KCNA)

[東京 22日 ロイター] - 菅義偉官房長官は22日午前の会見で、北朝鮮が21日にも弾道ミサイルを発射したことについて、日本独自の制裁措置を「深堀りし、厳しく行っていくことが大事だ」との考えを示した。

菅官房長官は北朝鮮が発射した今回のミサイルについて「今年2月12日に発射されたのと同一の新型弾道ミサイルだった可能性が考えられる」と指摘。詳細を分析中だとした。

さらに「北朝鮮の核開発やミサイルを阻止するため、外貨収入を減少させるとともに、核・ミサイル関連の貨物や技術の移転を防止することも重要だ。国連安保理決議の実効性確保とともに、わが国独自措置の実施をこれからも徹底していきたい」と述べた。

また国連安保理で強いメッセージを発出するよう、米韓と緊密に連携して協力していくほか、「影響力のある中国、ロシアに対しても(協力を)広げていきたいと思っている」と語った。

(石田仁志)


X国のテロから首相を守るには? いまこそ要人暗殺テロへの備えと予防策を強化すべき
PHP Online 衆知(Voice) 5/22(月) 12:10配信

劇場型犯罪としてのテロリズム
 現代のテロリズムの特徴は、一般市民を狙った無差別テロであり、ソフトターゲットを標的とした無差別大量殺傷であった。昨今のイスラム国を中心としたイスラム過激派組織が起こしたフランスやベルギーなどでのテロ事件のような、欧米諸国で実行されているグローバル・ジハードの戦略の影響も影を落としている。
 しかしながら、北朝鮮の金正男氏がマレーシアのクアラルンプール国際空港で神経剤VXガスとみられる猛毒により暗殺された事件が発生した。これは特定の要人を狙った要人暗殺テロである。本来、大統領や首相など国家の要人であればテロや犯罪から守るための警備が厳重に敷かれているが、金正男氏には立場上、その警備がなかったために比較的容易にテロ行為が成功した。この金正男殺害事件は、最も古いタイプのテロリズムである「要人暗殺テロ」に分類することができる。
「テロリズムは劇場である」と述べたのは、テロリズム研究者のブライアン・ジェンキンスである。テロリズムはテレビや新聞などのメディア報道を通じてドラマティックなストーリーとなり、それを見守るオーディエンスを取り囲んで社会全体を劇場化する作用をもつ。テレビの視聴者も、新聞や雑誌の読者も、テロリズムという劇場のオーディエンスとなってこの物語に参加する。金正男殺害事件は、事件発生当時から1カ月を経過した段階でも、テレビのワイドショー番組や週刊誌、タブロイドなどを連日にぎわせる数字の取れるキラーコンテンツであった。
 かつて2004年のイラク日本人人質テロ事件では、人質となった日本人3人をめぐって小泉政権がイラク派遣の自衛隊撤退という要求を受け入れるか、それとも拒否するか、日本人3人の命は助かるのか、日本の世論は同情論と自己責任論に分裂しながらこの事件の行方について固唾をのんで見守った。2015年のイスラム国によるシリア日本人人質テロ事件でも、日本人2人の命と2億ドルという身代金要求のあいだで有効な手を打てない安倍政権を尻目に、インターネットやソーシャルメディアを通じて、2人が殺害される画像や動画が世界を駆け巡るという結末を迎えた。テロリズムを実行するテロ組織やテロリストは、自らのメッセージを世界にプロパガンダするために、テレビや新聞などのマスメディア、インターネットやソーシャルメディアを利用して、世界中のオーディエンスを取り込みながらテロリズムを実行する。
 このようにメディアの進化した現代社会において、テロリズムは新しく魅力的なコンテンツとスペクタクルを供給する装置として機能している。

金正男殺害事件と地下鉄サリン事件の共通点
 今回の金正男殺害事件は、白昼堂々と監視カメラに囲まれた国際空港という舞台で実行された。第三国のマレーシアで、一般客でにぎわう国際空港で目撃者も多く、監視カメラの動画が多く残されているのがその特徴である。実行犯の2人の女性とその背後にある組織、国家の存在、そして犯行の手段として使用された化学剤など、テロリズムのストーリーを構成するドラマティックな要素を含んでいる。
 この事件で使用されたとされる神経剤VXガスは、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教が、漫画家で評論家の小林よしのり氏をかつて殺害しようとして使用した化学兵器の一種である。オウム真理教による1995年の地下鉄サリン事件は、東京の地下鉄乗客を無差別にターゲットとして化学剤サリンを用いて13人を殺傷し、6000人以上の負傷者を出した世界で初めての都市型無差別化学兵器テロであった。前年の松本サリン事件、亀戸の炭疽菌生物兵器テロ未遂、皇居を狙ったボツリヌス菌計画などオウム真理教によるNBC(核・生物・化学)兵器を利用したテロ計画が発覚し、テレビや新聞、雑誌などのマスコミによるメディアスクラム(集団的過熱報道)は1年以上続いた。オウム真理教による一連のテロリズムに対して、メディア報道は過熱し、テレビの視聴率や新聞雑誌の販売部数は高まり、数多くのオーディエンスが魅了されたのである。
 メディアスクラムを発生させ、オーディエンスを夢中にする金正男殺害事件と地下鉄サリン事件の共通点は紛れもなく「テロリズム」である。テロリズムを構成する要素として「政治的動機」があるが、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教が霞が関の官庁街や皇居を狙うという政治性、クーデター的要素をもったように、金正男殺害事件には北朝鮮の国家体制をめぐる政治的意図が存在する。この政治的目的を達成するためのテロリズムがもつ意図や計画が、政治的、国家的スペクタクルを生み出す。
 またこの2つの事件の共通点は、化学兵器を用いたNBCテロであるという点である。通常の爆弾や銃器ではない、耳慣れない特殊な化学兵器は「脅威の神話性」をもつ。国際法や国際条約によって戦場でさえもその使用が禁止されている化学兵器が、一般社会で使用されるインパクトは大きい。サリンやVXガス、タブン、ソマンといった化学兵器がどのように精製され、どのような影響をもたらすか、その謎に包まれた兵器自体がドラマティックな要素を含んでいる。
 国家や組織による陰謀や謀略の物語性、謎の化学兵器がもつ神話性などオウム真理教による地下鉄サリン事件がもっていたその特徴を、この金正男殺害事件も有している。メディアスクラムが発生しオーディエンスが魅せられる要素はそろっているのである。

要人暗殺テロの系譜
 金正男殺害事件は、首相や大統領といった要人ではないものの、北朝鮮にとって影響力をもつ人物が殺害されたという意味で、要人暗殺テロの亜種であるといってよい。これまで一国の首相や大統領などのリーダーが国内の勢力によって暗殺された事例や、命を狙われた事例は数多く存在する。
 戦後でも有名な事例として、ケネディ大統領は1963年テキサス州ダラスでパレード中に銃撃され暗殺された。この映像は、初めての国際テレビ中継映像として日本に伝えられた。犯人とされたオズワルド容疑者も警察署内で銃撃されて死亡する展開に、この事件の真相はいまだに議論が続いている。このほかにも81年にはレーガン大統領暗殺未遂事件が起きるなど、アメリカの大統領はリンカーン大統領をはじめ、つねにテロリズムの対象となってきた歴史がある。
 そのほかにもエジプトのサダト大統領は81年、戦勝記念パレードの観閲中にジハード団の将校により暗殺された。イスラエルとの和平実現に反対するイスラム原理主義集団による犯行であった。韓国の朴正熙大統領は79年にソウルで殺害された。韓国中央情報部(KCIA)部長による暗殺事件であった。このように、国家権力の中枢にいる大統領や首相が国内勢力のテロリズムによって殺害されるケースは世界各国で発生している。
 しかしながら、国家の要人が国外の勢力によって暗殺された事例や、その未遂事件はそれほど多くない。同じく韓国の事例でいえば、83年のラングーン爆弾テロ事件において、ビルマのラングーンを訪問中であった全斗煥大統領が北朝鮮工作員によって狙われた爆破事件が発生したが未遂に終わった。韓国では同様に、68年にも北朝鮮ゲリラによる朴正熙大統領を標的とした青瓦台襲撃未遂事件が発生している。
 要人暗殺テロは、時代を超えていつの時代にも発生してきた最も古いテロリズムの形態の1つであるが、現代において要人暗殺テロの発生が減少した要因の1つは、テロ対策など要人の警備が強化されたことにより、テロ組織やテロリストが武器や兵器を持って要人を直接攻撃することが困難になったことである。

テロリズムに道徳を見出す日本人
 テロリズムという概念が存在しなかった時代から、要人暗殺は歴史的に繰り返されてきた。それは日本の歴史においても同じである。
 犬養毅首相が青年将校に殺害された5・15事件は、テロリズムという概念が一般化していなかった当時は使用されていなかったものの、現代的な観点でみれば要人暗殺テロである。青年将校を「話せばわかる」と説得しようとした犬養首相に対して「問答無用」と答えて銃撃した青年将校の行動は、まさに言論を封殺するテロリズムである。陸軍青年将校によるクーデター未遂となった2・26事件も同様に要人暗殺テロに分類できる。襲撃された岡田啓介首相は難を逃れたものの、高橋是清大蔵大臣や斎藤実内大臣ら政府要人が暗殺された。これらはいずれも軍人によるテロリズムであり、当時すでに崩壊していたシヴィリアン・コントロールを完全に破壊する行為であった。しかしながら、これらの要人暗殺でさえも、テロリズムの政治的動機(たとえば「昭和維新・尊皇討奸」というスローガン)に情状酌量や同情の余地があれば、その行動の源にある正義を斟酌するという心的態度が日本人にあることも事実である。
 さらに歴史をさかのぼっても、幕末の江戸で発生した桜田門外の変も水戸脱藩浪士による大老・井伊直弼の殺害事件であり、これも現代的に考えれば、政治的目的を達成するための要人暗殺テロである。しかしながら、安政の大獄で吉田松陰や橋本左内など多くの志士を処刑した大老に天誅を下した水戸脱藩浪士に対して義挙として賞賛する立場、明治維新の先駆けとする見方も日本人のなかにあることを忘れてはならない。
 さらにいえば「忠臣蔵」で知られる元禄赤穂事件も、取りつぶされた浅野家の赤穂浪士四十七士が幕府の重鎮である吉良上野介を襲撃して殺害するという重大事件であり、現代的な視点で考えれば要人暗殺テロ以外の何ものでもない。しかし主君への忠義と仇討ちという日本人の心の琴線に触れる物語として、歌舞伎やドラマ、映画のキラーコンテンツとして現代まで人びとに親しまれていることは周知の事実である。
 テロリズムを罰する法治主義的態度の観点と、そこに正義や忠義の道徳的態度を見出す観点が分離して相克しているのが日本人のテロリズム、とくに要人暗殺テロに対する心的態度の複雑さを形成している。
 日本の初代内閣総理大臣となった伊藤博文も晩年の韓国統監辞任後に、ハルビンで朝鮮の独立運動家の安重根に殺害された。この事件は日本側から見ると明治維新の元勲を殺された要人暗殺テロと考えることができるが、朝鮮から見ると犯人の安重根は日本からの独立運動の英雄として讃えられている。このように政治的動機の伴うテロリズムは、国や民族の立場が変わると、要人暗殺テロというラベリングと、民族解放運動や革命といったラベリングとがせめぎ合う解釈の闘争が発生する現象なのである。

現代日本で要人が標的となるリスク
 このように歴史的に見たとき、日本では数多くの要人暗殺テロが発生してきたことを見落としてはならない。そしてそのテロリズムが発生する政治的風土や、それに道徳的観念や正義を見いだす精神的風土が日本には存在していたのである。
 そして、その環境は現在も決して変わってはいない。現代の自民党安倍政権誕生以降も、特定秘密保護法をはじめ安全保障法制、そして現在のテロ等準備罪などのアジェンダ(議題)に対して国会周辺等で大規模な反対デモも発生した。また沖縄を中心とした米軍基地への反対闘争、反原発運動などのイシュー(論点)で局所的な政治的闘争は存在している。こうした政治的闘争は、現代の日本においてきわめて民主的で合法的な手段を用いた社会運動として定着していることも事実である。
 しかしながら、最悪の事態を想定する危機管理の観点からみれば、また60年代、70年代において学生運動やマルクス主義運動が過激化して多くの爆弾テロやハイジャックなどの事件を引き起こした歴史的事例をみれば、社会運動が過激化した結果としてテロリズムが発生する可能性は決してゼロではない。本来、民主的かつ合法的であった政治運動から逸脱した一部の「過激化(radicalization)」という現象がテロリズムに結び付くプロセスは現代においても見逃してはならない。
 また、国際テロリズムや国際安全保障の文脈においても日本の要人がテロリズムの標的となるリスクは高まっている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、これまでのオリンピックなど国際的メディアイベントがそうであったように、テロリズムの標的になる可能性が高く、東京五輪に向けた日本のテロ対策の強化が求められている。さらに「イスラム国」による欧米各国へのグローバル・ジハードはまだ終結しておらず、世界のどこでイスラム過激派によるテロリズムが起きてもおかしくない状況はいまだ続いている。北朝鮮の核実験・ミサイル実験や、中国による尖閣諸島、南シナ海への侵出など、東アジアをめぐる国際安全保障環境も緊張状態にある。

テロリズムを防止する手だて
 このような時代状況と国際環境を踏まえたとき、また現代テロの特徴であるソフトターゲットを狙った無差別テロへ意識が向かっている現在こそ、要人暗殺テロへの備えに綻びが発生する可能性がある。いまこそ、本来テロリズムの王道であった要人暗殺テロへの備えと予防策を強化すべきである。
 要人暗殺テロを防止するためには、その1)「リスク源(risk source)」となる問題や組織の洗い出しが第一歩となる。そしてそれらの問題や原因によってテロが発生する可能性があることを2)「リスク認知(risk perception)」し、さまざまな情報分析により3)「リスク評価(risk assessment)」を実施しなければならない。そうして得られた要人暗殺テロのシナリオや想定に対して、具体的な4)「リスク管理(risk management)」を実施し、国内外に幅広くアピールする5)「リスク・コミュニケーション(risk communication)」が重要となる。このプロセス全体がテロ対策をめぐる危機管理である。そこで重要な鍵となるのは情報活動、諜報活動とも訳される「インテリジェンス(intelligence)」である。
 想定されるシナリオには多様なケースが存在する。しかし日本の要人暗殺テロにおいて、リスクとして可能性が高いのは次の2つのケースであろう。1つ目は「日本国内のメディアイベントで警備状況が手薄になるケース」であり、2つ目は「国外の外遊時に外国勢力に狙われるケース」である。
 本来、いずれも警察や治安機関により警備態勢が強化されている状況にあるはずであるが、その警備が一瞬緩むポイント、タイミングが発生したときに要人暗殺テロが発生する余地が生まれる。あえて具体的なシナリオで示せば、とくに危険なのは要人が小規模な文化的催しに参加して一般人と交流し、その様子をテレビや新聞などのメディアに公開してアピールしようとするようなケースである。
 そこで使用されるテロの道具は、蓋然性としては爆弾や銃器、刀剣などの一般的に普及していて利用しやすい兵器である可能性が高いが、同時にこれらの道具は金属探知機や手荷物検査で発見しやすく失敗する可能性も高くなる。反対に、サリンやVXガスなどの液体、炭疽菌などのように粉末状にできるもの、放射性物質などのNBC兵器は、入手や製造が困難であったとしても、探知機や手荷物検査で発見しにくいという条件から、こうしたNBCテロやCBRNE(化学・生物・放射性物質・核・爆発物)テロは事前に防止するのが困難であるという理由で大きな脅威となる。

インテリジェンス・サイクルを強化せよ
 要人暗殺テロを防止するための対策にはさまざまなものがある。まずは、危険団体、危険人物を特定してマークするインテリジェンス活動である。警察庁、警視庁の外事や公安が実施している活動であり、通信傍受などのシギント(SIGINT)や、監視カメラによるイミント(IMINT)などの監視活動も含まれる。また、危険な外国勢力の入国を水際で阻止するための出入国管理も重要な活動である。法務省の出入国管理インテリジェンス・センターは、出入国管理の情報収集と分析をテロ対策に活かすために設置された組織である。外務省は国際テロ情報収集ユニットを結成して、外国のインテリジェンス機関と情報共有し、海外のテロ組織やテロリストの情報分析を強化している。これらの各省庁が実施しているインテリジェンス活動の成果が内閣情報調査室、および国家安全保障会議(NSC)に集約されることで安全保障やテロ対策など危機管理に活用される。こうした一連のインテリジェンス・サイクルの強化が現代の日本に求められている。
 またテロリズムの防止には、ほかにも多様なアプローチが存在する。たとえば、企業の研究施設や大学の研究所で使用される化学剤や放射性物質が拡散してテロリズムに利用されないようにするための拡散防止、危険物質の管理が重要である。デュアル・ユース(dual use)と呼ばれる問題であるが、そのために化学剤やバイオ、放射性物質などに関する危険物を保持している企業や病院、大学などのネットワークを強化して管理体制を構築することが必要である。
 戦後の日本国内では、オウム真理教による地下鉄サリン事件以降は、大規模なテロ事件が発生していない。むしろイラク日本人人質テロ事件、アルジェリア日本人テロ事件、シリアイスラム国日本人人質テロ事件、ダッカ襲撃テロ事件など、国外の日本人がテロ事件に巻き込まれるケースのほうが増えている状況である。グローバル化した国際テロリズムの時代にこそ、こうした国際的環境のなかで日本のテロ対策の在り方を見直し、国民のなかで議論を行なうべき時期が訪れている。

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