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2017年4月24日 (月)

北朝鮮、今度は弾道ミサイル発射・60

去る1月6日に核実験を行なった残虐な中世の亡霊・暗黒独裁国家・北朝鮮が、今度は長距離弾道ミサイル発射実験の準備を進めていたが、ついに7日9時31分に発射した。

政府は7日午前、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開き、国民の安全確保に万全を期すとともに、米韓などと緊密に連携し、北朝鮮に厳しく対応していく方針を確認した。
NSCで首相は、「米国や韓国など関係国と連携し、必要な対応を適時適切に行う」よう求めた。また、首相は関係省庁に対し、(1)落下物などによる被害がないかの確認(2)情報収集・分析の徹底(3)関係国との連携―を指示した。

安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で記者団に対し、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したことについて「断じて容認できない。明白な国連安全保障理事会決議違反だ。国際社会と連携し、毅然として対応する。国民の安全と安心を確保することに万全を期する考えだ」と述べた。

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リンク:ルトワック博士の緊急警告! 先制攻撃か降伏か 日本が北朝鮮にとるべき選択肢 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮、また挑発!米空母は「太って肥大したただの変態動物」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ICBM実験で北朝鮮攻撃も=米国連大使が警告 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:半島情勢、緊張続く=北朝鮮で軍創建85年―核実験に警戒 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「北朝鮮ミサイル問題」を中国人学生はどう考えているのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮の近未来、経済学者が大胆予測する3つのシナリオ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米国の北朝鮮攻勢はトランプの「孤立主義」と矛盾しない - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮の「制裁強化を」 米大統領、国連安保理に要請 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「気性の荒い独裁者」を見くびってはならない - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:なぜ北朝鮮への米空母派遣は「インド洋経由」だったか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮に新たな制裁、安保理の発動用意必要=トランプ氏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:新たな北朝鮮制裁準備を=「問題解決する時」と米大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏「好戦的な」北朝鮮批判、習主席と電話協議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中首脳「脅威の緊急性」確認=北朝鮮は好戦的と批判―トランプ氏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、北国境の警戒強化…兵士10万人展開か - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<日米・米中首脳電話協議>緊張高まる北朝鮮情勢 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮情勢 米中首脳が電話会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:秘密保護で「北朝鮮情報増加」=安倍首相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:経済制裁をすり抜けてミサイル開発資金を確保する北朝鮮 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:首相官邸がメルマガで北朝鮮ミサイルに注意喚起 「身を守るためにとるべき行動」を確認するよう - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:脱北した元北朝鮮外交官が警告「日本も対岸の火事ではいられない」 実名・独占インタビュー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米中首脳電話協議>習近平氏、北朝鮮に強く自制求める - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:強硬姿勢変わらず、核実験も=北朝鮮、25日軍創建日―日米韓は連携強化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日米首脳、北朝鮮に自制要求=政府、警戒態勢を維持 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:政府、ミサイル対策をサイトに掲載 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正恩氏と交渉決裂の習氏…説得失敗の裏で画策する「国防動員法発令」の危険性 河添恵子氏リポート - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米軍、正恩氏隠れ家特定 特殊部隊、出撃準備完了「100%逃げられない」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ハリボテか? それとも脅威か? 北朝鮮が披露した新型「大陸間弾道ミサイル」の正体 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「北」軍創建85年へ 挑発強める - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ米大統領:安倍首相、中国国家主席と電話会談-北朝鮮問題 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国国家主席がトランプ米大統領と電話会談-中朝メディアは非難合戦 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮情勢 トランプ米大統領 安倍晋三首相に続き、習近平氏と電話会談 緊張回避求める - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国主席、北朝鮮に自制呼び掛け=米大統領と電話協議 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

ルトワック博士の緊急警告! 先制攻撃か降伏か 日本が北朝鮮にとるべき選択肢
文春オンライン 4/25(火) 7:00配信

 『戦争にチャンスを与えよ』を上梓したエドワード・ルトワック氏より日本の読者へ向けて緊急の提言が届いた。朝鮮半島情勢が緊迫する中、日本がとるべき道とは何か。軍事的衝突の確率とは。“最強の戦略家”による最新の情報を、本書の一部とともに紹介する。

 習近平は現時点で、トランプからの「平壌(北朝鮮)政府に本物の圧力を加えてくれたら、米中貿易関係における要求を減らしてやる」という提案に対して、それなりに対応しているように見える。

 なぜなら北京では、北朝鮮に対する石油の流れを制限することが議論されているからだ。

 もしこれが実現すれば、きわめて重要なステップになる。

 また中国は、アメリカによるシリアの空軍基地に対する巡航ミサイル攻撃を利用して、北朝鮮側に核実験を自制するよう警告している。そこで発せられているメッセージは「気をつけろよ! トランプはオバマと違うぞ。お前も攻撃されるぞ……」というものだ。

 では、米軍はどういう計画を持っているのか。

 米軍のトップたちは、かつてイスラエルがイラクやシリアに対して行ったような攻撃、つまり、北朝鮮の核・弾道ミサイルなどの目標に対して、たった一度の精密攻撃で「非核化」することを狙うような、「先制攻撃」だけをオプションとして考えているわけではない。

 むしろ米軍はトランプ大統領に対して、「非常に大規模な空爆」、つまり、核・弾道ミサイルに加えて、北朝鮮の航空基地や地対空ミサイル部隊といったターゲットを攻撃するというオプションしか提案していないのである。

 これは非現実的な数日間にわたる作戦であり、民間人にも多数の死傷者がでるだろう。

 ただしこのようなオプションは、北朝鮮が最初に大規模な砲撃や侵略、もしくはその両方を使って攻撃してこないかぎり実行されないはずだ。

 さらに、アメリカ政府には「経済的遮断」という強力なツールがある。たとえば全般的な経済力に加えて、実際に金融制裁などを使って北朝鮮の資金調達を真綿で首を締めるようにして遮断することができるのである。

 まとめていえば、トランプ政権下の米国はまたしても「防御的」に行動することになるだろう。ただしオバマ政権との決定的な違いは、そこに「戸惑い」や「曖昧さ」はない、という部分だ。

平和は戦争につながる
(以下『戦争にチャンスを与えよ』からの転載です)

「戦略」において、すべては反対に動く。

 戦争で国家や国民が被害を受け続けるのは、日常生活や平時における通常のロジックと紛争や戦時におけるロジックがまったく異なるからだ。また、そのことを理解するのが難しいために、被害がさらに拡大することになる。

 最も難しいのは、「戦争ではすべてのことが逆向きに動く」というのを理解することだ。たとえば、「戦争が平和につながる」という真実である。戦えば戦うほど人々は疲弊し、人材や資金が底をつき、勝利の希望は失われ、人々が野望を失うことで、戦争は平和につながるのだ。

 ところが、逆に「平和が戦争につながる」ことも忘れてはならない。

 人々は、平時には、脅威を深刻なものとして考えられないものだ。平時に平和に暮らしていれば、誰かの脅威に晒されていても、空は青いし、何かが起こっているようには思えない。友人との飲み会に遅れないことの方が重要で、脅威に対して何の備えもしない。

 つまり、脅威に対して降伏するわけでも、「先制攻撃を仕掛ける」と相手を脅すわけでもない。そのように何もしないことで、戦争は始まってしまうのである。

 平時には、脅威が眼前にあっても、われわれは、「まあ大丈夫だろう」と考えてしまう。脅威が存在するのに、降伏しようとは思わず、相手と真剣に交渉して敵が何を欲しているのかを知ろうともせず、攻撃を防ぐための方策を練ろうとも思わない。だからこそ、平和から戦争が生まれてしまうのである。

 平時には、誰も備えの必要を感じない。むしろ戦争に備えること自体が問題になる。そうして行動のための準備は無視され、リラックスして紅茶でも飲んでいた方がよい、ということになり、そこから戦争が始まるのだ。

 平和は戦争につながる。なぜなら平和は、脅威に対して不注意で緩んだ態度を人々にもたらし、脅威が増大しても、それを無視する方向に関心を向けさせるからだ。日本にとって、その典型が北朝鮮問題だ。

北朝鮮への日本の態度
 北朝鮮は、特異な政権である。特異な点として、二つ挙げられるだろう。

 一つは、リーダーのヘアスタイルがひどい、ということだ。金正恩の髪型は本当にみっともない。

 もう一つは、北朝鮮の軍事関連の技術力は侮れない、ということだ。根本的な意味で、日本やアメリカ以上の底力を持っている。

 もちろん、彼らのミサイルは、塗装されていない。アメリカや日本のミサイルは塗装されているが、そもそも爆発させるミサイルを塗装した方がよいかどうかという問題は、ここでは論じないでおこう。とにかく北朝鮮のミサイルは塗装されていないことが多い。

 その一方で、北朝鮮は、人工衛星を打ち上げ、中距離弾道ミサイルも発射した。さらに弾道ミサイルを潜水艦からも発射しているのだ。ミサイルに搭載可能な核弾頭の爆発実験も成功させた、と見られている。

 しかもこれらすべてを、彼らは非常に少ない予算で短期間に実現しているのだ。

 もし日本政府が国内メーカーに、中距離弾道ミサイルとそれに搭載可能な核弾頭、宇宙に飛ばす人工衛星の開発などを命じても、おそらく年間の国防費以上の予算と、調査、研究、開発に一五年ほどの時間が必要になるだろう。

 したがって、北朝鮮の軍事関連の技術者を侮ってはならない。彼らは、他国の技術者の五倍以上の生産性を有している、と言えるからだ。たとえば、イランは、核開発に北朝鮮の五倍もの時間をかけながら、一発の核兵器に必要な核物資さえつくりだせていない。人工衛星の技術もない。

 要するに、北朝鮮の軍事開発力は、極めて危険な域に達しており、真剣に対処する必要があるのだ。

北朝鮮への降伏
 私は戦略家であり、政治家ではない。ましてや教師や牧師でもない。倫理道徳の価値観の教育は専門外だ。したがって、私が日本政府に対して言えるのは、「何もしないのが最悪の選択肢で、以下の選択肢のうちの一つを実行せよ」ということぐらいである。

 第一の方策は、「北朝鮮に降伏(サレンダー)する」というものだ。

 北朝鮮政府が真に何を望んでいるのかを聞き出し、経済制裁をすべて解除する。祖国への朝鮮総連の送金に対する制限も解除し、金一族を讃える博物館を表参道に建て、北朝鮮に最も美しい大使館を建てさせる。

 代わりに、日本政府は、北朝鮮に五〇〇キロ以上の射程を持つミサイルの開発を止めてもらう。五〇〇キロ以上の射程のミサイルは、国際的な「ミサイル技術管理レジーム」(MTCR)での制限の対象となっている。またそれだけでなく、これは、幸いなことに偶然にも、朝鮮半島の非武装地帯から下関までの距離と同じなのだ。

 これは、北朝鮮に対する制裁をすべて解除し、彼らに名誉を与え、国家としての彼らの存在を認めることで、五〇〇キロ以上の射程のミサイルの脅威を取り除く、という道だ。

北朝鮮への先制攻撃
 次の方策は、「北朝鮮を攻撃する」というものだ。しかもこれは、先制攻撃(プリエンプティブ・ストライク)でなければならない。核関連施設を特定しつつ、それらすべてを破壊するのである。

 たとえば、イランの核開発の脅威に晒されているイスラエルは、先制攻撃能力を持っている。イスラエルが先制攻撃する場合は、儀式的なことは一切抜きに、ただ実行するのみだ。しかも彼らは、アメリカと違って空爆だけを用いるわけではない。空と陸から同時に攻撃を行うのである。

 もしイスラエルの首相が、「イランが核攻撃を行いそうだ」という報告を受けたら、即座に空と陸から攻撃を開始する。しかも、有人機とミサイルを使うのだ。ミサイルも、短距離ミサイルと長距離ミサイルの両方を使う。

 アメリカは、OPLANという韓国との合同演習で、北朝鮮の核施設への攻撃を想定した訓練を行っているが、いずれにせよ、北朝鮮が核弾頭をミサイルに搭載したら、その時点で完全に手遅れだ。

 ここで覚えておかなければならないのは、北朝鮮のミサイルは、侵入の警告があれば即座に発射されるシステム(LOW)になっているかもしれない、という点だ。このシステムでは、アメリカの航空機やミサイルが侵入してくれば、北朝鮮側の兵士が自動的に発射ボタンを押すことになる。

 LOWとは、レーダーからの警告に即座に反応することを意味する。彼らは、その警告を聞いた途端にボタンを押すのだ。そうなると、北朝鮮を攻撃すること自体に大きなリスクが伴う。

 もし北朝鮮を本気で攻撃するのであれば、空からだけでなく地上からの支援も必要だ。地上に要員を配置して、ミサイルをレーザーなどで誘導しなければならないからだ。つまり「現場の兵士」が必要となるのであり、ミサイルの着弾後も、攻撃目標が間違いなく破壊されたかを確認する必要がある。ミサイルが着弾しても、爆発による煙やホコリが落ち着くまで写真撮影は不可能であり、破壊評価が遅れるので、現場の人員が必要になるのだ。そのためには、北朝鮮内に何らかの方法で人員を予め侵入させておき、目標を把握しておかなければならない。

 韓国は、そうした能力を持っているとされるが、もしそうなら、作戦敢行の最も良いタイミングは、今夜、もしくは明晩ということになる。しかし、いくら能力があっても、それを使う「意志」がなければ、能力は何の意味もなさないのである。

「まあ大丈夫だろう」が戦争を招く
 日本国民も、一九四五年以来、他国や他民族が戦争の悲劇に見舞われてきたことを目撃してきたはずだ。街が燃やされ、多くの人間が殺され、子供も殺されたのだ。それらすべてのケースがなぜ発生したかと言えば、当事者たちが、「まあ大丈夫だろう」(it will be all right)と思ってしまったからだ。

 人間というのは、平時にあると、その状態がいつまでも続くと勘違いをする。これは無理もないことだが、だからこそ、戦争が発生する。なぜなら、彼らは、降伏もせず、敵を買収もせず、友好国への援助もせず、先制攻撃で敵の攻撃力を奪うこともしなかったからである。つまり、何もしなかったから戦争が起きたのだ。

 いま北朝鮮に関して生じているのは、まさにこのような状況だ。

 アメリカは、北朝鮮の核開発の阻止に関して何もしていない。アメリカだけではない。他の西側諸国も、中国も、ロシアも、何もしていない。

 さらに北朝鮮は、核兵器と弾道ミサイルを保有し、韓国を直接脅かしているのに、韓国自身も何もしていない。彼らは、北朝鮮に対して抑止さえもしていないのだ。

 韓国は、北朝鮮に何度も攻撃されているのに、反撃さえしていない。韓国の哨戒艦「天安」の沈没事件でも、誰もいない方向に砲撃しただけだ。

 要するに、韓国は、北朝鮮の脅威が現に存在するのに、何も行っていない。「降伏」も、「先制攻撃」も、「抑止」も、「防衛」もせず、「まあ大丈夫だろう」という態度なのだ。

 これは、雨が降ることが分かっているのに、「今は晴れているから」という理由だけで、傘を持たずに外出するようなものだ。ところが、このような態度が、結果的に戦争を引き起こしてきたのである。

エドワード・ルトワック(Edward N. Luttwak)
ワシントンにある大手シンクタンク、米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問。戦略家、歴史家、経済学者、国防アドバイザー。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。国防省の官僚や軍のアドバイザー、ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーも歴任。著書に『中国4・0』『自滅する中国──なぜ世界帝国になれないのか』『クーデター入門──その攻防の技術』ほか多数。

訳者 奥山真司(おくやままさし)
1972年生まれ。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学卒業。英国レディング大学大学院博士課程修了。戦略学博士(Ph.D)。国際地政学研究所上席研究員。著書に『地政学──アメリカの世界戦略地図』、訳書にルトワック著『中国4・0』『自滅する中国──なぜ世界帝国になれないのか』(監訳)など。


北朝鮮、また挑発!米空母は「太って肥大したただの変態動物」
スポーツ報知 4/25(火) 6:04配信

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米空母カール・ビンソン(ロイター)

 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が23日付で米海軍の原子力空母カール・ビンソンを「一撃で水葬する臨戦態勢を整えた」などと報じ、戦意を高揚していることが24日、韓国メディアなどの報道で分かった。25日に朝鮮人民軍創建85周年を迎える北朝鮮は、カール・ビンソンと海上自衛隊が西太平洋のフィリピン海で共同訓練を行っていることなどに猛反発。軍事イベントに合わせて6回目の核実験や弾道ミサイルの発射を強行する恐れもあり、米国など関係国は警戒を強めている。

 軍創建85年を翌日に控えた24日、首都・平壌には通り沿いに「4・25」「慶祝」などと書かれた看板や国旗が掲げられた。祝賀ムードが漂うのと同時に、示威行為も活発化してきた。

 23日付の朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は米空母カール・ビンソンについて、「太って肥大したただの変態動物」と表現。トランプ米大統領を揶揄(やゆ)したとも受け取れる表現をした上で「空母を一撃で水葬してしまう戦闘準備を整えた」と威嚇した。同紙は24日にも、空母派遣により「朝鮮半島で核戦争発生の危険が迫っている」と指摘した上で「米国は愚かな軍事挑発が引き起こす破局的な結果について熟考し、むやみに暴れてはならない」とけん制。また「白頭山青年大軍は500万人 核爆弾によって侵略者、挑発者を無慈悲に撃滅、掃討するだろう」などと戦意を高揚させている。

 懸念されるのは、北朝鮮高官は「いつでも6度目の核実験をする準備はできている」と公言しており、一大軍事イベントに合わせて強行する可能性がぬぐいきれない点だ。直近の2016年9月9日の核実験は、北朝鮮の建国記念日に合わせて行われている。

 米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮分析専門サイト「38ノース」は21日に北朝鮮北東部にある豊渓里(プンゲリ)核実験場の衛星写真を公開。坑道上の鉱山用カートや排水の状況などから発射準備が整ったとものと分析している。また、実験場付近の住民たちをすでに避難させたとの情報もある。

 北朝鮮では5年ごとの節目が重視されるため、今年の軍創建記念日は盛大に祝うとの観測もあったが、これまで大型行事の予告はない。25日は祝賀の舞踏会が予定されており、市内各所で踊りの練習をする青年らの姿が見られた。

 故・金日成主席の生誕記念日だった15日に大規模な軍事パレードが行われた市中心部の金日成広場では24日午前、市民らが普段通り行き交い、行事の準備が進められている様子はうかがえなかった。


ICBM実験で北朝鮮攻撃も=米国連大使が警告
時事通信 4/25(火) 6:04配信

 【ニューヨーク時事】ヘイリー米国連大使は24日、北朝鮮が米軍基地への攻撃や大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験を行えば、米国が北朝鮮を攻撃する可能性があると警告した。

 NBCテレビの番組で語った。

 ヘイリー氏は、米国が北朝鮮攻撃に踏み切る理由を問われたのに対し、「彼(北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長)が米軍基地を攻撃したり、ICBM実験を行ったりすれば、われわれは実行する」と言明。軍事力行使の判断は「大統領が行う」と答えた。

 一方、ヘイリー氏は先制攻撃の可能性に関して「われわれに(北朝鮮が)理由を与えなければ、われわれは何もしない」と述べた。


半島情勢、緊張続く=北朝鮮で軍創建85年―核実験に警戒
時事通信 4/25(火) 6:00配信

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スンダ海峡を航行する米原子力空母カール・ビンソン=15日

 【ソウル時事】北朝鮮は25日、朝鮮人民軍創建85周年を迎えた。

 米中両国や日本が自制を強く求める中、日米韓は北朝鮮が軍創建記念日に合わせ、6回目の核実験や弾道ミサイル発射など新たな挑発行動に踏み切る恐れがあるとみて警戒。米国は空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に接近させ、軍事的圧力を強化している。

 韓国の聯合ニュースは政府筋の話として、北朝鮮が東部・元山付近で金正恩朝鮮労働党委員長立ち会いの下、過去最大規模の軍事演習を実施していると伝えた。ソウルを射程に収める長距離砲などを投入した演習で、米韓への対抗姿勢を示す狙いとみられる。

 金日成主席生誕105周年を祝う軍事パレードの翌日の16日にミサイルを発射したように、北朝鮮が挑発の実施日を記念日からずらす可能性もある。

 北朝鮮では朝鮮人民軍創建記念日を「建軍節」と呼び、祝日にしている。朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は25日の社説で、「米国が望むいかなる戦争に対応する意志も力も持っている」とけん制し、「米国は政治的降伏か軍事的降伏の一つを選択する宿命しかない」と主張した。

 米政府は「『レッドライン(越えてはならない一線)』を引かない」(スパイサー大統領報道官)として、軍事行動などに踏み切る基準を明確にしていない。だが、北朝鮮がトランプ政権発足後、初めてとなる核実験を強行した場合、トランプ大統領が強硬な対応に踏み込む可能性もある。


「北朝鮮ミサイル問題」を中国人学生はどう考えているのか
ダイヤモンド・オンライン 4/25(火) 6:00配信

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写真:労働新聞(電子版)より

● 緊張感が伝わってくる 朝鮮半島情勢

 現在、遼寧省瀋陽市の一角にて本稿を執筆している。北朝鮮との国境都市・丹東市(遼寧省)から240kmの位置にある。金正恩委員長率いる北朝鮮当局が核実験やミサイル発射など挑発的行為を繰り返す中、朝鮮半島の緊迫感が陸続きでここまで伝わってくる。

 「平壌で有事の際には、当然我々がここから発動する。準備はとっくにできている」

 中国人民解放軍の7大軍区の一つ・瀋陽軍区に所属する瀋陽在住の幹部はそう言う。緊張感が増長する。本日4月25日は朝鮮人民軍創建85周年に当たる。国際社会は北朝鮮当局がいつ、どのタイミングで「準備はできている」という6回目の核実験に踏み切るのかを注視している。

 「中国人民解放軍の神経を逆撫でするような事態が起きなければいいが」

 平壌の方向を眺めながら、心の中でそう祈るしかない今日この頃である。

● 北朝鮮の核問題をどう解決するか? 学生らと討論

 先週、遼寧大学国際関係学部で私が担当する大学院生の授業で「北朝鮮の核問題をどう解決するか?」と題したディスカッションを行った。少人数で3時間半、忌憚のない討論ができた。

 私の記憶と感覚からすると、前回中国共産党大会が行われた2012年までは、中国の世論や巷で北朝鮮に関する問題が提起されたり、議論されたりすることは稀だった。官製メディアによるトップダウン型の報道や当局による、“中朝友好”を強調するような声明は発せられていたが、民間や市場がそれに応える動きは相当程度限られていたように思う。

 そう考えると、ここ5年ほどで中国世論・人民の北朝鮮、そして北朝鮮問題への関心度は見違えるほど高まったと感じている。本稿では以下、学生らとのディスカッションの模様を可能な限り生々しく伝えてみたい。目的は、中国で一定程度の教育を受けた人民が朝鮮半島の現状、そして中国としてどうすべきかをどう見、考えているのかを掘り起こすことにほかならない。学生は一律に同大同学部の修士課程で学び、男性が多く、出身は全国各地バラバラである。

 ディスカッションの冒頭で、「そもそも北朝鮮の核問題とは何か?」という定義の部分を議論した。日本で一般的に言われる“北朝鮮の核問題”は中国語で“朝核問題”と呼ばれる。中国語では北朝鮮を“朝鮮”、韓国を“韓国”と書き、呼ぶ。少なくとも言語上では“北”の文字は出てこない。もちろん、中国人民も“朝鮮”が分裂状態にある南北朝鮮の北側に位置している事実は承知している。

 問題は“朝核問題”が何を意味するかであるが、学生たちの認識は中国当局が朝鮮半島政策で目標として掲げる“朝鮮半島の非核化”および“朝鮮半島の平和と安定”の影響を深く受けているようであった。

 というのも、「“朝核問題”と言う際、直接的に指すのは北朝鮮が核開発・実験を行い、半島情勢を緊張させている事態を指すが、間接的、より根源的に言えば、南北朝鮮が分裂・敵対状態にあるなかで、韓国に核能力を持つ米軍が駐在している現状も軽視できない。従って、南北朝鮮から核兵器・核能力が除去されて“朝核問題”は初めて解決される」(男子学生A)というのである。

● 中国は韓国に駐在する 米軍の存在に脅威を感じている

 いきなり私が問題提起したかった本題に入ってきた。中国は韓国に駐在する米軍の存在を脅威に感じている。最近、これでもかというほどに強烈に反対してきたTHAAD(高高度追撃ミサイル)の配置問題からもその心境が伺える。

 仮に北朝鮮の核問題が何らかの解決を見る、挑発的行為を繰り返す北朝鮮の現政権が崩壊する、あるいは朝鮮半島が何らかの形で統一されたとして、在韓米軍(統一後は在朝鮮半島米軍)は朝鮮半島に残るのかという問題である。

 学生らは「もちろん、その際には米軍は撤退すべきだ。北の脅威はなくなったのだから。残り続ける根拠はなくなる」という考えをほぼ一律に披露した。 続けて私は次のように問題提起した。

 「しかし、在韓米軍は実際に、特に長期的スパンにおいては中国の台頭を想定しているのは疑いない。だからこそ、中国もTHAAD配置に反対しているのだろう。だとすれば、米軍はかなりの確率で統一後も残ろうとするだろう。しかも、統一後の朝鮮も陸続きの中国を安全保障上の脅威だと見なすことは必至である。イデオロギーでつながっているとされる現在の北朝鮮でさえ中国を信頼していない。脅威にすら思っている。米軍サイドだけでなく、朝鮮サイドも米軍の残留を望むだろう。皆さんどう思うか?」

 「そのとおりだ。やむを得ない。ただ38度線以南というのが前提だ。それ以上の北上は中国としては受け入れられない」(男子学生B)

 「いや、仮に米軍が残るなら中国人民解放軍も38度線以北に駐在すべきだ」(男子学生A)

 「そんなことは不可能だ。残るのとこれから出るのでは訳が違う。統一朝鮮が解放軍の駐在など許すはずがない」(男子学生B)

 「それなら中朝国境に非武装地帯を設け緩衝地帯とすべきだ」(男子学生A)

 続けて、私はこれまた心底質問したかった問題を提起した。

● 中国は北朝鮮の横暴に対して 我慢の限界に近づいている!?

 「最近の中国指導者の発言を見ていると、戦略的忍耐が尽きているのは米国だけでなく、中国としても北朝鮮の横暴に対して我慢の限界に近づいているように感じる。中国として本当にもうできることはないのか?この期に及んでも、中国はまだ金正恩に手を差し伸べようとするのか?皆さんどう思うか?」

 複数の学生が首を横に振っている。教室で最も頻繁に発言する男子学生AとBを含めてである。

 「まだまだだ。仮に中国がすべてのエネルギー・食糧援助を止めれば、北朝鮮は核実験すらできない。政治・外交ルートを通じても中国は金正恩を止められる。止めないだけだ」(男子学生B)

 この考えは、先日、私が北朝鮮問題について北京で話を聞いた国家安全委員会(委員長は習近平)のスタッフの話とも一致する。

 「私も賛成だ。中国は止められるのにあえて止めないだけだ」(男子学生C)

 教室内のベクトルは皆この方向に傾いているようであったが、次の瞬間、一人の学生が挙手する。

● 北朝鮮を守る大義名分が 中国にはあるのか?

 「先生、私はそうは思いません。中国としても方向転換すべき臨界点に差し掛かっていると思います。仮に核施設から放射能が漏れたり、繰り返される核実験やミサイル発射によって国民生活が困窮し、中国東北部に難民がなだれ込んだりすれば、中国の国家安全保障としても脅威になります」(男子学生D)

 この学生Dが指摘する点以外に、私は常日頃、最近益々考えるポイントを学生たちに問題提起した。

 「それに加えて、中国は1992年の段階で韓国と国交正常化し、米国とも広範で緊密な関係を築いている。北朝鮮という国際社会を挑発し、脅威を与える国家を擁護することで中国が失っている信用は計り知れないのではないか?米国や韓国との関係を傷つけ、国際社会からの信用を失ってまで、自らの面子を不断に傷つける北朝鮮を守る大義名分がこの期に及んであるのか?」

 男子学生Bがすぐさま反応してきた。

 「ある。先生の指摘する点は百も承知の上で、それでもある。やはり中国にとって、米国はこれから益々ライバルになっていく。中国としてはこの地域で直接米軍と対峙することを避けるための緩衝地帯が欲しい。北朝鮮には存在してもらわなければ困る。私はそう考えるし、党の指導部もそう考えていると思う。そうでなければ、この期に及んでこのならず者国家を守ろうとする理由などないでしょう。中国としては現状を可能な限り引き伸ばすことが国益だ」

 周りの学生たちも皆賛同している様子であった。特に、学生Bが言及した「引き伸ばす」(中国語で"?下去")という言葉に賛同していた。

 「それでは学生Dが指摘した国家安全保障への関心についてはどう思う?」

 私は続けて聞いた。学生Bは間を置かずに答えた。

 「そんなものは中国共産党にとって問題ではない。仮に放射能が漏洩したり、難民が流れ込んできてとして、情報を封鎖すればいい。そんな簡単なことが共産党にできないと思うか?」

 学生Bは中国で言うところの“右”の学生で、極めてリベラルな思考をする。この情報封鎖に関しては、現体制への余りある皮肉を込めて放っていた。

● 中国として最も望む 朝鮮半島の在り方は?

 学生たちとは「中国にとって現段階で想定できる最悪の事態は何か?」についても議論をした。この点に関しては、皆一律に「中国の国境付近、周辺地帯で戦争が起こること」という回答であった。その意味で、「いま中国が最もすべきことはトランプ大統領を説得して、米国の北朝鮮への先制攻撃を回避すること」(男子学生E)だと主張する。これに異を唱える者はいなかった。

 最後に聞いた。

 「先程の“引き伸ばす”作戦は、現実的ではあるが苦肉の策だと私は理解した。それでは、中国として最も望む朝鮮半島の在り方は何か?」

 沈黙していた男子学生Fがそれまでの議論を総括するかのように口を開く。

 「南北朝鮮が分裂状態を維持する前提で、北朝鮮の政権が変わることです」

 皆賛同している様子だった。中国の面子を立てないどころか、脅威にすらなる金正恩政権に代わって、より制御可能な政権が北朝鮮に誕生し、その過程で核兵器の開発やミサイル発射を停止する局面を指すのだろう。

 最後の最後に聞いた。

 「現状下で、ニクソンショックのごとく、米国と日本が同時進行で北朝鮮との国交正常化に乗り出すとしたら、中国はどう対応するか?

 しばらく黙っていた学生Aが答える。

 「公に反対はしない。する資格もない。しかし、水面下で北朝鮮と緊密に接触し、条件を付けることで、中国の地政学的国益を守ろうとするであろう」

 (国際コラムニスト 加藤嘉一)


北朝鮮の近未来、経済学者が大胆予測する3つのシナリオ
ダイヤモンド・オンライン 4/25(火) 6:00配信

 北朝鮮を巡る緊迫感が、過去に例を見ないほど高まっている。「金王朝」の3代目である金正恩国家委員長が、自らの「独裁体制」維持のために世界の世論に背いて着々と核開発を進め、それが米国の安全保障を脅かすまでになっている。そのこと自体は言語道断の話だが、状況をより複雑にしているのが、事態が中国・米国・ロシアという三つの大国のエネルギーが対峙する朝鮮半島で起きていることだ。大国同士の思惑が絡んで、一筋縄では行かないことになっている。こうした状況下、北朝鮮を巡る今後の展開を、門外漢である経済学者が大胆に予想してみる。

● 複雑に絡む米中露の利害 地政学的リスクが金融市場に波及も

 今回の緊張の発端は、北朝鮮が、米中の首脳会談を控えた4月5日に、ミサイルを発射したことだ。米国は6日、シリアへのミサイル攻撃を通して北朝鮮に警告を発した。米国が軍事力の行使を仄めかしているにもかかわらず、北朝鮮はその意向を尊重しようとしていない。北朝鮮は核開発を進め、状況によっては先制攻撃も辞さない考えを表明した。これに対して、米国は“あらゆるオプション”を排除しない考えを示している。「すわ、第2次朝鮮動乱」勃発かと世界が朝鮮半島での有事勃発に身構えるのも無理はない。

 金独裁体制の後見人としての役割を担ってきた中国でさえ、金正恩氏をコントロールしきれていない。北朝鮮は中国を無視し始めてさえいる。この状況が続く場合、朝鮮半島を巡る情勢が更に緊迫化し、一触即発の事態に至るとの見方が増えている。

 実際、金融市場の参加者の間では「本当に、朝鮮半島で有事の事態が発生するのではないか」といった懸念が強まっている。経済問題と異なり、米国がいつ、どのように軍事作戦を展開するかなどのリスクを予見することはかなり難しい。

 そのため、多くの投資家は先行きを懸念し、株式などのリスク性資産を売り、リスク回避を重視し始めている。この状況が続くと、投資家や消費者の心理が悪化し、緩やかな景気回復を続けてきた米国経済に変調が現れるリスクも排除しきれない。世界の経済全体が米国に依存して安定を保っているだけに、地政学的リスクの上昇が金融市場、実体経済にどういった波及リスクをもたらすかは軽視できない。

 ただ、悲観論が先行してしまうと、そこから議論を進めるのは難しくなってしまう。今後の展開を冷静に考え、将来の事態に対応するためには、客観的な視点から、望ましい状況を想定し、それが実現できるか否かを考えてみることも必要だ。

● 「ベストシナリオ」は北朝鮮の民主化 大国の「緩衝国」として大事な北

 北朝鮮の今後に関しては、様々な見解がある。その中でも、本質的に、世界にとって最も好ましいベストなシナリオは、北朝鮮の指導者である金正恩第一書記が独裁体制を改め、民主化を進めることだろう。

 北朝鮮が民主化を進め朝鮮半島情勢が安定すれば、日米韓にとって、核ミサイルという安全保障面の脅威は大きく低下する。

 中国にとっても、金正恩が改心し民主化に舵を切れば、その意義は大きい。中国は共産党による一党独裁政権の下、南シナ海への海洋進出、チベットへの弾圧などを行っている。米国にとって国際司法などを無視した中国の身勝手な行動は、看過できるものではない。

 そうした状況の中で、朝鮮半島において北朝鮮が、中国や米国、ロシアの間の、地理的な、あるいは政治的な「緩衝地帯」の役割を果たしてきた。

 中国にとってみれば、北朝鮮という“緩衝国”があったからこそ、米国と直に対峙し、エネルギーを消耗する状況を防ぐことができたのである。

 そう考えると、「米国や中国が北朝鮮の体制転換の可能性を検討している」との見方はあるはずだ。米中の双方にとって、北朝鮮が大国の意向を尊重し、国家運営を続けることは不可欠といえる。

 ただ、現在の情勢を考えると、金正恩が改心し民主化の重要性に気づき、政治体制の転換を進める可能性は低いだろう。米国の警告に対して北朝鮮が反発姿勢を強めていることを見ても、民主化を念頭に、今後の展開を議論することは現実的ではない。

● 軍事衝突は「あり得るシナリオ」 半島での米国の影響力強まる

 こうした状況で、相応の可能性があるシナリオとして想定されるのは、米国と北朝鮮の対立が激化し、軍事的な衝突が起きる展開だろう。具体的にいつ、どのような方法、どのような規模で攻撃や衝突が起きるかに関しては、軍事専門家の間でも、様々な見解があるようだ。

 実際に衝突が起きた場合の展開を想定してみる。安全保障条約の下、日米韓は連携して行動すると考えられる。すでに中国は米国との関係を重視し始めており、朝鮮戦争時のように北朝鮮に加勢するとは考えづらい。実際に衝突が起きた場合、中国は従来通り対話の重要性を呼びかけつつ、北朝鮮との国境管理を強化し、混乱が国内に流入するのを防ごうとするのではないか。

 米国の軍事力を考えると、日米韓にとって有利な形で軍事的衝突が収束に向かう可能性があるだろう。そうなると、仮に衝突が発生した場合、その後始末(いわゆる敗戦処理)は日米韓が主導して進めることになるはずだ。その結果、米国は朝鮮半島で一層の影響力を手にする可能性がある。

 このシナリオをもとに考えると、中国は北朝鮮という緩衝国を失う恐れがある。それを防ぐためには、中国が金正恩氏に圧力をかけて、核開発をやめさせることが得策ということになる。だが中国にそれができるかどうかだ。

● 北朝鮮vs米国の対立続くシナリオ 米国に接近せざるを得ない中国

 第3のシナリオは、今後も対立が続く展開だ。米国は軍事力の行使を示唆してはいるが、本当に攻撃を行うかどうか、実際の判断は口で言うほど容易なことではないはずだ。 専門家の間でも、「かなり慎重な判断が必要」との見方は多い。中国もそれを理解しており、実際には、北朝鮮に無視されながらも対話による問題解決を目指している。

 動くに動きづらい米中の立場を見越して北朝鮮は核開発を続け、制裁の解除などを米国から引き出そうとするだろう。この場合、米国は警告を無視したことに立腹し、さらに強硬な姿勢をとるはずだ。

 金正恩の独裁体制と核開発は表裏一体だ。核開発が続く限り、米国は北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)攻撃という脅威に晒され、日本や韓国でも安全保障上のリスクは上昇するだろう。その場合、先行きに関する懸念の上昇は避けられない。

 このシナリオは先行きへの不透明感を上昇させるだけでなく、多くの人々の神経をすり減らすだろう。

 米朝の対立は、中国にも無視できない影響を与えるだろう。北朝鮮が中国の意向に従わない以上、中国は米国に接近せざるを得ないと考えられる。それは、中国が北朝鮮という緩衝国を失うことに等しい。また、米国への接近は、“共産党政権が北朝鮮を制御できない”との国内世論につながり、先行きの政治・経済の不透明感が上昇する恐れもある。

 結局のところ、北朝鮮の暴走を食い止めるには、中国の圧力が不可欠だ。北朝鮮の輸出入の6割程度は中国とのものだ。中国が今以上に石炭の輸入などを削減すれば、北朝鮮の経済活動は成り立たなくなり、金正恩体制の政権基盤も危うくなるだろう。中国が北朝鮮に対する圧力をさらに強化すれば、それなりの影響力を発揮できる可能性が高い。

 こうした展開を念頭において、米国は北朝鮮に強硬な姿勢をとっているとの見方もある。米国の思惑通りに、中国が北朝鮮に圧力をかけるなら、朝鮮半島情勢への不安は低下する可能性がある。それは現時点で最も現実的なシナリオの一つと考えられる。中国が北朝鮮をコントロールすることができれば、地政学的リスクに起因する先行きへの不安心理は落ち着く可能性がある。それができない場合、朝鮮半島情勢への懸念の上昇から、世界経済が厳しい状況に直面する恐れがあることは覚悟しておくべきだろう。

 (法政大学大学院教授 真壁昭夫)


米国の北朝鮮攻勢はトランプの「孤立主義」と矛盾しない
ダイヤモンド・オンライン 4/25(火) 6:00配信

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北朝鮮のミサイルが、これまでの地政学の概念を揺るがせている 写真:労働新聞(電子版)より

 米国は4月6日、シリア空軍基地へのミサイル攻撃を実施した。ドナルド・トランプ大統領が習近平中国国家主席を迎えて「米中首脳会談」の最中であった。米国は続いて、アフガニスタンのISIS(イスラム国)に非核兵器としては最大級の威力がある大規模爆風爆弾(MOAB)による攻撃を行った。さらに、大統領は「すべての選択肢がテーブルの上にある」と北朝鮮に強硬姿勢を示し、空母カールビンソンを朝鮮半島近くに配置した。

 トランプ大統領は就任前から「アメリカファースト」を標榜し、「外国への軍事介入は馬鹿げている」と主張する「孤立主義」の立場を打ち出していた(本連載2017.1.24付)。しかし、大統領就任後、その主張とは真逆に見える「軍事介入」を次々と展開し始めている。米国や日本の様々なアナリストが大統領は変わったと指摘している。

 だが、本稿は「4D地政学」という新たな概念を提示し、トランプ大統領が「アメリカファースト」の姿勢を全く変えていないと主張する。そして、今後の米国の動きについては「孤立主義」を想定し、最悪事態に備えるべきであるとあらためて強調する。

● 「地理的な環境が国家に与える政治的 軍事的な影響」を分析してきた地政学

 この連載では、国際政治の分析枠組の1つとして「英米系地政学」を用いてきた。これは、英国の地理学者ハルフォード・マッキンダー卿と米国の学者ニコラス・スパイクマンが示した、海洋国家(シーパワー)がユーラシア大陸中央部(ハートランド)に位置する大陸国家(ランドパワー)の拡大を抑止するための理論である。

 具体的には、ハートランドの周縁に位置する地域を「リムランド」と名付ける。リムランドには、フランス、ドイツ、東欧など欧州諸国、中東、インド、東南アジア、中国沿岸部、韓国などが含まれる。ランドパワーがリムランドを統合すると、シーパワーにとって巨大な脅威となると警告する。逆にシーパワーは、リムランドを形成する国々と共同して、ハートランド勢力を包囲し、その拡大を抑止すべしと強調する(2010.12.14付)。

 この連載では、例えば日本、米国、英国など海洋国家(シーパワー)の戦略は、経済関係構築にも当てはまると考えた。経済成長著しい中国沿岸部は、「リムランド」の一部と見なすことができる。これをシーパワーが取り込むとは、「積極的に中国の経済発展に関与することで、中国を欧米ルールに従う市場経済圏として発展させること」であり、「中国を資源ナショナリズムに走らせず、海洋権益に手を出すことのデメリットを認識させる」ということになるからだ。

 急拡大する中国では「軍事的な覇権国家」と「市場経済のルールの枠内での経済大国」の2つの方向性がせめぎ合っている。シーパワー・日本としては、中国がランドパワー化して海洋進出するのはなんとか避けねばならない。それには、日本が積極的に中国の経済発展に関与することで、中国沿岸部の都市部をハートランドから切り離し、経済的に「リムランド化」するというのが、本連載の主張であった(2015.12.8付)。

 さて、地政学とは「地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的な影響を巨視的な視点で研究するもの」と定義できる。例えば、中国の軍事的・経済的な急拡大は、中国と地理的に近接している日本にとっては脅威だが、地理的に遠い英国にとっては、「新たなビジネスパートナー」の登場であり、脅威とはならない。例えば、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対して、なぜ日本は警戒して参加できず、英国は躊躇なく参加できたかは、地政学で説明可能である(2015.4.2付)。

 スパイクマンは「地理とは外交政策において最も基本的なファクターである。何故ならば地理は不変であるからである」という言葉を残している。地政学において、国家間の関係は平面の地図上で「固定的」なものである。そして、固定的であるがゆえに、国家間の関係は「運命的」なものとみなされる。例えば、日本と米国が激突した「太平洋戦争」は、地政学的にみれば、不可避な運命であったと結論付けられる(フリーマン, 2014)。

● 「空間」における国家間の 「動的」な距離感を説明する「4D地政学」

 地政学は、スパイクマンが「リムランド理論」を提示した1943年から約70年以上、基本的に新たな理論が提示されていない。それは、地政学の国際関係を長期的な流れで読み解く理論としての確かな有効性を示している。ゆえに、国際関係の劇的な変化に対して、地政学がもてはやされ、巷には「地政学本」が溢れている。

 一方、地政学の限界を批判するアナリストは少なくない。トランプ大統領の登場による国際関係の変化は、従来の地政学では説明しきれないものとなっているのも事実だからだ。だが、本稿では「4D地政学」という新たな概念を提示して説明を試みる。

 4Dとは、要するに「四次元」という意味である。端的にいえば、これまで地図という「平面」の上で「固定」された国家の位置関係から国際関係を考察してきた地政学に、「空間」という新たな分析枠組を付け加えることである。そして、空間における国家間の位置関係は不変で固定的なものではなく、国家の持つ軍事的技術力の進歩によってグニャリと曲がって変化する「動的」なものと考える。これが「4D地政学」である。

 それは、かつて地球上で、1つの大陸がプレートの移動とともに分裂して、現在の形となったという「プレートテクトニクス理論」の真逆の働きが、国家の軍事的技術力向上によって、空間がグニャリと曲がることで起こるイメージといえるだろうか。

 もちろん、航空機、ミサイル、ロケットなどの登場は、地政学を無力化したという、よくある批判は承知している。しかし、今回の北朝鮮情勢は、地理的な要素を排除して考えるべきではない。米国と北朝鮮の軍事的対立は、地理的条件に関係なく起こったというよりは、北朝鮮のミサイル開発が次第に進むことで、遂に米国を直接攻撃できるところまで「空間」における距離感を縮めていったことで、米国が動かざるを得なくなったために起こったと考えるべきだからだ。

 従来の地政学では、米国は「New World」と呼ばれ、どの国からも直接攻撃されない離れた位置にあることで、政治的・軍事的に圧倒的な優位性を持っているとされてきた。

 例えば、東西冷戦の1982年、ロナルド・レーガン大統領はパーシングII(弾道ミサイル)とトマホーク(GLCM、巡航ミサイル)を西ドイツ、英国、イタリア、オランダ、ベルギーなどに配備した。これはソ連を恐怖のどん底に陥れ、東西冷戦を終結させる一因となった。ミサイルの欧州配備により、ソ連は欧州戦域の主戦場になるのに対し、米国は戦場から全く安全な聖域の位置にあるという「地理的な非対称性」により、米国がソ連に対して圧倒的な軍事的優位性を持つことになったからである。

 逆に言えば、米国の圧倒的な地理的優位性が崩れる可能性があるとすれば、それは米国を直接攻撃できる手段を持つ国が出現する時である。その事例が、米国と至近距離のキューバにソ連がミサイルを配備しようとして、米国をパニックに陥れた、1962年の「キューバ危機」である。

 そして今回、北朝鮮はミサイル開発によって米国に対する直接攻撃の可能性を高めたことで、米国の圧倒的な地理的優位性を切り崩すことに成功したといえる。ただし「キューバ危機」などと異なるのは、「平面上」での「固定的」な距離を埋めることが不可能だった北朝鮮が(例えば、北朝鮮がカリブ海に核配備することは不可能だ)、軍事技術力を強化することで、「空間」をグニャリと曲げることに成功し、米国との距離感を埋めたということである。

● 「4D地政学」で北朝鮮のミサイル開発と 米国の軍事行動を考える

 具体的に北朝鮮のミサイル開発を振り返ってみる。北朝鮮は1993年に準長距離弾道ミサイル「ノドン」を日本海に向けて発射して以来、次々とミサイル実験を行なってきた。そして、2012年には射程1万キロメートルの大陸間弾道弾(ICBM)「テポドン2号」を発射実験するなど、着実にミサイルの射程距離を伸ばしてきた。また、北朝鮮は2006年以降核実験を5回行っている。ミサイルに核弾頭を搭載する能力を持つのは時間の問題とみなされるようになってきた。

 今年2月、トランプ大統領と安倍晋三首相の日米首脳会談時に、北朝鮮は弾道ミサイルを発射した。次は、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射ではないかとささやかれるようになった。そして、北朝鮮の建国指導者金日成の生誕日「太陽節」の4月15日の前後に、6回目の核実験を実施するとの情報が流れた。北朝鮮が米本土に届くICBMを完成させることが、現実の危機と認識されるようになってきたのだ。トランプ政権が北朝鮮に対する軍事行動を決断したのは、この時点である。

 「4D地政学」で北朝鮮の行動を評価すれば、「ミサイル技術の向上で米本土を核攻撃できる能力を持って、米国を対話の場に引きずり出す」という戦略には、極めて高い合理性があったといえるだろう。もちろん、米国を引きずり出すことに成功したまではいいが、今後も北朝鮮の思惑通りにいくかどうかは全く別の話である。

● あくまで「中国主導の北朝鮮問題解決」が 米国のファーストチョイス

 今後の焦点は、米国が北朝鮮を先制攻撃するかどうかである。既に、米国や日本の多くのアナリストが論じているように、現時点では先制攻撃の可能性は低いだろう。北朝鮮は、多連装ロケット砲や長射程火砲など約1万発の火砲を38度線に集中させてソウルに向けている。米国が先制攻撃すれば、北朝鮮が報復し、ソウルが「火の海」になる可能性がある。攻撃開始前には、ソウルに在住する「非戦闘員退避」が不可避であるはずだが、まだ開始されていない。また、北朝鮮の報復攻撃に対する在韓米軍の防衛体制が整っているともいえない。高度ミサイル防衛システム(THAAD)は使用可能な状況ではない。

 現時点で西太平洋に展開する空母がカールビンソンだけであり、先制攻撃にはいかにも戦力不足でもある。現在のところ、米国の軍事行動は威嚇の段階にすぎないことを示している。

 一方、北朝鮮への軍事的展開の前に行われた、シリア空軍基地への空爆との関連性はどうか。これは結果論として、ISISと対峙するアサド政権を弱体化させるなど、空爆後の次の一手をどうするかの展望が見えず、トランプ政権の中東戦略の欠如を指摘されてしまっている。ただし、米中首脳会談の最中に空爆を実行したことで、トランプ大統領は習近平主席に対して「本気度」を見せつける効果があったのは間違いない。

 首脳会談で、トランプ大統領は習近平主席に、北朝鮮が進める核開発を抑えるよう、中国が真剣に取り組むことを要求したという。そして、中国が北朝鮮を説得できなければ、米国単独で北朝鮮の核施設を先制攻撃することも辞さないと伝えた。その上で、カールビンソンを主体とする空母機動部隊の北朝鮮近海への移動を、実際に開始したのである。

 現在、中国は北朝鮮が核・ミサイル開発を断念するよう、これまでとは比較にならない真剣さで説得しているという。金正恩委員長に亡命を促しているという情報もある。つまり、米国の軍事展開は、中国が説得に失敗したらなんでもやるぞという牽制が目的であり、あくまで「中国主導での北朝鮮問題解決」が、米国のファーストチョイスなのである。

● 「アメリカファースト」の姿勢は不変 日本は最悪事態に備えるべきだ

 「4D地政学」が明らかにすることは、トランプ政権がこれまで主張してきた「孤立主義」的な考え方が、実はなにも変わっていないということだ。米国が動いたのは、北朝鮮のミサイル開発で「空間」における距離感が縮まり、米本土が攻撃される危機が現実となってきたからである。そして、その解決はあくまで中国主導と考えている。要するに「アメリカファースト」そのものなのである。

 そう考えると、この連載が主張してきたように、米国が孤立主義的になっていく中で、日本も東洋の一小国として孤立してしまう最悪の事態を想定しておくべきではないだろうか(2016.11.12付)。

 端的にいえば、中国主導による北朝鮮の核廃絶、金正恩委員長の亡命、朝鮮半島の南北統一が実現し、在韓米軍が撤退する。日本は中国の軍事的・経済的な膨張に、朝鮮半島という緩衝材なしに対峙しなければならなくなる。更に、トランプ政権と中国の「ディール」による、太平洋二分割の新型大国関係が確立し、在日米軍がグアムまで撤退する。この悪夢のようなシナリオを、決して想定の範囲から排除してはならないのではないだろうか。

 参考文献:ジョージ・フリードマン(2014)『100年予測』早川書房

 (立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)


北朝鮮の「制裁強化を」 米大統領、国連安保理に要請
AFP=時事 4/25(火) 5:49配信

【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は24日、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる現状は「受け入れられない」と述べ、国連安全保障理事会(UN Security Council)が同国への制裁強化を準備する必要があると指摘した。

 同大統領はホワイトハウス(White House)を訪問した安保理理事国の大使らとの会合で、「これは世界に対する真の脅威だ」とし、「北朝鮮は大きな世界的問題であり、われわれがついに解決しなければならない問題だ」と述べた。

 その上で「安保理は北朝鮮の核と弾道ミサイルの両プログラムに対し、より強力な追加制裁を科す準備をしなければならない」と指摘した。

 一連の発言により、再び緊張が高まることは必至だ。北朝鮮は弾道ミサイル開発を推進しており、6回目の核実験の準備を進めているとみられている。また22日には、同国内で3人目となる米国人を拘束した。【翻訳編集】 AFPBB News


「気性の荒い独裁者」を見くびってはならない
東洋経済オンライン 4/25(火) 5:00配信

 「朝鮮半島第3次核危機」はクライマックスを迎えるのだろうか。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が政権基盤の盤石さを内外に見せつけるのが4月25日の朝鮮人民軍創建85周年イベントだ。

 北朝鮮は、その国威発揚の年中行事にあわせて6回目の核実験実施の動きを見せている。そうしたなか、トランプ米政権は米空母を朝鮮半島近海に派遣、さらに日米首脳電話会談と米中首脳電話会談の「政治ショー」をたて続けに開催した。

 米国は金正恩氏に軍事的・外交的圧力をかけることで、核実験や弾道ミサイルの発射実験といったさらなる挑発行為を自制するよう、強くけん制している。

■5月9日の韓国大統領選挙までは自制か

 北朝鮮は少なくとも5月9日の韓国大統領選挙まで、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を見送る可能性が高い。さらなる挑発行為に出ると、南北の緊張が高まり、大統領選で韓国の保守層に追い風を吹かせることになるからだ。

 北朝鮮としては何とか親北派の文在寅氏に勝たせたい。さらに、核実験やミサイル実験を強行すれば、中道左派の安哲秀氏に加え、文氏も、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)の韓国配備について賛成に回りかねない。

 また、現在のように、日米韓中の4カ国が、まるで太陽系の惑星が一列に並ぶ「惑星直列」のように、共同戦線で北朝鮮に強烈に対峙(たいじ)しているのは歴史上、極めて異例だ。

「北は全面戦争を避けようとする」は本当か
 北朝鮮はかつて孤立して窮地に陥った際には、日米韓の連携を断つ「分断外交」をしばしば展開した。今回は、内政が不安定の韓国をターゲットに4カ国の連携を分断させるようとする動きのほか、ロシアへの接近を誇示して、中国の圧力に屈しない「振り子外交」を展開するとみている。

 北朝鮮をめぐる緊張が高まる中、日本の論壇では、米国が北朝鮮の核施設を対象にサージカルアタック(局部攻撃)といった限定的な先制攻撃をしても、北朝鮮が報復攻撃をしなかったり、できる限り全面戦争を避けたりするとの見方がある。

■子供の頃から負けん気が人一倍強い

 筆者はこの見方は極めて楽観的で、危険だとみている。核ミサイル開発は北の独裁体制維持に不可欠であることに加え、米国に対する最大の抑止力になっている。それが破壊されれば北の金王朝体制の崩壊を意味する。そのような状況で、金正恩氏はやすやすと尻込みをするだろうか。

 また、金正恩氏は子供の頃から、負けん気が人一倍強く、気性が激しいことがわかっている。米国が脅せば脅すほど、挑発をエスカレートさせるタイプだ。一筋縄ではなかなかいかない人物だ。金正恩という人間が理解されていないがために、「米国が先に手を出しても、北朝鮮は必要最低限の反撃にとどめようとするだろう」といった甘い見方が根強いとみている。

 故金正日総書記の専属料理人を計13年務めた藤本健二氏は、これまでに金正恩という人間を理解できるエピソードをいくつも、書籍や筆者との取材の中で述べている。

 藤本氏は、金正恩氏が7歳から18歳になるまで遊び相手として一緒に長い時間を過ごしてきた。金正恩氏に実際に会った唯一の日本人だ。ここで改めて34歳になる北の独裁者、金正恩氏が何者かを理解してもらうために、藤本氏が挙げたエピソードのいくつかを紹介したい。

 1990年1月、藤本氏は北朝鮮南西部の信川招待所で、当時7歳の金正恩氏と初めて会った。藤本氏は当時40歳を超えている。初対面の挨拶のときに、金正恩氏は藤本氏をにらみつけ、握手をしばらく拒否。「こいつが憎き日本帝国の輩か」といったような鋭い視線で四十男の藤本氏を睨んでいたという。

オセロゲームをしていた際に起きたこと
 また、金正恩氏が8歳か9歳のとき、オセロゲームをしていた際に、そばに立っていた3歳年上の兄の金正哲(キム・ジョンチョル)氏がオセロゲームの玉を落としたところ、頭に来た正恩氏は兄の顔をめがけて、その玉を投げつけた。藤本氏は著書『北の後継者 キム・ジョンウン』で「大事にはいたらなかったが、ジョンウン大将の気の強さに私は驚いたものだ」と述べている。

 さらに、 金正恩氏が10代半ばのとき、大好きなバスケットボールを一緒にプレーした選手たちに、試合後、「さっきのパス、とても良かった」と手を叩いて褒めた。その一方、ミスを犯した選手には、厳しく叱っていた。そして、その後、「彼のことをあんなに怒ったけれど、大丈夫かな、立ち直れるかな?」とフフフフと笑みを浮かべながら藤本氏に話したという。つまり、金正恩氏は10代半ばにして、計算尽くで選手を怒っていた。

 また、2000年8月、2人は元山招待所から平壌に向かう列車の中で酒を飲みながら夜明けまで5時間にわたり、いろいろと話し合ったという。その中で、17歳だった金正恩氏は「わが国は、アジア(のほかの国)を見ても、工業技術がずっと遅れている」「わが国の人口は2300万人だが、中国は13億人もの人口なのに、統制ができているのはすごいよね」などと話し、北朝鮮の現状や将来を案じていたという。

 金正恩氏は、大阪市生野区鶴橋生まれの帰国在日朝鮮人、高英姫氏(2004年没)を母に持つ。藤本氏によると、小さい頃にはその母に連れられて日本にもお忍びでしばしば来ていたという。また、少年時代にはスイス・ベルンのインターナショナルスクールに留学。インターネットにも詳しく、国際事情にも精通しているとされる。

■「うかうかすると金正恩とは本当に戦争になる」

 金正恩氏の気性の激しさや冷徹さの部分は今も変わらない。2013年12月には叔父の張成沢氏を処刑、今年2月には異母兄弟の金正男(キム・ジョンナム)氏毒殺を命じた疑いが持たれている。処刑した人物はこれまでに300人を超える。

 元公安調査庁調査第二部部長の菅沼光弘氏は筆者の取材に対し、「なぜ金正日が、金正男でも金正哲でもなく、金正恩を後継者に選んだのか。北朝鮮の最高指導者になる者は、胆力がなければならない。胆力とは何か。後顧の憂いなく戦争ができることだ。だから、『危ないよ』と私は警告している。金正日は戦争をできなかったが、うかうかすると金正恩とは本当に戦争になる。それくらいのことはやる」と話している。

 危機や有事の際には、次の一手を読む上でも、指導者のプロファイル分析が必要不可欠だ。しかし、隣国の独裁者、金正恩氏とは何者か、との議論や分析が日本国内で十分に尽くされていると言えるだろうか。


なぜ北朝鮮への米空母派遣は「インド洋経由」だったか
ダイヤモンド・オンライン 4/25(火) 5:00配信

 北朝鮮による挑発行為への対抗措置として、シンガポールから朝鮮半島近海へ派遣されたはずの米原子力空母カールビンソンが、実際は逆方向にあるインド洋での演習に向かっていたことが分かった。だが、それが判明したのは副大統領が日韓訪問を終えた後で、トランプ米大統領の“演出”だった可能性がある。朝鮮総連で活動後フリーライターとして活動、韓国で取材した李策氏に、米国の狙いについて寄稿してもらった。

 「トランプ政権は再検討(review)および改定(reform)を推進する」

 ペンス米副大統領は4月18日、ソウル市内のホテルで行った演説で米韓自由貿易協定(FTA)についてこう述べ、韓国政府首脳に動揺を与えた。

 トランプ米大統領は選挙中から、米国側の貿易赤字増大と雇用の減少を挙げて米韓FTAの再交渉に言及しており、韓国側からすれば遂に「その時」がやってきた形となったからだ。

 それでも、ペンス氏は「招かれざる客」であったわけではない。むしろその逆だ。

 父親が米陸軍兵士として朝鮮戦争に参戦したというペンス氏は韓国入りの翌日(17日)、まず非武装地帯(DMZ)を訪問。軍事境界線からわずか25mの所にある見張り台に立ち、北方を睨み据えるパフォーマンスを演じるなどして、「同盟国を守る」という米国の強固な意思を示したのだ。

 続いて日本を訪問したペンス氏は、安倍晋三首相との会談、麻生太郎副総理兼財務相との日米経済対話で、韓国での行程をなぞるような動きを見せた。北朝鮮に対する圧力強化を強調しつつ、日本との2国間FTAに言及。自動車や農産物で、日本に厳しい要求を行う姿勢を示唆したのだ。

 日本や韓国にとって、トランプ政権との貿易交渉はたいへんな負担だ。今後しばらく、内政と外交の両面で最大の課題となる可能性をはらんでいる。

● 「開戦前夜」の空気さえ漂う中で 副大統領の日韓歴訪は演出の効いたもの

 だがそれにしては、世論の反応は淡々としている。理由はいくつかあろうが、トランプ政権が今月8日に発した「カールビンソン急派」の報が、人々の目を北朝鮮に釘付けにしたことも一因と言えるだろう。

 周知のとおり、米原子力空母カールビンソンを中心とする空母打撃群は、実際には朝鮮半島に「急派」されたわけではなく、インド洋での演習に向かっていた。国防総省とホワイトハウスの間に連絡ミスがあったとされる。そのため、当初の報道では4月中旬にも北朝鮮近海に展開するとされていたが、実際の到着は25日頃になるという。

 そのことが判明したのは奇しくも、ペンス氏が韓国と日本での日程を終えたタイミングでのことだ。トランプ政権が狙ってやったとは言い切れないが、「開戦前夜」の空気さえ漂う中での米副大統領の日韓歴訪は、実に“演出”の効いたものだった。

 朝鮮半島の軍事的緊張の根本的な原因が、北朝鮮の核・ミサイル開発の暴走にあるのは言うまでもない。だが、少なくとも今回に限っては、「緊張の場面」を作ったのは米国の側だったと言える。

 北朝鮮の金正恩労働党委員長は普段、いつ、どこへ行くかを事前に公表しない。しかし北朝鮮の国営メディアは3月22日の時点で、4月11日に最高人民会議(国会)が開かれることを予告していた。この場に、正恩氏が参加しないはずはない。さらに4月15日は、祖父である故金日成主席の生誕105周年で、その記念行事に正恩氏が現れることも容易に想像できた。実際、正恩氏はこの日の軍事パレードに姿を見せたほか、2日前(13日)に行われていた平壌市内のニュータウン「黎明通り」の竣工式にも参加した。

 このようなタイミングで、米空母打撃群が北朝鮮近海に展開すると思われていたのである。トランプ政権は、シリアの化学兵器使用疑惑に対して電撃的に「ミサイル懲罰」を行ったくらいだから、北朝鮮に対しても何をするかわからない――。これが、今回の緊張の下地となったわけだ。

 正恩氏の側にも、米国に反発して核実験をしたり、弾道ミサイルを発射したりといったカードがあるにはあるが、それは自分の身を米軍の巡航ミサイルにさらしながらのこととなる。これまで一方的に核実験とミサイル発射を繰り返し、国際社会に攻勢をしかけてきた正恩氏だが、今回は久々に守勢に立たされることになった。

● 米軍に頼るほかない現実突き付け 対価を求めていく戦略か

 そういった意味で、たとえ「カールビンソン急派」が演出だったにせよ、トランプ政権が北朝鮮にかけた圧力は本物だった。正恩氏が今後も核実験やミサイル発射を繰り返すなら、トランプ政権は何度でもこうした場面を作り出すのではないだろうか。

 気になるのは、トランプ政権のこうした動きが、日韓との経済対話(貿易交渉)とリンクしてくる可能性である。トランプ氏は大統領選の期間中、「日韓は米軍駐留経費を全額払え、さもなくば撤収だ」と言っていたが、当選後はこの主張を引っ込めている。

 だが、もしかしたらトランプ氏は持論を撤回したのではなく、単にもっと良い方法――北朝鮮の核の脅威と、米軍のほかに頼るもののない日韓の現実を浮き彫りにしながら、対価を求めていく戦略──を見つけただけなのではないだろうか。

 そう考えてみると、「カールビンソン急派」のハッタリはやはり怪しい。米軍の駐留経費すら負担したくないトランプ氏が、何の見返りも求めず、空母打撃群を派遣するための莫大な費用を追加で支払うとは思えないからだ。

 (フリーライター 李策)


北朝鮮に新たな制裁、安保理の発動用意必要=トランプ氏
ロイター 4/25(火) 3:51配信

[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、北朝鮮のミサイル・核開発プログラムをめぐる緊張が高まるなか、国連安保理は同国に対する新たな制裁を発動する用意を整える必要があるとの考えを示した。

トランプ氏は記者団に対し、安保理はシリアで化学兵器が使用された際に対応しなかったと指摘。「安保理は北朝鮮の核開発・弾道ミサイルプログラムに対しより強力な制裁を追加的に発動する用意を整えておく必要がある」と述べた。

そのうえで、北朝鮮は世界に対する脅威となっているとの認識を示し、「解決しなければならない問題である」と述べた。


新たな北朝鮮制裁準備を=「問題解決する時」と米大統領
時事通信 4/25(火) 1:17配信

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は24日、国連安全保障理事会理事国の国連大使との昼食会で、「北朝鮮の現状は容認できない。国連安保理は北朝鮮の核・ミサイル開発に対して新しい強力な制裁を準備しなければならない」と強調した。

 ホワイトハウスで開かれた昼食会には、別所浩郎国連大使も出席した。

 北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創建85周年に合わせ、6回目の核実験や弾道ミサイル発射を強行するとの見方を踏まえた発言とみられる。

 トランプ氏は「(北朝鮮は)世界に対する本物の脅威だ。人々は何十年も見て見ぬふりをしてきた」と指摘。北朝鮮が核放棄を受け入れるまで対話を行わない「戦略的忍耐」を維持したオバマ前政権の対応を暗に批判した。その上で、「今こそ問題を解決する時だ」と明言した。

 トランプ氏はこれに先立ち、ドイツのメルケル首相との電話会談でも「北朝鮮による緊急の安全保障問題」を協議。28日にはティラーソン国務長官が北朝鮮の核問題に関する国連安保理閣僚級会合を主導する予定で、国際的な北朝鮮包囲網を形成する方向で動いている。


トランプ氏「好戦的な」北朝鮮批判、習主席と電話協議
ロイター 4/24(月) 22:47配信

[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、中国の習近平国家主席と電話協議し、北朝鮮が好戦的な態度を続けており、朝鮮半島を不安定化していると批判した。米ホワイトハウスが24日、声明を発表した。

米中首脳は北朝鮮のミサイル、核プログラムによる脅威が差し迫っており、朝鮮半島の非核化に向け共に取り組むことに注力しているとの認識で一致したとしている。


米中首脳「脅威の緊急性」確認=北朝鮮は好戦的と批判―トランプ氏
時事通信 4/24(月) 22:40配信

 【ワシントン、北京時事】トランプ米大統領は23日(日本時間24日)に行った習近平・中国国家主席との電話会談で、北朝鮮が好戦的な態度を続けていると批判した。

 両首脳は北朝鮮の核・ミサイル開発による脅威の緊急性を再確認し、朝鮮半島非核化への連携強化を申し合わせた。ホワイトハウスが24日発表した。

 トランプ氏はこの中で、北朝鮮の挑発行動が朝鮮半島を不安定化させていると強調した。トランプ、習両氏は12日も北朝鮮対応をめぐって電話協議しており、米中首脳のこうした頻繁なやりとりは異例だ。

 トランプ氏はこれに先立ち、安倍晋三首相と電話で協議。北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創建85周年に合わせ、6回目の核実験や弾道ミサイル発射を強行するとの見方があることを踏まえ、日中両首脳と意思疎通を図ることで、内外に強固な姿勢を示したとみられる。


中国、北国境の警戒強化…兵士10万人展開か
読売新聞 4/24(月) 22:18配信

 【北京=竹内誠一郎、瀋陽=中川孝之】北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創建記念日に合わせて弾道ミサイル発射や6回目の核実験を強行する可能性が指摘されている中、中国軍が朝鮮半島の有事を想定し、中朝国境での警戒レベルを高めている模様だ。

 中国軍などの複数の関係筋によると、中国軍は4月中旬から臨戦態勢に次ぐレベルの「2級戦備態勢」に入った。中朝国境地帯に10万人規模の兵力を展開しているとの情報がある。

 中国国防省が2013年に公表した白書によると、2級態勢は3段階の戦備態勢で2番目のレベル。自国への直接的な軍事的脅威が一定のレベルに達したと判断した際、武器・装備の準備や隊員の禁足、当直態勢の強化などに入るとされる。


<日米・米中首脳電話協議>緊張高まる北朝鮮情勢
毎日新聞 4/24(月) 21:55配信

 北朝鮮が25日に朝鮮人民軍創建85周年を迎えるのに当たって、核実験やミサイル発射を警戒する米国が軍事圧力を強め、北朝鮮情勢の緊張が高まっている。米国は空母打撃群を朝鮮半島近海へ向かわせており、トランプ米大統領は24日(米国時間23日夜)、日本の安倍晋三首相、中国の習近平国家主席と相次いで電話で協議。日米で連携し、中国に外交解決へ向けた役割を果たすよう迫った。

 「トランプ大統領と北朝鮮情勢について突っ込んだ意見交換を行った」

 安倍首相は電話協議後、首相官邸で記者団にこう語ったが、詳細な協議内容への言及は避けた。強調したのは「全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価した」という点。「その上で、いまだに危険な挑発行動を繰り返す北朝鮮に強く自制を求めていくことで完全に一致した」と説明した。

 電話協議に同席した政府筋は「トランプ大統領はこれまでの会談などはゴルフや天気の雑談、ジョークを交えて盛り上げていたが、今回はなかった。真剣に北朝鮮情勢に取り組んでいるのだろう」と語った。

 朝鮮半島近海に向かう米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」は23日から海上自衛隊の護衛艦と共同訓練を開始。北朝鮮への軍事圧力を強める米国に日本も足並みをそろえる。北朝鮮の核実験・ミサイル発射を抑止するのが目的だが、これに対し北朝鮮が挑発行動に出れば、米朝の軍事衝突につながりかねず、日本も巻き込まれる懸念も伴う。

 それでも日米が強硬姿勢を前面に押し出すのは中国に危機感を持たせるため。両首脳は今月6、7日の米中首脳会談の前後にも電話で協議し、今回も米中の電話の前に協議した。「中国への期待の表明による一定の効果」(外務省幹部)を計算に入れての対応だが、中国がどこまで北朝鮮への影響力行使に動くかは見通せない。

 北朝鮮は昨年の朝鮮人民軍創建記念日の前後にも挑発行動を繰り返した。4月23日には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発、同28日にも中距離弾道ミサイル「ムスダン」2発を発射。日本政府は「いつか分からないが、核実験は必ずやると思う」(首相周辺)と警戒を強める。

 菅義偉官房長官は24日の記者会見で「中国、ロシアは(北朝鮮への)影響力がある。そうした国々とも連動して、挑発行為の自制を強く求めていきたい」と述べたが、日中関係は冷え込んだままで、中国への働きかけは米国に頼らざるを得ないのが実情だ。【竹内望、秋山信一】


北朝鮮情勢 米中首脳が電話会談
ホウドウキョク 4/24(月) 20:43配信

緊張回避を呼びかけた。
アメリカのトランプ大統領と、中国の習近平主席は24日、北朝鮮情勢について電話で会談し、あらためて北朝鮮に自制を求めるとともに、関係各国に緊張回避を呼びかけた。
中国メディアによると、習主席は「中国は国連安保理決議に違反する行為に、断固反対する」として、6回目の核実験や、弾道ミサイル発射の動きを見せる北朝鮮をけん制した。
同時に、「朝鮮半島情勢の緊張激化を避けるために、関係各国が抑制した行動をとるよう希望する」として、各国に緊張回避を呼びかけた。
習主席はまた、「関係各国がそれぞれの責任を果たし向き合うことで、早期に北朝鮮の核問題を解決すべきだ」として、アメリカと連携して、北朝鮮問題に対処する姿勢を強調した。


秘密保護で「北朝鮮情報増加」=安倍首相
時事通信 4/24(月) 20:23配信

 政府は24日、特定秘密保護法の運用に関して有識者が議論する「情報保全諮問会議」を首相官邸で開いた。

 安倍晋三首相は「北朝鮮のミサイル動向に関して、米国などから非常に機微にわたる情報がより多く得られるようになった」と述べ、同法制定の意義を強調した。

 座長を務める老川祥一読売新聞グループ本社取締役最高顧問は「特定秘密指定や適正評価などが運用基準に沿って適正に行われるよう、今後ともお願いしたい」と述べた。


経済制裁をすり抜けてミサイル開発資金を確保する北朝鮮
BUSINESS INSIDER JAPAN 4/24(月) 20:10配信

北朝鮮は厳しい制裁を受けながらも、数十年にわたり、核兵器や弾道ミサイルといった高価な軍事兵器の開発を推し進めてきた。

数年内に完成するとも言われる大陸間弾道ミサイルは迎撃が困難で、周辺国はもちろん、アメリカにとっても大きな不安材料となる。

これまで、国連や中国、アメリカといったキープレイヤーたちが継続的に制裁を承認してきたが、北朝鮮の姿勢に変化は見られない。

核弾頭やミサイルの開発技術と同じく、経済制裁を回避する北朝鮮の手腕もまた「規模、精度、洗練度」において、大きく向上していると、国連報告書には記載されている。また同報告書は、北朝鮮への制裁が「不十分で、あまり意味がない」と指摘している。

専門家によると、中国など一部の国は、北朝鮮との公式な貿易もしくは金正恩体制の繁栄を望まないまでも、体制の崩壊は回避したいと考えている。また、その他の国々は、フロント企業の複雑なネットワークや北朝鮮の巧妙な手腕によって欺かれている。

偽旗作戦
北朝鮮がミサイルの部品を海上輸送する方法の一つに、「偽の旗」を使うというものがある。

兵器や軍事転用可能な物資を北朝鮮と取引することは禁止されている。しかし昨年の8月、北朝鮮籍の貨物船がエジプトでだ捕され、約3万発のロケット弾と大量の鉄鉱石が押収された。この時、貨物船にはカンボジア国旗が掲揚されていたという。

中国製の兵器を購入する資力がないアジアの国々に、北朝鮮は安価で手に入りやすい武器を提供している。

そういった国々、例えばマレーシアなどは、輸送船を検閲し軍事転用可能な民間用物資を押収の上、捜査する権限があったとしても、貴重なパートナーとなりうる北朝鮮を深追いすることは出来ない。当局は偽旗に疑念を抱いても、その足取りを追うことはできずにいる。

違法な資金を得るには、それを実際に移動させなくてはならない。厳しい経済制裁下で北朝鮮がミサイル開発を行うには、大量の資金を秘密裏に移動させる必要がある。

国連の報告書によると、北朝鮮は「軍事兵器などを含む物資、人員、資金の国境をまたいだ輸送のため、訓練された仲介役を使うことで、不透明な資産を作り出している」という。

また国連は、北朝鮮は他国籍の仲介者から、さまざまなレベルの協力を受けていると報告しており、脅迫を受けている仲介者が存在する可能性もあるという。

北朝鮮は、ほとんど痕跡を残さずに本国へ送金が可能な海外の銀行口座や、自国の工作員が在籍するフロント企業を数多く所有している。もし送金が難しくなった場合でも、北朝鮮はすでに大量の外貨を国内に保有している。

また、最も注意を払っているはずの国でも、北朝鮮にだまされる場合がある。

Arms Control Wonkとロイター通信社による最近の共同報告書によると、北朝鮮は偽の住所と偽の個人名を使い外国政府を欺き、それらの国を知らぬ間に違法な交易に導き入れることがあるという。特に、言語が同じ韓国人を偽装するケースが多い。本来、北朝鮮の英語呼称は「Democratic People’s Republic of Korea」だが、国名を「Korean Republic」と表記し、韓国の英語呼称である「Republic of Korea」と混同しやい表記を用いる場合や、平壌市を「PY City」と表記するなどの手口があるという。

取引をする際に気を配っていなければ、異なる「Korea」と取引を行い、そうとは知らずに金正恩体制に貢献してしまうこともあり得るという。

資金の使い道
制裁をかいくぐって得た資金は、高価なミサイル計画や、派手なパーティー、金正恩委員長とその取り巻きの豪邸などに費やされているようだ。一方で、大量の食料を北朝鮮に配給しているWFP(国連世界食糧計画)は、国民の70%が食料不足に陥っていると試算している。

北朝鮮は、2012年に約13億ドル(約1417億円)をロケット開発計画につぎ込んでいる。金正恩委員長はまた、日々の豪華な食事や別荘、そして専用の空港にも多額の資金を投入しており、韓国の国会議員であるユン・サンヒョン氏は、北朝鮮は2013年に、6億4400万ドル相当の贅沢品を輸入したと指摘した。

金正恩委員長の父親である故・金正日氏は、国家予算の20%をオメガの時計や、マーテルの高級コニャックに費やしたといわれている。

北朝鮮は制裁をすり抜け、世界で最も孤立した体制を維持し続けている。

[原文:How North Korea pays for a nuclear program and lavish parties while under the tightest sanctions on earth]

(翻訳:忍足亜輝)


首相官邸がメルマガで北朝鮮ミサイルに注意喚起 「身を守るためにとるべき行動」を確認するよう
産経新聞 4/24(月) 19:58配信

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防衛省の敷地内に配備されたPAC-3=5日(荻窪佳撮影)(写真:産経新聞)

 北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創建記念日にあわせて弾道ミサイル発射や核実験を強行する可能性が高まっている中、首相官邸は24日、メールマガジンで、北朝鮮の弾道ミサイル発射を警戒し、国民に「身を守るためにとるべき行動」を確認するよう注意喚起した。内閣官房によると、メルマガでのミサイル警戒情報の発信は初めて。

 メルマガとリンクする内閣官房の国民保護ポータルサイトでは、ミサイル攻撃の際には、短時間での着弾が予想されるため、近くの頑丈な建物や地下街への避難を呼び掛けている。


脱北した元北朝鮮外交官が警告「日本も対岸の火事ではいられない」 実名・独占インタビュー
現代ビジネス 4/24(月) 19:01配信

 トランプがツイッターで北朝鮮に脅しをかける一方で、金正恩の真意がどこにあるのかは、まるで表に出てこない。北朝鮮の外交官だった韓氏が、日本メディアのインタビュー取材に初めて口を開く。

金正恩、恫喝外交の狙い
 「アメリカと北朝鮮が一触即発になってきていますが、日本も対岸の火事ではいられません」

 こう警告するのは、元北朝鮮の外交官で、'15年1月に韓国に亡命した韓進明氏(43歳)だ。金正恩外交について知り尽くした韓氏が今回、亡命後、初めて日本メディアの取材に応じた。

 まず、金正恩政権がなぜあのような恫喝外交を行うのかを、考えてみる必要があります。

 その目的は、ただ一つ。すなわち、アメリカとの2国間交渉を行いたいからです。金正恩政権が見据えているのは、トランプ政権だけなのです。

 金正恩だって、単なる暴君ではありません。自分たちの行為が、一歩踏み誤ると、悪夢をもたらすことは自覚しています。

 だからこそ私は、北朝鮮がいますぐ6度目の核実験を強行することはないと見ています。

 トランプ政権は周知のように、今年1月20日に始動したばかりで、まだ海の物とも山の物とも知れない。それなのに、北朝鮮のほうから大きく動くことはありません。

 特に、金正恩政権にとって、核実験は「最終カード」です。いずれ核実験に踏み切るとは思いますが、それは今後、最も効果的な時機を見計らってということになるでしょう。

 それよりも、まずは首都・平壌で派手な軍事パレードを行って、新型ミサイルを誇示する。そしてそのミサイルの発射実験を、4月25日の朝鮮人民軍85周年に向けた「祝砲」として、強行する可能性が高い。

 その新型ミサイルは、ICBM(大陸間弾道ミサイル)ではありません。ICBMの発射実験を行うと、万が一、アメリカ大陸、もしくはその近海に着弾したら、取り返しのつかないことになるのは自明の理です。

 そのため、ICBMの発射実験は封印し、その代わりに、以前発射したことがあり、現在急ピッチで改良を加えている中距離ミサイルを撃つわけです。

 北朝鮮では、私が所属していた外務省も、ミサイル実験や核実験に、間接的に関与していました。もし実験したら、どの国がどのような反応を示すかといったことを、上層部に報告していました。

 金正恩委員長は、そういったことをすべて勘案した上で、決断するわけです。

金正恩はカネが欲しい
 私が日本人に知っておいてほしいのは、今後、北朝鮮のミサイルの性能が上がっていくにつれて、日本の危険度が増すということです。

 すなわち、いまは北朝鮮の近海に落下しているようなミサイルが、今後は日本列島のすぐ手前に着弾したり、もしくは日本列島を越えて着弾するようになるということです。

 さすがに日本列島を標的にして発射実験を行うことはないでしょう。しかしミサイルというのは、どこに落下するか予測が立たないものです。

 その意味では、ある日突然、北朝鮮のミサイルが、日本の都市部などを直撃するかもしれない。日本はしっかりと、その備えをしておくべきです。

 ただ金正恩自身は、日本との関係修復を切望しています。なぜなら、日米韓3ヵ国の連携を断ち切りたいからです。

 現状を見ると、アメリカ、日本、韓国の中で、最も北朝鮮との関係を修復しやすいのは日本なのです。

 金正恩という指導者は、おそらく日本人が想像する以上に、経済発展に並々ならぬ意欲を抱いています。だから4月13日には、80棟の高層マンションなどが並ぶ黎明通りの竣工セレモニーを華々しく挙行したのです。

 こうした点は、父親の故・金正日総書記と、まったく違います。そのため金正恩としては、一日も早く日本との国交正常化を果たして、日本から多額の経済援助を得たいのです。

 私は、金正恩は南北赤化統一(北朝鮮による半島統一)を考えていないと見ています。金正恩が望むのは、自分の政権を維持することだけで、そのためには経済発展が必須なのです。

 金正恩の心情を察すると、4月6日にアメリカ軍がシリアの空軍基地を初めて空爆した時、次は自国を空爆されるかもしれないという不安よりは、むしろホッとしたことでしょう。再びアメリカの視線が中東へ向かってくれると思ったに違いないからです。

 そのため、オーストラリアへ向かっていた空母カールビンソンが急遽、北朝鮮に向かい始めたことは、意外だったでしょう。いずれにしても、北朝鮮は何とかして、アメリカとの2国間交渉に持ち込みたいのです。

 だが、アメリカがなかなか振り向いてくれない中で、北朝鮮は世界各国に「橋頭堡」を築こうとしています。その先兵役を担っているのが、われわれ外交官です。

 例えば、東南アジア地域では、2月13日の金正男暗殺事件で話題になったマレーシアの北朝鮮大使館が、橋頭堡になっています。私は'14年12月まで、ベトナムの北朝鮮大使館に勤めていたので、事情をよく知っています。

 '11年12月に死去した金正日総書記は、「中国に対する依存度を減らして行くように」との遺訓を残しました。それを受けて金正恩委員長は、東南アジア外交を重視するよう外務省に命じていました。

 一例を示すと、以前は東南アジアの物品を輸入する際、必ず大連港を経由して北朝鮮に運んでいました。それがいまでは、ベトナムに一度集めてから、貨物船で直接、北朝鮮に運んでいます。そのためハノイの北朝鮮大使館には、陸海運送代表部を置いています。

処刑に怯える外交官たち
 北朝鮮の外交官は、金正恩委員長を偶像崇拝する洗脳教育を、徹底的に受けさせられます。そのため私も、自分が韓国に亡命するまでは、金委員長は偉大な存在なのだと、純粋に信じていました。

 いまからちょうど5年前に、金正恩体制が本格始動した際、「外務省指針書」が下達されました。そこには、「即時接手、即時執行、即時報告」というスローガンが書かれていました。要はモタモタせず、直ちに仕事を処理しろということです。

 特に、金正恩委員長から指示が来た場合には、その日のうちに執行して報告しなければなりません。

 かつて金正日総書記は、「外務省は海外に勤務する軍隊だ」と言っていました。そのため金正日時代に、外務省は軍隊式の組織に変わりました。

 それがいまの金正恩時代になってからは、軍隊式に加えて、自分のちょっとしたミスや親属関係が、命取りになるようになったのです。そのため先代の時とは、緊張感がまるで違います。

 例えば、'13年12月に、金正恩委員長は叔父の張成沢党行政部長を処刑しました。その直後、北京の北朝鮮大使館で、各国駐在大使の会議を開くと通知して、大使たちを北京に集めました。

 その上で、張成沢の長兄の次男・張勇哲駐マレーシア大使と、張成沢の姉の夫・全英鎮駐キューバ大使だけを、国家保衛省が引っ捕らえて、平壌に連行したのです。

 両大使はその後、家族もろとも処刑されました。北京では大使会議など開かれず、駐ベトナム大使はすぐにハノイに戻って来て、私たちに恐怖の体験を語りました。

 今年2月13日に起こった金正男暗殺事件に関しても、私にはピンとくることがありました。

 当日、クアラルンプール空港にいたとされる4人の実行犯の中の1人、リ・ジヒョン書記官は、ベトナムの北朝鮮大使館で私の前任者で、よく知っています。彼は一度、ベトナム大使館時代に、視聴が禁止されている韓国ドラマにハマりました。

 それを、大使館の国家保衛省員が発見。平壌でベトナム代表団の通訳が足りないからという口実で、リ書記官を一時帰国させ、政治犯収容所送りにしたのです。おそらく、今回の犯行を成功させることで、その罪を贖わせたのだと思います。

 ともあれ、金正恩からいったん暗殺命令が下されれば、われわれは地球の裏側まで行ってでも、対象者を暗殺しなければなりません。

 いまの金正恩は、外部がありのままに見えない状況に陥っています。

 例えば、金正恩は平壌駐在の中国大使に、一度も接見したことがありません。そのことによって、自分が中国よりも偉い存在だと勘違いしている。

 確かに政治的には、北朝鮮は中国から、完全に独立していますが、経済的には大きく依存しています。中国との関係をぞんざいにしてはならないのに、アメリカとさえ2国間交渉できれば、道は開けると思っている。

 ところがそのアメリカは、ますます金正恩政権に冷淡になっているのだから、皮肉なものです。

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韓進明(ハン・ジンミョン)
1974年平壌生まれ。金日成総合大学卒業後、軍歴を経て外務省入省。駐ベトナム北朝鮮大使館勤務時の2015年1月に韓国に亡命
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 「週刊現代」2017年4月29日号より


<米中首脳電話協議>習近平氏、北朝鮮に強く自制求める
毎日新聞 4/24(月) 18:57配信

 ◇6回目の核実験を準備しているとの観測受けて

 【北京・浦松丈二】中国外務省によると、習近平国家主席は24日、トランプ米大統領と電話協議し、北朝鮮情勢について「国連安保理決議に違反する行為には断固として反対する」と述べ、6回目の核実験を準備しているとされる北朝鮮に強く自制を求めた。

 両首脳は今月6、7日に米フロリダ州で初の首脳会談を実施し、12日にも北朝鮮、シリア情勢などを巡って電話協議していた。

 習氏はまた「関係国は抑制した姿勢を保ち、朝鮮半島情勢に緊張をもたらす行為は避けるべきだ」と訴えた。北朝鮮だけでなく、朝鮮半島近海に空母を派遣している米国にも自制を呼びかけた形だ。

 さらに習氏は「関係国が応分の責任を負い、互いに歩み寄ることによって、半島の核問題を解決し、非核化を実現できる」と主張。中国だけでなく日米韓などにも責任を果たすよう求めた。

 これに対し、トランプ氏は「米中が重要な問題で意思疎通を図り、協調していくことは非常に重要だ」と応じた。すでに合意している自身の年内中国訪問や習氏との再会談にも期待を表明した。


強硬姿勢変わらず、核実験も=北朝鮮、25日軍創建日―日米韓は連携強化
時事通信 4/24(月) 18:53配信

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米空母「カール・ビンソン」=15日、インドネシア沖(米国防総省が24日公開)

 【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮人民軍創建85周年を25日に迎え、金正恩政権による新たな挑発に備えるため、日米韓は警戒を強めている。

〔写真特集〕FA18戦闘攻撃機~「カール・ビンソン」に着艦するFA18E~

 米海軍は空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に接近させ、軍事的圧力を強化。日米中首脳は北朝鮮に自制を呼び掛けたが、北朝鮮は圧力への反発を強めており、核実験などを断行し、強硬姿勢をアピールする可能性がある。

 トランプ米大統領は24日、安倍晋三首相、中国の習近平国家主席と相次いで電話協議を行った。各首脳は、北朝鮮が準備を進めているとされる6回目の核実験を念頭に北朝鮮に自制を求め、日米・米中で連携して対応していく姿勢を確認した。

 米ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院の米韓研究所は、北東部・豊渓里の核実験場で「いつでも新たな実験ができる状態だ」と警告し続けている。3月10日には、過去最大規模となった前回2016年9月の推定15~20キロトンを大幅に上回る「最大282キロトン規模の実験」が可能かもしれないと分析した。

 韓国国防省報道官は24日の記者会見で、「米韓軍当局は北朝鮮の核実験に備え、万全の態勢を取っている」と強調し、米空母との訓練も協議中だと説明した。空母は現在、海上自衛隊と共同訓練中で、これに続いて韓国軍も米軍との結束を誇示することで、抑止効果を高める狙いとみられる。

 北朝鮮経済を事実上支えている中国も、圧力を強めている。中国は核実験などを強行した場合に石油輸出制限を含めた制裁措置の可能性をちらつかせているもようで、平壌では既にガソリン価格が高騰しているとの情報もある。


日米首脳、北朝鮮に自制要求=政府、警戒態勢を維持
時事通信 4/24(月) 18:32配信

 政府は24日、北朝鮮の人民軍創建85周年を控え、高度の警戒監視態勢を維持した。

 安倍晋三首相はトランプ米大統領と電話会談し、北朝鮮に挑発行動の自制を求める方針で一致。国連安全保障理事会で、中国をはじめ関係国と連携して北朝鮮への働き掛けを強める方針だ。

 日米両首脳は24日、約30分間電話で会談。核実験やミサイル発射の構えを見せる北朝鮮に対し、引き続き緊密に連携して対応することを確認した。北朝鮮に影響力のある中国に一層の役割を果たすよう働き掛けていくことも申し合わせた。首相は軍事行動を排除しない米政権の対北朝鮮政策に関し、「高く評価する」と伝達。この後、記者団には「日本としても毅然(きぜん)として対応していく」と語った。

 首相とトランプ氏の電話会談は今年5回目で、今月だけでも3回目。首相周辺は首脳間のやりとりについて「かなり緊迫している」と語った。


政府、ミサイル対策をサイトに掲載
リスク対策.com 4/24(月) 18:24配信

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Jアラートが流れたら地下や屋内へ避難を(出典:内閣官房国民保護ポータルサイト)

地下や屋内への避難を呼びかけ
政府は21日、「内閣官房国民保護ポータルサイト」に弾道ミサイル落下時にとるべき行動とQ&Aを掲載した。北朝鮮によるミサイル発射の可能性が高まっているとして、発射された場合の行動についてまとめた。

同サイト内のコンテンツである「武力攻撃やテロから身を守るために(パンフレット)」の中からミサイル発射時の対処について抜粋しわかりやすくまとめた。北朝鮮から弾道ミサイルが発射されると、極めて短い時間で日本に到達すると説明。日本に着弾の可能性があるJアラートが流れた場合、地下や頑丈な建物内に避難するように呼びかけている。

屋内に避難した場合は衝撃で割れたガラスでけがをしないよう、窓からできるだけ離れるほか、近くに着弾した場合は窓を閉め目張りで室内を密閉。屋外にいて近くに着弾した場合、口や鼻をハンカチで覆い、現場から離れるように説明している。

(了)


正恩氏と交渉決裂の習氏…説得失敗の裏で画策する「国防動員法発令」の危険性 河添恵子氏リポート
夕刊フジ 4/24(月) 16:56配信

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チャイナセブン(中国共産党常務委員)(写真:夕刊フジ)

 習近平国家主席率いる中国が“責任逃れ”に必死になっている。ドナルド・トランプ米大統領に厳命され、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の軍事的威嚇を阻止しようとしたが、一筋縄ではいかないのだ。韓国・聯合ニュースは「北朝鮮が、中国に核実験を行うと通知した」との未確認情報を報じた。北朝鮮が強行すれば、米軍の「斬首作戦」「限定空爆」が現実味を帯びてくる。習政権が、北朝鮮説得失敗の裏で画策する「国防動員法発令」の危険とは。中国事情に精通するノンフィクション作家、河添恵子氏が緊急リポートする。

 「北朝鮮は、旧ソ連と中国の影響力を排除してやってきた国だ」

 米中首脳会談(6、7日)が終わった後、中国はこんな「情報戦」を強めている。

 つまり、北朝鮮の「核・ミサイル暴発」を止める力がない、崖っぷちの習氏のメンツを保つため。もう1つは、「米朝の臨戦態勢に、中国の責任は一切ない」という責任逃れのためだろう。

 だが、そんな“フェイクニュース(偽ニュース)”は通用しない。

 そもそも、米中首脳会談の主な議題が、北朝鮮マターだったことは、世界の誰もが疑う余地がなかった。それなのに、先日の訪米主要メンバーには、「金王朝」(北朝鮮)とのパイプを握る、「チャイナセブン」(=中央政治局常務委員7人)の序列3位である張徳江・全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員長ら、江沢民派がいなかったのだ。

 習氏に同行したのは、人民解放軍の房峰輝連合参謀部参謀長や、劉鶴・中央財経指導小組弁公室主任(国家発展改革委員会副主任)、栗戦書・党中央弁公庁主任(党中央国家安全委員会弁公室主任)ら腹心たちだった。

 これによって、トランプ政権は「習氏は、中国北東部を管轄する旧瀋陽軍区『北部戦区』(=北朝鮮と直結する江沢民派の牙城)を掌握し切れていない」「中国政権内部が分裂し、軍閥化している」と喝破したはずだ。

 つまり、習氏が国内で「核心」と位置付けられ、それを国内外でいくら喧伝しようが、実は“張りぼて”であることを見抜いたといえる。

 トランプ氏の外交手法は超クールだ。少なくとも習氏は4月に2度、「凍りついた」と推測する。

 1度目は、フロリダ州パームビーチの別荘「マール・ア・ラーゴ」で6日に行った夕食会の最後のデザートタイム。チョコレートケーキを口にほおばる習氏に、トランプ氏が「たった今、シリアに59発のミサイルを撃ち込んだ」と伝えた瞬間だ。

 2度目は、その時の習氏の反応・様子までも、トランプ氏に後日、FOXテレビのインタビューでバラされたことを知った瞬間である。

 ただ、トランプ氏は「習主席を尊重している」と語るなど、気遣いも忘れない。それもあって、中国は官製メディアの海外版などで、得意げに「米中両国は朝鮮半島問題で対抗せず、協力する姿勢を明白にした」と、米中関係の良さを強調することができるのだ。

 習氏一行は今回の訪米で、北朝鮮が「6回目の核実験」や「ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射」に踏み切れば、米国の「斬首作戦」「限定空爆」を黙認する“密約”を交わしたとみられる。

 ここで習氏が最も恐れているのは、中国内部の敵から正恩氏に作戦情報などが密告されることだ。そうなれば、中南海(=中国政府や中国共産党の本部がある北京の中心部)が先に火の海となりかねない。

 ただ、いつの時代も中国の支配者は「ピンチをチャンスに変える」したたかさがある。しかも必ずや「漁夫の利」を狙う。ここで浮かぶのは、2010年7月から施行した「国防動員法の発令」である。

 国防動員法は、中国が有事の際、政府と人民解放軍が、民間のあらゆる人的・物的資源を動員・徴用する法律である。条文を読む限り、中国国内だけでなく、日本に住む中国人も対象となるうえ、中国国内で活動する日本企業や日本人も資産や技術提供の対象となる。

 習政権は今後、朝鮮半島や東アジアの混乱に合わせて、同法発令の準備を本格化させていく可能性が高い。

 施行前の08年4月、当時の中国・胡錦濤政権は、駐日中国大使館や領事館と連携して、長野市で“予行練習”を実施している。北京五輪開催前の聖火リレーで、現地に動員された中国人留学生ら約4000人が暴徒化した事件は記憶に新しい。

 昨年7月、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(現被告)が寝返り、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を決めた後、中韓関係は「史上最高」から「最悪」に転じた。案の定、いきなり「たたきのめす」報復モードに切り替わった。

 中でも、THAAD配備のため用地交換契約を締結したロッテについては、グループが中国で展開する23店舗の閉鎖を命じられたという。中韓両国を舞台に、国防動員法の“予行練習”に励んだとも考えられる。

 中国在住の日本人や日本企業はもちろん、日本にとっても対岸の火事ではない。日本国内で待遇に不満を抱える「反日予備軍」の技能実習生や、不法滞在者、偽装留学生など怪しい身分で居留する中国人は増えている。

 米国様には命乞いをする弱腰の習政権だが、日本国民の生命と財産に危害を加える“凶器”を持っていることには間違いない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)など。


米軍、正恩氏隠れ家特定 特殊部隊、出撃準備完了「100%逃げられない」
夕刊フジ 4/24(月) 16:56配信

 朝鮮半島の緊張が再び高まってきた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は25日の「建軍節」(朝鮮人民軍創建記念日)に合わせた「6回目の核実験」や「ICBM(大陸間弾道ミサイル)発射」を示唆し、ドナルド・トランプ米大統領が信頼する原子力空母「カール・ビンソン」は来週、日本海に到着する。中国の説得工作を無視して、北朝鮮が暴発した場合、トランプ氏は軍事行動も辞さない構えだ。すでに米軍は、正恩氏の隠れ家や行動を把握しているとされ、世界最強の特殊部隊が出撃準備を完了している。

 「北朝鮮側で軍事演習の機材が多く集まっている」「われわれは状況を注意深く監視しており、警戒を緩めることはない」

 韓国統一省の報道官は21日、北朝鮮が「建軍節」を迎えるのを前に、高度の警戒態勢をとっていることを明らかにした。ロイターが伝えた。

 米中首脳会談(6、7日)でのトランプ氏の言明を受けて、習近平国家主席率いる中国は「血の友誼(ゆうぎ)」を結ぶ北朝鮮の暴発阻止に動いている。「核実験は絶対に認められない」と通告するとともに、正恩氏の亡命も水面下で促してきたが、困難を極めているとされる。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は最近、北朝鮮北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場の衛星写真を分析した。結果、「命令さえ下れば、いつでも新たな実験を実施できる状態にある」と判断された。緊張状態はまったく変化していないのだ。

 現に、北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は21日、トランプ政権が対北朝鮮圧力を強めていることを非難し、「わが軍と人民はいかなる特段の選択もいとわない」として戦争も辞さないとする報道官声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

 オバマ政権時代、米国は「北朝鮮を核保有国として認めない」と言いながら、中途半端な経済制裁でお茶を濁してきた。口先大統領の不作為と、中国の支援によって、北朝鮮は「核大国」の一歩手前まで来ているのだ。

 これ以上放置すれば、国際社会は、異母兄を猛毒の神経剤VXで暗殺し、叔父に機関銃の銃弾90発以上を撃ち込み、遺体を火炎放射器で焼いた(韓国メディア報道)、「狂気の独裁者」正恩氏におびえ続けなければならなくなる。

 トランプ氏が「(中国がやらなければ)俺たちだけで(『斬首作戦』と『限定空爆』を)やる」と、習氏に通告したのも納得できる。

 正恩氏は現在、首都・平壌(ピョンヤン)や近郊に「地下の秘密部屋」を複数持っているとされる。

 頻繁に移動を繰り返しており、これまで正恩氏の居場所を特定するのは困難といわれてきた。

 だが、米軍の偵察衛星による監視は格段に進歩している。加えて、ジャーナリストの加賀孝英氏は、夕刊フジ連載「スクープ最前線」(2月27日発行)で、米軍関係者の証言を以下のように記している。

 「正恩氏の隣に協力者がいる。正恩氏は100%逃げられない」

 注目の「斬首作戦」は、国際テロ組織「アルカーイダ」の最高指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者を殺害した米海軍特殊部隊「Navy SEALs」(ネービーシールズ)などを中心に行われるとみられる。

 中央日報(日本語版)は先月14日、《最大規模の米軍特殊部隊が韓国に来る》《デルタフォースと、ネービーシールズ(チーム6)、グリーンベレー、レンジャーなどが参加する》《有事の際、正恩氏をはじめとする北朝鮮戦争指導部を除去し、大量破壊兵器を破壊する訓練を実施する》と報じた。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「ネービーシールズは全世界で展開しており、平時から有事を想定して、日夜過酷な訓練を積んでいる。大統領令が出されれば10~12時間で作戦行動に着手できる。沖合の原子力潜水艦から海岸線に上陸し、内陸に侵攻する。グリーンベレーやデルタフォースなどと協同しながら、作戦を遂行する。時に現地人に紛れることもある」と語る。

 ただ、ネービーシールズ単独で万能なわけではない。「大規模な軍事作戦の中における先兵」として位置づけられるという。

 北朝鮮の「断末魔の反撃」を阻止するためにも、最強特殊部隊による「斬首作戦」の成功がカギを握るようだ。


ハリボテか? それとも脅威か? 北朝鮮が披露した新型「大陸間弾道ミサイル」の正体
HARBOR BUSINESS Online 4/24(月) 16:20配信

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4月15日、北朝鮮の平壌で実施された軍事パレードで登場した大型の新型ミサイル Image Credit: KCTV

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は4月15日、首都の平壌で、故・金日成主席の生誕105周年を祝う軍事パレードを実施した。

 折しも時同じくして、同国北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の豊渓里(プンゲリ)にある核実験施設では、核実験に向けたものと見られる動きが確認されており、さらに米国の空母打撃群が北朝鮮に向かっているとの報道もあり(後に、実際にはインド洋へ向かっていたことが判明)、緊張と懸念が高まっていた中での開催となった。

 この全世界が注目したパレードで、北朝鮮は6種類の弾道ミサイルを披露した。中でも最も注目を集めたのは、今回が初披露にして、これまで存在が確認されていなかった、2つの大型ミサイルだった。

◆ロシアのトーポリ級?固体推進剤の大陸間弾道ミサイルか

 この2つの大型ミサイルのうち、最も驚きをもって迎えられたのは、最後に登場した、ひときわ巨大なミサイルだった。

 厳密には、ミサイルは発射筒(キャニスター)の中に入った状態でTEL(ミサイルの輸送と起立、発射ができる車輌)に載せられているため、外からミサイル本体が見えるわけではない。ただ、ミサイルはキャニスターの内部いっぱいに収まっていると考えられるため、だいたいキャニスターを一回り小さくしたものが、ミサイル本体の大きさと考えてよい。

 ミサイルの寸法は、周囲の人間との比較から、おおよそ直径2m、全長は20m超とみられる(中継画像からの比較なので正確さに欠ける推察であることに注意されたい)。また、ミサイルが載っているTELとの比較からも、この数値に近くなる。ちなみにこのTEL自体は、過去のパレードでも確認されており(そのときは別のミサイルを載せていた)、また中国が生産している特殊な輸送車輌と姿かたちがよく似ていることが知られている。

 このミサイルの大きさは、かつてソ連が開発し、現在もロシアが運用している大陸間弾道ミサイル「トーポリ」や、その改良型「トーポリM」に近い。トーポリは3段式のミサイルで、1トンほどの弾頭を載せることができ、射程は1万kmを超えるとされる。仮に今回の北朝鮮のミサイルが同等の性能をもっているとすれば、北朝鮮から直接、米国の本土を狙えることになる。

 また、このトーポリのようなミサイルのひとつ前にも、大きなキャニスターに収められたミサイルが披露された。ただ、TELはトーポリ風ミサイルのものとは異なり、通常のトレーラーを改造したような形をしており、タイヤの数も少ない。またトレーラーもキャニスター、ミサイルも少し小さいように見える。人やトレーラーとの比較などから、直径は1.5m、全長は10m超ほどだろう(くりかえしになるが、中継画像からの比較なので正確さに欠ける推察であることに注意されたい)。

 この大きさは、中国がもつ中距離弾道ミサイル「東風21」に近い。東風21は600kgの弾頭を載せることでき、射程は1500~2000kmと考えられている。もしこのミサイルが同等の性能をもっていれば、北朝鮮から日本全域を狙えることになる。

◆コールド・ローンチ式の大型固体ミサイル

 この2種類の正確な寸法や詳しい性能はさておくとして、注意すべきところは、両者ともにコールド・ローンチ式にして、そして固体推進剤を用いる大型のミサイルであるという点にある。

 ミサイルが入っているキャニスターは、ミサイルを輸送する際のケースの役割だけでなく、発射台そのものにもなる。まずキャニスターの中にガスを発生させ、そのガスの圧力でミサイルを外に押し出す。そしてミサイルは空中でロケット・エンジンに点火し飛行する。

 こうした発射方法のことを「コールド・ローンチ」といい、地上でエンジンに点火して飛んでいくミサイルよりも、敵の早期警戒衛星などからの探知を少し遅らせることができ、また発射装置が損傷しにくく、再使用しやすいといった利点がある(また、ミサイルの大きさやパワーが一定を超えると、コールド・ローンチをしなければTELが焼損する可能性もある)。

 また、今回ミサイルが載っていたようなTELからコールド・ローンチが可能なのは、基本的には固体推進剤を用いたミサイルだけなので、この2つのミサイルはともに、固体推進剤を使っていると推察される。

 ミサイル(ロケット)には、液体の推進剤を用いるものと、固体の推進剤を用いるものの大きく2種類ある。それぞれに一長一短あり、たとえば液体の場合は発射台を立ててから推進剤を注入しなければならないため、発射までに時間がかかる。その間に米国などの偵察衛星によって動きが探知されれば、迎撃準備の猶予を与えることになる。

 一方固体のミサイルは、推進剤を入れた状態で長期間保存することでき、また点火すればすぐに発射できるなど、ミサイルに向いた特長をもっている。たとえば、ミサイルをTELに載せた状態でトンネルなどに隠しておき、命令があればトンネルから出して、ものの数分で発射するなど、敵の偵察衛星が上空を通過する合間をぬって発射する、といったことが可能になる。この場合、相手はミサイルが発射された段階で初めて存在に気づくことになるため、迎撃や避難が間に合わないということも起こりうる。

 北朝鮮は長らく、「スカッド」にはじまり、「ノドン」や「テポドン」、そして「ムスダン」と、もっぱら液体のミサイルの開発を続けてきた。しかし、近年では固体ミサイルの開発にも力を入れはじめ、2016年には潜水艦から発射する固体ミサイル「北極星1号」の発射実験に成功。今年2月にはこの北極星1号を地上のTELから発射できるようにした「北極星2型」の発射実験にも成功している。

 北極星1号も北極星2型も、せいぜい射程1000kmくらいの中距離弾道ミサイルであった(日本は十分射程内に入っているため、脅威であることに変わりない)が、今回登場したミサイルからは、北朝鮮が固体ミサイルの大型化、そして長射程化に大きく力を入れていることが伺える。

◆発射試験も燃焼試験も行われていない“こけおどし”か

 もっとも、このトーポリや東風21のようなミサイルは、まだ完成していないか、場合によっては影も形もない可能性がある。

 トーポリは固体ミサイルとして大型である上に、機体にカーボンを使うなど、1980年代のソ連の技術が結集されている。一方北朝鮮は、北極星の開発によって固体ミサイルの技術があるにはあるものの、今回披露されたミサイルは北極星よりもはるかに大きい。ミサイルとして使うための安定した品質での量産と併せて、大型化も達成するには、まだ時間を要するだろう。またカーボンを使った機体の製造をはじめ、いくつかの技術水準では80年代のソ連にすら及んでいないと考えられる。

 つまり現在の北朝鮮には、トーポリ級の規模と性能でミサイルを製造するのは難しく、それを実際に量産、運用するまでにはさらに時間がかかるだろう。

 実際に、これまでにこの大型ミサイルの発射試験が行われたことは確認されていないばかりか、地上でのミサイルの燃焼試験も確認されていない。

 発射試験が行われた場合はいうまでもなく、燃焼試験が行われた場合でも、ちょっとした火山の噴火か、あるいは山火事に近い出来事になるため、ミサイル発射時の熱を常に監視している早期警戒衛星によって、その様子が捉えられているはずである。しかし今のところ、米国などからそのような発表がないということは、まだ燃焼試験すらしていない、つまりパレードに出てきたTELの中には何も入っていないばかりか、北朝鮮のどこを探しても中身のない、本当にハリボテだったということになる。

 無論、すでに燃焼試験は行われており、米国もそれを探知しているものの、単に明らかにしていないだけという可能性もないわけではない。

 ただ、仮にすでに燃焼試験が行われていたとしても、発射試験が行われ、成功しない限りは兵器としての意味をなさない。いずれにしても完成までにはまだ時間を要するはずであり、彼らの引き金をもつ手を止めることは、まだ可能だろう。

◆今はまだこけおどしかもしれない、しかし――

 発射試験も行っていない未完成のミサイルをパレードに出してきた背景には、自国民向けのアピールであるとともに、米国に対する「米国本土に届くミサイルの開発を諦めるつもりはない」というメッセージでもあることは間違いない。たとえハリボテでも、造るのには数か月を要するだろうから、空母打撃群の派遣というニュースをはじめとする、ここ最近の出来事を受けてでっち上げたものではなく、それより以前から準備していたのだろう。

 米国にとってみれば、発射試験や燃焼試験が行われた形跡がない以上、そのメッセージはこけおどしであると受け止めることになる。もっとも北朝鮮側も、自分たちの行動の多くが米国などに察知されていることは承知しているだろうから、彼らがお互いのことを、何をどこまで知っているふりを、あるいは知らないふりをするか、そしてそれぞれが出すメッセージをどう解釈するかで、今後の行動は大きく変わってくる。

 ただ、残された時間の猶予はあまりないかもしれない。近年の北朝鮮のミサイル技術は、同国の国力を考えると異常なほどのスピードで進歩を続けている。もちろん発射試験での失敗も多いが、それでも諦めずに何度も改良と発射を繰り返しているということは、彼らの目標がミサイルを完成させることにあるのは間違いない。

 今回パレードで披露されたミサイルも、今はまだこけおどしかもしれないが、技術は魔法ではない以上、たとえ北朝鮮でも、いつかは完成させることはできる。北朝鮮のミサイル開発への異常なまでの執着も、それを可能に、それも比較的早くに可能にする一助となろう。また、そのミサイルの完成度が低かったとしても、10発中1発がまともに飛ぶだけでも大きな脅威になることには変わりない。

 これは冗談ではなく、ミサイルが日本や米国などの本土へ落とされる前に、北朝鮮問題の落としどころを見つけなければならない。

<文/鳥嶋真也>

とりしま・しんや●作家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。

Webサイト: http://kosmograd.info/

Twitter: @Kosmograd_Info

【参考】

・North Korea’s New Missiles on Parade | Center for Strategic and International Studies(https://www.csis.org/analysis/north-koreas-new-missiles-parade)

・Here are the missiles North Korea just showed off, one by one. – The Washington Post(https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2017/04/15/here-are-the-missiles-north-korea-just-showed-off-one-by-one/?utm_term=.c4e5927b98e5)

・Federation of American Scientists :: RT-2UTTH – Topol-M SS-27(https://fas.org/programs/ssp/nukes/nuclearweapons/russia_nukescurrent/ss27.html)


「北」軍創建85年へ 挑発強める
ホウドウキョク 4/24(月) 15:44配信

北朝鮮は25日、朝鮮人民軍の創建85年を迎える。北朝鮮がアメリカとの対決姿勢を強め、核実験など新たな挑発行為に出る可能性があり、緊張が高まっている。
北朝鮮の労働新聞は、24日の紙面で、日本海に向かっているアメリカの原子力空母「カール・ビンソン」について、「一撃で海に葬る、万端の戦闘準備を整えている」と、挑発を強めている。
これに対して、韓国国防省は24日の会見で、「挑発が差し迫るような特異な動きは見られない」としながらも、警戒を続けている。
北朝鮮は、21日には、韓国系アメリカ人の男性を平壌(ピョンヤン)空港で拘束した。
北朝鮮が、「アメリカとの交渉カードに利用するのでは」との見方が出ている。
中国の王毅外相は23日、訪問先のギリシャで、「最近、建設的な提案をしたが、多くの国の理解と支持を得ている」と語り、アメリカと歩調を合わせ、北朝鮮への働きかけを強めていると強調している。


トランプ米大統領:安倍首相、中国国家主席と電話会談-北朝鮮問題
Bloomberg 4/24(月) 15:40配信

トランプ米大統領はアジア時間24日、安倍晋三首相および中国の習近平国家主席と北朝鮮問題を巡り電話会談を行った。日本では23日から空母「カール・ビンソン」など米海軍と海上自衛隊が共同訓練を実施している。

国営の中国中央テレビ局(CCTV)によると、習主席は朝鮮半島の緊張を悪化させるような行動を慎むよう全ての関係国に自制を求めた。安倍首相は「全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価した」と記者団に語った。

韓国も米艦隊との共同演習を検討する一方、北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創設85周年の記念日に合わせ、6回目の核実験を実施するとの観測が再び高まっている。金正恩朝鮮労働党委員長の祖父で建国を果たした故金日成主席の生誕記念日には、核実験実施を見送ったものの弾道ミサイルの発射実験を行った。

トランプ米大統領は習主席との電話会談で、「北朝鮮が挑発的な態度を続けていることを非難し、北朝鮮の行動は朝鮮半島を不安定にしていると強調した」と、ホワイトハウスが発表した。安倍首相はメディアに対し、「引き続き米国と緊密に連携し、高度な警戒監視態勢を維持し、わが国として毅然(きぜん)として対応していく」との考えを示した。

CCTVによると、習主席は電話会談で、国連安保理決議に反するいかなる行動にも中国は断固として反対するとした上で、国際情勢が急速に変化しつつあると指摘、中国と米国の定期的な接触を呼びかけた。トランプ大統領は近いうちに習主席と再び対面したいと述べ、訪中を楽しみにしていると伝えたという。両首脳は今月、米フロリダ州で初会談を行った。

ホワイトハウスは、トランプ大統領と習主席が朝鮮半島の非核化に向けた「協調強化」で合意したことも明らかにした。

北朝鮮への圧力を辞さない中国側の姿勢に対し、北朝鮮は反発。中朝メディアの非難合戦に発展した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は21日、中国の名指しを避けながらも「DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)がその国との関係の重要性をあらためて考えなければならないという妄言を吐いている」国があるとし、その国は米国に「踊らされている」と非難した。

トランプ米大統領:安倍首相、中国国家主席と電話会談-北朝鮮問題
Bloomberg 4/24(月) 15:40配信

これに対し中国共産党の機関紙である人民日報の国際版、環球時報は社説で、「KCNAがどれだけ多くの記事を発表しようが北朝鮮が将来にどのような措置を取ろうが、中国政府の姿勢に影響を及ぼすことはない」とした上で、北朝鮮が核実験を実施すれば、「中国政府は間違いなく、原油輸出禁止などより厳しい制裁を北朝鮮に科す国連決議を支持する」と論じた。

KCNAはまた、米国の空母配備を批判し「このようなどう喝や脅迫をDPRKが恐れることは決してない」とし、同国は「総力戦で全面戦争に応じる」と表明した。

日本、米国、韓国の代表は25日に東京で、北朝鮮の挑発行為阻止と中国の役割について協議する。韓国外務省が先週明らかにしている。

別の報道によると、北朝鮮は米国の市民1人を新たに拘束し、北朝鮮に拘束されている米国民は3人になった。

原題:Trump Speaks to Abe, Xi on North Korea Amid U.S.-Japan Drills(抜粋)Xi Urges Trump to Show Restraint on North Korea as Drills BeginXi Urges Restraint on North Korea in Phone Call With Trump (1)Xi Urges Restraint on North Korea in Phone Call With Trump (2)Trump Criticized North Korea’s ‘Belligerence’ in Call With Xi


中国国家主席がトランプ米大統領と電話会談-中朝メディアは非難合戦
Bloomberg 4/24(月) 15:40配信

中国の習近平国家主席は24日、トランプ米大統領と北朝鮮問題を巡り電話会談を行い、朝鮮半島の緊張を悪化させるような行動を慎むよう全ての関係国に自制を求めた。国営の中国中央テレビ局(CCTV)が報じた。

CCTVによると、習主席は国際情勢が急速に変化しつつあると指摘し、中国と米国の定期的な接触を提案。トランプ大統領は近いうちに習主席と再び対面したいと述べたという。両首脳は今月、米フロリダ州で初会談を行った。

北朝鮮への圧力を辞さない中国側の姿勢に対し、北朝鮮は反発。中朝メディアの非難合戦に発展した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は21日、中国の名指しを避けながらも「DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)がその国との関係の重要性をあらためて考えなければならないという妄言を吐いている」国があるとし、その国は米国に「踊らされている」と非難した。

これに対し中国共産党の機関紙、人民日報の国際版、環球時報は社説で、「KCNAが幾つの記事を発表しようが北朝鮮が将来にどのような措置を取ろうが、中国政府の姿勢に影響を及ぼすことはない」とした上で、北朝鮮が核実験を実施すれば、「中国政府は間違いなく、原油輸出禁止などより厳しい制裁を北朝鮮に発動する国連決議を支持する」と論じた。

別の報道によると、北朝鮮は米国の市民1人を新たに拘束し、北朝鮮に拘束されている米国民は3人になった。

原題:Trump Speaks to Abe, Xi on North Korea Amid U.S.-Japan Drills(抜粋)Xi Urges Trump to Show Restraint on North Korea as Drills Begin


北朝鮮情勢 トランプ米大統領 安倍晋三首相に続き、習近平氏と電話会談 緊張回避求める
産経新聞 4/24(月) 13:17配信

 【ワシントン=黒瀬悦成、北京=藤本欣也】トランプ米大統領は23日夜(日本時間24日午前)、安倍晋三首相、中国の習近平国家主席とそれぞれ電話で会談した。いずれの会談でも、緊張が高まる北朝鮮情勢について意見を交わした。

 中国の公式報道によると、習氏は北朝鮮問題について、「国連安保理決議に違反する行為に断固反対する」と表明。一方で、関係各国が抑制を保ち、朝鮮半島をめぐる緊張の悪化を回避するよう求めた。

 トランプ政権は、北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創建85年に合わせて核実験やミサイル発射などの挑発行為を強行する恐れがあるとみて警戒を強め、原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群を朝鮮半島付近の日本海に向かわせている。

 第1打撃群は23日、フィリピン海で海上自衛隊と共同訓練を開始しており、安倍首相との会談では、北朝鮮が挑発行動に踏み切った際の対応などを含め、今後の連携策を確認するとみられる。

 トランプ氏は26日、ホワイトハウスにティラーソン国務長官とマティス国防長官、コーツ国家情報長官、ダンフォード統合参謀本部議長を集め、上院議員らに対して北朝鮮情勢について説明する。


25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する
ニューズウィーク日本版 4/24(月) 13:05配信

<米国も北朝鮮も強硬姿勢を見せ、緊張が高まっているが、現時点では両者とも決定的な局面に突入するつもりはないように思える。しかし、それで北朝鮮クライシスは終わらない。負の連鎖を断ち切るために必要なのは――>

明日4月25日は、北朝鮮の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の85周年だ。ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮に対する軍事的圧力を強める中で迎える記念日だけに、金正恩体制の出方に注目が集まっている。両者の本気度が試されるなか、双方になんらかの判断ミスが生じれば、一気に最悪の事態に突入する可能性もある。

米国が北朝鮮を攻撃すれば日韓の被害は避けられない

北朝鮮に対する先制攻撃を示唆しながら圧力を強める米国に対して、北朝鮮も強硬姿勢で対応している。

15日に行われた金日成生誕105周年を祝う軍事パレードで、金正恩朝鮮労働党委員長の側近中の側近である崔龍海(チェ・リョンヘ)は、「米国が無謀な挑発をしかけるなら、朝鮮革命武力は即時、せん滅的な打撃を加え、全面戦争には全面戦争で、核戦争には朝鮮式の核打撃戦で対応する」と述べた。さらに、軍事パレードの翌日(16日)には、中距離弾道ミサイルの発射を強行した。

アメリカのNBCテレビは、トランプ政権の複数の高官が「北朝鮮が核実験を行うと確信すれば先制攻撃する用意がある」と話したと伝えた。さらに軍事パレードの前には、原子力空母カール・ビンソンが朝鮮半島に派遣されるという情報が流れていた。

本稿執筆時点では、両者のにらみ合いが続いている状況だが、北朝鮮軍創建日を前に、まさに今日にでも金正恩が核実験を強行すれば、緊張状態はレッド・ラインに一気に近づく。

(参考記事:米軍の「先制攻撃」を予言!? 金正恩氏が恐れる「影のCIA」報告書)

こうした中、トランプが24日午前に、安倍晋三首相、中国の習近平国家主席とそれぞれ緊急の電話会談を行うと明らかにした。緊迫化する北朝鮮情勢について協議する見通しだという。電話会談で何が話されるのかは気になるところだ。とはいえ、先制攻撃も辞さない姿勢で臨んでいたトランプに対して、ここに来て「本当に攻撃できるのだろうか」という疑問も出つつある。

トランプの本気度を示す一つの根拠が、シリアへの攻撃だろう。アサド政権が化学兵器を使用したとしてシリアをミサイル攻撃したことにより、彼が主張する「力による平和」を世界に見せつけた。彼なら北朝鮮に対しても攻撃しかねないというイメージを植え付けた。一方、北朝鮮は相変わらず核・ミサイルを放棄する姿勢を一切見せていない。

しかし、筆者はよほどのことがないかぎり、「トランプは北朝鮮を先制攻撃できないだろう」という見方を示していた。その最大の理由は北朝鮮が「核保有国」だからだ。

北朝鮮は、米国を直接攻撃できるような核ミサイルを保有していないと見られている。ただし、5回の核実験を通じて核爆弾を持っていることはほぼ間違いない。核兵器も核関連施設についても全てが解明しているわけではない。

もし米国が北朝鮮を攻撃すれば、周辺国に甚大な被害が生じることは避けられない。同盟国である日本と韓国が核の報復を受ける可能性が大きくなる。

核の報復でなくとも、とくに韓国は通常火力による被害は避けられない。もちろん在日韓米軍、そして韓国に在住する15万人、日本に在住する5万人以上もの米国人が北朝鮮の脅威にさらされる。北朝鮮を攻撃することはシリアへの攻撃よりも、はるかにリスクが高いのである。

現時点で、両国に在住する米国人を避難させるような動きは見せていないことから、米国がいきなり北朝鮮を攻撃するのは現実的ではないと見られる。ただし、ここで厄介なのは、金正恩の側にもトランプは攻撃してこないだろうという目算があったと見られることだ。

13日、金正恩は平壌市内の高層マンション郡「黎明(リョミョン)通り」の竣工式に現れた。こうした場に金正恩が現れるのは極めて異例だ。海外メディアを気にしたのか、それとも自分に対する攻撃に不安があったのか、落ち着きがなかったものの、15日には軍事パレードのひな壇で、最初から終わりまで軍事パレードを鑑賞した。

攻撃されるかもしれないという状況のなかで衆前に姿を現したということは、米国の攻撃はないと見ていたのか。それとも、米国を含む外国メディアが大挙押し寄せているなかで、攻撃できるものならしてみよという捨て身の姿勢なのか。

金正日時代と今では「核戦略」に大きな違いがある

トランプと金正恩の姿勢をつぶさに見ていると、両者は決定的な局面に突入するつもりはないように思える。現状では、一時的に緊張は高まっているが、しばらく経つと、何事もなかったかのように通常の対立関係にもどる可能性が高い。

2013年に北朝鮮がいきなり休戦協定の白紙を宣言した時は、今回以上に緊張したが、しばらく過ぎると南北も米朝も通常どおり(緊張状態だが)にもどったのだ。

ただし、両者が判断ミスをすれば、事態が急展開する可能性は捨てきれない。例えば、トランプが軍事的圧力を強めれば強めるほど北朝鮮の態度は軟化すると思い込んで、このまま強め続ける。また、金正恩があくまでもトランプの圧力はブラフと見越して、核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験を強行する──となると、両者共々、引き際を見誤り、緊張状態がエスカレートして、思わぬ展開に突入するかもしれない。または、偶発的な小規模な衝突が、状況悪化に拍車をかけるかもしれない。

(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士...北朝鮮の地雷が爆発する瞬間)

また、この緊張状態が解けたとしても、問題が解決したわけではない。金正恩は25日前後の核実験やミサイル発射を見送ったとしても、遅かれ早かれ強行し、核武装国家に向けて着々と進んでいくだろう。その時、トランプは今回のように軍事的圧力をかけられるのだろうか。

なによりも今回の事態を通じて、金正恩が「やっぱり米国は攻めてこられない」という自信を深めるかもしれない。

金正日時代と金正恩時代における核戦略には大きな違いがある。父・金正日は、見返りがあれば核とミサイルを放棄することを想定していただろう。しかし、金正恩は米国を攻撃可能な「核武装国家」を目指している。核弾頭を搭載し、米本土に着弾可能な核ミサイルが完成すれば、今以上に米国は北朝鮮に手出しできなくなる。そうなれば、金正恩体制が続く限り、北朝鮮は日本に対して脅威を与え続ける国家となりうる。

断言するが、金正恩が核武装国を目指す限り、同じ事態は来年、または数年後に再発するだろう。そして、時が経てば経つほど金正恩にとって有利な環境が作られていく。この負の連鎖を断ち切るためには、理想論かもしれないが、金正恩体制が変革するしかない。

北朝鮮は、頂点に立つ指導者が全てを決定するという超独裁国家である。その姿勢を変えるためには、内部からの変革の要求とそれをサポートする外部からの働きかけが必要だ。

現在も、北朝鮮の民主化を目指す韓国の複数のNGOが、この命題に果敢にチャレンジしている。北朝鮮民衆の意識変化を促すために、硬軟織り交ぜた情報を北朝鮮国内へ流入させるなどの情報戦も展開している。その結果、多くの北朝鮮国民が海外の情報に接しながら、金正恩体制が極めてマズい方向へ進んでいるということをうすうす感じつつある。

(参考記事:「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民のキツい本音)

しかし、その意識変化が政治的な動きへ発展するにはまだまだ時間がかかるだろう。こうした動きに周辺国、とりわけ日米韓が本気で取り組むことができるのか。それとも何年かに一度のサイクルで発生する北朝鮮クライシスを甘んじて受け入れるのか。

国際社会、とりわけ日本、米国、そして韓国は、時が経てば経つほど、ソフト・ランディングの可能性が低くなっている状況を冷静に認める時が来ている。そのうえで、脅威であり続ける北朝鮮にどう対峙するのか、本気で考えなければならない。

【ニューストピックス】朝鮮半島 危機の構図

[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。


中国主席、北朝鮮に自制呼び掛け=米大統領と電話協議
時事通信 4/24(月) 12:55配信

 【北京時事】中国の習近平国家主席は24日、トランプ米大統領と電話で北朝鮮情勢について協議した。

 中国側の発表によれば、習主席は「国連安全保障理事会の決議に違反する行為には断固反対だ」と述べ、新たな核実験など挑発行為の自制を北朝鮮に呼び掛け、関係各国に対しても緊張を高める行動を避けるよう求めた。

 北朝鮮が25日の朝鮮人民軍創建85周年に合わせ、6回目の核実験や弾道ミサイル発射を強行するとの見方があることを踏まえ、中国は北朝鮮の挑発阻止に向け米国との連携を確認すると同時に、米国の軍事行動にクギを刺した形だ。

 習主席は「関係国が責任を持って向き合ってこそ、核問題を早期に解決し、非核化を実現できる」と強調。「われわれは米国など関係国とともに、朝鮮半島や北東アジア、世界の平和のために努力したい」と語った。中国側の発表は、北朝鮮情勢をめぐるトランプ氏の発言には触れていない。

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