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2017年2月 5日 (日)

三菱MRJ、あれこれの話題・6

15年11月11日に初飛行した三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」は、現在形式証明の取得など量産機の製造に向けた飛行試験を続行中で、そうした開発進展状況のニュースについては逐次ご紹介しているが、ここではMRJに関するその他の話題をご紹介する。

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リンク:MRJエンジン、FAAの型式証明取得 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国産ジェット「MRJ」搭載の「PW1200Gエンジン」、 FAAの型式取得 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、パリ・エアショーで機体の地上展示へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、パリ航空ショーでANA塗装機お披露目 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:公開された「MRJ」工場の今。量産計画はめど立たず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<MRJ>のしかかる国産の“過剰な夢とロマン” - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重工業、売上高5兆円目標を2年先送りの意図 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重工、17年3月期純利益37.4%増 宮永社長「完成機メーカー並みの企画力必要」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、最終組立工場の最新状況を公開 MRJ70初号機も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、パリ航空ショーで地上展示へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱航空機、MRJの最終組立工場公開 MRJ70初号機も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ初号機の納期死守が「重要な使命」=水谷・三菱航空機社長 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、パリ航空ショー出展検討 水谷社長「試験最優先」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、パリ航空ショー展示検討 実機で巻き返し、新規受注の獲得狙う - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「MRJ」パリ航空ショーで初の実機展示 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱航空機社長:東京五輪聖火をMRJで、開発期限の厳守全力 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<MRJ>20年の納期厳守 社長、就任会見で強調 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ航空ショー、6月19日開幕 P-1とMRJ出展へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:焦点:威信問われる「国策」MRJ、5度納入延期で先行きに暗雲 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ボーイングやMRJにも。島津製作所の強みは機械加工と表面処理 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ANA、737-800をBOCアビエーションからリース MRJつなぎの一部 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、フロリダで極寒・酷暑試験 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:【スクープ】MRJ、ANA塗装でパリ航空ショー出展へ 3号機塗り替え - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ANA、MRJ遅延で737つなぎ導入 リースで4機、旧型機置き換え - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ANA、B737―800型機4機リースへ 5度目のMRJ納期遅れで - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、生産開始した量産機を試験機に転用も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「MRJ」や「777」に部品供給、工場で火災 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、5回目の納入延期 下請け企業から悲鳴 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<航空機部品生産協同組合>工場の完成式…三重・松阪 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、米国で自然着氷試験を実施 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国産ジェット「MRJ」 ロックフォワードで自然着氷試験などを実施 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:需要低迷にMRJ延期、航空機サプライヤーが取る対応策とは - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重工、大幅減益…MRJ開発費増加や民間航空機減産影響 2016年4~12月期決算 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、5回目の納入延期 日の丸旅客機復活は2020年 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

MRJエンジン、FAAの型式証明取得
6/1(木) 11:57配信 Aviation Wire

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FAAから型式証明を取得したMRJのエンジンPW1200G=16年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱重工業(7011)と三菱航空機、米ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)傘下のプラット・アンド・ホイットニー(PW)は6月1日、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」が搭載するPWの新型エンジン「PW1200G」がFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得したと発表した。

 MRJは、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種で構成。エンジンはいずれも低燃費や低騒音を特長とする、PW製のギヤード・ターボファン・エンジン(GTFエンジン)「PurePower PW1200G」を採用する。推力は1万7000ポンドで、MRJはPW1200Gを2基搭載する。

 PW1200Gは、現行のリージョナル機と比べて機体の運航コストを10-20%抑え、排出ガスを最新基準に対して50%低減できるとしている。

 FAAが定める型式証明の要件クリアに向け、15種類以上にのぼるシステムレベルの基幹試験に成功。これらの試験を通して、性能や耐圧、耐荷重、耐久性、排出ガス、騒音、鳥衝突、ファンブレードコンテインメントといった項目について、型式証明取得に必要なデータを得た。開発、証明作業、飛行試験を通じたエンジンの総運転時間・サイクルは6000時間、1万5000サイクルに達している。

 MRJの飛行試験機は5機で、すでに全機にPW1200Gが搭載されている。6月に開催されるパリ航空ショーでは、飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)にローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施し、地上展示することを発表している。

 今回FAAから取得したのは、エンジン単体の安全性を証明する型式証明。今後は量産機納入の半年前にあたる、2020年初頭までに機体の型式証明取得を目指す。


国産ジェット「MRJ」搭載の「PW1200Gエンジン」、 FAAの型式取得
6/1(木) 7:32配信 sorae.jp

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MRJ搭載の「PW1200Gエンジン」、 FAAの型式取得

三菱航空機は5月31日、リージョナルジェット「MRJ」に搭載するP&W(プラット・アンド・ホイットニー)製の「PurePowerギヤードターボファンPW1200Gエンジン」がFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得したと発表しました。
 
MRJは88座席仕様の「MRJ90」と76席仕様の「MRJ70」の両方が、2基のPW1200Gエンジンを搭載します。同エンジンを搭載したMRJは現行の同サイズ機に比べ運航コストを10~20%、排出ガスを50%低減するなどの性能を達成。エンジン出力は1万7000ポンドで、MRJの試験飛行機にも搭載されています。
 
これまでMRJは4機目の飛行試験機がモーゼスレイクの飛行試験拠点に到着し、極寒・酷暑試験や自然着氷試験などをこなしてきました。今後も機体の型式証明の取得、そして2020年半ばの納入にむけて、MRJが着実に前進することが期待されます。


MRJ、パリ・エアショーで機体の地上展示へ
5/31(水) 15:07配信 sorae.jp

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MRJ、パリ・エアショーで機体の地上展示へ

三菱重工と三菱航空機は、パリで開催されるパリ・エアショーにてリージョナルジェット「MRJ」の実機展示を行なうと発表しました。
 
実機展示披露会ではローンチカスタマーとなるANAホールディングスの取締役副会長の條辺氏も出席し、さらにシャレー見学会ではプロジェクションマッピングやVR体験も行われます。
 
2020年半ばの納入が予定されているMRJですが、2017年5月には最終組み立て工場の状況を公開。現在は4機の製造が進められており、ANA(全日本空輸)カラーの88席仕様となる「MRJ90」や、76席仕様となる「MRJ70」初号機も公開されました。
 
今後はアメリカでさらなる試験飛行を継続し、型式証明の取得を目指す予定です。


MRJ、パリ航空ショーでANA塗装機お披露目
5/26(金) 18:38配信 Aviation Wire

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パリ航空ショーではANA塗装のMRJをお披露目へ=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱航空機は5月26日、6月のパリ航空ショーに開発中のリージョナルジェット機「MRJ」を出展すると正式発表した。本紙が4月に報じた通り、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーをまとった機体を披露する(関連記事)。

【MRJの客室モックアップ】

 6月19日からパリ郊外のル・ブルジェ空港で開かれるパリ航空ショーに、MRJの飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)を持ち込む計画。機体の塗装を米国でANAのカラーリングに塗り直し、客室の内装を変更して航空会社やリース会社など、関係者向けに公開する。

 パリ航空ショーは世界最大級の航空ショーで、世界各国から航空関係者や政府要人が集まる。三菱航空機は例年、客室を模したモックアップを会場に展示し、売り込みを図ってきた。

 今回の機体お披露目には、親会社の三菱重工業(7011)の宮永俊一社長や三菱航空機の水谷久和社長、ANAホールディングス(9202)の篠辺修副会長が出席を予定。三菱航空機では、ANA塗装機を出展することについて、ローンチカスタマーに敬意を表するためだとしている。

 一方、すでにANA塗装が施され、国内での飛行試験に投入する予定だった5号機(JA25MJ)は、当面飛行しない見通し。設計変更が進んでいることから、現在は県営名古屋空港に隣接する最終組立工場で、機器配置の見直しなどに使われている。

 MRJは2008年3月27日、ANAがローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を三菱重工に発注し、事業化が決定。開発に手間取り、当初2013年だった納期は5度目の延期により、2020年半ばを計画している。

 ANAのほか、32機を確定発注した日本航空(JAL/JL、9201)など、7社から計427機を受注。内訳は、確定受注が約半数の233機で、残りはキャンセル可能なオプション契約が170機、購入権契約が24機となっている。


公開された「MRJ」工場の今。量産計画はめど立たず
ニュースイッチ 5/16(火) 10:23配信

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ANAホールディングス仕様の試験5号機など4機の製造工程を公開した(三菱重工業提供)

量産機から試験機に転用。「試験後に顧客に納入するか検討している」
 三菱重工業が国産小型ジェット旅客機「MRJ」のイメージ回復を図っている。愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)近くの最終組立工場で、座席数76の「MRJ70」初号機など4機の製造工程を報道陣にこのほど公開した。量産初号機の納入時期は5度目の延期で2年遅れ、2020年半ばになった。量産計画の見通しは立たないものの、開発、製造状況をアピールして世間の不安を和らげる狙いがある。

 量産初号機の納入先であるANAホールディングス(HD)仕様に塗装された試験5号機など4機が2本のラインに並び、組み立て作業が進む。延べ床面積約4万4000平方メートルの最終組立工場には最大12機を置けるが、4機では空きスペースが目立つ。

 4機は米国で飛行試験中の試験1―4号機に続く機体。そのうちの1機、MRJ70は先行する「MRJ90」(座席数88)より1年遅れで開発すると説明していた機体で、今回、初めて公開された。

 ただ、4機の今後は不透明だ。三菱重工は延期の原因となった電気配線の見直しなど、秋までに設計変更を完了する目標を立てている。試験5号機以外の3機は量産機として製造していたが納入延期に伴い、試験機に転用される見通し。変更内容を反映した機体で試験したいからだ。

 量産機から試験機に転用された後についても流動的だ。三菱航空機の岸信夫副社長は「試験機専用にするか、試験後に顧客に納入するか検討している」と説明する。

 また、納入延期前には20年に月産10機まで増やすと掲げていた量産計画についても、「計画全体の遅れに伴って見直しており、現時点でいつ開始とは言えない」(高口宙之三菱重工MRJ事業部長)状況。

 三菱重工がこうした時期に最終組立工場を公開したのは、産みの苦しみを味わいながらも諦めず歩を進めていることをアピールする狙いがある。

三菱航空機の水谷久和社長は「秋までの設計変更を守るのが非常に重要」との認識を示した上で、「地に足がついた開発状態になっている」と自信を示す。

 「世界に飛ばすぞ!国産ジェット」―。最終組立工場の内壁に飾られた横断幕の文言だ。その言葉通り日本の航空機産業の将来を背負って飛び立てるか。MRJ事業の正念場は続く。


<MRJ>のしかかる国産の“過剰な夢とロマン”
毎日新聞 5/14(日) 9:30配信

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試験飛行を終えて着陸し、格納庫へ向かうMRJ=2016年9月9日、大竹禎之撮影

 MRJ(三菱リージョナルジェット)は納入延期を繰り返すものの、国産初のジェット旅客機として多くの人の期待を集める。しかし現実には、採算性などに疑問はないのか。航空機産業に携わる製造業経営者たちはどう感じているのか。神戸国際大学の中村智彦教授(地域経済論)が報告する。【毎日新聞経済プレミア】

 三菱重工業は5月9日、2017年3月期決算を発表した。債務超過となった三菱航空機など子会社株式の評価損と、同社への貸付金について貸し倒れ引当金を計上するなど約1200億円の特別損失が発生した。

 三菱航空機は16年7月に債務超過に陥り、親会社の三菱重工業からの資金支援を受けた。今回はさらに、国産初のジェット旅客機MRJの生産ラインの人員2割の配置転換と、1次下請けとして生産を引き受けるボーイング社のラインでも3割の配置転換が発表された。

 ◇航空機の選択は航空会社の重要な経営課題

 深刻なのは、国産ジェット旅客機として期待されるMRJである。今年1月23日には、5度目の納入延期が発表された。当初予定からは、実に7年遅れとなる。

 2月16日午前中には全日空が突然、午後に記者会見を開き「重要な経営課題」を発表するというニュースが流れた。「社長交代」の発表だったのだが、全日空がMRJの発注を見直すのではないかといった臆測が駆け巡り、一時、全日空の株価は7%も下落した。

 こうした懸念が生まれたのには理由がある。航空会社の次期主力航空機の選択は、大きな経営課題だ。大型旅客機の操縦や整備は、形式ごとにパイロットや整備スタッフが認証を受ける必要がある。自動車の運転免許を持っていれば、日産であれトヨタであれどんな車も運転できるが、航空機の場合はそうはいかない。パイロットがボーイング777の操縦免許を持っていても、同じボーイング社の787の操縦はできないのだ。

 航空会社は、ある形式の航空機の導入を決めた段階で、導入時期に合わせてパイロットや整備スタッフの養成を行う。導入が遅れれば、その期間に使用する航空機をどこかから手当てしなければならない。自動車やバス・トラックのように、適当に代車を探してきて当座をしのぐわけにはいかないのである。

 ◇契約航空会社から違約金を求められる可能性も

 もともとMRJは13年に初号機を全日空に納入予定だったが、延期を繰り返してきた。現在の予定は20年である。延期の要因は機器配置の大幅な設計変更だが、その影響で米国での試験飛行や、型式証明を得る計画が厳しくなっている。さらなる延期も懸念される。

 全日空は4月、18年にボーイング737-800をリース調達すると発表した。737はMRJよりも座席数が多いため供給過剰になる可能性があり、全日空の経営への影響も懸念されている。納入延期は、航空会社に大きな負担を強いることになるのだ。

 MRJも、納期遅れによる契約破棄や違約金の請求などを受ける可能性もある。現在の契約数は、447機と発表されている。そのうち全日空が25機、日本航空が32機である。何度も延期が繰り返されて大きな負担がかかれば、全日空や日本航空といえども株主の手前、対応を考えざるを得なくなるのではないか。2月に起きた全日空の一件も、ある意味当然である。

 ただMRJの契約先の大半は、米国の国内線中心の航空会社である。200機を契約するスカイウェスト航空は、昨年夏にカナダのボンバルディア社と航空機整備で10年間の延長契約をしたと報じられた。MRJとの契約のうち100機は一方的に破棄できるオプション契約だ。予定通り納入されないと見込んでいるのだろう。

 MRJの採算ラインは販売数1000機と言われる。契約数は半分にも達していない。さらに納入時期が遅れれば、契約する航空会社から違約金の支払い請求を受ける可能性もある。三菱グループは、航空機部門だけではなく、造船部門でも不振が続き、余剰人員の対応に苦しんでいる。これ以上資金を投入する事業なのかどうか、疑問を持たれても仕方ないだろう。

 ◇日本に「航空機産業集積」を作り出せるか

 国産ジェット旅客機は、「悲願」「夢」ともてはやされることが多かった。しかし、実際に航空機産業に携わる製造業経営者たちに話を聞くと、当初から採算性に疑念を持つ人が多かった。全国各地に「航空機産業集積」を創出するという政府の考えと、現場の経営者との温度差はもともと大きかったのだ。

 ある製造業経営者は、「(戦後初の国産旅客機)YS11へのノスタルジーが強すぎる。他国との競合が激しいジェット旅客機にこだわりすぎではないか」と言う。MRJの開発は政府の支援もあり、開発費を国が補助して始まった経緯がある。

 ある技術系研究者は、「今さら後には引けないのもわからなくはないが、従来型ジェット旅客機へのこだわりが、若い技術者から新しい乗り物や技術のアイデアを奪ったり、発想を萎縮させたりしているのではないか」と指摘する。

 「完成機にこだわる必要はない。これまで培った技術とノウハウで、ボーイング社やエアバス社などに部品や機器類を提供する方が現実的な選択肢ではないか」と言う中堅企業経営者もいる。この経営者は、航空機の製造組み立ては多数の熟練工が必要で人件費が高く、若年労働者が不足する日本では競争上不利だと指摘する。より高度な技術や製造ノウハウが求められる部品や機器類を海外に売り込む戦略が現実的だと考えているのだ。

 一方、ある行政関係者は「MRJが暗礁に乗り上げたり、赤字のしわ寄せが各メーカーや航空会社に及んだりして、せっかく育ってきた航空機産業に悪影響が出るのは避けたい」と言う。「正直、三菱航空機がなんとか頑張ってMRJを完成させ、販売できるよう祈るような気持ちだ」と別の行政関係者は語る。

 ◇国産ジェット旅客機に夢とロマンを感じる人も多いが……

 東芝、三菱重工と製造大手企業がいずれも経営不振にあえいでいる。理由の一つは、過去の栄光にこだわりすぎ、将来的に収益性が見込めない事業に固執してきたことにある。いわゆる「サンクコスト」(埋没費用)の呪縛で、各社の経営陣が勇気ある撤退を選択できなかったからだ。

 国産ジェット旅客機に夢とロマンを感じる人も多い。民間企業の三菱重工業が三菱航空機の経営戦略をどう見通し、実行していくかも注目されるが、今後日本の産業政策として、政府などの狙い通りにMRJを中心とした裾野が広げられるかどうかが問われていくだろう。


三菱重工業、売上高5兆円目標を2年先送りの意図
ニュースイッチ 5/10(水) 11:40配信

MRJ、「全社の今後を左右する重要な事業」(宮永社長)
 三菱重工業の宮永俊一社長は9日に2020年3月期の売上高を、18年3月期見込み比2割増となる5兆円にする計画を明らかにした。今期を最終年度とする中期経営計画で達成する目標だったが、2年先送りする。

 火力発電事業を担う三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の事業拡大やアフターサービスの伸長などを成長のけん引役に位置付ける。宮永社長は「組織・制度の補強をさらに進め、長期的な成長ステージに(軸足を)移す」と強調した。

 MHPSの火力発電向けガスタービンなどを抱えるエネルギー・環境ドメインは、総売上高の約4割を占める稼ぎ頭。現在は、大型案件の受注に期ズレが発生するなど苦戦が続くが、19年度以降の回復を予想する。自動車用過給器やフォークリフトが堅調に推移することも増収要素となる。

 一方、宮永社長は「5兆円をより確実とするにはM&A(合併・買収)も必要」と判断。自律成長と外部資源活用の両輪で成長軌道を描く考えだ。

<解説>
 三菱重工の構造改革の進捗と収益環境は依然楽観視できない状況が続く。「5兆円」の目標2年先延ばしは、就任丸4年を迎えた宮永社長があと2年続投するというメッセージとも受けとれる。特に「MRJ」のプロジェクト管理を徹底し、事業を早期に軌道に乗せる考えだろう。

造船・重機5社、構造改革から反転攻勢をかけれるか
 造船・重機5社の2018年3月期連結決算業績予想が9日出そろい、全社が営業増益を見込む。三菱重工業は火力発電設備事業で収益が一部回復するほか、商船や開発中の小型旅客機「MRJ」などで損失幅の改善を見通す。IHIは海洋構造物やプロセスプラントといった不採算案件の影響が大幅に解消する。大型案件の採算悪化に苦しんだ各社は、組織再編などの構造改革を推進。再び成長軌道に乗せられるか。今期はその分水嶺となりそうだ。

 三菱重工は18年3月期の営業利益を、前期比52・8%増の2300億円に設定した。米ボーイングの大型機減産の影響を受ける航空機の機体部品事業やMRJについて、宮永俊一社長は「全社の今後を左右する重要な事業」と認識。生産性向上やエンジニアの技術力向上などで、早期の収益改善につなげる。

 IHIは前期に営業赤字となった資源・エネルギー・環境と社会基盤・海洋の2セグメントで黒字化を予想する。

 満岡次郎社長は「18年度目標の営業利益率7%は捨てておらず、達成に必要な施策を展開する」と強調。リスクマネジメントを強化し、大型案件の遂行体制を強化する。

 住友重機械工業は低迷していた建設機械事業の回復などを受け、営業利益は前期比5・3%増の510億円を想定。「売上高のアップ分と、各製品群の利益率向上に注力する」(鈴木英夫常務執行役員)ことで目標達成につなげる。

 川崎重工業や三井造船の営業利益は、前期比で2ケタ増を予想する。川重は前期に多額の損失を計上した、船舶海洋部門の回復が大きく貢献する。また、三井造船は海洋開発向けチャーター(傭船)サービスなどが追い風となる。


三菱重工、17年3月期純利益37.4%増 宮永社長「完成機メーカー並みの企画力必要」
Aviation Wire 5/10(水) 9:36配信

 三菱重工業(7011)が5月9日に発表した2017年3月期通期の連結決算は、純利益が前期(16年3月期)比37.4%増の877億2000万円だった。売上高は3兆9140億1800万円(前期比3.3%減)、営業利益は1505億4300万円(51.4%減)、経常利益は1242億9300万円(54.4%減)となった。2018年3月期通期の純利益は、2017年3月期比14.0増の1000億円を見込む。

 航空関連では、ボーイング777型機の減産により生産に余裕が生じている中で、社員のスキル向上や設備刷新を進め、完成機メーカー並みの企画力を持つ組織作りを目指す。

◆航空と防衛宇宙

 セグメント別のうち航空関連を含む交通・輸送は、受注高が4151億円(前期比1919億円減)、売上高が5153億円(331億円減)、営業損益は519億円の赤字(前期は545億円の黒字)だった。

 売上高は民間機の減産などにより、前期を下回った。営業利益は民間機を中心とした円高影響や777の減産、コストダウンの計画未達、子会社の三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の開発費増加などが、減益要因となった。

 三菱重工ではボーイング787型機の複合材主翼を製造するほか、777の後部胴体などを担当。777の後継となる777Xでは、後部と尾部胴体の開発・製造を担う。このほか、英ロールス・ロイス製エンジンの燃焼器モジュールや、低圧タービンブレードなどを手掛けている。

 777関連の製造など「Tier1事業」(1次請け)については、減産が当面続くとして、生産ラインの大幅改善などを推進していく。777の2016年の引き渡しは99機(前年は98機)と前年並みだったが、純受注は17機(同58機)と大幅に減少している。

 三菱重工の小口正範常務は、5月9日に都内で開いた決算説明会で、同社全体の受注高と売上高の動きについて、「長納期の売上が増えてきたことで、受注と売上が2年程度ずれている。2016年度は、ある種の踊り場的な状況が起きていた」と分析した。

 宮永俊一社長は、「Tier1事業は明らかに量が減っている。787の主翼はコンスタントだが、777が減っている。(航空会社が導入する)機体の小型化と、777Xが出るまでの谷間」と減収要因を説明した。

 MRJは、全日本空輸(ANA/NH)への量産初号機の引き渡し時期について、5度目の延期を1月23日に発表。2年延期し、2020年半ばとなった。MRJの開発遅延に関する対策は、2018年度上期を目途に推進していく。

 Tier1事業の不振やMRJの量産開始の遅れにより、名古屋地区では中期の低操業対策を打つ。約6600人のうち、すでに約700人を社内の他部署や社外へ派遣しており、時期を見て元の職場へ戻す。同時に、社員のスキル向上につながる教育や、設備の刷新や工場再編を進めていく。

 宮永社長は、Tier1事業とMRJについて「ある意味で会社の今後を左右するもの。うまくいけば、しっかりしたものになる」と語った。「Tier1事業はそのまま続くとは思っていない。レベルを上げていかなければならず、完成機メーカー並みの企画力が必要」と、今後競合との競争に打ち勝つ上で、ボーイングなど完成機メーカーと肩を並べられるレベルの企画力が不可欠だとの認識を示した。

 設備の自動化など刷新については、「今後はリベット打ちの技術よりも、その設備をメンテナンスする能力が求められる」(宮永社長)と、自動化した生産ラインを維持していく能力の必要性を語った。

 また、MRJを開発する三菱航空機の人員については、現在の約2850人を2018年4月には20%削減する。現在は機体の安全性を証明する国の型式証明(TC)取得が課題だが、開発の進捗を見て、TC関連の外国人専門家などの人数を減らしていく。

 防衛・宇宙は、受注高が7021億円(前期比2544億円増)、売上高が4706億円(144億円減)、営業利益が279億円(21億円増)となった。売上高は、宇宙機器が増えて飛昇体が減少。営業益は、増収に伴い増益となった。

◆18年3月期通期予想

 2018年3月期の通期業績見通しは、売上高が4兆1500億円(17年3月期比6.0%増)、営業利益は2300億円(52.8%増)、経常利益は2100億円(69.0%増)、純利益は1000億円(14.0%増)と、増収増益を予測している。

 受注高については、Tier1事業の不振などの要因により、従来計画の5兆5000億円を4兆5000億円に引き下げた。売上高についても、計画では5兆円だったが4兆1500億円に見直した。

 セグメント別見通しのうち、航空・防衛・宇宙は、売上高が6500億円(17年3月期比534億円減)、営業利益は100億円(91億円増)を見込む。Tier1対策やMRJの損失幅が、一部改善するとの見方を示した。


MRJ、最終組立工場の最新状況を公開 MRJ70初号機も
sorae.jp 5/1(月) 15:15配信

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MRJ、最終組み立て工場の最新状況を公開 MRJ70初号機も

三菱航空機は「MRJ Newsletter 第24号」にて、国産ジェット機「MRJ」の最終組立工場の最新状況を公開しました。
 
組立工場では現在4機の製造が進められていて、そのうち88座席を備える「MRJ90」では型式証明に必要な機能試験が進められています。写真のMRJ90はローンチカスタマーのANA(全日本空輸)のカラーリングが施されていますね。

その他にも、76席バージョンとなる「MRJ70」初号機の胴体組立の模様も公開されました。
 
現在アメリカにて初号機から4号機までの飛行試験が行われているMRJですが、その納入時期は2020年半ばにまで延期されています。一方、4月26日には全40種類のLINEスタンプの販売も始まっています。


MRJ、パリ航空ショーで地上展示へ
Aviation Wire 4/27(木) 10:00配信

 三菱航空機の水谷久和社長は4月26日、6月に開かれる世界最大規模の航空ショー「パリ航空ショー」にMRJを出展した場合、機体を地上展示する方針を明らかにした。

【記事の写真を見る】

◆飛行展示なし

 MRJの飛行試験機は現在5機あり、初号機(登録番号JA21MJ)から4号機(JA24MJ)までを米国の開発拠点である米国モーゼスレイクのグラントカウンティ国際空港へフェリー(空輸)した。

 水谷社長は、「パリ航空ショーへ機体を持って行く方向で準備しようとなった。どの機体にするかは、ギリギリのタイミングで判断することになる」と述べ、「パリでは地上展示することになる」として、飛行展示(デモフライト)は行わず、地上展示にとどめる考えを示した。

 Aviation Wireの取材では、飛行試験3号機をローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーリングに塗り直し、パリへ持ち込む見通し。現在ANA塗装が施されている飛行試験5号機(JA25MJ)は、設計変更を機体に反映する機能試験(地上試験)を最終組立工場で実施し、当面は飛行試験に投入しない(関連記事)。

 MRJは、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種で構成。エンジンはいずれも低燃費や低騒音を特長とする、米プラット・アンド・ホイットニー製のギヤード・ターボファン・エンジン(GTFエンジン)「PurePower PW1200G」を採用する。

 三菱航空機の親会社である三菱重工業(7011)は1月23日、MRJの量産初号機の納入時期について、5度目の延期となる2020年半ばにすると発表。納入の半年前にあたる、2020年初頭までに、機体の安全性を国が証明する型式証明(TC)の取得を目指す。

 MRJ最大のライバルである、ブラジルのエンブラエルが開発中の「E2」シリーズは、最初の機体となるE190-E2が、2016年2月25日にロールアウト。予定を前倒しして、3カ月後の同年5月23日に初飛行に成功し、7月11日からロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーに飛行試験初号機(登録番号PR-ZEY)を持ち込んだ。E190-E2も飛行展示は行わず、地上展示のみだった。

 水谷社長は今後のスケジュールについて、「見直したスケジュールを死守する。秋頃にはベースとなるものを固める」として、今秋が開発を進めていく上での山場になるとの考えを示した。

◆7号機以降をモーゼスレイクへ

 MRJのチーフエンジニアである三菱航空機の岸信夫副社長は、飛行試験の進捗状況について、「4月21日の時点で飛行回数239回、660時間以上実施した」と説明。モーゼスレイクでは試験機を1日3回飛ばし、1回の飛行試験は2時間程度だという。

 「モーゼスレイクでは雪が20年ぶりに降ったが、天候は回復している」(岸副社長)として、2020年初頭までの型式証明(TC)の取得を目指して飛行試験を続ける。

 飛行試験と平行し、米フロリダ州エグリン空軍基地のマッキンリー極限気候研究所で、極寒から酷暑まで厳しい気象を再現した試験を2月28日から3月17日まで実施。極限状態でも機器が正常に作動するかを確認した。また、滑走路で雪氷試験を実施し、雪や氷が主脚に当たってもブレーキが効くかなどを検証したという。

 また、岸副社長は設計体制についても説明。ボーイングやエアバスなど海外の機体メーカーで機体開発に携わった外国人エキスパート約300人が、部長級などのポストで設計に携わる。設計や型式証明といった技術系だけではなく、機体納入後に重要となるカスタマーサポートや、調達部門にも外国人エキスパートを配した。

 現在、最終組立工場では6号機と7号機、MRJ70の飛行試験初号機となる8号機の作業が進んでいる。6号機と7号機は胴体と主翼の結合まで終わり、水平尾翼や垂直尾翼が取り付けられる前の状態で、MRJ70の飛行試験初号機は胴体の結合のみ終えている。

 6号機は地上での構造試験に転用するため、飛行しない。7号機は設計変更を反映した状態で飛行する計画で、量産機として航空会社へ引き渡すかは現時点で未定となっている。

 設計変更を反映後の飛行試験は、7号機以降の機体をモーゼスレイクへ持ち込んで実施する。岸副社長は「何号機で実施するかは、これから検討する」と語った。


三菱航空機、MRJの最終組立工場公開 MRJ70初号機も
Aviation Wire 4/27(木) 8:46配信

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最終組立工場で作業が進むMRJ90の6号機(右)と7号機(三菱航空機提供)

 三菱航空機と三菱重工業(7011)は4月26日、リージョナルジェット機「MRJ」の最終組立工場の報道関係者向け見学会を開いた。

【MRJ70の飛行試験初号機】

 最終組立工場は、県営名古屋空港(小牧)に隣接し、2016年3月1日に建屋が竣工。愛知県の飛島工場で製造する胴体や主翼、三重県の松坂工場が手掛ける垂直尾翼や水平尾翼などを結合し、機体として完成させる。生産レートは月産10機に対応している。

 工場内は、胴体や翼を結合する「構造ライン」と、全体の艤装(ぎそう)や機能試験を行う「艤装(ぎそう)ライン」から成る。構造ラインで完成した機体は一度工場の外に出て、艤装ラインに入る。各ライン6機ずつ、計12機分の作業が同時に進められる。

 MRJは、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種で構成。エンジンはいずれも低燃費や低騒音を特長とする、米プラット・アンド・ホイットニー製のギヤード・ターボファン・エンジン(GTFエンジン)「PurePower PW1200G」を採用する。

 26日は、構造ラインにMRJの6号機と7号機、MRJ70の飛行試験初号機となる8号機が、艤装ラインにはローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーリングが施された飛行試験5号機(登録番号JA25MJ)が置かれていた。

 6号機と7号機は胴体と主翼の結合まで終わり、水平尾翼や垂直尾翼が取り付けられる前の状態で、MRJ70の飛行試験初号機は胴体の結合のみ終えた状態だった。

 ANA塗装の飛行試験5号機は、設計変更が進んでいることから、機器配置の見直しなどに使う。このため当面は飛行試験に投入せず、最終組立工場内で作業を進めていく。

 6号機は構造試験に転用するため、飛行はしない。7号機は設計変更を反映した状態で飛行する計画で、量産機として航空会社へ引き渡すかは現時点で未定となっている。

 また、最終組立工場の向かいには、道路を挟んで塗装工場を建設。3月に建屋が完成した。量産機は最終組立工場を出ると、塗装工場で各航空会社のカラーリングが施される。26日はANA塗装の飛行試験5号機が置かれていたが、量産が始まるとカラーリングが施された機体が最終組立工場で見られることはない。

 MRJの最終組立工場は、ボーイングやエアバスの工場と同様、一般の来場者が見学できるようにする。26日の会見で、MRJのチーフエンジニアである三菱航空機の岸信夫副社長は、「秋口には一般公開したい」と語った。

 三菱航空機の親会社である三菱重工業(7011)は1月23日、MRJの量産初号機の納入時期について、5度目の延期となる2020年半ばにすると発表。納入の半年前にあたる、2020年初頭までに、機体の安全性を国が証明する型式証明(TC)の取得を目指す。


MRJ初号機の納期死守が「重要な使命」=水谷・三菱航空機社長
ロイター 4/20(木) 12:15配信

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 4月20日、三菱重工業子会社で「三菱リージョナルジェット(MRJ)」を開発している三菱航空機の水谷久和社長はロイターの取材に対し、2020年半ばまでに量産初号機を顧客に納入するという開発スケジュールを「いかに実現させるかが重要なミッション(使命)」と述べ、納期を「きっちり守る」体制固めに尽力するとの意向を示した。写真は都内で昨年10月に行われた航空ショーで撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 20日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>子会社で「三菱リージョナルジェット(MRJ)」を開発している三菱航空機の水谷久和社長はロイターの取材に対し、2020年半ばまでに量産初号機を顧客に納入するという開発スケジュールを「いかに実現させるかが重要なミッション(使命)」と述べ、納期を「きっちり守る」体制固めに尽力するとの意向を示した。

水谷氏は三菱重工の常務執行役員から三菱航空機社長に4月1日付で就任したばかり。三菱重工では防衛・宇宙事業を率いていた。MRJは約半世紀ぶりとなる国産ジェット旅客機で、知見が少ないことから開発作業は難航。1月には量産初号機納入の5度目となる延期を余儀なくされ、体制立て直しに向け、水谷氏に白羽の矢が立った。

水谷社長は、1月の納入延期の発表以降、作業は「スケジュールに沿った進捗をしていると思う」と話し、外国人技術者を積極的に活用する体制が「うまく回り始めている」と話した。三菱航空機は、遅れの理由となっている知見不足を補うため、民間機製造の経験が豊かな外国人技術者の雇用を増やしており、現在は日米両拠点で300人規模の外国人技術者が従事している。

営業部隊は1月の延期発表後も「これまでのお客様とのコンタクトを取り、個別の対応をさせてもらっている」とし、現時点では受注のキャンセルは「出ていない」とした。一方、新規の受注までには至っていないが、「新しい引き合い、話もそれなりに来ている」という。

ただ、「今回のスケジュールの見直しは(受注に)影響していると思う」とも語り、これまでとは「話の進み方や煮詰まり方はおのずと違う部分が出てくる」と述べた。その上で、顧客側が納入したい時期の1―2年前くらいのタイミングなど「比較的(納入の)直近で具体的な話を進められることが多いようだ」とし、情報交換は密にしながらも商談のペースが緩やかであることを示唆した。

現時点で正式契約に至った累計受注数は427機(このうち確定は233機)となっている。

(白木真紀)


MRJ、パリ航空ショー出展検討 水谷社長「試験最優先」
Aviation Wire 4/20(木) 9:17配信

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三菱航空機の水谷社長=17年4月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 リージョナルジェット機「MRJ」を開発する三菱航空機の新社長に、4月1日付で三菱重工業(7011)防衛・宇宙ドメイン長の水谷久和常務が就任した。水谷新社長は、6月19日から開催されるパリ航空ショーへの実機出展について、検討していることを明らかにした。

【パリ航空ショー出展を目指すMRJ】

◆パリ出展機材「試験最優先」

 水谷社長は、個人的には持っていきたいとしつつ、「まだ何も決まっていないが、持っていく方向で議論を進めている」と述べた。客室の公開やデモ飛行など、パリでの展示方法は「もう少し時間をいただきたい」と、明言を避けた。

 現在、MRJの飛行試験機は米国に4機、日本に1機ある。出展機材は米国から持ち込む計画で、どの機材になるかは「試験最優先」(水谷社長)とし、未定だという。「(米国での)飛行試験の進捗を見ながら。ぎりぎりのタイミングでの最終判断になる」と述べるに留め、早期に決断したいとした。

 本紙既報の通り、パリ郊外のル・ブルジェ空港で開かれるパリ航空ショーには、3号機(登録番号JA23MJ)を持ち込むと見られる。3号機の胴体には黒いラインがデザインされているが、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)の塗装に、米国で塗り直しを計画。客室の内装を変更して航空会社やリース会社など、関係者向けに公開する。

 三菱航空機は例年、客室を模したモックアップを会場に展示し、売り込みを図ってきた。

◆三菱重工、航空機は「防衛」が基本

 MRJは2008年3月27日、ANAがローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を三菱重工に発注し、事業化が決定。開発に手間取り、当初2013年だった納期は5度目の延期により、2020年半ばを計画している。

 水谷社長は度重なる納期延期について、「三菱重工にとって、航空機は『防衛』の考え方が基本」とし、「開発作業の節目では、万全に万全を重ねた進め方がベースになっている」と説明。三菱重工も参画した日本航空機製造YS-11型機など、民間機の製造経験から時間が経過してしていることも延期につながった、とする見方を示した。

 三菱重工は2016年11月、MRJの事業推進に向けて社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置。三菱重工の宮永俊一社長兼CEO(最高経営責任者)を委員長とし、外国人専門家の活用を拡大し、スケジュールの見直しを進めている。また、一部装備品の配置などを変更し、電気配線全体を最新の安全性適合基準を満たす設計に変更する。

 水谷社長は、2017年秋ごろをめどに設計を固めると述べた。「社としても『絶対に守ろう』という認識を持って、各セクションで進めている」と語り、「必ず成し遂げたい」と気を引き締めた。

◆MRJ勝算「スケジュール守れば優位性保てる」

 MRJのライバルとなる、ブラジルのエンブラエルが製造する次世代リージョナルジェット機「E190-E2」は、2016年5月に初飛行。当初、同年下半期に実施予定だったが、前倒しした。

 E190-E2は、2016年7月に英ロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーに出展。実機を展示し、機内はモックアップで紹介した。水谷社長はMRJ事業の勝算について、「見直したスケジュールをきちっと守れば、優位性を保てると思っている」と語った。

 MRJの開発メンバーには、多くの外国人を抱えている。日米の両拠点で300人から400人近くいる。外国人が多い現場について、水谷社長は「人事評価システムが日米で異なり、現在はうまく機能していない」と明らかにし、エンジニアなどの成果物への評価を、外国人上司が評価するシステム導入を検討する必要があると述べた。


MRJ、パリ航空ショー展示検討 実機で巻き返し、新規受注の獲得狙う
SankeiBiz 4/20(木) 8:15配信

 三菱航空機(愛知県豊山町)は19日、開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」について、6月に開催される「パリ国際航空ショー」で実機を展示する方向で検討していることを明らかにした。実機の展示会への出展は初めて。MRJは1月に5度目の納入延期を発表したばかりだが、世界屈指の航空見本市で存在をアピールし、巻き返しを図る。

 MRJは現在、5機の試験機が完成済み。このうち4機は米国に送られ、安全性を認める「型式証明」の取得に必要な試験飛行に使われている。実機を展示する場合、4機のいずれかになる見通しだ。

 パリ国際航空ショーは、隔年で開催される。米ボーイングをはじめとする航空機メーカーが、デモ飛行などで製品をアピールし、大型の商談がまとまることも少なくない。実機があれば、顧客の航空会社やリース会社に対するアピール度合いが大幅に高まりそうだ。

 一方、5度目の延期理由となった設計の見直しに伴い、試験飛行の時間は2500時間から約3000時間に延びる見通し。このため、試験機を2機追加することも検討している。

 MRJをめぐっては、1月下旬に5度目の納入延期を発表、初号機の引き渡し時期は2020年半ばに2年ずれ込んだ。すでに400機超を受注しているが、約半分をオプション契約が占め、最終確定していない。

 初号機を発注したANAホールディングスが、代替機としてボーイングの「B737-800」を4機リース調達することを決めるなど、顧客側では計画修正の動きも出ている。

 三菱航空機は今後、親会社である三菱重工業との連携を深めながら型式証明の取得を急ぐ一方、新規受注の獲得に全力を挙げる方針だ。


「MRJ」パリ航空ショーで初の実機展示
ニュースイッチ 4/20(木) 7:13配信

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会見する水谷三菱航空機社長

量産計画「17年の時点では見えず、まだ時間がかかる」(三菱航空機社長)
 三菱航空機(愛知県豊山町、水谷久和社長)の水谷社長は4月1日付の就任後初めて報道各社の取材に応じ、開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の試験機を6月にフランスで開かれる世界最大級の航空宇宙産業展「パリ国際航空ショー」に出展する考えを明らかにした。MRJの実機展示は初となる。

 5度目の納入延期など開発に苦戦する中、「見直したスケジュールを守る」と量産初号機の2020年半ばの納入への決意も示した。

 パリ国際航空ショーなどではこれまで客室模型を展示していた。水谷社長は米国で実施中の飛行試験の進捗(しんちょく)次第としながらも、「持ち込む方向で議論している」と実機の出展に意欲を示した。

 納入延期が度重なるMRJの開発は、三菱重工業本社が直轄する体制に移行。重要事項は宮永俊一三菱重工社長が判断し、水谷社長は「三菱航空機のガバナンスが逸脱していないか見守る」のが自身の役割とした。

 今後の開発計画については秋までとする設計見直しを「必ず成し遂げる」と強調。増員した外国人技術者の知見を生かしているとして「当面の開発はうまくいく」と手応えを表明した。

 量産計画については「17年の時点では見えず、まだ時間がかかる」とした。サプライヤーに対して開発遅れで迷惑をかけたとした上で「各社と個別に話して理解してもらう」と述べた。

<「キャンセルの話が目の前にあるということはない」>

 三菱航空機は19日、開発中の国産小型旅客機「MRJ」について、1月に5度目の納期延期を表明して以降、受注キャンセルは発生していないことをあらためて示した。MRJの受注総数は400機(オプション含む)に上るが、都内で開いた説明会で「キャンセルの話が目の前にあるということはない」(三菱航空機)とした。

 ただ、ローンチカスタマー(初号機を受領する顧客)のANAホールディングスは、MRJの一部代替として米ボーイングの機体を代替調達する方針。他の航空会社も発注計画を変更する可能性もあり、三菱航空機は最大需要地の米国などで顧客のつなぎ留めが必要となりそうだ。


三菱航空機社長:東京五輪聖火をMRJで、開発期限の厳守全力
Bloomberg 4/20(木) 6:00配信

三菱重工業傘下の三菱航空機は開発中の国産初のジェット旅客機、三菱リージョナルジェット(MRJ)のANAホールディングスへの初号機納入を、同社による2020年の東京五輪の聖火輸送に間に合わせることを目指している。4月1日付で三菱航空機の社長に就任した水谷久和社長がブルームバーグのインタビューで話した。

水谷氏は「きちんとした機体を渡せる状態にするため社内的には19年末の完成を目標とし、そこから逆算して現在の設計作業を進めている」と話した。ANAHDの前身である全日空は1964年、開発の遅れでギリギリに納入された国産初の旅客機YS-11で東京五輪の聖火輸送を行っており、次の大会での聖火輸送にMRJを使う場合には同様の綱渡りを迫られる可能性が出てきた。

ANAHD広報担当の吉岡航氏によると、同社は今回の大会のオフィシャルパートナーとして最大限の協力をしたい考え。MRJによる聖火の輸送については「物理的にできる環境になればぜひとも前向きに検討したいが、現時点で決まっているものは何もない」と話した。

MRJの開発は難航している。三菱重は今年1月、設計変更を理由に5回目となる納入延期を発表。ANAHDへの初号機の納入は当初の18年半ばから20年半ばに延期されている。最初の納入先で共同開発者でもあるANAHDは25機の購入を契約している。ANAHDはMRJの代替機として米ボーイングの「737-800」を4機リースで調達し、18年度から国内地方都市間の路線で活用する方針を表明している。

採算性は悪化

水谷氏は「新しいスケジュールをANAにきちんと説明し理解を得ている」とした上で「引き続き期待感も大きく表明してもらっている」と述べた。一方で、遅延に伴う損害補償など契約の内容についてはコメントを控えた。MRJの累積受注は現時点では世界で447機。遅延に伴う新たな納入計画は「全顧客に説明し冷静に受け止めてもらっている」と話した。

水谷氏は5月の連休中に米国の開発拠点を訪問する予定で、まずは社内開発体制の足元を固める方針。ワシントン州のモーゼスレイクにある開発センターでは、現在4機の試験機が商用運航に必要な型式証明の取得に向け飛行試験に取り組んでいる。水谷氏は遅延に伴って開発費がふくらみ採算性が悪化するとしたものの、具体的な金額については非公開と述べた。

仏パリ郊外で6月に開催される世界最大級の航空ショーには、MRJの試験機を米国から持ち込んで出展する可能性もあるという。「検討の最終段階だ。米国での試験もあるしメリットとデメリットを勘案して近く答えを出す」と語った。実現すれば航空ショーでの実機展示は初めてとなる。現在開発しているのは約90席クラスで、70席クラスの開発・製造も行う計画。将来的には100席クラスの機種も手掛ける方針。

半分のシェア獲得

三菱航空はこれまで、今後20年間の60ー100席の小型ジェット旅客機の需要が5000機と試算。このうちMRJが該当する70ー90席クラスは約3500機で、その半分のシェア獲得を目標に掲げていた。水谷氏はこれを踏襲したいとし、開発加速と同時に営業活動についても引き続き注力したいとした。具体的な新規受注先については「話はある」と述べるにとどめた。

クレディ・スイス証券の黒田真路シニアアナリストは「再度の設計変更などで開発コストが増加し、黒字化が計画より延びるのは間違いない」と指摘。また3500機の需要予測そのものが「ややアグレッシブ過ぎる印象」だという。その上で「納入が遅れることで競合他社に対する技術の優位性が薄れてしまうことを懸念する」と話した。


<MRJ>20年の納期厳守 社長、就任会見で強調
毎日新聞 4/20(木) 6:00配信

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MRJ=竹地広憲撮影

 三菱航空機の水谷久和社長は19日までに就任の記者会見を行い、開発中の国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、「スケジュールをきちっと守ることが最優先だ」と述べ、今年1月に2年延期を発表した初納入時期(2020年半ば)を厳守する姿勢を示した。

 水谷氏は4月1日付で、親会社の三菱重工業常務執行役員から三菱航空機社長に就任した。内示を受けたのは納入延期の発表直前で、「防衛事業しか経験していなかったので驚いた。期待感の大きさと重さを強く感じた」と振り返った。

 MRJの納期延期は今回で5度目。従来の設計では、テロ対策など最新の安全規制に対応するのは難しいと判断した。水谷社長は「(同社の)航空機開発は防衛省の仕事のやり方が基本になっており、民間機の知見が不足していた」と反省し、設計変更の具体的な内容は「秋ごろをめどに固める。必ず成し遂げる」と述べた。

 納入延期に伴う受注キャンセルは出ていないといい、ライバル社との新型機開発競争では「(燃費性能などで)優位性は保てる」と強調した。6月にパリで開かれる世界最大級の航空見本市、国際航空ショーについて「機体を持って行く方向で議論を重ねている」と説明。MRJの実機展示で世界の航空業界関係者にアピールしたい考えだ。【小倉祥徳】


パリ航空ショー、6月19日開幕 P-1とMRJ出展へ
Aviation Wire 4/19(水) 9:03配信

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15年のパリ航空ショーでデモ飛行を終えて着陸するエアバスのA380=15年6月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 パリで2年に一度開催される世界最大の航空宇宙ショー「パリ航空ショー」が、6月19日から25日までル・ブルジェ空港で開かれる。日本からは三菱航空機のリージョナルジェット機「MRJ」の飛行試験機や、海上自衛隊の哨戒機「P-1」の出展が計画されている。

【ル・ブルジェ空港で開かれるパリ航空ショー】

 今回で52回目となるパリ航空ショーは、1909年にスタート。防衛や航空、宇宙分野を中心とする約2300社が出展し、出展総面積は32万4000平方メートル、企業が重要顧客などをもてなすシャレー(山小屋の意)は330棟、出展航空機は150機にのぼり、会期中の来場者数は業界関係者が15万人、一般は20万人を見込んでいる。

 フランスの大統領や首相をはじめとする、各国政府などの公式視察団は300団体を予定。日本も防衛省が機体を初出展することから、稲田朋美防衛大臣の視察が検討されている。

 日本からは防衛省のほか、三菱航空機や重工各社などが加盟する一般社団法人・日本航空宇宙工業会(SJAC)、東京都、グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ(GNI)、石川県産業創出支援機構などが出展。GIFAS(フランス航空宇宙工業会)のギィ・ボノー日本代表は、「P-1やMRJが出展されるだろう」と、日本からの実機展示に期待を寄せた。

 パリ航空ショーは奇数年開催で、偶数年はロンドン近郊でファンボロー航空ショーが開催され、1年のうち大きな商談は両航空ショーで発表されることが多い。しかし規模で比べると、パリの出展者数はファンボローの1.5倍、来場者数も2倍と、パリが大きく上回っている。

 フランス見本市協会によると、パリ航空ショーはほかの展示会と比べて出展料が安く、顧客満足度が高いという。このため、初出展する東京都も、キャンセル待ちでの出展となった。

 都は都内の中小企業を中心とした企業コミュニティー「TMAN(Tokyo Metropolitan Aviation Network)として出展。複合材や金属加工などを手掛ける中小企業と、海外の航空機関連メーカーとのマッチングを行う。

 GNIは、名古屋を中心に半径約100キロの経済圏「グレーター・ナゴヤ」の域内企業と、航空機関連メーカーとの連携に向けたマッチングを進めていく。

 また、三菱航空機は本紙既報の通り、MRJの飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)にローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施し、パリ航空ショーへ初出展する見通し(関連記事)。

 2015年に開かれた前回、主な日本関係では日本航空(JAL/JL、9201)グループの日本エアコミューター(JAC/JC)が、仏ATRのターボプロップ機ATR42-600型機を8機確定発注し、1機をオプション契約。また、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が国内LCCとして初めてエアバスA320型機を自社購入で3機発注した。


焦点:威信問われる「国策」MRJ、5度納入延期で先行きに暗雲
ロイター 4/18(火) 6:27配信

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 4月17日、初号機の納入が5度延期された国産旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」。2016年10月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 18日 ロイター] - 初号機の納入が5度延期された国産旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」。受注のキャンセルはまだないが、開発費の膨張や遅延に伴う補償負担、さらに営業活動への影響も懸念され、主導する三菱重工業<7011.T>の収益への打撃は必至だ。

政府支援の下、事業自体は長期に継続される見通しだが、日本の航空機産業の復活を託された「国策」プロジェクトとしての威信は大きく揺らいでいる。

MRJの事業化が発表された2008年当時は13年に初号機を納入する計画だった。しかし、4度の延期を経て、今年1月には直近の予定だった18年半ばから20年半ばへ先送りされた。

低燃費の最新鋭機を先行投入するはずが、当初から7年も遅れることで、ブラジルのエンブラエル<EMBR3.SA>や加ボンバルディア<BBDb.TO>といった競合メーカー、国を挙げて航空機開発に取り組む中国やロシアに追いつかれるリスクに直面している。

ただ、顧客からは期待の声もある。米航空機リース会社エアロリースは昨年8月、18年の納入開始予定で20機(確定10機)の購入契約を結んだ。同社パートナーのジェップ・スロントン氏は、MRJの事業を担う三菱航空機(愛知県豊山町)の株主企業を「悪くない顔ぶれだ」とし、納入延期後も契約はそのままだ。

三菱航空機は三菱重工が64%出資し、その他の株主にはトヨタ自動車<7203.T>や三菱商事<8058.T>(各10%)、住友商事<8053.T>や三井物産<8031.T>(各5%)、日本政策投資銀行(1%)などが名を連ねる。

初号機を受け取る予定のANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸は、25機(確定15機)発注したMRJの納期遅れによる機材不足に対応するため、機体の退役時期の延長やボンバルディア<BBDb.TO>製プロペラ機3機を追加購入。5回目の遅れで米ボーイング<BA.N>製737―800機4機のリース導入を余儀なくされた。

それでも全日空の平子裕志社長は、MRJの居住性や燃費性を評価し、「ぜひ入れたい飛行機。少し待つが、期待して首を長くして待っている」と話す。

<国産機復活の悲願>

日本政府の究極的な目標は、第2次世界大戦後に米軍によって解体された日本の航空機産業の復活だ。「YS-11」から約半世紀ぶりとなる国産旅客機を実現し、強固な産業基盤を作り上げるとの悲願がある。

「短期的に儲けることより、長期的に航空機産業が発展してほしい」。MRJを支える政府関係者はこう語る。経済産業省の昨年の資料には、MRJに続き、次世代機、第3世代機の運航を前提にした2060年までの事業戦略図がある。「最初の挑戦は苦労するが、2回目からはずっとやりやすいはずだ」(同政府関係者)。

しかし、政府と業界の期待を一身に背負った国産機MRJが、事業の離陸に手間取っているのはなぜか。

初回の納入延期は主翼材料の変更や顧客の要望による客室拡大など設計の見直しが理由だった。続く4回の延期は、それぞれ詳細が異なるものの、米当局が求める「説明の作法」が壁になった、と関係者は語る。

米連邦航空局(FAA)の基準に則った安全性が保証される型式証明を国から取得するには、完成機の試験や解析だけでは不十分で、最近はその開発プロセスが妥当かを証明する必要がある。だが、MRJはそのプロセスが明文化できていなかった、と三菱航空機の福原裕悟・営業本部営業部長は話す。

例えば、5回目の延期理由の1つとなった電気配線の安全性について、FAAは1996年に起きた米トランスワールド航空機事故や98年のスイス航空機事故の原因とされた不完全な電気配線を防ぐため、2007年に関連する認証基準を強化した。

三菱はその基準厳格化を踏まえ、同年から安全な設計に努めていたが、関係者によれば、その基準に則った共通の設計ルールを持たず、複数の技術者がそれぞれ独自の方法で2万3000本超の電線を配線していた。現在は共通の設計ルールを作り、配線作業をやり直しているために時間がかかっている。

FAAが納得する説明の仕方、文化の違いを理解していなかった――。複数の関係者はこう振り返る。その理解不足を補うため、同社ではボーイング出身など経験豊富な外国人技術者の雇用を増やして対応を急いでいるが、5回目の延期に至ったのも外国人技術者からの指摘がきっかけだった。  <損益分岐点>

MRJの受注数は現在427機で、うち確定分は233機。目標は今後20年で1000機以上。開発費は当初1500億―1800億円程度を想定していたが、4度の延期を経て倍に膨れあがった。5度目の延期を受け、三菱重工の宮永俊一社長は計画に対し「3割くらい増える」可能性を示唆、3500億円程度から大幅に積み上がる見通しだ。

開発費や損益分岐点などは公表していないが、三菱航空機は民間航空機事業は長期にわたる投資と認識し、「長期的な視野をもって開発費用を吸収していく」とコメントしている。

エンブラエル、ボーイング、エアバス<AIR.PA>の民間航空機事業が過去3年間で達成した平均営業利益率は7.84%で、航空機1機あたり利益は約370万ドル(赤字のボンバルディアは除く)。三菱が開発費を回収するには800機以上は売る必要があるとの計算になる。

米ティールグループの航空産業アナリスト、リチャード・アボウラフィア氏は「カタログ価格を30%下げれば1200機は売れるだろうが、それは厳しい」と語り、年30機を25年間、合計約750機が現実的とみている。

世界貿易機関の規則では政府が航空機開発に直接、補助金を拠出することを禁じている。ただ、国際協力銀行など政府系金融機関がMRJを購入する顧客の資金調達をアレンジすることは可能だ。東南アジアには国営航空会社も多く、国が政府開発援助を通じて間接的に売り込みを手助けすることはありえるだろう。

MRJの採算ラインをどうクリアするか。「国策」プロジェクトとしての成功を求められる重圧の中、三菱は政府の後ろ盾に頼る場面が一段と増えそうだ。

(白木真紀、Tim Kelly、Allison Lampert、Brad Haynes 編集:北松克朗)


ボーイングやMRJにも。島津製作所の強みは機械加工と表面処理
ニュースイッチ 4/17(月) 12:10配信

防衛が8割。民間向け開拓へ航空機メーカーとの共同研究も
 島津製作所の航空機器事業では、フライト・コントロール・システムやエア・マネジメント・システム、コックピットのヘッドアップディスプレー(HUD)などの搭載機器を中心に展開している。売上高比率は防衛関連が80%、民間航空機関連が20%となっており民間部門の割合が低い。今後の市場規模、成長性を考えると民間分野の比率を高めることが航空機器事業の成長に欠かせない。

 民間航空機向けは、油圧、電動系のアクチュエーター、これらに関係する機械部品を手がけている。例えば、「ボーイング747―8」の高揚力装置を製造している。これは翼のフラップを動かすアクチュエーターで、翼の形状を変化させて飛行機の着陸時に揚力を増やす役割があり、低速での滑走路への進入が可能になる。同社とは1次請けや2次請けとなるケースがある。

 生産、修理は京都本社・三条工場と米国のシマヅプレシジョンインスツルメンツ(SPI、カリフォルニア州)で行っている。SPIは米ハネウエル向け製品と米ボーイングの一部製品の組み立て、修理、修理部品の販売を行っている。SPIでは部材の表面処理の設備を導入中だ。航空機部品は耐食性を求められ、複数回表面処理が行われる。今後は機械加工と表面処理を手がけて強みを出し民間分野の受注を伸ばす。

 航空機部品は軽さと強度が必要で、薄く、硬く、粘りがある材料を使うため加工も難しくなる。「MRJ」に採用されているラック&ピニオンという部品は、変形を見越し加工する必要があり難易度は高いが、ギアの加工は強みでもある。「生産できるのは、グローバルでも3―4社しかない」(安藤修専務執行役員航空機器事業部長)という。

 航空機メーカーは仕様を出し、設計から外部に任せる部品がある。こうした受注をするためにも航空機部品の設計力を高める必要がある。また部品受注にも設計図面を読む力、工程管理、製造技術が必要になり日常の積み重ねが欠かせない。新たな機種の受注に関わるには「10年以上先の航空機を見越して、航空機メーカーとの共同研究も重要になる」(同)という。

<取材メモ>
 島津製作所の航空機器事業の始まりは1936年(昭11)にさかのぼる。航空機器事業部設立からでも60年の歴史がある。ボーイングには76年に初納入し長い実績もある。航空機器事業の16年3月期の売上高は288億円。同社の航空分野が伸びることで、中小企業が加工の一部を担うなど航空機器分野への参入できる可能性も高まる。国内の航空機器産業の裾野の拡大にもつながる。


ANA、737-800をBOCアビエーションからリース MRJつなぎの一部
Aviation Wire 4/13(木) 11:07配信

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ANAの737-800=14年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、ボーイング737-800型機をBOCアビエーションからリースで調達する。

 BOCアビエーションはシンガポールを拠点とする航空機リース会社で、中国銀行の子会社。ANAHDは、納入が遅れている三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」のつなぎとして、737-800の新造機4機をリース導入する。このうち、2機がBOCアビエーションの機材となり、2018年後半に受領する。

 ANAHDは、グループで地方路線を担う傘下のANAウイングス(AKX/EH)が運航するボーイング737-500型機(1クラス126席)を中心に、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」への置き換えを計画。3月29日現在、ANAHDは737-500を17機保有している。

 MRJの納入遅延を受け、ANAHDは2016年6月に、カナダのボンバルディアが製造するターボプロップ(プロペラ)機のDHC-8-Q400型機(1クラス74席)を、代替機として3機発注済み。1995年3月から導入を始めた737-500の経年化が進んでいることから、737-800をMRJの代替機として導入する。

 ANAは3月29日現在、737-800を36機保有しており、すべて国内線で運航。座席数は2クラス167席(プレミアム8席、普通席159席)となっている。


MRJ、フロリダで極寒・酷暑試験
Aviation Wire 4/10(月) 17:16配信

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酷暑条件でテストに臨むMRJ飛行試験4号機(三菱航空機提供)

 三菱航空機は、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」を、極寒から酷暑まで厳しい気象を再現した試験に投入し、機器が意図どおりに作動することを確認した。

【マイナス40での試験に臨むMRJ】

 試験に投入したのは飛行試験4号機(登録番号JA24MJ)。米フロリダ州エグリン空軍基地のマッキンリー極限気候研究所で、現地時間2月28日から3月17日まで試験した。

 試験ではマイナス40度の極寒と、50度の酷暑を再現し、機体やエンジンなどが動作状況を確認した。

 4号機は2016年9月25日に初飛行。同年11月15日に県営名古屋空港を出発し、現地時間18日に米ワシントン州モーゼスレイクにあるグラント・カウンティ国際空港に到着した。その後、イリノイ州ロックフォードのシカゴ・ロックフォード国際空港で自然着氷試験に臨み、フロリダに移動した。


【スクープ】MRJ、ANA塗装でパリ航空ショー出展へ 3号機塗り替え
Aviation Wire 4/9(日) 13:20配信

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MRJの代替機として737-800(手前)をリース導入するANA。パリ航空ショーへのANA塗装のMRJ持ち込みは実現するだろうか=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱航空機は、6月に開かれるパリ航空ショーへ、全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施したMRJの試験機を出展する方針を固めたことが、Aviation Wireの取材でわかった。

【ANA塗装MRJの写真を見る】

◆3号機もANA塗装、5号機飛ばず

 MRJは2008年3月27日、ANAがローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を三菱重工業(7011)に発注し、事業化が決定。開発に手間取り、当初2013年だった納期は5度目の延期により、2020年半ばを計画している。

 MRJはANAのほか、32機を確定発注した日本航空(JAL/JL、9201)など、7社から計427機を受注。内訳は、確定受注が約半数の233機で、残りはキャンセル可能なオプション契約が170機、購入権契約が24機となっている。

 MRJの飛行試験機は現在5機あり、初号機(登録番号JA21MJ)から4号機(JA24MJ)までを米国の開発拠点である米国モーゼスレイクのグラントカウンティ国際空港へフェリー(空輸)した。

 最後にモーゼスレイク入りしたのは3号機(JA23MJ)で、現地時間3月31日に到着した。経由地のホノルル国際空港を離陸した際、油圧の細い配管が破断したため、ホノルルへ戻って改修作業を実施。約2週間遅れの到着となった。

 開発が遅れるMRJは、2016年11月から三菱航空機の親会社である三菱重工の宮永俊一社長直轄の開発体制に移行。量産初号機納入の半年前にあたる2020年初頭までに、国が機体の安全性を証明する「型式証明」を取得するため、外国人エンジニアからの指摘により一部装備品の配置変更や、これに伴う電気配線の変更が決定。5機ある飛行試験機による試験スケジュールや役割分担、量産体制の見直しを進めている。

 6月19日からパリ郊外のル・ブルジェ空港で開かれるパリ航空ショーには、3号機を持ち込む計画。ローンチカスタマーであるANAの塗装に米国で塗り直し、客室の内装を変更して航空会社やリース会社など、関係者向けに公開する。三菱航空機は例年、客室を模したモックアップを会場に展示し、売り込みを図ってきた。パリ航空ショーは世界最大級の航空ショーで、世界各国から航空関係者や政府要人が集まる。

 一方、ANA塗装が施され、国内での飛行試験に投入する予定だった5号機(JA25MJ)は、飛行しない見通し。設計変更が進んでいることから、機器配置の見直しなどに使う。

 米国での飛行試験の進捗が思わしくない場合は、3号機をパリへ持ち込むことを見合わせるが、納入遅延により悪化したイメージを回復するため、実機によるアピールを実現したい考えだ。

 MRJ最大のライバルである、ブラジルのエンブラエルが開発中の「E2」シリーズは、最初の機体となるE190-E2が、2016年2月25日にロールアウト。予定を前倒しして、3カ月後の同年5月23日に初飛行に成功し、同年7月11日からロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーに飛行試験初号機(登録番号PR-ZEY)を持ち込んでいる。

◆代替機発注するANA、二段階導入のJAL

 ANAグループでは、MRJは地方路線を担うANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のANAウイングス(AKX/EH)が運航する計画。ボーイング737-500型機(1クラス126席)やカナダのボンバルディアが製造するターボプロップ(プロペラ)機のDHC-8-Q400型機(1クラス74席)を、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」へ置き換える計画だ。

 MRJの納入遅延を受け、ANAHDは2016年6月にQ400を代替機として3機発注済み。また、1995年3月から導入を始めた737-500の経年化が進んでいることから、737-800(2クラス167席)も代替機として2018年度から4機をリース導入する(関連記事)。

 一方、ANAより17機多い32機のMRJをすべて確定発注したJALは、2021年の受領開始を予定。傘下のジェイエア(JAR/XM)が運航を予定している。

 ジェイエアが現在ボンバルディアCRJ200型機(1クラス50席)で運航している路線をエンブラエル170(E170)型機(1クラス76席)に、E170の路線をエンブラエル190(E190)型機(2クラス95席)へと大型化、エンブラエル機への統一を進めていく中で、MRJは7年程度かけて投入する、二段階導入を進めている。


ANA、MRJ遅延で737つなぎ導入 リースで4機、旧型機置き換え
Aviation Wire 4/7(金) 11:47配信

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ANAの737-800=16年10月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、納入が遅れている三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」のつなぎとして、ボーイングの小型機737-800型機をリース導入する方針を固めた。4月7日の日本経済新聞が報じたもので、ANAHDは当紙の取材に対し、報道内容を一部認めた。2018年度から導入する。

【退役が進むANAの737-500】

 MRJは2008年3月27日、ANAがローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を三菱重工業(7011)に発注し、事業化が決定。開発に手間取り、当初2013年だった納期は、2014年4-6月期、2015年度の半ば以降、2017年4-6月期、2018年中ごろとずれ込み、今年1月23日に5度目の延期が決まり、2020年半ばを計画している。

 MRJはANAのほか、32機を確定発注した日本航空(JAL/JL、9201)など、7社から計427機を受注。内訳は、確定受注が約半数の233機で、残りはキャンセル可能なオプション契約が170機、購入権契約が24機となっている。

 ANAHDは、グループで地方路線を担う傘下のANAウイングス(AKX/EH)が運航するボーイング737-500型機(1クラス126席)を中心に、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」への置き換えを計画。3月29日現在、ANAHDは737-500を17機保有している。

 MRJの納入遅延を受け、ANAHDは2016年6月に、カナダのボンバルディアが製造するターボプロップ(プロペラ)機のDHC-8-Q400型機(1クラス74席)を、代替機として3機発注済み。1995年3月から導入を始めた737-500の経年化が進んでいることから、737-800をMRJの代替機として導入する。

 今回導入する737-800は、4機ともリース機。ANAは3月29日現在、737-800を36機国内線で運航しており、座席数は2クラス167席(プレミアム8席、普通席159席)となっている。

 ANAHDは、737-800より小型の同世代機737-700も7機保有しているが、国内線の小型機は737-800を主力としていることから、同型機を選定した。

 737-800は世界的に需要があり、737ファミリーでは最多となる5051機を3月末時点で受注。これまでに4390機が航空会社やリース会社へ引き渡されており、リース機材の調達もしやすい。

 ANAHDは「MRJの1日でも早い導入を待っており、納入に向けた最大限のサポートを続けていく」とコメントした。


ANA、B737―800型機4機リースへ 5度目のMRJ納期遅れで
ロイター 4/7(金) 7:09配信

[東京 7日 ロイター] - ANAホールディングス<9202.T>は、三菱重工業<7011.T>子会社が開発する小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の5度目となる納期遅れによる機材繰りへの悪影響を避けるため、米ボーイング<BA.N>の「B737―800」型機4機のリースを受けることを決めた。

2018年8月以降に順次導入する計画だ。

ANA傘下の航空事業会社、全日本空輸の平子裕志社長が6日のロイターとのインタビューで明らかにした。平子社長はMRJの納期遅延に伴い「機材の不足が生じる」と述べ、B737―800型機の導入などにより「手当てをしていく」と語った。

4機のリースはシンガポールのBOCアビエーション<2588.HK>、アイルランドのSMBCアビエーション・キャピタルの航空機リース2社から受ける予定。

三菱重は今年1月にMRJの納入開始を従来の18年半ばから20年半ばに延期すると発表した。最新の安全基準に適合させるため、一部装備品の配置や電気配線の設計を変更するのが理由。MRJの事業化を決めた08年当時は13年の納入開始を予定していたが、その後もたびたび設計の見直しなどが生じ、納期の遅れは5度目となる。

ANAはMRJ初号機を受け取る「ローンチカスタマー」。国内地方路線で活用するため計25機を発注し、この計画を納期遅延後も変更していない。同社はこれまでにも納期遅れによる対応として、すでに活用しているボーイングの小型ジェット機「B737―500」の退役時期延長や加ボンバルディア<BBDb.TO>製プロペラ機「DHC―8―Q400」の3機追加購入といった対策を講じている。

ANAはボーイングの中型機「B787」でもローンチカスタマーで、B787も納入が3―4年ほど遅れたほか、納入後もバッテリーから煙が発生して欠航が相次いだり、エンジンの不具合に見舞われた。

ただ、平子社長は従来とは異なる路線展開が可能になるゲームチェンジャーとも言われ、先進性あるB787を「十分エンジョイできている」と指摘、「導入していなかったら、今のような状態は実現できなかった」と説明。その上で、MRJは居住性、燃費性などに優れた「従来のリージョナルジェットの概念を超えた飛行機」で、「MRJに対しても(B787と)同じような期待を持っている」と語った。

(白木真紀)


MRJ、生産開始した量産機を試験機に転用も
ニュースイッチ 4/5(水) 14:58配信

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MRJの飛行試験初号機

開発中の70席級への対応にらむ
 三菱航空機(愛知県豊山町)の篠原裕一執行役員業務執行責任者は、開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の設計見直しを秋頃に終える考えを示した。2020年半ばへの納入延期の原因となった電子機器の配置と電気配線の変更などの仕様を固める。

 2月に就任した篠原執行役員は三菱重工業のMRJ事業推進委員会の事務局長も務め、三菱重工と一体で開発を進める。量産計画の見直しは、設計見直し終了後に決めるとした上で「月産1、2機で始める」とした。

 量産を始めた数機は「新設計を試験機に反映させる必要がある。試験に転用することも考える」とし、現在5機の飛行試験機を増やす可能性を示唆した。

 90席級に続き開発中の70席級の需要は、米国での航空会社とパイロットの労使協定の緩和交渉次第とし、「緩和されなければ需要が高まる。対応した試験機が必要」と述べた。


「MRJ」や「777」に部品供給、工場で火災
読売新聞 3/14(火) 10:16配信

 13日午前2時15分頃、岐阜県垂井町宮代、機械メーカー「ナブテスコ」岐阜工場の警備員から「工場から黒い煙が出ている」と119番があった。

 不破消防組合の消防車7台が出動し、同5時25分頃に火を消し止めたが、鉄筋コンクリート2階建て工場の1階南東側の約180平方メートルを焼いた。けが人はなかった。

 同社総務部によると、岐阜工場では、航空機制御機器を製造しており、防衛省の航空機や国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の試験機、米ボーイング社の大型機「777」向けに、可動翼部品などを供給している。出火した建物には、防衛省向け部品の製造ラインがあり、「影響は調査中」という。

 県警垂井署の発表によると、工場は11、12日は休日で、出火当時、従業員はいなかった。同署が出火原因を調べている。


MRJ、5回目の納入延期 下請け企業から悲鳴
デイリー新潮 3/13(月) 6:00配信

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次の延期はいつかな(撮影:CHIYODA.I/Wikimedia Commons)

 この飛行機に搭乗できる日はいつになるのか。

 国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の量産計画が、縮小されることになった。これまで、2020年から月に10機という計画が、月1機程度にするというから、大層な見直しである。

 経済部記者の解説。

「もともと三菱は、今年の末から月2機、来年末からは3~4機と、徐々に生産数を上げていく予定になっていました。しかし、1月末、“安全性を高めるため”との理由で、初納入の時期を18年の半ばから、20年の半ばに延期すると発表。これによって量産時期も先送りすることになってしまったのです」

 納入延期は、実はこれで5回目。当初の納入予定年からは7年遅れとなる。

「これ以上の先送りは許されないでしょうね」

 と、航空ジャーナリスト。

「東京五輪のときに、MRJで聖火を運ぶというプランはまだ生きています。MRJを世界にアピールする格好のチャンスを逃すことになってしまいますから」

 度重なる計画変更に悲鳴をあげているのは、部品を請け負う下請け企業だ。

 社員のひとりが言う。

「何回延期されるのかと、ため息が出ますね。うちは量産に向けた設備投資の計画段階だからよかったけど、すでに投資している会社も少なくない。回収の目処がたたないわけですから」

 一方、別の下請け幹部は、

「延期は確かに苦しいけど」

 とした上で、別の悩みを吐露するのだ。

「MRJのような小型旅客機は、今の航空機業界の主流で、各国の航空機メーカーがこぞって作っています。なので部品の需要は高く、海外からの発注は少なくないので、MRJの延期はなんとか耐えられます。むしろその間、トランプ相場で円高に振れてしまう方が会社へのダメージは大きく、気を揉んでいますよ」

 下請けはツライよ――。

「週刊新潮」2017年3月9日号 掲載


<航空機部品生産協同組合>工場の完成式…三重・松阪
毎日新聞 3/9(木) 21:35配信

 航空機部品の中小企業が協力して生産を手がける「航空機部品生産協同組合」(加藤隆司代表理事)の工場完成式が9日、三重県松阪市で開かれた。取引先の米ボーイング社や三菱重工業幹部など約50人が列席して完成を祝った。当面はボーイング機の部品を中心に作り、将来的に国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の部品生産なども担う予定。

 工場はMRJの尾翼を組み立てる三菱重工松阪工場の敷地内にあり、鉄骨3階建てで延べ3万3000平方メートル。岐阜や愛知に本社を構える航空機部品メーカーなど10社が集結する。板金加工や塗装など各社が得意な工程を工場で一貫処理し、検品や物流などの効率化とコストダウンを図る。

 今秋にもボーイング機の胴体や主翼などの中・小型部品の一貫生産を始める見通し。加藤代表理事は「作るのに40~50日かかっている部品も1週間程度で完成できる。世界で一番安く、速く製品が作れる工場にしたい」と意気込みを語った。【竹地広憲】


MRJ、米国で自然着氷試験を実施
ニュースイッチ 3/2(木) 19:30配信

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米モーゼスレイクの試験拠点に並ぶMRJ飛行試験機(三菱航空機提供)

システム改善に生かす
 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)は、開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」試験4号機の自然着氷試験を米国のシカゴ・ロックフォード空港(イリノイ州)で実施した。米国でグラント郡国際空港(ワシントン州)以外で試験を実施したのは初めて。飛行中の着氷状況を確認したほか、機体に熱を加える着氷防止システムが機能したかどうかのデータを取得した。データを分析し、システムの改善に生かす。

 試験4号機は今後、フロリダ州エグリン空軍基地のマッキンリー極限気候研究所で、極寒や酷暑の状況での飛行試験を実施する。


国産ジェット「MRJ」 ロックフォワードで自然着氷試験などを実施
sorae.jp 2/28(火) 14:40配信

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国産ジェット「MRJ」 ロックフォワードで自然着氷試験などを実施

三菱航空機は2月28日、「MRJ Newsletter」の第22号にて現在開発が進められているリージョナルジェット「MRJ」の進捗状況などを公開しました。
 
現在初号機と2号機、4号機が米国ワシントン州のモーゼスレイクに渡って試験を継続しているMRJですが、今回の自然着氷試験が行われたのはイリノイ州ロックフォワードのシカゴ・ロックフォワード国際空港。試験では機体の着氷状況や着氷を防ぐシステムの性能分析が行われました。
 
また今後はフロリダ州エグリン空軍基地のマッキンリー極限気候研究所にて、極寒や酷暑などの条件下のテストが予定されています。

現在MRJの開発では外国人エンジニアが増員され、プロジェクトが進められています。型式証明の取得までは平坦な道のりではありませんが、ぜひとも乗り越えて2020年半ばの納入へとこぎつけてほしいものです。


需要低迷にMRJ延期、航空機サプライヤーが取る対応策とは
ニュースイッチ 2/28(火) 11:50配信

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子会社ピーエヌシーの熱硬化性CFRPを成形するオートクレーブ

東明工業、買収戦略でCFRP加工の事業伸ばす
 東明工業(愛知県知多市、二ノ宮啓社長)は、米ボーイングの航空機や三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の組み立てを担っている。組み立てには多くの人手が必要なため、単体従業員数は約1500人(2017年1月時点)を擁する。

 組み立ての仕事量はボーイングなどの生産ペースに左右される。現在はボーイングの大型機「777」の受注低迷で、同機種の生産ペースが落ちている影響を受けている。MRJは量産初号機の納入時期が18年半ばから20年半ばに延期されたため、量産が進んでいない。

 組み立てへの依存度を減らそうと、以前から炭素繊維強化プラスチック(CFRP)加工に取り組んできた。この事業を伸ばすことで、組み立て事業の売上高比率を下げることを狙う。二ノ宮社長は「組み立ての仕事が減っても、他の事業で売上高、利益を確保する」と意気込む。

 CFRP加工は買収した子会社が展開している。10年にピーエヌシー(長野県松本市)を、11年に茨木工業(大阪府茨木市)を買収した。両社は、複合材を積層して高温高圧で硬化させる装置「オートクレーブ」を持ち、航空機以外の業界からも仕事を獲得してきた。

 ピーエヌシーは川崎重工業のヘリコプター「BK117」の構造部材などを手がける。松本市に新工場を建設中で、6月に稼働する。オートクレーブは現在1基だが、2基増えて3基になる。

 茨木工業はオートクレーブを3基持つほか、熱可塑性CFRPのホットプレス成形も手がける。液晶基板の搬送ロボットのハンド部分や、気象レーダーのドーム部分など、航空機以外の業界からの受注が多い。

 二ノ宮社長はCFRP加工の今後について「航空機の装備品関連を受注したい」としつつ、「航空機にこだわらずに仕事を増やしたい」と目標を挙げる。CFRP加工により、仕事の幅を広げる。

<解説>
 昨年まで続いた「航空機各社、増産投資」というイケイケドンドンの空気はどこへやら・・・。MRJの開発遅れで、量産工程にも影響が及んでいます。三菱重工は一部で「MRJのサプライヤーに他のボーイング機種の仕事を優先的に回す」こともやっているようですが、B777も減産しているため業界全体で仕事量が減る状況にあります。

<企業メモ>
1965年に創業し、航空機の一部を輸送する木箱の製作が祖業だ。現在も製品の検査・梱包(こんぽう)・輸送を手がける事業を持つ。材料疲労試験機などシステム製品事業も手がける。16年には、三菱重工業から船舶の走行中や停泊中の横揺れを軽減する装置の事業を譲り受けた。16年8月期の連結売上高は約150億円。


三菱重工、大幅減益…MRJ開発費増加や民間航空機減産影響 2016年4~12月期決算
レスポンス 2/6(月) 10:31配信

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MRJ飛行試験初号機

三菱重工業が発表した2016年4~12月期の連結決算は、経常利益が前年同期比70.8%減の509億円と大幅減益となった。

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売上高は、その他事業を除く全事業が減収となり、同4.9%減の2兆6942億円と減収だった。交通システムやフォークリフトは増加したものの、防衛・宇宙の飛昇体や民間航空機、製鉄機械などが減収となった。

損益では、商船事業でのコスト悪化やMRJ(三菱リージョナルジェット)の開発費増加、民間航空機の減産や円高が影響、営業利益は同63.1%減の684億円と大幅減益となった。四半期損益は112億円の赤字に転落した。前年同期は553億円の黒字だった。

通期業績見通しは前回予想を据え置いた。

《レスポンス レスポンス編集部》


MRJ、5回目の納入延期 日の丸旅客機復活は2020年
J-CASTニュース 2/5(日) 14:00配信

Mrjhp
三菱航空機のHPより

 三菱重工業は国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の納入時期を従来予定の2018年半ばから2020年半ばへ2年延期すると発表した。安全性を高めるため、これまでの設計を見直すのが理由というが、納期の延期は5回目となる。

 MRJは事業化を決定した2008年当時は納入時期を2013年としており、当初計画から7年以上も遅れることになる。日本にとって、名機「YS-11」以来、約半世紀ぶりの国産旅客機が羽ばたくハードルは高い。

■操縦桿や2万3000本の配線見直し

 関係者によると、三菱重工は昨年秋、初納入先となる全日本空輸に「設計の見直しをするので納期が遅れる」と連絡した。設計の見直しはいろいろあるが、MRJの開発を進める三菱重工子会社の三菱航空機には「これまで、ひとりよがりの設計があった」という。このため、同社が外国人の専門家を招いて見てもらったところ、安全性向上のため設計の変更を求められたという。

 具体的には操縦桿(かん)の動きを伝える「飛行制御システム」など主要部品の配置変更だ。約2万3000本の電気配線の設計も見直しを求められた。飛行機がトラブルや爆弾テロなどに遭った場合を想定し、飛行制御システムを一箇所に集中させず、別系統にリスク分散させなければ、米国など先進国の安全性審査をパスできないという。

 三菱重工の宮永俊一社長は記者会見で「最新の安全規制に適合する飛行機として世界で売っていくためには、あと2年はかかる」と述べ、理解を求めた。これを受け、石井啓一国土交通相は「約半世紀ぶりの国産旅客機の開発には様々な課題があることは理解しているが、三菱重工業には、今回示された見通し内に確実に納入できるよう、しっかりと取り組んでいただきたい」と釘を刺した。

国交省にも安全性証明の責任が
 もっとも、航空機の専門家の間には「旅客機の開発にトラブルはつきもので、当初予定が延びるのは避けられない」との見方がある。航空機のライフタイムは30~40年と長く、「開発段階で初期不具合が発生するのは、ボーイングでも避けられない」という。事実、ボーイングの最新鋭機B787も、エンジンが習熟するまでは狙った燃費を達成できず、バッテリーの過熱など大小のトラブルが発生した。

 国産旅客機の開発は、国際民間航空条約に基づき、設計・製造国として、日本の国交省が「MRJの設計が安全・環境基準に適合する」ことを証明する責任を負っている。三菱重工と同様、国交省にとっても、国産旅客機の安全性審査はYS-11以来、約半世紀ぶりとなる。このため、国交省は「安全性審査に当たり、米国、欧州の航空当局の担当者と密接な連携を行っている」という。

 国交省は「これまでのところ、設計・製造国としての安全性審査は順調に進んでおり、わが国の審査の内容や体制について、欧米当局から特段の問題点の指摘はない」としている。三菱重工が外国人の専門家を招いて設計を見直したことで、「初期トラブルがなくなり、洗練された飛行機になるのではないか」と、関係者の間ではむしろ期待も高まっている。

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