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2017年3月 6日 (月)

北朝鮮、金正恩の兄・金正男氏暗殺 金正恩の刺客による犯行説濃厚・21

中世の亡霊・暗黒残虐国家・北朝鮮の親玉=金正恩の異母兄にあたる金正男(ジョンナム)氏が13日、マレーシアで何者かに殺害された。複数の韓国メディアが14日報じた。

金正男氏はマレーシア・クアラルンプールの空港で北朝鮮の刺客とみられ女2人に何らかの方法で毒殺されたもよう。犯人の女2人は殺害後、タクシーで逃走したとしている。

金正男氏は、北朝鮮の前の親玉=金正日の長男だが、北朝鮮の改革開放を主張、また独裁権力の継承について金一派の世襲にも反対していたとされ、これらの点が金正恩の逆鱗に降れ、金正恩の指令で暗殺されたとの観測が濃厚である。
だとすれば、(すでに明白なことではあるが)金正恩一派の牛耳る北朝鮮という国家は、現世の地獄ともいうべき、中世以前の残虐で野蛮な暗黒国家であり、存在すること自体許されない犯罪国家というしかない。
そもそも21世紀の今日、このような中世以前の残虐な亡霊国家が現存すること自体、人類の恥だ。

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リンク:北朝鮮、マレーシア国民を出国禁止に=正男氏事件受け、対抗措置で応酬激化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男暗殺事件、亡命した北朝鮮元公使の証言は信用できるのか? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国の対北朝鮮の強硬姿勢は本物か? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<金正男氏殺害>北朝鮮大使が北京入り…マレーシア国外退去 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮ミサイル、米韓と中国の対立あおる周到な動きとの指摘も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国外追放された北の駐マレーシア大使、北京到着 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:韓国のTHAAD配備にロシアが反対する理由。さらに北朝鮮の思惑は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害 北朝鮮大使、午後にも北京から平壌へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「追放」北朝鮮大使が北京着 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北、マレーシア大使を報復追放 正男氏暗殺 北大使は出国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:退去の北朝鮮大使が北京入り - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:政権幹部も粛正する北朝鮮・国家保衛省の全貌 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮がマレーシアに報復、大使を国外追放へ 国営メディア報道 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア当局、サッカー同国代表の北朝鮮遠征を禁止 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア、北朝鮮での試合参加せず=サッカーアジア杯予選 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<正男氏殺害>大使、マレーシア出国 北朝鮮も対抗措置 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮大使「両国関係に悪影響」、出国前にマレーシア批判 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害 国外追放の北朝鮮大使が空港でマレーシア非難「極端な措置が両国関係傷つけた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北大使、マレーシア出国…国交断絶の可能性も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮大使、国外追放処分受け出国 最後に改めてマレーシア批判 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:テロ支援国、北朝鮮再指定を=安倍首相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮大使が出国=正男氏事件でマレーシアと追放合戦―断交へ発展の可能性も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正恩氏の逆鱗に触れ、秘密警察取り潰しか 一員と言われるマレーシア国外退去の男性、帰国後の運命は… - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア、ビザなし渡航も中止 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア首相、国外追放通告の北朝鮮大使を「無礼」と非難 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏ならできる金正恩体制の排除 --- 中村 仁 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<マレーシア>北朝鮮大使「6日夜に出国する」伝える - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮大使、国外追放期限まで半日切る - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北ミサイル 「金正男氏殺害で国際社会との緊張が高まっている中での暴挙」二階俊博自民幹事長 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:韓国人が「反日」という麻薬に逃避することは嘆かわしい - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<マレーシア>北朝鮮大使国外退去 迫る期限6日午後7時 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮弾道ミサイル発射か、マレーシアは断交へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア副首相 正男氏捜査で「北は他国に敬意を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシアに謝罪と賠償要求=李正哲氏「強引な捜査で自白強要」―正男氏殺害 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

北朝鮮、マレーシア国民を出国禁止に=正男氏事件受け、対抗措置で応酬激化
時事通信 3/7(火) 12:14配信

 【ソウル、クアラルンプール時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省は7日、北朝鮮に在留するマレーシア国民の出国を認めないと在北朝鮮マレーシア大使館に通報した。

 期間は、マレーシアで起きた金正男氏殺害事件が「公正に解決され、マレーシア在留の北朝鮮外交官、国民の安全が完全に保証されるまで」としている。

 これに対し、マレーシアのザヒド副首相は記者団に対し、北朝鮮大使館員の出国を禁止すると述べた。観光客らは出国できるものの、北朝鮮側に対抗措置を取り、両国の応酬は激化している。

 マレーシア政府は、北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使を国外退去処分とし、北朝鮮もマレーシア大使を追放処分にしたばかり。マレーシア国民の出国禁止は、同国政府に圧力をかける狙いがあるとみられる。マレーシアメディアによると、北朝鮮にいるマレーシア人は大使館員とその家族、国際機関勤務の計11人という。

 正男氏殺害事件では、北朝鮮が遺体の引き渡しを求め、検視にも反対していた。また、事件後に出国した北朝鮮国籍の容疑者4人の引き渡しや在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官らの事情聴取の要請にも応じない強硬な立場を貫いている。

 姜氏は、マレーシアが反北朝鮮勢力と結託していると決め付け、「マレーシア警察の捜査を信用できない」と強く批判。これにマレーシア政府は北朝鮮への反発を強めていた。


金正男暗殺事件、亡命した北朝鮮元公使の証言は信用できるのか?
Wedge 3/7(火) 11:20配信

 金正男氏殺害事件は、マレーシア政府が北朝鮮大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放する事態に発展した。東南アジアは友好国の多い重要な地域であるだけに、北朝鮮の被る外交的ダメージは非常に大きい。なぜこんなに割の合わない事件を起こしたのか、謎は深まるばかりだ。(参考:「金正恩は金正男暗殺事件の波紋に驚いた?」「金正男暗殺事件がもたらす北朝鮮と東南アジアの外交危機」)

 これまでも繰り返し指摘してきたが、事件を巡って判明していることは多くない。特に、北朝鮮側の意図に関しては推測だけだ。そして、その中で異彩を放つのが、北朝鮮の元駐英公使で韓国に昨年亡命したテ・ヨンホ氏の証言である。興味深い話が多いのだが、残念ながら信ぴょう性に疑問を持たざるをえない内容が少なくない。控えめに言うならば、「一部のメディアによって過大評価されている」というのが多くの専門家の見立てである。

 私は昨年9月に「心配募る朴大統領の北朝鮮観 韓国発の北朝鮮情報は気を付けて見るべき」という記事を書いた。今回の事件に照らして、改めて韓国発情報の「あやうさ」を考えてみたい。

説得力ある証言もあるけれど…
 事件の起きる前ではあるが、私は1月末に出演したBS番組でテ・ヨンホ元公使の証言へのコメントを求められた。米メディアとのインタビューで、トランプ政権発足に関して「金正恩委員長は米新政権との間である種の和解を結ぶ好機だととらえている」と語ったのだという。私は思わず「眉唾」と言ってしまった。生放送で言い過ぎたかなとは思ったものの、やはり疑わしさはぬぐえない。

 落ち着いて考えてみてほしい。北朝鮮にとって対米関係はもっとも重要で機微な外交問題である。駐英公使クラスが口をはさめる問題ではないし、トップシークレットであるはずの対米外交の方針が在英大使館に流れてくることなどありえない。日本だったらどうだろうと考えてみれば、すぐに分かることである。

 今年1月に『新版 北朝鮮入門』(東洋経済新報社)という本を私と共著で出した礒崎敦仁・慶応大准教授はテ・ヨンホ氏について「英語が流ちょうで、北朝鮮の対外宣伝の窓口としてロンドンの外交官の間ではよく知られた存在だったようだ。北朝鮮外務省の実情やエリート層の考え方を披露する証言には説得力があるものの、金正恩政権そのものについて語った証言には注意が必要だ」と指摘する。

 そもそも元公使は幹部外交官ではあるものの、序列はそれほど高くない。北朝鮮外交官の亡命としては、1997年に張承吉(チャン・スンギル)駐エジプト大使夫妻と兄の張承浩(チャン・スンホ)・フランス貿易代表部代表がそろって米国へ亡命している。張大使は92年に40歳代前半の若さで外務次官となり、94年に駐エジプト大使となったエリート中のエリートだ。

 ちなみにエジプトは、非同盟諸国との外交を重視してきた北朝鮮にとって中東アフリカ外交の拠点となる重要な国であるとともに、ミサイルをはじめとする兵器の主要な販売先でもあった。張大使は本当に重要な情報を知っていただろうが、公開の証言はない。それに比べれば、経済・外交両面でたいした関係のあるわけでもない英国に駐在していた外交官の知っていたことには限りがあると考えるのが普通だろう。

金正恩氏に会ったことは「ない」
 読売新聞の2月25日付朝刊によると、テ・ヨンホ元公使は韓国のニュース専門テレビ「YTN」のインタビューで、金正恩委員長が金正男氏の殺害指令を出したとしたならば、「幼い時から正男氏を極度に憎悪してきた結果」で、正恩氏の「偏執症」のせいでもあると述べたという。これも首をひねらざるをえない話だ。

 宮本悟・聖学院大教授は、幼少期から正男氏を世話してきた叔母で1990年代半ばに西側へ亡命した成惠琅(ソン・ヘラン)氏の「金正日総書記は二つの家庭を徹底的に隔離していた」という証言を挙げる。正男氏と正恩氏は異母兄弟であるが、互いの存在は知らなかっただろうということだ。

 宮本教授はさらに、「金正日の料理人」として知られる藤本健二氏の証言も指摘している。藤本氏は1987年から計13年を北朝鮮で過ごした。1984年生まれの正恩氏を幼少の頃から知り、母親で元在日朝鮮人の高英姫(コ・ヨンヒ)夫人とも親しくしていた人物だ。宮本教授は「その藤本さんが正男氏の存在を知らなかったと話しているのだから、正恩氏が知っていたと考えるのは難しい」と話す。

 正男氏の叔母と藤本氏のどちらも、それぞれの「家庭」と密接にかかわってきた人物である。それに対して元公使は今年1月の韓国紙「ソウル新聞」とのインタビューで、「金正恩に会ったことはあるか」という質問にこう答えている。

 「ない。金正恩がどこで仕事をし、家はどこにあり、どうやって職場に通っているのか、知っている人は、ほとんどいない。私は北朝鮮に数十年暮らしてきたが、金正日や金正恩が乗った車が平壌市内で通りすぎるのを見たことも、一度もない」

正男氏と正恩氏、母の出自は五十歩百歩
 読売新聞によると、テ・ヨンホ元公使はYTNとのインタビューで、金正恩氏にとって「北朝鮮住民に金正日総書記の後継者だと認識させることが困難な要因の一つに、正男氏の存在があった」と話したという。建国の父である金日成主席の血を引く「白頭山の血統」という問題を持ち出し、「白頭山の血統のアイデンティティーと大義名分(のなさ)が正恩政権の一番のアキレスけん」と指摘したそうだ。

 この主張の肝は、正恩氏の母である高英姫夫人が日本生まれであることにある。高夫人は1950年代末に始まった在日朝鮮人帰国運動で日本から北朝鮮に渡った。そして、元在日朝鮮人は北朝鮮で差別される対象だから、正恩氏は正男氏に対してコンプレックスを持っているという説明になる。

 確かに最高指導者の母が日本生まれというのは、北朝鮮としては明かしたくないことだろう。ただし、この説明で見落とされているのは、正男氏の母である成惠琳(ソン・ヘリム)氏の出自も北朝鮮の感覚では「悪い」ということである。成氏は朝鮮戦争中、共産主義者だった母に連れられて姉の惠琅氏とともに韓国から北朝鮮へ渡った女性だ。

 北朝鮮では、日本の植民地だった時代や朝鮮戦争時の父母や祖父母らの立場で決まる「出身成分」が住民の分類に使われる。その内容は、(1)労働者や貧農、革命遺族などの核心階層、(2)手工業者、小工場主、日本からの帰還者などの動揺階層、(3)富農や地主、日本の植民地支配から解放された後に南から北へ来た「越北者」、キリスト教信者などの敵対階層――の3階層51分類とされる。これに従うなら、正恩氏の母は真ん中の「動揺階層」、正男氏の母は一番下の「敵対階層」である。しかも正男氏の母の家系は、地主でもあった。

 90年代に西側へ亡命した成惠琅氏の自叙伝『北朝鮮はるかなり』(文春文庫)には、正男氏の母である自らの妹について語った次のような一節がある。

 「惠琳は数多くの映画の主役をつとめた中堅の女優であったが、成分がよくないために俳優の等級もあがらず、党員にもなれなかった」

 それでも金正日氏に見初められれば、出身成分など関係なくなるのである。正男、正恩両氏の母の出自の違いなど五十歩百歩でしかない。

あやしい「正恩氏母の墓石に名前刻めず」
 金正恩氏の母である高英姫氏が日本生まれであることを強調する「白頭山の血統」コンプレックス説は、これにとどまらない。

 産経新聞の2月26日付朝刊は、「韓国に亡命した元駐英公使は、高氏のものとされる墓石にも高氏の墓碑銘はなかったと証言している」と伝えている。産経新聞には書かれていないが、韓国メディアを調べてみると、1月に韓国国会内で行われた議員との懇談会での発言のようだ。テ・ヨンホ元公使はこの時、「生母の墓碑に名前すら刻めずにいる」と語ったという。

 産経新聞は、元公使の証言に続けて「出自に負い目を持つ正恩氏にとって、海外で暮らす金日成主席の直系の兄、正男氏は常に目障りな存在だったことは想像に難くない」と書いている。

 ただ、この「墓石に名前すら刻めていない」というのもあやしい。

 前出の藤本健二氏は2012年7月、最高指導者となった正恩氏の招きで11年ぶりに北朝鮮を訪問した。藤本氏は著書『引き裂かれた約束』(講談社)で、高夫人の墓参りをしたことを明かしている。抗日パルチザン闘争の戦士たちが眠る大城山革命烈士陵の裏手の丘にある墓は質素なものだったが、藤本氏は「もっともっと墓を立派にする計画があるそうだ」と記している。藤本氏は「坂道を花束を抱えのぼってくる幹部らしき男性」も目撃しており、「すでに、幹部らの参拝は奨励されているようだった」という。

 ともかく藤本氏が墓参した時の様子は「幅4メートルの真新しい石段を30~40段のぼったところに、高さ2メートルほどの草でおおわれた土まんじゅうがひとつあるだけ、その右わきに高さ1・5メートルほどの墓碑がぽつんと建っていた」そうだ。ただ、墓碑にはチマ・チョゴリで正装した高氏のバストアップのカラー写真がはめ込まれ、ハングルで「コ・ヨンヒ同志 1952年6月26日―2004年5月24日」と刻まれていたという。

 藤本氏はかねてから、金正日総書記の料理人として働いていた時に高夫人からよくしてもらったと振り返っていた。この時の訪朝では、3回も墓参りをしたという。金正恩体制下でも特別待遇を受けている藤本氏が、かつて世話になった高氏の墓参りをするのは自然なことだ。藤本氏のスタイルを考えると、墓石に名前も刻まれていないのなら、それを嘆くように思われる。少なくとも、名前が刻まれていないのに「刻まれている」と嘘をつく理由は見当たらない。ここはやはり、藤本氏の証言を信頼してよいのではないだろうか。

周囲の反応を気にする脱北者たち
 脱北者の証言はオーバーなものになることが多い。証言を重ねるたびに細かい部分で食い違いを見せたり、あるいはディテールがどんどん肉付けされたりしていくこともある。

 平岩俊司・関西学院大教授は、坂井隆・元公安調査庁調査第2部長との対談をまとめた共著『独裁国家・北朝鮮の実像』(朝日新聞出版)で、「北朝鮮では人肉が市場に出回っている」という話が出た時に「自分も食べた」と証言した脱北者の話を紹介している。関係者が後で確認すると、この脱北者は実際にはそうした話を聞いたことがあるだけ。「インパクトがあると思った」ので、自分も食べたと話したということだった。

 坂井氏は「サービス精神なんだ(笑)」と受けているが、まさにそうなのだろう。自らの生まれ育った体制を裏切って韓国に来ているという境遇は、心細いもののはずだ。どうしても周囲の反応を気にせざるをえないのは、人間として当然だろう。だから周囲の期待に応えようと、ついオーバーな話にしてしまうことがある。それを、私たちが簡単に批判できるものだろうか。

 テ・ヨンホ元公使の証言にしても、礒崎准教授の指摘するように信頼度の高そうな部分はある。大事なのは、彼らの証言を聞く側の姿勢だ。礒崎准教授は「彼の証言には参考となるものも多いが、金正恩委員長に関する情報など現段階でクロスチェックが難しい情報は慎重に接するべきだろう」と話す。面白いからと飛びつくと、やけどするのが落ちである。


中国の対北朝鮮の強硬姿勢は本物か?
ニューズウィーク日本版 3/7(火) 11:20配信

<北朝鮮からの石炭輸入の停止措置は、トランプ政権に探りを入れる手段にすぎない>

中国政府が2月中旬、北朝鮮からの石炭輸入を今年末まで停止すると高らかに宣言した。中国は北朝鮮産石炭の「お得意様」。昨年は2250万トンを輸入し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に12億ドル近い現金収入をもたらした。北朝鮮の輸出全体を見ても、中国への依存度は90%に近い。

国連安全保障理事会による再三の制裁決議を無視して核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対して、国際社会は圧力を強めてきた。今回の声明は、中国がついに国際社会に同調する動きを示した画期的な出来事のように見えるかもしれない。

だが現実には、そこまでの話ではない。中国が挑発的な北朝鮮を「抑制」しようとしていると称賛する前に、慎重に検討すべきことがある。

第1に、声明の内容は目新しいものではない。中国は北朝鮮制裁に自分たちも参加しているとトランプ米政権や国際社会に思わせるため、ちょっと派手な芝居を打っただけだ。

実際、石炭輸入停止は、前からある合意の表紙を変えただけ。昨年9月に北朝鮮が5度目の核実験を行った後、中国は北朝鮮からの石炭などの輸入制限強化という国連安保理の新たな制裁決議に同意していた。つまり大きく譲歩したのではなく、決議に従ったという話にすぎない。

【参考記事】北朝鮮外務次官訪中を読み解く――北朝鮮の狙いと中国の思惑

第2に、中国は石炭輸入を「禁止」すると言ったわけではなく、今年いっぱい凍結、つまり「一時的に停止」すると言っただけだ。

第3に、中国が制裁を本当に履行するのか、履行の有無をどう確認するのかという疑問がある。今までも中国の制裁は手ぬるく、国際社会が履行状況を確かめる手だてもほとんどない。

注意が必要なのは、中国は鉄や燃料や食料など5億ドル相当の「国民生活に不可欠な援助品」にまで手を付けるつもりはない点だ。昨年の中国の対北朝鮮輸出額は約30億ドルで、代金の大半は不良債権として処理された。

こうした背景を理解した上で、なぜ中国が北朝鮮を公然と批判するのかを考えることが重要だ。中国政府は当然、北朝鮮が安保理決議を無視して核開発を続けることに不満と憤りを感じている。北朝鮮の非核化への支持を明らかにもしている。北朝鮮が核・ミサイル実験を行うたびに、中国は制御能力を疑われて面目丸つぶれだ。

「ポスト朴槿恵」対策も

だが中国にとってもっと重要なのは北朝鮮の核実験が、アメリカとその同盟国である日韓にTHAAD(高高度防衛ミサイル)やミサイル防衛といった強力な抑止政策を取る動機を与えていること。日米韓の協力強化は、中国の戦略的利益に反する。

石炭の輸入停止措置は、金正男(キム・ジョンナム)の暗殺を許すという、中国の失態の直後に出された。

金正男は過去10年ほど、中国当局の庇護下にあるような状態で、マカオを生活の拠点としていた。北朝鮮の工作機関が画策した可能性の高い今回の暗殺事件は、中国の顔に泥を塗った。

とはいえ、中国にすれば北朝鮮へのメッセージは二の次。北朝鮮問題に「本気で」取り組む意思があるそぶりをアメリカに見せることこそが最重要課題だ。

【参考記事】韓国THAAD配備に反発、中国が韓国旅行商品の販売停止へ

ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の核・ミサイル開発を可能にしている中国を批判。北朝鮮への影響力を行使するよう圧力をかけていく方針だ。そのほか中国との貿易不均衡や南シナ海問題などについても、大げさなコメントを連発している。

中国が取引をしようと考えている相手はトランプだ。石炭輸入禁止のような「ガス抜き」で様子をうかがっているのだろう。

韓国の政局混乱もある。中国はこれを好機と捉え、北朝鮮問題に積極的に関与することを示して「ポスト朴槿恵(パク・クネ)」の指導者に好印象を与えようとしている。さらに、可能性は低いものの、韓国の次期政権がTHAADの配備を延期または中止することを願っている。

今回の制裁措置への取り組みは朗報ではある。それでも、中国の対北朝鮮政策について幻想を抱くべきではない。

[2017年3月7日号掲載]


<金正男氏殺害>北朝鮮大使が北京入り…マレーシア国外退去
毎日新聞 3/7(火) 10:59配信

 【北京・西岡省二】北朝鮮の金正男氏殺害事件に絡んでマレーシア政府から国外退去を通告された北朝鮮の姜哲(カン・チョル)駐マレーシア大使が7日未明、クアラルンプールから経由地の中国・北京に到着した。

 北京国際空港で現地公安当局が警戒態勢を強化するなか、姜大使はVIP出口から迎えの車に乗り込み、北朝鮮大使館に入った。同日午後にも北朝鮮に帰国するとみられる。


北朝鮮ミサイル、米韓と中国の対立あおる周到な動きとの指摘も
西日本新聞 3/7(火) 10:48配信

 北朝鮮が6日、一挙に4発の弾道ミサイルを発射した。韓国で実施中の米韓合同軍事演習に反発すると同時に、対北朝鮮政策を強化しつつあるトランプ米大統領へのけん制とみられる。韓国は在韓米軍への最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を急ぐ方針で、中国のさらなる反発は必至。米韓と中国との対立をあおって国際社会の足並みを乱す狙いもうかがえる。

 「北朝鮮の核・ミサイルは国民の生命と安全を威嚇する差し迫った問題だ。金正男(キムジョンナム)氏殺害事件でも見せた無謀な国家が核兵器を持つのは想像もしたくない」

 韓国で6日開催された国家安全保障会議(NSC)で大統領代行の黄教安(ファンギョアン)首相はこう強調し、国際社会の結束を訴えた。

 韓国では今月1日から過去最大規模の米韓合同軍事演習が実施されており、反発する北朝鮮の軍事挑発は予想されていた。それでも弾道ミサイルの4発同時発射は「異例」(韓国メディア)で、驚きが広がった。

 軍事挑発の最大の狙いは、米政権への「警告」だ。大統領選中は北朝鮮との対話の可能性も示したトランプ氏だが、2月に北朝鮮が新型弾道ミサイルを発射し、マレーシアでの金正男氏殺害にも関与が濃厚になると態度を硬化。北朝鮮を再び「テロ支援国家」に指定する検討を続けている。

 北朝鮮は「むやみに言い掛かりをつけると、代価がどれほど過酷かを痛感するだろう」(朝鮮中央通信)と強く反発。韓国の聯合ニュースは、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が今月初め、韓国に戦術核兵器を配備する可能性に触れたトランプ氏の発言を伝えられた際、「怒りを爆発させた」との見方を伝えた。

 米韓と中国の間にくさびを打ち込む周到な動きとの指摘もある。

 朴槿恵(パククネ)大統領の弾劾宣告が間近に迫る韓国では、次期大統領の最有力候補である文在寅(ムンジェイン)氏がTHAAD配備に批判的な姿勢を表明している。黄首相は、軍事活動を再び活発化する北朝鮮対策でTHAAD配備を現政権中に確実にする意向とみられ、早ければ6月中にも配備される方向だ。

 これに対し、自国への監視強化を懸念する中国は配備に強く反発。既に韓国側に経済分野などで圧力をかける動きも見せている。

 中国は2月、ミサイル発射に伴う経済制裁として北朝鮮からの石炭輸入の全面中止を決めた。北朝鮮にとって石炭は輸出額の40%を占める主力品。今回の発射には、伝統的友好国でありながら厳しい態度を取る中国への反発もうかがえる。

=2017/03/07付 西日本新聞朝刊=


国外追放された北の駐マレーシア大使、北京到着
読売新聞 3/7(火) 10:34配信

 【北京=中川孝之】北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏殺害事件で、マレーシアから国外追放された北朝鮮の姜哲(カンチョル)駐マレーシア大使が7日未明、北京に到着した。

 姜氏と家族は北京の北朝鮮大使館の迎えの車で、中国公安(警察)のパトカーに先導され同大使館に向かった。7日午後にも北朝鮮に帰国する見通しだ。マレーシアの駐北朝鮮大使も既に本国に戻っており、両国は国交断絶に至る可能性もある。


韓国のTHAAD配備にロシアが反対する理由。さらに北朝鮮の思惑は?
ホウドウキョク 3/7(火) 10:16配信

ロシアの安全保障を専門とする小泉悠(こいずみ・ゆう)氏がロシアの外交視点から分析する。

能勢解説委員:いま、韓国のロッテグループが所有するゴルフ場が焦点になっています。韓国政府との交渉がまとまって、アメリカ軍のTHAAD迎撃システムを、この場所に年内に配備することが決まったとのことです。一方ロイター通信によると中国の国営メディアは韓国製品の不買運動を呼びかけているそうなんです。

ロシアはTHAADの韓国配備に反対することを1月の次官級協議で合意していたとも伝えられている。たとえばロシアが金正男氏殺害の容疑者をウラジオストックで取り押さえなかったということは韓国のTHAAD配備に対するロシアの不快感の表れということも考えられるのでしょうか?

小泉悠氏(写真右):これは切り離して考えた方がいいと思います。ロシア側の言い分としては、今回権限を持つ国からの要請が無かったので容疑者の身柄は取り押さえませんでしたと言っているんです。つまり、北朝鮮の人だから北朝鮮当局からの要請がないから何もしませんでしたよというのがロシア側の言い分なんですね。

だから、これは言外に「韓国からの要請はあったかもしれないが」という事実を思わせるような言い方です。だけど北朝鮮の人だから我々はタッチしなかったよ・・・ということは、おそらくロシアは北朝鮮の面子をたてているんだと思うんです。

一方THAAD問題については別でロシアがいろんなことを言うというのは、私は対中国に関する問題だと考えます。

朝鮮半島にTHAADがあってもロシアの核抑止力はまったく脅かせないので、本来ロシアにしてみれば「まあいいかな」という問題ですけれども、今話があったように中国はこの朝鮮半島THAADを嫌がっているわけで、ロシアとしてはミサイル防衛問題はじめ様々な問題で安全保障上、中国をは共同歩調をとってますよという立場ですから、中国がそんなに嫌がるんならロシアも一定の配慮をしますと。

去年、プーチン大統領が来日した時も、わざわざロシア側から「朝鮮半島THAADの問題を、日本に行って提起しましたよ」と言っているわけです。これは「ロシアは日本だけじゃなく中国の安全保障上の懸念も我々は忘れていませんよ」という意味だと。

小山ひかる(写真左):他の国から疑われたり牽制されたりして、いったい金正恩委員長は北朝鮮をどうしたんでしょうか?

岡部いさく氏:ミサイル作ってる、核開発してるっていうのは、とにかく抑止力を持ちたいというのが一番ですよね。

ちょっと気になるのは、ひと頃北朝鮮の大砲とかロケット弾が「ソウルを火の海にできるぞ」という状態だったじゃないですか。言ってみればソウルの街や人が北朝鮮の人質になっている状態。

それが今、ノドンとかムスダンとかが核弾頭を付けて日本にも到達可能となってくると、だんだん北朝鮮の「人質」が拡大してきていると。

小泉:はい、「火の海」にできるは日本とか、もしかしたら北朝鮮のミサイルはグアムくらいまでとどくかもしれない。

私が思うのは金正恩委員長は海外でも暮らしていたそうですし、北朝鮮の現状が良くないということはよくわかっていると思うんです。

でもソ連の場合のことを考えると・・・実は今日3月3日はソ連の最後の大統領ゴルバチョフさんの誕生日なんですが、彼の改革がうまくいかなかったのは中途半端だったからなんですよ。中途半端にいろんな自由を拡大して情報を自由化してみたらソ連の人たちが「この国おかしくないか」と言い出してソ連はガタガタ崩れていった。
その段階で、それを思いっきり押さえつけることはもうできなし、かといってソ連の体制をガラっと変えて改革するにはもう手遅れだったわけですね。

たぶん中国も北朝鮮もそういうのをよく見ていて、本当に国のアタマをすげ替えるような大改革をやるか、さもなくば独裁体制をガチガチに固めていくどちらかしかないんだという結論なのだと。

で、金正男氏は大改革派だったらしいですけれども、金正恩委員長はそれは無理だと考えた。だからこの独裁体制を何とでも維持する。そのためには核抑止力がいる。だからまわりから制裁されようが懸念を持たれようが、核とミサイルだけは絶対持つと、そこまでは逃げ切るつもりなんじゃないかと思うんです。

(文責:松島 スタッフ:能勢・中西・北原)
3月3日(金)「週刊安全保障」より


金正男氏殺害 北朝鮮大使、午後にも北京から平壌へ
産経新聞 3/7(火) 9:49配信

 【北京=藤本欣也】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、同国政府から国外追放された北朝鮮の姜哲(カンチョル)駐マレーシア大使が7日未明、空路北京に到着し、市内の北朝鮮大使館に入った。

 金正男氏殺害事件でマレーシア警察に逮捕された後、国外退去処分となった北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル氏も4日以降、同大使館に滞在している。姜氏はリ氏とともに、7日午後の北京発平壌行き高麗航空機で北朝鮮に帰国する可能性がある。


「追放」北朝鮮大使が北京着
ホウドウキョク 3/7(火) 9:06配信

北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件をめぐり、マレーシアから国外追放された北朝鮮の大使が、7日未明、経由地の中国・北京に到着した。一方、北朝鮮は対抗措置として、「北朝鮮駐在のマレーシア大使を追放する」と通告した。
国外追放された北朝鮮のカン・チョル大使は6日、マレーシアを出発し、日本時間の午前1時すぎに経由地の北京に到着した。
カン大使は、淡々とした様子で迎えの大使館職員らとあいさつを交わし、車に乗り込んだ。
カン大使は、早ければ7日午後にも、北朝鮮に戻る見通し。
一方、北朝鮮外務省は、2月にマレーシアに帰国した駐北朝鮮大使について、「好ましからざる人物」として、「5日午前10時から48時間以内に追放する」と通告した。
これは、カン大使を国外追放したことへの対抗措置とみられ、マレーシアと北朝鮮の関係悪化は決定的となっている。


北、マレーシア大使を報復追放 正男氏暗殺 北大使は出国
産経新聞 3/7(火) 7:55配信

 【クアラルンプール=岩田智雄】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、同国政府を批判して国外追放を通告されていた姜哲(カンチョル)駐マレーシア北朝鮮大使が6日午後6時半(日本時間同7時半)ごろ、北京行きの航空機で出国した。北京経由で帰国するとみられる。

 一方、北朝鮮外務省は6日、マレーシアの駐北朝鮮大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として、7日午前10時(日本時間同10時半)までの国外追放を通告し、報復した。マレーシア外務省によれば、母国に2月下旬に召還された同大使はそのまま国内にとどまっているという。両国の対立は決定的となり、状況によっては両国が断交する事態に発展する可能性も出てきた。

 姜大使はクアラルンプール空港で記者団に対し「マレーシア政府の極端な措置と、40年以上の歴史がある両国関係を著しく損なう行為に深刻な懸念を表明する」と述べた。マレーシアは北朝鮮国籍者に認めていたビザなし渡航制度を取り消し、6日からビザの取得を義務づけている。


退去の北朝鮮大使が北京入り
時事通信 3/7(火) 6:37配信

 【北京時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件に絡み、マレーシア政府から国外退去を求められた北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使は7日未明、クアラルンプールから経由地の中国・北京に到着した。

 空港のVIP出口周辺では到着に先立ち、中国の公安当局による警備態勢が強化された。姜氏は家族とともに車に乗り込み、北京の北朝鮮大使館に入った。その後、大使館前では姜氏の出発は確認されておらず、後日帰国するとみられる。


政権幹部も粛正する北朝鮮・国家保衛省の全貌
JBpress 3/7(火) 6:15配信

 2月13日にマレーシアで金正男が暗殺された事件で、同月27日、韓国の情報機関「国家情報院」は、犯行を行ったのは軍の「偵察総局」ではなく、「国家保衛省」で、そこに北朝鮮外務省が協力したとの見解を公表した。北朝鮮の工作機関について最も情報を持っているのは韓国の情報機関だから、現時点ではその可能性がきわめて高いと判断していいだろう。

 現在、海外で破壊工作を実施できる北朝鮮の組織は、この偵察総局と国家保衛省の2つである。前者は諜報活動や破壊工作を担当する情報機関で、後者は反乱分子を摘発する秘密警察である。

 国家保衛省はもともと北朝鮮国内での秘密警察活動と、海外での北朝鮮外交官の監視などが主任務だったが、近年は脱北者追跡の役割が増えており、それに従って脱北者の多い中国東北部、東南アジア、さらには韓国内での秘密活動が強化されている。こうしたエリアでの暗殺などのダーティワークは、近年は偵察総局よりも、むしろ国家保衛省が主力になってきている。

■ 工作員が脱北者を追跡・処刑

 ただし、報道されているイメージのように、暗殺を常日頃から実行しているかというと、それほどでもない。今回の金正男暗殺のような大規模な作戦は、おそらく初のことだ。

 前述したように、国家保衛省は海外では脱北者の摘発を主任務としているため、とくに中国東北部で脱北者の捕捉を実施している。また、同地において、韓国の脱北者支援団体や韓国情報機関員などと日常的に水面下の攻防戦もある。そうした中で、殺人行為もときおり行われているが、それも大がかりなものはほとんどない。

 比較的大がかりな作戦とすれば、脱北者に偽装して韓国内に工作員を潜入させ、そこで他の脱北者を追跡する活動がある。たとえば、2008年に韓国で摘発された女工作員・元正花の場合は、韓国に潜入した後、協力者獲得工作と同時に、大物亡命者である黄長燁・元書記の所在確認も命令されていた。元正花の養父も南派工作員で、その養父含めて数人のスパイ団を韓国内で作っていたが、摘発されている。

 なお、元正花は脱北した後、担当した韓国情報部員と男女関係になるが、それを聞いた国家保衛省の担当指導員は、それを利用してその韓国情報部員を暗殺するように元正花に命じている(未遂行)。

 また、2012年に韓国で摘発された国家保衛省工作員は、脱北者団体幹部に接触するように命令されていた。ただし、いずれもそれほど大がかりな作戦ではなかった。

■ 恐怖支配を実施する最重要組織

 国家保衛省は5万人とも7万人ともいわれる正規要員(うち平壌市テソン区の本部には8000人が勤務との未確認情報)と、数十万人の協力者がいると推定されるが、詳細は不明である。内部の機構も非公表で、詳細は不明である。

 国家保衛省は形式上は省として内閣の一機関だが、実際には金正恩に直結している。国家保衛省は昨年6月、「国家安全保衛部」から名称が変更された。北朝鮮では党中央直結とされる「部」が内閣所属の「省」より格上のため、この名称変更を「降格」と推定する報道もあったが、当時は昨年5月の党大会からの大幅な組織改編が進行中で、たとえば人民武力部も人民武力省に名称変更されるなどしており、一概に降格とは断定できない。国家保衛省の権限は依然絶大なものがあり、金正恩の権力の源泉である恐怖支配を実施する最重要組織であることには変わりない。

■ 失脚した国家保衛省のトップ

 その国家保衛省では今年1月中旬、大事件が発生した。トップである金元弘・国家保衛相が解任され、次官級を含む複数の幹部が処刑されたのだ。金元弘は大将から少将に降格されたとだけ伝えられているが、その後の消息は不明で、いずれにせよ失脚したことは確実である。北朝鮮の権力層の失脚の過去事例からみると、監禁・軟禁で済めば良いほうで、処刑される可能性も高い。

 この大粛清は、党の組織指導部の内偵調査によるものとみられる。タテマエとしては、独断による拷問、越権行為、汚職などが挙げられたようだが、要するに「ウラの権力を行使してきた人物は、力を持ちすぎると独裁者にとっても危険なので、排除された」ということだろう。

 金元弘はもともと秘密警察畑の人物である。金正日政権の終盤に、軍内の秘密警察である「保衛司令部」司令官を務めた後、軍内の政治警察である「総政治局」の組織(人事)担当副局長に転じ、2011年末の金正日死去を受けた金正恩体制発足後、2102年4月に国家安全保衛部長に就任している。このように各種の秘密警察での任務を長く務めた人物であり、国家安全保衛部長となってからも、2013年12月の張成沢処刑をはじめ、金正恩政権下の多くの幹部粛正を主導してきた。

 北朝鮮ではウラ権力である秘密警察の指揮官になった人物の多くが、やがては自らも粛正されるという運命にあったが、金元弘も例外ではなかった。彼自身、おそらくそのことは予想していたであろうし、実際、彼以外の政権幹部格の多くが粛正の対象になっていたため、金正恩に疑われることのないよう、ひたすら金正恩の意に沿う働きだけを心掛けてきたと思われるが、金正恩はそう甘くはなかったということだ。

■ 国家保衛省の歴代幹部の末路は悲惨

 ここで、国家保衛省の前身組織のトップたちの悲惨な末路を振り返ってみよう。国家保衛省は、もともと金日成の時代から、独裁者の権力維持のために最重要の中枢組織だった。当初は1973年に金日成直属の秘密警察として「国家政治保衛部」として発足。部長は金炳夏で、金日成体制の恐怖支配確立を主導したが、彼は82年に処刑された。その後、国家保衛部と改編され、部長には李鎮洙が就任したが、実際には金正日が直轄した。

 李鎮洙は87年に視察先で変死(ガス中毒死とみられる)するが、それ以降、金正日の直轄下で部長ポストは空席とされ、歴代の第一副部長が実務を取り仕切った。当初、その責任者となったのは金英龍・第一副部長だった。国家保衛部は93年に国家安全保衛部に改編されるが、98年、内部で大粛清が行われる。このとき、責任者だった金英龍・第一副部長は、粛正を悟って服毒自殺している。

 その後、金正日政権終盤になって、同部の実務を担当した責任者は、禹東測・第一副部長だった。2011年末に金正日が死去した際、霊柩車に付き従った8人の幹部が金正恩体制の当初の後見人であり、そのうち4人が軍・秘密警察幹部だったが、そのひとりが禹東測だった。しかし、その禹東測も早くも2012年4月に失脚した。処刑は確認されていないが、その後の消息は一切不明である。

 前述した金元弘は、この禹東測失脚を受けて国家安全保衛部のトップに就任した。それも、87年以来、空席だった同部長としての就任だった。それだけ厚遇されたといえる。

 なお、国家安全保衛部時代の幹部の粛正では、もうひとり有力な幹部の例を紹介しておこう。2011年に処刑された柳京・副部長である。彼は2001年に日本と拉致問題・国交回復問題を秘密交渉した「ミスターX」とみられる幹部で、それだけ金正日が信頼していた人物だったが、金正日の晩年、収賄の疑いで粛正の対象になったのである。

 このように、国家保衛省の歴代幹部の末路は悲惨である。それでも、そのポストに任命されれば、自らの粛正を回避するために、ひたすら金正恩に忠誠を尽くすしかない。忠誠を尽くす唯一の方法は、ひたすら懸命に不穏分子を狩り出すことだ。しかし、その仕事に邁進すれば、自ずとウラの権力が集まってくる。そうなれば独裁者の猜疑心の対象となり、結局は粛正の対象になる。どちらに転んでも悲惨な運命である。

■ 国家保衛省を監督する党組織指導部

 今年1月の金元弘失脚は、党組織指導部が主導した。国家保衛省は金正恩に直結する組織だが、その指導権・監督権を、金正恩は党組織指導部に与えている。しかし、国家保衛省が党組織指導部の傘下にある組織かというと、そうとも言えない。

 北朝鮮の政治体制は、制度上のタテマエとは違い、実際には金正恩がトップで、それ以外はすべて独裁体制の歯車であり、それぞれの立場の強さはひとえに金正恩の考え次第である。現在の金正恩体制で、体制内の監視機構として大きな権限を与えられているのは、軍の「総政治局」、党の「組織指導部」、そして国家保衛省である。

政権幹部も粛正する北朝鮮・国家保衛省の全貌
JBpress 3/7(火) 6:15配信

 独裁政権にとって、どこかの組織が突出して権力を握ることは危険である。そのため、ウラの権力を握る組織同士を互いに監視させ、1つの組織に権限が集中しないようにするわけだ。

 総政治局は、軍を監視する。独裁体制にとって最も警戒されるのは、軍のクーデターであり、そうした芽を摘むために総政治局には絶大な権限が与えられている。

 国家保衛省は不穏分子を実際に摘発・粛正する実働部隊である。その権限はさらに絶大なもので、金正恩の命令があれば、軍や党のトップクラスであっても粛正することになる。そして、国家保衛省を監督する組織として、金正恩は党組織指導部をあてている。

 党組織指導部の中でも注目される実力者が、趙甬元・副部長だ。現在、金正恩の視察に最も多く同行している最側近といわれている。昨年7月、太永浩・元駐英公使が韓国に亡命し、韓国メディアで盛んに金正恩体制批判を語っているが、その太永浩も趙甬元の政権内での権勢について指摘している。

 1月の金元弘・国家保衛相の失脚も、おそらく金正恩=趙甬元ラインで決められたものではないかと思われる。

■ なぜ暗殺の実行を急いだのか? 

 そして、この金元弘失脚と大粛清が、今回の金正男暗殺に影響した可能性がある。

 今回の暗殺の謎の1つは、どうして監視カメラが完備している空港内で行われたのかということだが、可能性の1つとして、暗殺の実行が急がれていたかもしれないということがある。

 本来ならもっと時間をかけて標的である金正男の行動を監視し、人の目のない場所でこっそり殺害したかったところ、そこまで監視する時間的余裕がなかったのではないか。そう考えると、襲撃者たちの身元の足がつきやすい空港内での犯行も合点がいく。

 そして、その急いだ理由に、国家保衛省内部の粛正があったのではないか。つまり、いつまでも結果を出せなければ、自分たちも粛正の対象にされてしまうという恐怖があったのではなかったかという可能性がある。

 これはあくまで1つの可能性だが、たとえば太永浩・元駐英公使などが最近、頻繁に韓国メディアに登場し、さかんに金正恩政権批判を発言していることに関連し、激怒した金正恩がこれまでの幹部亡命者とその協力者の処刑を命令。その多くの対象の中に金正男の名前があり、作戦を急いで実行する必要が生じたのではなかったか。

■ 「外務省職員」は国家保衛省からの要員? 

 なお、韓国の国家情報院によれば、今回の暗殺は、国家保衛省に外務省が協力した形ということで、犯人グループの中に外務省職員が名指しされているが、もしかしたら国家保衛省から外務省に派遣されている要員の可能性もある。国家保衛省は海外に派遣される北朝鮮国民の亡命阻止も重要任務だが、そのため常日頃から多くの要員が外務省に送り込まれているはずである。

 また、秘密警察である国家保衛省は、秘密保持のために、基本的には国家保衛省内の限られた要員によるチームで作戦を行うものと考えられる。金正恩の直接指示があれば可能だが、通常は他の省庁と共同で秘密工作を行うことは考えにくい。同様に、事件当初、国家保衛省と偵察総局の共同作戦の可能性を指摘する報道もあったが、その可能性も小さい。

 国家保衛省は、外務省や偵察総局などと比べても圧倒的に格上であり、恐れられている存在である。今後も、脱北者たちに対する暗殺作戦は続くものと思われる。


北朝鮮がマレーシアに報復、大使を国外追放へ 国営メディア報道
AFP=時事 3/6(月) 21:56配信

【AFP=時事】北朝鮮は6日、同国に駐在するマレーシア大使を国外追放処分にすると発表した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏の殺害事件をめぐり、姜哲(カン・チョル、Kang Chol)駐マレーシア大使が国外追放処分を受けたことへの報復措置とみられる。

 KCNAは、「北朝鮮の外務省はマレーシア大使をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定する旨を通告するとともに…同大使の出国を要求した」と伝えた。期限は48時間以内としている。

 マレーシアと北朝鮮は先月発生したこの事件の捜査をめぐり、非難の応酬を続けている。マレーシア政府は先に事情を聞くためとして、駐北朝鮮大使を本国に召還していた。【翻訳編集】 AFPBB News


マレーシア当局、サッカー同国代表の北朝鮮遠征を禁止
AFP=時事 3/6(月) 21:19配信

【AFP=時事】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏がクアラルンプール(Kuala Lumpur)の空港で殺害されたことを受け、北朝鮮との関係が悪化しているマレーシアの当局は6日、平壌(Pyongyang)での開催が予定されているサッカーのアジアカップ(AFC Asian Cup)予選・北朝鮮戦のマレーシア代表の遠征を、安全上の懸念を理由に禁止したと発表した。

 北朝鮮の姜哲(カン・チョル、Kang Chol)駐マレーシア大使は、マレーシア当局の捜査を批判したことについて謝罪しなかったとして、4日に国外退去を命じられている。

 この事態を受け、マレーシア・サッカー協会(Football Association of Malaysia)のハミディン・モフド・アミン(Hamidin Mohd Amin)事務局長は声明で「マレーシア政府が4日に北朝鮮大使の国外追放を決定したことで、マレーシア人が今、北朝鮮を訪れるのは危険と思われる」と述べた。またアジアサッカー連盟(AFC)に対し、今月28日に予定されている試合の開催地を、安全上の観点から平壌(Pyongyang)ではなく中立的な場所に移すことを要求したと語った。【翻訳編集】 AFPBB News


マレーシア、北朝鮮での試合参加せず=サッカーアジア杯予選
時事通信 3/6(月) 21:10配信

 【クアラルンプール時事】マレーシア・サッカー協会は6日、北朝鮮の平壌で28日に予定されているサッカーの2019年アジア・カップ予選の北朝鮮戦について、マレーシア政府から参加しないよう指示を受けたと発表した。金正男氏暗殺事件で、北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使が国外追放される事態に発展し、マレーシア政府が安全面を考慮して決めた。

 協会関係者は「もはやマレーシア人が北朝鮮を訪れるのは安全な状況ではなくなった」と述べた。


<正男氏殺害>大使、マレーシア出国 北朝鮮も対抗措置
毎日新聞 3/6(月) 19:44配信

 【クアラルンプール林哲平、金子淳、北京・西岡省二】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)が殺害された事件を巡り、マレーシアから国外追放を通告された北朝鮮の姜哲(カン・チョル)・駐マレーシア大使が6日夕、クアラルンプール国際空港から出国した。一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は6日夜、北朝鮮外務省が駐北朝鮮のマレーシア大使の出国を要求したと報じた。北朝鮮による対抗措置とみられ、両国関係はさらに険悪になっている。

 姜大使は空港で報道陣を前に「マレーシア政府が極端な措置に出て、40年にわたる両国関係の歴史を傷つけたことに深い懸念を表明する」と述べた。大使は午後6時半ごろ、マレーシア航空機で北京に向け出発した。北京経由で平壌に戻る模様だ。

 マレーシア政府は捜査批判を続ける姜大使について「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放を通告、6日午後6時までの国外退去を求めていた。一方、マレーシア側の措置を受け、北朝鮮も駐北朝鮮のマレーシア大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」として出国を要求。だがマレーシア政府は事件後に大使を召還しており、実質的には新たな影響は少ないとみられる。

 マレーシア警察は事件に関与した疑いのある北朝鮮国籍の容疑者や重要参考人ら計7人への聴取を進めたい考えだ。在マレーシア大使館の2等書記官も含まれるが、警察関係者は「北朝鮮の協力は元々期待できない状況だが、大使追放でその余地はさらに少なくなるだろう」と話した。


北朝鮮大使「両国関係に悪影響」、出国前にマレーシア批判
ロイター 3/6(月) 18:52配信

[クアラルンプール 6日 ロイター] - クアラルンプールで起きた金正男氏殺害事件の捜査を巡り、マレーシアから国外追放処分を受けた北朝鮮の姜哲大使は6日、マレーシア政府の対応は両国関係に悪影響をもたらすと非難した。

姜大使は出国前のクアラルンプール国際空港で記者団の取材に応じ、「両国関係に多大な悪影響をもたらすマレーシア政府の強硬手段に深刻な懸念を表明する」と述べた。

マレーシア政府は4日、金正男氏殺害事件を巡りマレーシア側の捜査を信用できないと発言した姜大使が謝罪に応じなかったため、48時間以内に出国するよう求めていた。


金正男氏殺害 国外追放の北朝鮮大使が空港でマレーシア非難「極端な措置が両国関係傷つけた」
産経新聞 3/6(月) 18:27配信

 【シンガポール支局】金正男氏殺害事件に関連し、マレーシア政府から国外追放を通告された北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使が6日夕、クアラルンプール国際空港に到着した。空港で姜大使は、マレーシアの国外追放処分について「極端な措置」と非難。措置が「両国関係を傷つけた」など述べた。

 空港に到着した姜大使を大勢の報道陣が待ち受け、姜氏はもみくちゃに。自身を「ペルソナ・ノングラータ(好ましからざる人物)」と宣言し、国外追放にしたマレーシア政府の処分について「重大な懸念を抱いている」とのコメントを述べた。

 姜大使は、マレーシアを出国し、北京を経由して北朝鮮に戻るとみられる。


北大使、マレーシア出国…国交断絶の可能性も
読売新聞 3/6(月) 18:21配信

 【クアラルンプール=児玉浩太郎、大重真弓】北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏(45)殺害事件を巡り、マレーシア政府に国外追放を通告されていた北朝鮮の姜哲(カンチョル)駐マレーシア大使が6日夜、クアラルンプール国際空港から出国した。

 両国関係は悪化の一途をたどっており、今後の北朝鮮の対応次第では国交断絶に至る可能性もある。

 マレーシア外務省は4日夜、事件の捜査を巡ってマレーシア非難を繰り返し、謝罪要求にも応じなかった姜大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(ラテン語で『好ましからざる人物』)」と認定、6日午後6時(日本時間同午後7時)までの国外退去を求めていた。

 同4時40分頃、空港に姿を見せた姜大使は、詰めかけた多数の報道陣に「私の(これまでの)発言は、大使として当然の見解だ。40年以上にわたる両国の関係を害するマレーシア政府の行きすぎた措置に深刻な懸念を表明する」と語り、出発ゲートに向かった。北京経由で平壌に戻る予定。


北朝鮮大使、国外追放処分受け出国 最後に改めてマレーシア批判
AFP=時事 3/6(月) 18:13配信

【AFP=時事】(更新、写真追加)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏の殺害事件をめぐり、国外追放処分を受けていた同国の姜哲(カン・チョル、Kang Chol)駐マレーシア大使が6日、マレーシアを出国した。

 首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)近郊セパン(Sepang)にあるクアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur international Airport)で搭乗機が離陸するの先立ち姜大使は、マレーシアによる捜査は偏見に基づくものという批判を改めて繰り返した。

 姜大使は、「マレーシア警察によるあらかじめ標的を絞った捜査」が行われたと酷評し、「わが国の大使館が同意も同席もないまま司法解剖を行い、また事件への関与を示すはっきりした証拠もないのにわが国の市民を逮捕した」と非難した。

 北朝鮮は死亡した男性が正男氏であると認めておらず、マレーシアが北朝鮮の敵対勢力と共謀しているとして、マレーシア当局の捜査を繰り返し批判している。

 一方、マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相は報道陣から、北朝鮮に対して謝罪を要求するつもりかと質問され「今のところ何も受けていない。何も期待していない」と答えたが「道義上、謝罪があってしかるべきだった。(だからこそ)同大使を『ペルソナ・ノン・グラータ』(外交官に対する国外退去処分)に指定した」と述べている。【翻訳編集】 AFPBB News


テロ支援国、北朝鮮再指定を=安倍首相
時事通信 3/6(月) 17:20配信

 安倍晋三首相は6日の参院予算委員会で、金正男氏殺害事件を受け、米国で北朝鮮をテロ支援国家として再指定を求める声が上がっていることに関し、「第1次安倍政権時に指定解除に頑強に反対した。今後ともその立場に変わりはない。米国と緊密に連携を取っていきたい」と述べた。

 民進党の白真勲氏への答弁。

 首相は1次政権当時、大韓航空機爆破事件を例に挙げ、「北朝鮮は(実行した元死刑囚の)日本人化を進める道具として拉致被害者を使った可能性もあり、まさにテロと直結する」と米国側に伝え、解除に反対した経緯を説明した。


北朝鮮大使が出国=正男氏事件でマレーシアと追放合戦―断交へ発展の可能性も
時事通信 3/6(月) 17:12配信

 【クアラルンプール時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件に絡み、マレーシア政府から国外退去を求められた北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使が6日夜、マレーシアを出国し、帰国の途に就いた。

 大使が乗ったとみられる航空便がクアラルンプールから経由地の中国・北京に向けて出発した。北朝鮮とマレーシアの関係は事件を機に悪化し続けており、今後の展開次第では国交断絶に発展する可能性をはらんでいる。

 一方、6日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省はマレーシア政府に対し、駐北朝鮮大使を5日午前10時から48時間以内に国外へ退去させるよう求めた。実際には同大使は既に本国へ召還されているが、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」と見なしたという。姜氏追放への対抗措置とみられる。

 姜氏は正男氏殺害事件をめぐり、マレーシア政府に遺体の即時引き渡しを要求するとともに、「わが共和国に敵対する勢力と結託するマレーシア側の態度を決して容認しない」と激しく非難。「マレーシア警察の捜査を信用できない」と重ねて批判してきた。

 これに対し、マレーシア側では、ナジブ首相が「外交上無礼だ」と強い不快感を表明したのをはじめ、「ならず者国家」(ナズリ観光・文化相)などと北朝鮮への反発が広がった。

 関係に亀裂が入る中、北朝鮮の代表団が2月28日、急きょクアラルンプール入りし、マレーシア外務省高官と協議した。マレーシア政府の説明では、姜氏の発言をめぐり書面での謝罪を要求したが、北朝鮮は応じなかった。

 さらに今月4日には、マレーシア外務省が求めた同省高官との会談に姜氏は姿を見せなかった。これが決定打となり、マレーシア政府は同日夜、姜氏を「ペルソナ・ノン・グラータ」として追放すると発表。6日午後6時(日本時間同7時)までの国外退去を通告していた。

 アニファ外相は「マレーシアはいかなる侮辱に対しても、また、その名を汚そうとするいかなる試みに対しても強く対応する」と警告し、追加措置も辞さない構えを見せている。


正恩氏の逆鱗に触れ、秘密警察取り潰しか 一員と言われるマレーシア国外退去の男性、帰国後の運命は…
夕刊フジ 3/6(月) 16:56配信

 北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件を主導したとされる秘密警察、国家保衛省(旧国家安全保衛部)が取り潰し寸前との見方が浮上している。正男氏も絡んだ亡命政権の情報について伝達が遅れ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の逆鱗に触れたというのだ。マレーシア当局により国外退去処分にされた北朝鮮国籍の男性もその一員とみられ、今後の動向に注目が集まっている。

 正男氏殺害事件にかかわったとして逮捕され、証拠不十分で国外退去処分となったリ・ジョンチョル氏(46)は4日、北京で報道陣の取材に応じた。

 マレーシア警察に「捏造(ねつぞう)された証拠」を示され自白を迫られたとし、「共和国(北朝鮮)の尊厳を傷つける謀略だ!」と語気を荒らげたが、韓国メディアでは、ほかのメンバーと同じく国家保衛省の関係者との見方も強い。

 国家保衛省とは、正恩氏の手足となって数々の粛正を繰り返し、2013年には正恩氏の義理の叔父で後見人ともされた張成沢(チャン・ソンテク)氏の処刑も実行した組織として知られる。だが、北朝鮮の内情に詳しい関西大の李英和(リ・ヨンファ)教授は「国家保衛省は取り潰しの憂き目にあうか、休眠状態に置かれることになるだろう」と分析する。

 李氏によると、国家保衛省が正男氏殺害を主導した背景には、同省の致命的なミスがあった。正恩氏に代わる亡命政権構想の関係者が正男氏とコンタクトを取っているという情報について、同省とは別のルートから正恩氏の耳に入り、犯行を焦ったとみられている。

 同省のトップだった金元弘(キム・ウォンホン)氏が解任され、幹部らも高射砲で処刑されたと伝えられる。さらに省内の金正日(キム・ジョンイル)総書記の銅像が別の場所に移されたことは、正恩氏の憤怒の表れだともいわれている。

 今回の正男氏殺害を成功させたことで、国家保衛省は、正恩氏に「成果」を示した。それでも正恩氏の怒りは解けていないというのだ。

 粛清の実行役だった国家保衛省は北朝鮮の恐怖政治にはなくてはならない存在だが、今後その役割はどこが担うのか。前出の李氏は、一般警察にあたる人民保安省が担当することになるとみるが「慣れない職務を引き継ぐことで北朝鮮国内では人民への弾圧がさらに強まり、混乱が生じる可能性が高い」と危惧する。

 北京では感情が高ぶり、声を詰まらせる場面もあったリ氏。正恩氏への忠誠の表れか、それとも待ち受ける過酷な運命が頭をよぎったのか。


マレーシア、ビザなし渡航も中止
ホウドウキョク 3/6(月) 16:51配信

北朝鮮とマレーシアの関係が、悪化の一途をたどっている。
金正恩(キム・ジョンウン)委員長の兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア外務省は、呼び出しに応じなかった北朝鮮のカン・チョル大使を「好ましくない人物」にあたるとして、日本時間6日午後7時までに国外に出るよう通告している。
また、マレーシア政府は、6日から北朝鮮の人たちに対するビザなし渡航を中止して、外交圧力を高めている。
北朝鮮の対応次第では、マレーシアとの国交断絶に発展する可能性もある。
一方、北朝鮮大使館では5日夜、2階の部屋のカーテンが少し開かれ、大使館関係者数人が、1時間以上にわたってビリヤードを楽しむ姿が見られた。


マレーシア首相、国外追放通告の北朝鮮大使を「無礼」と非難
ロイター 3/6(月) 16:28配信

[クアラルンプール 6日 ロイター] - クアラルンプールで起きた金正男氏殺害事件の捜査手法を北朝鮮側が批判したことを巡り、マレーシアのナジブ首相は6日、北朝鮮を強く非難した。

マレーシア政府は4日、姜哲駐マレーシア北朝鮮大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放すると発表、48時間以内に出国するよう求めた。

ナジブ氏は、姜大使が謝罪しないことに憤慨、「外交的に無礼」だと非難した。「私たちの名誉に関わる問題には、強固として対処する」と、議会で記者団に述べた。

北朝鮮との外交関係を見直す可能性についての質問には、「一つずつ」対処していく意向を示すにとどめた。

姜大使は、追放通告の後、沈黙を守り公の場に姿を見せていないが、マレーシアを6日午後6時(1000GMT)までに出国するとみられる。


トランプ氏ならできる金正恩体制の排除 --- 中村 仁
アゴラ 3/6(月) 16:20配信

日本も傍観者でいられない
森友学園に対する不透明な国有地の払い下げ、豊洲市場の移転問題などが連日、大きく報道され、反響を呼んでいます。それはそれで必要なことです。でもどうなんでしょうか。日本という国家そのものが大きく揺さぶられかねない重大危機がすぐ側に存在しています。そうした危機への対策、備えをもっと考えておくべきですね。

重大危機というのは、北朝鮮の金正恩体制の存在そのものです。剛腕か乱暴か、トランプ米大統領の行動力に、この時ばかりは期待するしかないように思います。反トランプが国民の半数以上、閣僚級の辞任、議会との関係悪化など、政治的な窮地の中で、支持を一気に挽回できるチャンスでもあります。無茶するな、大混乱に陥るぞと、解決を引き延ばしてきたため、危機を大きくしてきたのです。またその道を歩むのでしょうか。

金正男の暗殺事件は、北が実行犯であることを否定するのは、難しいでしょう。メディアでは殺害の手口や犯人、正恩委員長の関与などに関心が集まっています。正恩委員長が残忍な性格の持ち主であり、何をしでかすか分からない人物であることを再認識させた、それが問題の本質です。脅しや抑止力のために存在するはずの核ミサイルを本当に発射しかねない、あるいは猛毒の化学兵器、物質を実際に使いかねない。つまり恐れが恐れでなく、現実化しかねない恐ろしさがあります。

「断固、許さない」と叫ぶだけか
核ミサイルの開発を着々と進め、日本はもちろん、米本土もその射程に入れており、米国の安全保障にかかわる問題です。同様の状況に置かれている日本には、米国のような軍事力、兵器力はありませんし、他国に先制攻撃しかける能力、意思はありません。だから安倍首相は「断固、許してはならない」と叫ぶしかないのです。

今月17日、ティラーソン米国務長官が来日するようです。首相や外相と北朝鮮情勢を協議するとの報道です。米メディアは「トランプ政権は武力行使や体制転換を含めた強硬路線を検討する」としています。「武力行使」はミサイルの軍事施設に対する先制攻撃、「体制転換」は正恩体制の排除の意味です。脅しだけで終わるのでしょうか。さらに米政権は北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定する準備をしているそうです。

マティス国防長官は海兵隊出身、湾岸戦争、イラク戦争の歴戦の勇士で、輝かしい軍功があります。対北朝鮮対策の指揮をとるには向いています。「国際社会はあらゆる多国間会合の場で、北朝鮮の人道無視の問題を取り上げるべきだ」(朝日新聞社説)といったところで、北には効き目がないことはすでに立証されています。「北朝鮮は国際的な孤立を一段と深める」(毎日社説)にも切迫した危機感がありません。

政治空白の韓国は動けない
中国は北に手を焼いているように見えても、強硬な手段をとろうとしません。韓国は朴大統領の弾劾裁判による政治空白で当分、期待できません。中心になって動けるのは米国、手助けできるのは日本でしょう。米国との本格的な戦争状態に入ったら、北に勝ち目は全くありませんから、狙われるとしたら日本の確率が高いと考えるべきでしょう。

日韓は北の危機への対応を軸に両国関係を考えていかねばなりません。安倍首相は新安保法制の制定、整備の指揮を執りました。北に起こり得る様々な事態を、すでに想定していなければならないはずです。森友学園問題でおたおたしている場合でありません。国会審議をみていると、与野党とも目先の火の粉のことばかりに熱中しています。金正男殺害事件とそれが波及する問題で議論したことはあるのでしょうか。

金正恩体制の排除ともなれば、大量の難民が押し寄せるだろうし、国家体制の再構築、経済支援などが必要となります。前面に立つのは韓国としても、日本も大規模な協力に迫られます。そういう事態が回避されれば最もいいし、回避されなくても、最悪の事態に対するシナリオ、準備は必要なのです。正恩委員長は肉親、多数の側近を排除、粛清しました。孤立無援という危うい状況を自らが作り出しました。自分で自分を窮地に追い込んでいるのです。

編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2017年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログ(http://blog.goo.ne.jp/jinn-news)をご覧ください。


<マレーシア>北朝鮮大使「6日夜に出国する」伝える
毎日新聞 3/6(月) 14:16配信

 【クアラルンプール林哲平、金子淳】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)が殺害された事件で、マレーシアから国外追放を通告された北朝鮮の姜哲(カン・チョル)・駐マレーシア大使が退去期限直前の6日夜に出国するとマレーシア側に伝えたことがわかった。マレーシア警察関係者が毎日新聞の取材に対し明らかにした。

 マレーシアは捜査について「敵対勢力と結託している」などと強い調子で批判を繰り返していた姜大使について、4日に「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放を通告し、6日午後6時(日本時間同7時)までの国外退去するよう要求。北朝鮮側の対応次第では、さらなる対応の可能性を示唆していた。

 北朝鮮は友好的だったマレーシアとの関係が事件を機に冷却の一途をたどっており、これ以上の事態悪化を避けたい意向とみられる。マレーシア政府は駐北朝鮮大使を召還したほか、6日から北朝鮮国民のビザ(査証)なし渡航を中止を決定。国外追放はそれに続くものだ。


北朝鮮大使、国外追放期限まで半日切る
ホウドウキョク 3/6(月) 11:31配信

北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件にからみ、マレーシア政府が北朝鮮の大使に通告した国外追放の期限まで、24時間を切った。対応次第では、国交断絶まで発展する可能性が出ている。
マレーシア外務省は、4日、北朝鮮のカン・チョル大使を「好ましくない人物」にあたるとして、国外追放すると発表した。
カン大使は、これまで、警察の捜査を強く非難していて、マレーシア外務省からの謝罪要請も無視し続けていることから、マレーシア側は、日本時間6日午後7時を出国期限とした国外追放を通告した。
ザヒド副首相は、大使追放について、「問題をごまかさいでほしいという明確なメッセージを、北朝鮮に与えるものだ」と述べた。
今後の対応次第では、国交断絶まで発展する可能性も出ている。


北ミサイル 「金正男氏殺害で国際社会との緊張が高まっている中での暴挙」二階俊博自民幹事長
産経新聞 3/6(月) 11:15配信

 自民党は6日午前、北朝鮮が4発の弾道ミサイルを発射したのを受け、核実験・ミサイル問題対策本部(本部長・二階俊博幹事長)の緊急幹部会を党本部で開いた。出席者からは政府に対し実効性のある対応を求める声が相次いだ。

 会合冒頭、二階氏は「今回は北朝鮮による金正男氏殺害で国際社会との緊張が高まっている中での暴挙だ。最大限の注意を払って事態を注視していく必要がある」と強調した。また、同日午後1時から対策本部会議を開催することも決めた。

 二階氏は、北朝鮮が発射した4発のうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)付近に落下したことを踏まえ、「わが国の安全保障に対する重大な脅威であり、国連安全保障理事会決議等への明白な違反だ」と改めて強調した。

 その上で「引き続き情報収集、分析に全力を挙げ、今後追加して公表すべき情報を入手した場合は、速やかに報告されることは当然だ」と述べ、政府に対し速やかな情報開示を求めた。


韓国人が「反日」という麻薬に逃避することは嘆かわしい
NEWS ポストセブン 3/6(月) 11:00配信

 韓国が混迷を深めている。トランプ大統領との首脳会談で蜜月ぶりをアピールした安倍首相とは対照的に、職権を停止されている朴槿恵大統領は身動きが取れず、外交政策に空白が生じている。

 北朝鮮が新型弾道ミサイル発射実験を強行しても有効打を繰り出せない。韓国に亡命を希望していたとも言われる金正男氏がマレーシアで北朝鮮工作員に暗殺されても、傍観するしかない。

 THAAD(高高度防衛ミサイル)配備に反対する中国政府から、ロッテグループが中国東北部で進めるテーマパーク事業の停止を命じられるなどの「禁韓令」が次々に発せられても、対策を講じることができず、ただ恐れおののくばかりだ。

 政治だけではない。経済でも停滞が目立つ。

 日本では大卒、高卒ともに就職率が97%を超え、ほぼ完全雇用に近づいている一方、韓国では今年、史上初めて若年失業率(15~29歳)が10%を突破する見込みだ。

 韓国はいま、外から内から崩れ去ろうとしている。未曾有の国難にもかかわらず、ポスト朴槿恵の最右翼とされる文在寅氏は、日韓慰安婦合意や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の見直しを主張し、昨年7月には竹島に上陸するなど、結局、「反日」を燃料にしている。

 釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像には、韓国人によって「日本を許そう」というビラが貼られたが、「上から目線」に違和感を抱いた日本世論以上に、韓国世論はこの人物を猛批判した。そして今も慰安婦像は増殖を続けている。

 韓国国民が「反日」という麻薬に逃避すれば、いずれ韓国は消滅する可能性すらある。

※SAPIO2017年4月号


<マレーシア>北朝鮮大使国外退去 迫る期限6日午後7時
毎日新聞 3/6(月) 10:17配信

 【クアラルンプール林哲平】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)が殺害された事件を巡り、マレーシアが北朝鮮の姜哲(カン・チョル)・駐マレーシア大使に対して求めた国外退去の期限が6日午後6時(日本時間同7時)に迫っている。

 マレーシア政府の外交や事件捜査について強い批判を繰り返していた姜大使に対し、マレーシア政府は4日、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放を通告した。「(北朝鮮に)操られたくないという明確な北朝鮮へのメッセージ」(ザヒド副首相兼内相)として、強硬措置に踏み切った格好だ。

 北朝鮮側から公式の反応は出ておらず、6日朝も北朝鮮大使館に目立った動きはない。


北朝鮮弾道ミサイル発射か、マレーシアは断交へ
Japan In-depth 3/6(月) 9:27配信

【まとめ】
・北朝鮮駐マレーシア大使国外追放期限、6日夜

・断交も視野に。背景に中国の意向。

・6日朝弾道ミサイル発射、ASEAN強硬姿勢へ

■国外追放期限は6日午後7時

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男氏が2月13日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺された事件でマレーシア政府は4日、在マレーシア北朝鮮大使館のカン・チョル(康哲)駐マレーシア大使の国外追放を発表した。期限は日本時間の6日午後7時と迫っている。

大使追放という強硬措置に出たことでマレーシアと北朝鮮の外交関係は厳しい局面を迎えたことになり、最終的には国交断絶をも辞さないという断固とした姿勢をマレーシアが北朝鮮に示したことになる。

マレーシアのアニファ外相は4日、金正男氏暗殺事件に関連してカン大使を外務省に呼んでいたが、カン大使は姿を現さなかった。事件発生当初よりカン大使は「マレーシア警察の捜査は信用できない」「死亡した北朝鮮国籍の男性の遺体を早期引き渡すべき」などと「内政に干渉する」旨の発言を繰り返していたこともあり、マレーシア政府はカン大使を外交上の「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に該当するとして国外追放を決断、北朝鮮政府に通告した。この通告によりカン大使は会談予定だった4日午後6時(現地時間)から48時間以内にマレーシアを退去しなければならなくなり、同時に今後のマレーシア入国も拒否されることになる。

■「国交断絶」も現実味 中国の意向反映し

マレーシア外務省によると事件後の2月28日に外務省関係者と北朝鮮側が非公式に会談した席でマレーシア側がカン大使による数々のマレーシア批判の発言について文書による謝罪を要求した。要求の期限の3月4日になっても北朝鮮側からは一切の回答がなかったことから最終的に大使追放に踏み切ったとしている。

大使追放措置を受けた国は対抗措置として自国の相手国大使を同様に追放処分するケースがあるが、マレーシアの在北朝鮮大使はすでにマレーシアに帰国している。このため北朝鮮政府は大使以外のマレーシア外交官の追放や航空便の停止、人的交流の停止、経済分野での活動中断、資産凍結などの対抗措置を取る可能性があるという。

マレーシアはすでに2日にこれまで北朝鮮国籍の旅券所持者に認めてきたビザなしのマレーシア渡航を6日から停止し、ビザ所得を義務付ける措置を取っている。

こうしたことから両国関係が今後悪化の一途をたどり、最終的に「国交断絶」も予想される事態となってきたが、マレーシア政府は「自国の権益を守るため」として最悪の事態も辞さない強い姿勢を示している。北朝鮮大使館前では市民による北朝鮮非難のデモが起き、一部メディアは「国交断絶」を求める国民の声や識者のコメントを伝えるなど、マレーシア世論は政府の強硬姿勢を歓迎し、支持を示している。

こうしたマレーシア政府の強硬姿勢の背景にはナジブ政権と密接な関係にある中国政府の意向も反映しているとの見方が有力で、中国が今回の金正男暗殺事件に衝撃を受け、怒りを見せていることを裏付けている結果といわれている。

■当局、金正男の身元特定に全力

マレーシア捜査当局は暗殺実行犯とされるインドネシア国籍とベトナム国籍の2女性容疑者を1日に殺人容疑で起訴した。その一方で事件に関連して逮捕拘束していた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル氏をマレーシア警察は3日に「証拠不十分」で釈放、国外追放とした。リ氏は北朝鮮への帰途寄った中国・北京の北朝鮮大使館で会見し「事件は北朝鮮を貶める謀略だ」と発言した。

この発言は1日に北朝鮮の朝鮮中央通信が今回の事件を「荒唐無稽な詭弁、危険な政治的妄動」と表現したことと軌を一にしており、

北朝鮮が今後とも事件と無関係の姿勢を貫くことを示している。

今回のリ氏の釈放でマレーシア捜査当局の事件解明の直接の手掛かりは起訴した実行犯とされる2女性と金正男氏の遺体だけという事態となった。事件への関与が濃厚として出頭を求めたり手配中の北朝鮮国籍の人物はいずれもすでに北朝鮮に帰国したり、クアラルンプールの北朝鮮大使館内に潜伏中とみられている。北朝鮮が非協力的な姿勢でなおかつ外交上の制約があるため、マレーシア捜査当局が取れる方策は限定的にならざるをえないとの見方が広がっている。

しかし地元紙記者などは「暗殺関係者の身柄拘束が実行犯2女性に限られたとしても北朝鮮という国家が事件に深く関与した構図を暴くことは可能」として、事件の全容解明で国際社会での北朝鮮非難の高まりを期待できるとしている。

そのためにも遺体の身元が金正男氏ではないと強弁し続ける北朝鮮に対し、「確固たる証拠」を突きつけるため遺体の身元特定に全力を挙げる方針を保健省は示している。金正男氏の歯形のデータに加えていまだに入手できていないとされる金正男氏の親族からの試料提供を受けて最終的にはDNA鑑定での身元確定を目指している。

もっともその結果ですら北朝鮮は「信用できない、陰謀」と認めないことは十分予想されている。マレーシア政府は「十分な科学的根拠で国際社会の理解をえる」ことを念頭にしており、もはや北朝鮮を「まともな交渉相手国」として信用していないことを今回の大使追放は示した結果ともいえる。

■6日弾道ミサイル発射、ASEANも強硬姿勢へ

マレーシアの大使追放という厳しい措置を受けて北朝鮮は東南アジアでの友好国であり、対外情報活動の拠点でもあったマレーシアを失いかねない事態に追い込まれており、暗殺事件の現場としてマレーシアを選んだ「高い代償」を支払うことになりそうだ。

暗殺という自ら招いた重大行為による自業自得の結果に対し、北朝鮮は6日午前7時過ぎ、日本海に向け弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射した模様だ。国際社会での孤立化はさらに深まるものとみられる。

そうした中、マレーシアやインドネシア、ベトナムなども参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)内部で非公式ながら一部の参加国が今年のASEAN地域フォーラム(ARF)で北朝鮮問題をどう取り扱うかの検討が始まったとの情報がある。

ARFはASEAN加盟10か国に加えて日本、韓国、中国、米国などがメンバー国で北朝鮮も参加、毎年外相クラスが協議に加わっている。北朝鮮は数少ない国際会議の場であるARFで自国の政策を一方的に表明してきたが、今年議長国であるフィリピンでの開催(7月開催予定)で北朝鮮の扱いが焦点となっている。

ASEAN加盟国には親中国、親米などそれぞれの立場があるものの、国家ぐるみの暗殺事件という問題に「ASEAN内の意見集約は可能」(インドネシア外交筋)として事件に関係するマレーシア、インドネシア、ベトナムが中心となって北朝鮮に厳しい姿勢を示す方向性を探っているという。


マレーシア副首相 正男氏捜査で「北は他国に敬意を」
産経新聞 3/6(月) 7:55配信

 【クアラルンプール=岩田智雄】北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件が発生してから6日で3週間となった。マレーシア外務省が4日、姜哲(カンチョル)駐マレーシア北朝鮮大使を国外追放処分にすると発表したことで、両国の関係悪化は決定的となった。出国期限は6日午後6時(日本時間同7時)とされる。

 マレーシアのザヒド副首相兼内相は5日、北朝鮮について「他国に敬意を払うことを学ばなければならない」と述べて捜査への協力を促したほか、国際的な協調を求めた。マレーシアの中国語紙、中国報は5日、東アジアの外交筋が「北朝鮮は米国、日本、韓国に敬意を払ってこなかった。その在り方は頑固だ。マレーシアは自国の立場を貫き、必要な行動を取るべきだ」と述べたと伝えた。

 警察は北朝鮮国営の高麗航空職員、キム・ウクイル容疑者ら北朝鮮国籍の3人の事情聴取を目指す。キム容疑者とともに北朝鮮国籍の4容疑者の逃走を支援したとみられるヒョン・グァンソン2等書記官は大使館内にいるとの見方がある。


マレーシアに謝罪と賠償要求=李正哲氏「強引な捜査で自白強要」―正男氏殺害
時事通信 3/6(月) 7:04配信

 【北京時事】北朝鮮の金正男氏殺害事件で、マレーシア警察に容疑者として逮捕された後、証拠不十分で釈放され、国外退去処分になった北朝鮮国籍の李正哲(リ・ジョンチョル)氏(46)が5日、滞在先の中国・北京で時事通信のインタビューに応じた。

 李氏は「捏造(ねつぞう)の証拠で逮捕した」と改めてマレーシア警察の対応を批判し、「強引な捜査で精神的苦痛を受けた」とマレーシア側に謝罪と賠償を求める考えを示した。

 李氏は逮捕当時、事件の発生も知らず、「自宅に家族といたら、武装警察が乗り込んできた。訳が分からず、強盗かと思った」と回想。警察側は自宅にあった紙の付着物や自動車用の油を「毒物」だと主張したほか、知人に貸した李氏の車が犯行現場にあったなどと伝えてきたという。

 李氏によれば、警察側は「逮捕された大使館員が既に供述している」「罪を認めれば、マレーシアに永住し、生活できる」などと自白を強要。李氏は「その時になって、共和国(北朝鮮)の尊厳と地位をおとしめる謀略と分かった」と振り返った。その上で「科学的な証拠のないまま犯罪者に仕立て上げられ、精神的な苦痛を受けた」として謝罪と賠償を要求した。

 李氏はマレーシアで、せっけん製造のためのパーム油を本国の会社に送る仕事をしていたという。勤務先とされるクアラルンプールの会社への勤務実態がなかったことについては、「当初は会社同士が協力する予定で、渡航を手伝ってもらったが、商談が成立しなかった」と説明した。

 警察が事情聴取を求めている在マレーシア北朝鮮大使館のヒョン・クァンソン2等書記官らとは面識があるが、「マレーシアにいる朝鮮人は多くない。みんな顔見知りだ」と指摘。ただ、正男氏とは「会ったことがない」という。事件に使われた猛毒の神経剤VXに関しては「私は製紙が専門で、VXのことは知らない」と強調した。

 李氏は3日釈放され、4日から北京に滞在している。拘束されていたため、体調を崩しているといい、体力の回復とクアラルンプールに残された家族の到着を待って、帰国する見通しという。

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